人事労務の最新ニュース(2006年1月)

●『1円企業』、3年で3万社超に(1月31日)

資本金1円でも会社を設立できる最低資本金規制の特例措置を活用して誕生した企業が制度スタートから約3年で3万社を超えた。2003年2月1日の制度導入以降、毎月1000社近いペースで新しい会社が生まれた計算になる。5月にも施行となる新会社法では現状より手続きが簡単になるため、少額資本金での開業が加速しそうだ。

本来の規定(株式会社は1000万円、有限会社は300万円)よりも少額の資本金で設立した会社は05年12月末で株式会社と有限会社の合計で3万2435社。05年1年間で約1万3000社増えた。約1万1600社増だった04年を上回った。このうち、1円で設立した会社は約590社で04年より約30社増えた。(経済産業省まとめ)

●未来工業、社員旅行に「40の指令」(1月31日 日経産業)

海外旅行で「特命」を全うせよ!電設資材大手、未来の子会社、未来工業(岐阜県輪之内町、滝川克弘社長)は創立40周年を記念して実施する2月1〜5日のオーストラリア旅行で、40種類の指令をこなす企画を実施する。社員にバンジージャンプ、農場体験、熱気球搭乗など様々な指令を出し、報告書と写真を提出させる。全社規模で実施することで、社員の結束や発想力を強めるという。
社員旅行には同社社員750人のうち510人が参加する。20歳代の若手社員らで構成する実行委員会が「文化系」「スポーツ系」「絶叫系」に大別した40の指令を作成した。社員は「何が当たっても必ず実行します」という誓約書にサインし、くじ引きで指令書を受け取った。

●イオン労組、パート8割に 新たに4万4千人加入(1月30日 共同通信)

スーパー業界最大の労組「イオン労働組合」(新妻健治委員長、組合員約3万人)が、今夏までに組合員の加入対象を勤務時間月120時間未満のパート社員約4万4,000人にまで新たに拡大する方針であることが 30日、分かった。

実現すれば、既に加入している長時間労働のパート社員約1万6,000人と合わせ、組合員の8割をパートが占める見通しで、組織率も25%から60%に上昇するという。

連合は正社員以外の賃金増を目指して今春闘からつくった「パート共闘会議」で、傘下労組にパートの加入促進を求めており、パート雇用の多い流通・サービス業界に影響を与えそうだ。

同労組は2004年から、イオンの店舗従業員の大半を占めるパート社員を対象に段階的に加入を働き掛け、これまでに月120時間以上の長時間労働のパート社員を中心に約1万6,000人が加入。正社員の組合員約1万4,000人を上回っていた。

●タクシー業者に抜き打ち監査(1月29日)

タクシー業界で労働時間、賃金等の労働条件が著しく低下しており、それが安全運行に影響を及ぼしかねないとして、国交省は2月から業者に対し抜き打ち監査を始める(4月以降は厚労省との合同監査)。
タクシー業界は規制緩和などの影響により競争が激化しており、99年と比べ利用客数は5%減っている一方で車両数は増加している。運転手(男性)の平均年収は308万円(04年)で、全産業平均(男性)の6割弱。同年の労働時間は全産業平均よりも約10%多い2,412時間だった。

●「新しい自律的な労働時間制度」の導入を提言(1月27日 厚労省研究会)

厚生労働省は27日、「今後の労働時間制度に関する研究会」の報告書を発表した。「中堅の幹部候補者で管理監督者の手前に位置する者」や「研究開発部門のプロジェクトチームのリーダー」を対象にした「新しい自律的な労働時間制度」の導入を提言。また、年次有給休暇の取得促進策や一定時間を超える時間外労働の割増率の見直しなども盛り込んでいる。今後は労働政策審議会の労働条件分科会で、労使を含めた検討が行われる。

厚生労働省労働基準局「今後の労働時間制度に関する研究会」報告書について
⇒ http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/01/h0127-1.html

●看護師や医師の派遣、産休などの代替に限り解禁(1月27日)

医療関連業務に従事する看護師や医師、歯科医師、薬剤師らの派遣は現在、政令で原則禁止とされている。老人ホームなど病院以外の福祉施設や、一定期間の後、正式採用することを前提とした「紹介予定派遣」が例外的に認められているだけだ。

厚生労働省は、原則禁止していた看護師や医師が行う医療関連業務への人材派遣について、産休や育児休業、介護休業の間の代替要員に限り「期間が限られ、常用代替の恐れがない」として認めることを決めた。医師については、人材確保の難しいへき地への派遣も認める。これまではチーム医療に支障があるなどとして禁止してきたが、仕事と育児の両立支援や医師不足対策などの観点から、限定的に認めることにした。

