人事労務の最新ニュース(2006年3月)

●「労働時間等設定改善指針」を策定(3月31日 厚労省)

厚生労働省は3月31日、労働時間等設定改善法に基づく「労働時間等設定改善指針」を定め、4月1日より適用すると発表した。労働者の健康と生活に関わる多様な事情を踏まえ、労使が自主的な取り組みを進めていくことを基本に、事業主の講ずべき措置として、年休の取得促進や所定外労働の削減、育児・介護休業を取得しやすい環境の整備などをあげている。

厚生労働省労働基準局 「労働時間等設定改善指針」について
⇒ http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/03/h0331-6.html

●「労働者の心の健康」で新指針/厚労省、「4つのケア」の推進を
 (3月31日 厚労省)


厚生労働省は3月31日、労働者のメンタルヘルスケアの実施方法などを示す「労働者の心の健康の保持増進のための指針」を策定した。事業主は「心の健康づくり計画」を策定し、「セルフケア」「ラインによるケア」   「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」「事業場外資源によるケア」という4つケアを効果的、計画的に推進する必要があるなどとしている。

労働基準局安全衛生部 「労働者の心の健康の保持増進のための指針」について
⇒ http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/03/h0331-1.html

●違法残業でクボタを送検 労基署、社員の脳梗塞で(3月30日 共同通信)

大手機械メーカー、クボタ(大阪市)が男性社員(39)に長時間にわたる違法な残業をさせたとして、東京労働局の上野労働基準監督署は30 日、労働基準法(法定労働時間)違反の疑いで、法人としてのクボタと男性の管理監督責任者の部長(56)を東京地検に書類送検した。

男性は昨年2月下旬、脳梗塞を発症し、療養中。過労で労災と認定された。長時間労働による過労を発端に上場企業が書類送検されるのは異例。

調べによると、男性社員は子会社からクボタ東京本社に出向。農業施設事業部(東京都台東区)に所属し、農業用機械設置工事の現場監督をしていた。クボタは昨年2月1日から26日にかけ、男性に法定労働時間を超えて約160時間の違法な残業をさせた疑い。

クボタによると、この男性は昨年2月に200時間を超える残業をしていたほか、同年1月にも100時間を超える残業をしていた。

クボタでは出向社員の労働時間を管理する仕組みがなく、男性の労働時間を把握していなかったという。同社は書類送検を受け、出向社員も含め労働時間の管理方法を改善し徹底する、としている。

●時間外賃金、総額1億5,200万円未払い(3月30日 東邦ガス)

東邦ガスは3月30日、2004年3月から05年12月までの間に、社員860人に対して総額1億5,200万円の時間外労働賃金が未払いだったと発表した。社員には4月の給与支給日に精算して支払う。同社では労働基準監督署から労働時間管理についての是正勧告を受け、約3,000人の社員を対象に社内調査を行っていた。

東邦ガス株式会社 時間外賃金の精算について
⇒ http://www.tohogas.co.jp/press/520.html

●組合側の再審査申立てを棄却/エッソ石油(山口職種変更)事件
 (3月30日 中労委)


エクソンモービルがタンクトラックでの配送業務を廃止し、組合員をドライバーからプラントマンに職種変更したのは組合弱体化などを狙った不当労働行為だとして、所属労組が救済を求めた事件で、中央労働委員会は  3月30日、組合側の最審査申立てを棄却した。会社の行為は効率的な配送業務を目指した経営政策上の判断に基づくものと解するのが相当だとした。

エッソ石油(山口職種変更)不当労働行為再審査事件 命令書交付について
⇒ http://www.mhlw.go.jp/churoi/houdou/futou/shiryo-01-176.html

●中村屋、人事評価で目標達成度を重視(3月30日 日経産業)

中村屋は4月から人事評価制度を改める。評価の際に重視する点を年齢や経験から目標達成度などに移す。定期昇給(定昇)も廃止する。管理職となる年齢も従来の38歳(モデル)から最短で31歳とし、優秀な若手を抜てきしやすくする。2005年4月に管理職に導入した成果主義型の評価を一般社員にも拡充する。

