禁煙治療に保険適用へ(06年1月号)

禁煙治療に保険適用へ

厚生労働省は医師による禁煙指導を公的医療保険の給付対象とする方針を固め、2006年4月からの実施を目指すようです。禁煙はこれまで個人の意志や努力の問題とみられ、保険の対象外でしたが、これを「ニコチン依存症」という病気に対する治療ととらえ直して、積極的な対策に乗り出します。

◆治療内容は

禁煙治療プログラムを受けたいと希望する人で、ニコチン依存度テストで「依存症」と判定された人が対象となり、定期的に通院してカウンセリングを受けるほか、肌にはったパッチからニコチンを吸収する置換療法を受けます。約3カ月で初診も含め5回ほどの通院を想定しています。

これまで一部の病院が「禁煙外来」を設けていましたが、保険の対象ではないため全額が患者負担で、1カ月あたり3万円から4万円かかっていました。保険の対象になれば、3割の窓口負担で済むようになります。

◆医療費の抑制が目的

厚生労働省は、肺がんをはじめ、心筋梗塞や脳卒中などの生活習慣病を引き起こす喫煙を減らすことで、中長期的に医療費の伸びを抑制する方針を打ち出しています。導入によって医療費は当初は増えるものの、生活習慣病や肺がんが減ることに伴い8年目から減少し、15年後の医療費を約1846億円抑制できると試算しています。

◆欧米では

欧米ではすでに、ニコチン依存症を「繰返し治療することで完治しうる慢性疾患」ととらえる動きがあり、英国では1999年から禁煙治療を保険の対象としているほか、米国でも民間保険会社の8割強が禁煙のための薬剤費などを保険給付の対象としています。