労働者派遣法の施行令を改正し、4月から実施する。

●公的年金給付、4月から2年ぶりに0.3%減額(1月27日)

27日発表の2005年の消費者物価が前年よりも0.3%下落したことを受け、今年4月からの公的年金給付額も0.3%減ることが確定した。給付額の引き下げは04年度以来、2年ぶり。

会社員が加入する厚生年金は月給36万円のモデル世帯(夫婦で40年加入、妻は専業主婦)で月額23万2592円となり、現在より708円少なくなる。自営業者らが加入する国民年金(40年加入)は1人当たり月額6万6008円と200円減少。児童扶養手当などの各種福祉手当も同率で下がる。
公的年金には、前年の物価変動に年金額を連動させる仕組みがある。ただ2000年度から3年間は景気への影響を配慮して物価が下がっても年金を下げなかったため、現在の年金額は本来の水準より1.7%かさ上げされている。

●休日手当不払いで是正勧告 西鉄北九州観光(1月26日 共同通信)

西日本鉄道(福岡市)子会社の西鉄北九州観光(北九州市)が、観光バスの運転手やガイドの休日労働手当を支払わなかったとして北九州東労働基準監督署から労働基準法違反(賃金不払い)の疑いがあるとして、是正勧告を受けていたことが26日、分かった。

西鉄広報室によると、昨年11月に労基署が西鉄北九州観光を立ち入り調査。 2003年11月から05年7月までの間に、振り替え休日の手続きをしないで休日出勤した運転手一人について休日労働手当が支払われていないことが判明した。

労基署は今月12日、全従業員について同手当の未払い分を支払うよう勧告。現在、同社が未払い額の調査を進めている。

西鉄広報室は「労基法に対する認識が足りなかった」と説明している。

●組合側の再審査申立てを棄却/伏見織物加工(親睦会等)事件
 (1月25日 中労委)


伏見織物加工が労組委員長の解雇撤回などに関する団体交渉に応じないのは団交拒否及び支配介入だとして、京都−滋賀地域合同労組が救済を求めた事件で、中央労働委員会は1月25日、組合側の再審査申立てを棄却した。これまでの労働委員会命令や裁判所の判断により、委員長の解雇は確定しており、再度の申立てを認めることはできないなどとしている。

伏見織物加工(親睦会等)不当労働行為再審査事件 命令書交付について
⇒ http://www.mhlw.go.jp/churoi/houdou/futou/shiryo-01-166.html

●再審査申立てを棄却/レクトラ・ジャパン事件(1月24日 中労委)

レクトラ・ジャパン(大阪市)が組合員の解雇などをめぐる団交に「協議は尽くされた」として応じないのは不当労働行為だとして、管理職ユニオン・関西が救済を求めた事件で、中央労働委員会は1月24日、組合側の   再審査申立てを棄却した。交渉の再開が有意義なものになることを期待できるような事情の変化は生じていない、などの判断を示している。

レクトラ・ジャパン不当労働行為再審査事件 命令書交付について
⇒ http://www.mhlw.go.jp/churoi/houdou/futou/shiryo-01-164.html

●第3子の扶養手当、6倍に 東芝、妻は原則廃止方針(1月24日 共同通信)

東芝は24日、社員の子供への扶養手当について、第3子以降を現在の6倍にするなど今後5年間で大幅に増額、妻への扶養手当を原則廃止する新制度に衣替えする方針を明らかにした。労働組合が受け入れれば、4月から導入する意向だ。

妻が扶養手当の対象にならない共働きの家庭が増え、子供により多くの手当を支給してほしいとの要望が強まっていることを考慮した。会社として少子化対策への取り組みを強化する。

現在の扶養手当制度では、第1子、第2子に月額4,200円、第3子以降から2,500円の手当が支給される。新制度ではこれを毎年増額し、2011年4月には一律で一人 1万5,000円とする。

一方、月2万円の配偶者手当は毎年減額し、子供がいる家庭で専業主婦への扶養手当は11年に廃止。子供のいない場合のみ、扶養する妻に2,500円を支給する。

現在は子供が3人いる家族の場合、妻を扶養していると3万900円、扶養していないと1万900円と、手当に大きな差がある。新制度に完全移行すると、一律4万5,000円に増額される計算だ。

●百貨店系人材会社、販売職派遣の人員確保へ時給値上げ拡大
 (1月20日 日経産業)