新制度の対象は本社や工場に勤務する正社員839人。これまでは管理職に昇格する年齢は最年少で38歳だったが、新制度では最短で同31歳になる。7階級あった等級は3つにまとめ、一等級に滞留する年数制限を短縮する基準を設ける。管理職への昇格審査を受けられる年齢の上限や、役職定年の58歳といった年齢制限を廃止する。

●ユアサ商事、成果主義を導入(3月30日 日経産業)

ユアサ商事は4月、成果主義型の人事制度を導入する。入社7年目以降は年功部分を完全に廃し、一定以上の評価を受けないと昇給できない仕組み。高い成果を出し続ければ従来より4年早く入社11年目で部長に就ける。新制度の実施で有能な社員の士気を高め、早期に幹部に抜てきする狙いだ。

新制度は子会社への出向者も含めた約930人全員が対象。年2回考課を実施し、総合して評価を決める。

●NTT西日本、パート社員6000人の正社員化を検討(3月29日 日経)

NTT西日本の森下俊三社長は29日、コールセンターなどで働くパート社員約6000人の正社員化を検討していることを明らかにした。人件費負担は増えるが、少子高齢化などに備え、優秀な人材を確保する。

コールセンターなどで働く「有期契約社員」と呼ばれる2万5000人のパート社員のうち希望者を対象に約6000人を正社員化する方針だ。パート社員の受け皿となる別会社を新設して異動させることも検討中という。制度の実施時期や新会社の設立時期は明らかにしていない。

●派遣労働者の受け入れ方針、66%の事業所が「現状維持」(3月29日 厚労省)

厚生労働省は29日、2005年に実施した「労働力需給制度についてのアンケート調査」の集計結果を発表した。1年前と比べて派遣労働者の受け入れ人数が増加した事業所は35.1%、減少した事業所は10.2%、増減なしは49.0%となっている。今後の方針としては「増やす」が18.5%、「減らす」が11.1%、「現状維持」が66.4%、「取り止め」が1.2%だった。

厚生労働省 労働力需給制度についてのアンケート調査集計結果
⇒ http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/haken-shoukai01/index.html

●転任距離60キロ以上に―厚労省が通災新基準(3月27日 労働)

厚生労働省は、4月1日から改正労働者災害補償保険法が施行したのに伴い関連通達である「通勤災害の範囲について」(基発第644号別添)を大幅に改めた。改正法は、複数就業者の事業場間移動中と単身赴任者の住居間移動中の事故を新たに通勤災害の保護対象に加えている。事業場間移動中に食事に立ち寄ったり、図書館で情報収集する場合などの行為を通勤上のやむを得ない逸脱・中断に含むとしたほか、保護対象となる単身赴任の距離的な条件を原則「60キロ以上」としている。

●関電、数値以外の評価反映・成果主義で新制度(3月24日 日経)

関西電力は数値化しにくい成果も評価に反映させる新人事制度を4月1日付で導入する。約2万2000人の全社員が対象。電力販売量などの数値で業務成果を評価してきたのを見直し、部下の育成や技能の取得など数値以外の要素も加えた制度に改める。現行制度は電力自由化をにらんで2001年に導入したが、技能伝承や働く意欲の向上には数値中心主義の見直しが必要と判断した。

同社の給与は社内資格で決まる「本給」、業務成果で変動する「成果給」と各種手当で構成される。業務成果はSAからDまでの5段階で半年ごとに判定。課長級の資格の場合、同じ等級でもSAとDとの間で年収に10%の差が付く。部長級での差は25%。

●松下、人事評価をすべて点数化(3月24日 日経)

松下電器産業は4月から社員の人事評価に完全ポイント(点数)制を導入する。職務に必要な技能(スキル)を約450に分類、社員の各分野での能力を数値化する。部長職に相当するグループマネジャーまで約7万5000人の社員が対象。細かく数値化することで評価を分かりやすくし、公平感を高める狙い。大手製造業が人事評価で全面的にポイント制を導入するのは珍しい。

松下は所属部署での「貢献度」と、各自が持つ「スキル」の二つで社員を評価している。貢献度は2年前から数値化したが、交渉能力や生産現場での特殊技能といったスキルの評価は明確な基準が乏しかった。

