◆ 11.賞罰 ◆

 


(1)会社や社会に貢献した従業員を報奨する規定を定めておく。

(2)懲戒処分は種類とその程度を明記しておく。
【判例】
就業規則に懲戒解雇の規定がないとして、懲戒解雇が無効

★懲戒処分とは、従業員の秩序違反に対し、会社が課す一種の制裁罰。
懲戒処分の最も重い形態が、懲戒解雇。

①訓告
口頭で注意を行い、将来を戒める

②けん責
始末書を提出させ、将来を戒める

③減給
始末書を提出させるほか、給与の一部を減額する。一回の行為につき平均賃金の半日分または数回の行為については一賃金支払時期の賃金の10分の1を上限として給与から減額する

④出勤停止
始末書を提出させるほか、出勤を禁じる。その間の賃金の支払は必要ない。勤続年数にも通算しないとするものが多い。法律上に出勤停止の期間の上限は定められていないが、1ヶ月以内が妥当。行政指導では7日間。
【判例】
不当に長い出勤停止は無効。

⑤降格
始末書を提出させるほか、職制上の地位を免じ、または降格する。
(注)降格処分は、職種の変更に限られている。

⑥諭旨退職
本来は懲戒解雇の対象となる行為であるが、情状酌量の余地がある場合に退職届を提出させるように勧告する。退職金の全部または一部を支給。

⑦懲戒解雇
予告期間を設けずに即解雇する。退職金の不支給や減額を伴う場合が多い。

(3)懲戒の事由に関しては、具体的かつ網羅的に規定する。
『○○○をすれば、○○の処分を受ける』ということを事前に規定しておくことが重要。
(4)懲戒処分は、懲戒事由の定めがない事由や種類について処分できない。
《ポイント》
★懲戒処分を課すためには、就業規則に定めておくことが必要

(5)懲戒事由に包括条項を設けておく。
該当事項がない場合は包括規定に該当するかどうかで判断する。
【規定例】
「その他、全各号に準ずる行為があったとき」
★あくまでも具体的列挙が前提。

(6)未遂、幇助、教唆についても規定しておく。
(7)出勤停止の期間の制限はない。(1ヶ月位までが多い。)
(8)出勤停止期間は勤続年数に通算しない。
(9)懲戒解雇事由を明確かつ特定して規定する。
(10)懲戒基準を懲戒の種類ごとに明確に定めておく。

【規定例】
<けん責>
①正当な理由なしに無断欠勤をしたとき
②勤務に対する所定の手続き・届出・申請について不正があったとき
③職場の風紀・規律を乱したとき
④コンピューター機器、電子メール等の会社設備を会社の業務以外の目的に使用したとき
⑤許可なく会社の電子情報データを持ち出し、または持ち出そうとしたとき
⑥労働時間中、許可なく職場を離れ、もしくは自己の職責を怠るなど業務怠慢の行為があったとき
⑦立ち入りを禁止した場所に許可なく立ち入ったとき
⑧所定の出退勤記録の手続きを他人にさせ、若しくはこれに応じたとき
⑨その他前各号に準ずる程度の行為があったとき

<減給・出勤停止>
①無断欠勤の度重なるとき
②遅刻・早退・私用外出が多く勤務に誠意が認められないとき
③事業所内にて、賭博、その他これに類する行為をしたとき
④故意または過失により、業務上の秘密(顧客情報を含む)、個人情報等を他に漏らし、会社に損害を与えたとき
⑤故意または過失により、電子情報データを破損または紛失し、会社に損害を及ぼしたとき
⑥故意または重大な過失により、業務に関し会社ならびに顧客に損害を与えたとき
⑦その他前各号に準ずる程度の行為があったとき

<普通解雇>
①勤務成績又は業務成績が著しく不良で向上の見込みがないとき
②勤務状況が著しく不良で改善の見込みがないとき
③精神又は身体の障害について適正な管理を行い、雇用の継続に配慮しても、なお業務に耐えられないと認めたとき
④試用期間中又は試用期間満了時までに従業員として不適格であると認められたとき
⑤事業の運営上やむを得ない事情又は天災事変その他これに準ずるやむを得ない事情により、事業の縮小・転換又は閉鎖等を行う必要が生じ、他の職務に転換させることが困難なとき
⑥その他前各号に準ずる程度の行為があったとき

<懲戒解雇>
①普通解雇の各号の行為が数度に及んだとき
②正当な理由がなく無断欠勤が連続暦日14日以上におよび、出勤の督促に応じなかったとき
③正当な理由がなく無断で遅刻、早退又は欠勤を繰り返し、○回(注:具体的に回数を定める)にわたって注意を受けても、改めなかったとき
④重要な経歴を偽り、その他不正を用いて採用されたとき
⑤正当な理由なく、しばしば業務上の指示・命令に従わなかったとき
⑥私生活上の非違行為や会社に対する誹謗中傷等によって会社の名誉を傷つけ、業務に重大な悪影響を及ぼすような行為があったとき
⑦会社の業務上必要な秘密を外部に漏洩して会社に損害を与え、又は業務の正常な運営を阻害したとき
⑧情報セキュリティに関する規定に違反し、会社または個人に著しい不利益を及ぼしたとき、または名誉、信用を著しくj毀損したとき
⑨数回にわたり懲戒を受けたにもかかわらず、なお勤務態度に関し、改善の見込みがないと認めたとき
⑩故意または重大な過失により、会社に重大な損害を与えたとき
⑪素行不良で、著しく会社内の秩序又は風紀を乱したとき
⑫その他前各号に準ずる程度の行為があったとき

 

 

お問合せ・ご相談はこちら

ご不明点などございましたら、
お電話もしくはお問合せフォームよりお気軽にご相談ください。

お電話でのお問合せはこちら

072-956-8846
  • 今の就業規則で解雇やサービス残業の問題を予防できますか?
  • わかりやすい人事制度で、社長の思いを従業員に伝えましょう!
  • 65歳雇用義務化による、雇用延長と退職金の問題を解決しましょう!
  • 当事務所は、経営者と従業員が価値観を共有し、同じ目標に向かって「1つ」となる組織づくりを、全力でサポートしています。

就業規則と人事制度のカワムラ社労士事務所
<大阪の社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー>

対応エリア
大阪市 堺市 松原市 藤井寺市 羽曳野市 他

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ

072-956-8846

ごあいさつ

こんにちは所長の川村泰文です社長の『困った』を解決します

カワムラ社労士事務所

住所

〒583-0852
大阪府羽曳野市古市2271-68

【免責事項】
本サイトで提供している情報の内容については万全を期して記載しておりますが、その内容を保証するものではありません。この情報に基づいて被ったいかなる損害についても当事務所は一切責任を負いかねますのでご了承下さい。