百貨店系の人材サービス会社で、販売職の派遣スタッフ不足が目立っている。景気回復に伴い正社員雇用や他業種の派遣求人が増えるなか、事務職などと比べ時給が割安で閉店時間が遅い販売職を敬遠する傾向が強まっているためだ。

人材会社の間では時給を数%から十数%上げる動きが広がっているほか、売り場運営をまるごと請け負う新事業にも力を入れている。百貨店系の人材各社では販売職の時給は東京、大阪でおおむね1000円弱から1200円。一般の人材大手の事務系で1500円程度が主流なのに比べて安い。

●新日鉄ソリューションズが深夜残業、休日出勤を全面禁止(1月19日 日経)

新日鉄ソリューションズは深夜残業と休日出勤を全面的に禁止した。社員の負荷を軽減し士気向上を図る。長時間勤務に明確な歯止めを設けることで、業務効率の改善を促すねらいもある。全社的に導入するのはIT大手では初。一時的に競争力の低下を招きかねないが、長期的には収益性や成長性が高まると期待している。

深夜・休日の勤務が避けられないシステム監視担当者などを除く管理職と一般社員2100人が対象。顧客システムの入れ替えなどで、深夜10時以降と休日の勤務がやむを得ない場合は、上司の事前許可を必須とした。

●介護デイサービスで変形労働時間制導入(1月18日 日経産業)

介護サービスのツクイは高齢者が日帰りで通うデイサービス施設の利用者数に応じ、勤務する職員の労働時間を増減する「変形労働時間」制を導入した。これまで人員配置は各施設に任せていたが、マニュアルで全社的に基準を統一した。サービス水準を維持しながら人件費を抑え、介護報酬引き下げに対応する。デイサービス施設で変形労働時間を導入する事例は珍しい。

介護サービスの種類などを盛り込んだケアプランをもとに平均利用者が1日30人の施設に20人しか訪れない場合や逆に30人以上訪れる場合など、日々の利用者数を大まかに把握する。これとマニュアルを基に1カ月単位の変形労働時間を導入、1日ごとに職員の勤務時間を変える。

●NTT、一般社員の定期昇給を全廃(1月18日 日経)

NTTは、年4月から一般社員の年齢給を廃止する。これにより定期昇給は全廃される。一方、少子化対応として、配偶者や子どもを持つ社員への扶養手当の支給上限を廃止し、子どもの人数に応じて増えるよう見直す。

同社の基本給は現在、40歳のモデル社員で等級別の資格給が50%、年齢給が30%、評価の積み上げを反映する成果加算が15%、年ごとの評価で変動する成果手当が5%を占めている。今回の給与制度見直しでは、年齢給を廃止し、資格給を55%、成果加算を25%、成果手当を20%にそれぞれ引き上げる。

●子どもの数制限せず NTTが新扶養手当(1月18日 共同通信)

NTTは18日、少子化対策の一環として、扶養手当の支給対象の子ども数を制限しない新しい給与体系を導入する、と発表した。和田紀夫社長は記者会見で「一企業として日本の少子高齢化を防ぐために何ができるのかを考えて導入を決めた」と強調した。

大手企業では最近、成果主義賃金の導入に伴って扶養手当を廃止するケースが増えている。NTTが独自に少子化対策を打ち出したことで、経済界に給与体系を見直す機運が高まる可能性もありそうだ。

NTTの扶養家族手当はこれまで、配偶者と扶養対象のゼロ歳から22歳までの子ども一人に対して支給。それ以上は子どもが増えても手当は増えない仕組みだった。4月以降は人数に応じて毎月の給与として手当を上積みし、人数に制限は設けない。

NTTはこれまで、扶養家族分はボーナスと毎月の給与に反映させていた。今後、ボーナスには扶養家族分は反映させず、毎月の給与反映に一本化する。子どもが2人以上の家族は、年収ベースで増収になるという。

NTTグループ各社は同時に、4月から人事・給与体系を見直し、より成果主義的な給与体系とする方針も決めた。基本給与の算定方法では、年齢給を廃止、成果を重視した体系とする。

●二審も元従業員側が勝訴 山田紡績の解雇めぐり(1月17日 共同通信)

愛知県半田市の山田紡績が一方的に紡績事業を廃止し解雇したとして、紡績部門で勤務していた男女計百人が、従業員の地位確認と未払い賃金の支払いを求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁の野田武明裁判長は17日、元従業員側の請求を認めた一審名古屋地裁判決を支持、会社側の控訴を棄却した。

原告側代理人によると、判決が確定すれば、支払われる賃金の総額は約8億9,700万円で、解雇をめぐる訴訟では戦後最大になるという。

野田裁判長は判決理由で「同社は従業員らに相談せず民事再生手続きを決め、労組との交渉で紡績事業を続けると明言したのに翻した」とする一審の事実認定を引用。解雇の回避努力や必要性の検討も認められず「解雇を正当化する要素は見いだせない」とした。

