◆2.就業規則・再雇用規程・労使協定の作成◆



新たに継続雇用制度を導入する企業の場合は、就業規則に雇用規定を定めます。すでに再雇用規程がある場合は、規程の再雇用基準を修正します。

60歳以降の賃金を下げるという取扱いを行う場合には、労働条件の不利益変更として扱われないように、就業規則や労働契約書の整備を行う必要があります。
今回は雇用延長制度の導入という前提がありますので、大きな問題を抱えることは少ないと思われますが、制度導入においては会社側から一方的に通達するのではなく、労使で十分に話し合うというプロセスを経ることが求められます。

【フロー】

60歳定年制

手を入れるか?→入れる=「定年の引き上げ」OR「定年制廃止」
↓入れない

「継続雇用制度」を導入する

対象者は?→選定しない=「希望者全員の再雇用」
↓選定する

労使協議は?→合意できた=「労使協定で対象者を選定」
↓不調

適正な基準か?→適正=「就業規則で対象者の選定基準を規定」


【対象者の選定基準の策定】

継続雇用制度の対象となる社員の基準を、労働組合または社員代表と協議します。
対象者の選定に当たっては、労使間で話し合いの場を設け、その企業に最も適した基準を労使納得のうえで、決定することが大切です。

<適正と認められない例>
×会社が特に必要と認めた者に限る←よく誤解されています。×です
×上司の推薦がある者に限る
×定額部分の年金受給資格のあるものに限る
×組合活動に加入していない者←不当労働行為と判断されます。

<適正と認められる例>
○社内技能検定Aレベル以上の者
→公的資格、公的検定で判断
○営業経験が豊富な者(全国の営業所を3箇所以上経験している者)
→注意!2箇所だけの人に、3箇所以上経験させるような努力が求められます。
○過去3年間の勤務評定がB以上の者(勤務評定が開示されている企業)
→注意!Cの人に対し、Bになるような指導が求められます

★適正か否か判断する方法は?
一度選定基準を決めて、過去1年〜2年の間に退職した人にその基準を当てはめてみます。
⇒その基準に合格した人が「ゼロ」ならば、その選定基準は認められません!

【労使協定の作成】

労使協議で決定された基準をもとに労使協定を締結します。労使協定は、労働者の過半数を代表する者と使用者の署名捺印、作成日、有効期間などがあれば、形式は特に決まっていません。

<労使協定とは?>
その事業所に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合は、その労働組合と、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合には、労働者の過半数を代表する者と、事業主との書面による協定のことです。

【労使協議が不調の場合】

労使の協議が不調の場合は、大企業は法施行後3年の間(平成21年3月31日まで)、中小企業(従業員数300人以下)は法施行後5年の間(平成23年3月31日まで)に、就業規則で継続雇用制度の対象者の選考基準を定めることができます。《激変緩和措置》

ただし、就業規則で基準を定めることができるのは、労使協議が不調であることが前提なので、労使協議を省略したり、形式的な労使協議だけで、基準を就業規則で定めることはできません。

<就業規則とは?>
労働者の労働時間・休日・賃金などの労働条件、服務規律(働くために守るべき事項)、退職・解雇に関する事項などを定めた書類で、常時使用する従業員が10人以上いる企業は、法律で作成および労働基準監督署への届出が義務付けられています。

<従業員代表の選び方>
退職か再雇用かという問題を扱うので、代表者の適格性が問われたり、労使トラブルにならないように注意が必要です。そのため「継続雇用の対象者を選定する場に出る代表者を選ぶ」ことを明示して、代表者を選ぶことが求められます。選出した証拠も必ず残します。
就業規則に添付する意見書の時のような代表者選出では後で問題になります。(「おい田中君、代表でここに署名してハンコ押しといてくれ」では困ります。)

【雇用確保措置年数の決定】

継続雇用の最高年齢を高年齢者雇用安定法が定めるように段階的に引き上げるか、最初からいっきに65歳まで引き上げるのか、決定します。

【再雇用規程の作成・変更】

継続雇用の基準が決定すれば、再雇用者を対象とする再雇用規程を、就業規則に作成します。これは、再雇用者の場合、通常の正社員とは異なる労働条件で働くことになるため、ルール作りが必要です。
再雇用規程がすでにある企業の場合は、労使協議で決定した基準に基づき、再雇用の対象者となる基準を変更します。

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