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◆3.再雇用後の給与設計◆
【最適賃金設計】
継続雇用制度を導入した場合は、仕事の内容にもよりますが、一般的には60歳時点の給与より水準を下げた給与設計を行います。
特に雇用保険の「高年齢雇用継続給付制度」を活用する場合は、60歳時点の給与の75%未満でなければ給付金の支給対象とはなりません。
こうした公的制度をうまく活用できれば、会社は人件費を抑えることができ、さらに再雇用者の実質手取り額も大きくは下げずにすむのです。
なぜなら、賃金が下がることで、再雇用者は高年齢雇用継続基本給付金とともに在職老齢年金を受給できるようになるからです。また所得税・住民税・社会保険料なども軽減されます。
こうしたことを考慮して、実質手取り額が最大になるように給与を設計します。
結論
給料は定年時の給与の60%未満に思い切って下げるべきです。
時給または20万円未満の月給 (高年齢雇用継続給付が受けられる金額)にします。
多くの事例で、定年時の給与の60%が本人にとってもベストな組合せとなっています。
<設計例>
60歳到達時 | 80% | 60% | 40% | |
①給料 | 300,000 | 240,000 | 180,000 | 20,000 |
②高年齢雇用継続給付 | ― | 0 | 27,000 | 18,000 |
③在職老齢年金 | ― | 28,333 | 40,333 | 77,533 |
④合計(①+②+③) | 300,000 | 268,333 | 247,333 | 215,533 |
⑤所得税 | 8,040 | 5,490 | 2,580 | 0 |
⑥社会保険料 | 43,722 | 29,980 | 22,485 | 14,756 |
⑦控除額合計(⑤+⑥) | 51,762 | 35,470 | 25,065 | 14,756 |
⑧手取額(④-⑦) | 248,238 | 232,863 | 222,268 | 200,777 |
(昭和20年10月1日生まれ、妻扶養あり) (厚生年金の報酬比例部分は月額96250円/年額1155000円)
《もう一つの考え方》
★個人別に給与を設定する
創業以来、ひたすら生産現場で会社に貢献してきた社員がおられます。 『あの社員には世話になってるのに、給与下げる話なんかできるか!』と、おっしゃる社長もおられます。この場合は、最適賃金のシュミレーションなどに囚われず、その方に見合った(=雇用契約可能な)給与を設定します。
※会社によって事情は様々です。
『社長のお考え』が全ての基本です。
★雇用継続給付だけ考慮する
高年齢雇用給付だけを念頭におき、給与は定年直前の75%未満に設定します
この方法には、自分で計算できるのでわかりやすく、社員の納得が得られやすい、というメリットがあります。
◆4.再雇用後の勤務形態◆
◆5.適正配置、再教育◆
***具体策は準備中です***
高年齢者の場合、個人ごとに健康、意欲、能力、履歴などが異なります。こうした高年齢者を60歳以降も雇用する場合は、以下のような対応が欠かせません。
●高年齢者1人ひとりのキャリア・技能を見直し、適正に配置する。
●仕事の内容や進め方を見直し、高年齢者に適した職務を与える。
●高年齢者の再教育を行い、職務適応能力を高める。
◆6.職場環境の整備◆
【安全配慮義務】
会社には、社員に安全で快適な職場環境を提供する義務があります。これを「安全配慮義務」といいます。安全配慮義務に違反し、事故が発生し、会社側に責任がある場合は、賠償請求をされることがあります。
高年齢者になると一般的に、視力・聴力・体力が衰えたり、外部環境への適応能力が相対的に低下しています。特に、工場などは労働事故が多いので注意が必要です。
【健康管理】
事業主には、社員の安全衛生管理義務が課せられており、その一環として社員の健康管理を行わなければなりません。
毎年1回定期的に実施される健康診断は最低限必要ですが、高年齢者については早めの身体の異常を発見するためにも、半年に1回程度健康診断を行い、自主的に健康管理を徹底してもらうといったことを行うことが望ましいでしょう。定期健康診断で異常があった場合は再検査の受診を、病気が発見された場合は治療を受けるよう励行することが大切です。もちろん病気の内容によっては配置転換が必要な場合もあります。
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