◆1.退職金制度の見直し◆
【現行退職金制度の問題点】 退職金支給額=退職時の基本給×勤続年数係数×退職自由別係数
現行の退職金制度の多くは、この算定方式が利用されており、年功がかなり重視されています。そのため、支給水準が高くなっています。これを企業貢献度に応じたポイント制などに切り替え、基本給との連動を断ち、モチベーションを下げずに給付水準を引き下げることが必要となります。
1.会社の従業員の年齢構成を調べます。
退職金の支払い時期がいつ集中するかを把握します。
2.退職金規程を確認します。
規程の有無を確認し、退職金算定方式などが時代に合わない場合は算定方式を見直します。
【退職金の見直しポイント】 従業員に退職金を支払う規程があり、慣行として退職金を支払っていれば、それは就業規則における賃金にあたります。従って、労働基準監督署にその規程を届けるとともに、労働債務として企業は必ず従業員に支払わなければなりません。
たとえ適格退職年金制度やその他の退職金準備手段を止めようが、そのまま退職金を支払わなくてもよいことにはならないのです。
※退職金制度自体の見直しと退職金準備手段の見直しを混合しないことが、重要です。
【退職金制度自体の見直し】 賃金連動型から
⇒ポイント方式、別テーブル方式、定額方式などへ(算定方式の変更)
●基本給連動型 年功重視で企業貢献が反映されていない点や退職時でなければ債務が確定しない点などで、現在では適当とはいえません。
●ポイント方式 退職金=(勤続ポイント+職能ポイント)の累積点×退職金単価×退職事由別係数
●別テーブル方式 退職金=退職金の算定基礎額×勤続年数係数×退職事由別係数
●定額方式 あらかじめ勤続年数により支払額が確定している点は評価できますが、勤続年数重視で企業貢献を反映されていない点で、現在では適当とはいえません。
ポイント方式、別テーブル方式、定額方式は、ベースアップによる退職金の増額を防ぐ点で有効です。また、ポイント方式は、会社の貢献度を反映しやすいため、候補としては最も理想的です。