判決などによると、山田紡績は1951年に紡績事業を始め、中部地方では大手に成長した。しかし繊維不況で2000年10月、民事再生法の適用を申請。同年11月に紡績事業の廃止を原告に通知し、翌12月から 01年2月にかけて解雇した。

山田紡績は「担当者が不在でコメントできない」としている。

●紹介予定派遣で約1万人が派遣先に就職/04年度(1月17日 厚労省)

厚生労働省は17日、労働者派遣事業の2004年度事業報告の集計結果をまとめた。派遣労働者数は約227万人で前年度に比べ4.1%減少したが、常用換算の派遣労働者数は約89万人と前年度比で19.7%増加している。また、紹介予定派遣により派遣された労働者数は1万9,474人で、このうち1万655人が直接雇用に結びついた。

厚生労働省 職業安定局 労働者派遣事業の平成16年度事業報告の集計結果について
⇒ http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/01/h0113-3.html

●時間外賃金21億円未払い(1月12日 福岡銀行)

福岡銀行は12日、2003年10月〜05年9月の2年間に、従業員約4,600人に対して、総額約21億円似のぼる時間外労働の割増賃金が不払いだったとする調査結果を発表した。不払い分は今月中に精算する予定。同行では昨年10月、福岡中央労働基準監督署から労働時間管理について指導を受け、社内調査を実施していた。

福岡銀行 労働時間管理に関する社内調査について
⇒ http://www.fukuokabank.co.jp/news/h2006/h01-12/index.htm

●静岡の派遣会社に特定派遣事業廃止命令(1月10日 厚労省)

厚生労働省は10日、有限会社サンエイ東海(静岡県袋井市)に対して、1月10日をもって特定労働者派遣事業の廃止を命じた。静岡地方裁判所で同社代表取締役らの不法就労助長罪による罰金処分が確定したため。

厚生労働省職業安定局 特定労働者派遣事業主に対する事業廃止命令について
⇒ http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/01/h0110-1.html

●中小企業での技能継承へ新助成金 2006年10月予定(1月9日)

団塊世代が定年を迎えることで起こる「2007年問題」への懸念が高まる中、厚生労働省は、中小企業での技能継承に対して、1社当たり最大500万円の助成金を出すことを決めた。10月にも始める予定。従来の助成制度のメニューに技能継承を加えるほか、仕事との境界があいまいだとして助成対象にしていなかった職場での訓練(OJT)も対象にする。資金力に限界がある中小での問題解決に弾みをつける狙い。

厚労省が雇用・能力開発機構を窓口に中小企業向けに実施している「能力開発助成金」の仕組みを使う。今までは事業の新展開に伴って必要な従業員の能力開発などを対象にしてきたが、新たに技能継承も対象に加え、1社につき費用の2分の1、最大500万円まで助成する。

対象となる技能継承は、後輩社員の指導のために退職したOBらを招いて職場で働きながら技術を学んだり、職場以外の場所で訓練を受けたりなど。前者の場合、OBの講師代などにかかった費用を受講者1人あたり最大20万円まで、後者は訓練に出ている間の従業員の賃金を最大150日分まで支払う。

OJTについては、仕事と訓練の区別がつかないとして助成の対象とされていなかったが、技能継承の場のほとんどがOJTである現状を踏まえて認めることにした。

●機械大手、60歳以上も賃金に業務成績を反映(1月7日)

機械大手各社は65歳までの雇用継続にあたり、業務成績に応じて高年齢の従業員の賃金に格差を付ける。技能伝承が課題のなか、若手育成などの目標管理で働く意欲を維持する狙いだ。
三菱重工は段階的に65歳まで再雇用の上限を引き上げる。06年度から希望者を原則再雇用する新制度へ切り替えるため組合と協議中。60歳以上の賃金に格差を付ける仕組みも導入する。定年時点では基本給の差がランクごとに2万円の開きでスタートするが、成績に応じてプラス・マイナス最大3万円で基本給を変動させ、定年後の逆転を可能にする。

●国民健保保険料天引きへ(1月7日)

2008年度から、国民健保の保険料が年金から天引きされることになりそうだ。同年から導入される75歳以上を対象とした新医療制度は保険料が年金から天引きされるが、それにあわせて75歳未満の国民健保加入者の保険料も天引きとする。老齢年金のみならず、障害・遺族年金の受給者である国民健保加入者も対象とする。