●再審査申立てを棄却/天雲産業事件(3月23日 中労委)

天雲産業(大阪市)が組合員2名を課長に昇格させず、賃上げなどを議題とする団体交渉に応じないなどとして、全大阪金属産業労働組合が不当労働行為の救済を求めた事件で、中央労働委員会は3月23日、会社と組合の双方から出されていた再審査申立てを棄却する命令書を交付した。初審大阪府労委は会社に団交応諾などを命じ、その他の申立てを棄却していた。

天雲産業不当労働行為再審査事件 命令書交付について
⇒ http://www.mhlw.go.jp/churoi/houdou/futou/shiryo-01-172.html

●「マタニティ休暇」など4月から導入(3月23日 野村総研)

野村総合研究所は23日、働き方や価値観の多様化に対応した新しい育児休業制度をこの4月から導入すると発表した。妊娠中の通院や体調不良時に、通常より気軽に休めるよう「マタニティ休暇」を新設し、妊娠を届け出た職員に10日間の有給休暇を付与。また、現在は子が満3歳になるまでとしている「時短勤務」の対象を「小学校1年生の学年度末」へと広げる。

株式会社野村総合研究所 ニュースリリース
 多様なニーズに対応した新しい育児支援制度を導入
⇒ http://www.nri.co.jp/news/2006/060323.html

●登録免許税の対象4月から拡大 労働者派遣事業の許可など
 (3月23日 共同通信)


政府は資格や事業の免許登録にかかる登録免許税の課税対象を4月から広げる。これまで非課税だった約150種類を新たに対象とする。税額は最大で15万円程度。すでに弁護士や医師などは課税対象となっているため、税制上の不公平感をなくすのが狙い。

新たに事業を始める際にかかる課税は、生命保険代理店の登録(1万5000円)、労働者派遣事業の許可(9万円)、医薬品製造業許可(同)など。新たに課税する資格では行政書士(税額は3万円)、海事補佐人(同)、測量士(同)、小型船舶操縦士(1級=2000円、2級=1800円)など、が対象に加わる。

●正社員と非正社員、給与格差が4割に(3月23日 厚労省)

正社員と非正社員の給与格差が約4割にのぼることが、厚生労働省が23日発表した「2005年賃金構造基本統計調査」で分かった。05年6月の所定内給与額(残業代を除く)を調べた。男女合計の正社員の給与額は31万8500円(平均年齢40.4歳、平均勤続年数12.9年)あったが、パートなど非正社員は19万1400円(42.9歳、5.7年)にとどまった。

年齢別のデータでは男性正社員は18〜19歳(16万9100円)からピークを迎える50〜54歳(42万9500円)まで賃金上昇が続く。一方で男性の非正社員では最低が15万3500円(18〜19歳)なのに対し、最高が24万7000円(55〜59歳)だった。

調査は正社員など常用労働者を10人以上雇用する事業所約6万1000を対象に実施、4万3000程度の回答をまとめた。回答率は約70%。

●65歳以上の介護保険料、24%引き上げ(3月23日 厚労省)

厚生労働省は23日、4月に改定する65歳以上の介護保険料が全国平均で約800円増の月額4090円になるとの見込みを公表した。高齢者の増加などで介護サービスの利用が増えた分が保険料に反映されるのが理由。引き上げ率は24%となり、前回の03年度改定の13%を大きく上回っている。

介護保険は利用者負担(1割)を除いた給付費の50%を公費、32%を40〜64歳の保険料、18%を65歳以上の保険料で賄う。65歳以上の人が払う保険料は各市町村の介護サービスに応じて3年ごとに見直す。

65歳以上の介護保険料の引き上げは03年度の初改定に続き2回目。毎年見直す40〜64歳の保険料も増加傾向が続いており、来年度は5.6%増の月額3964円。原則として半分は事業主や公費で負担するため、加入者の自己負担の月額平均は1982円となり、今より105円上がる。

●職務発明の対価、約7割が「上限なし」(3月22日 特許庁調査)

特許庁は22日、2005年4月施行の新職務発明制度に対する企業の取り組み状況を調査した結果を発表した。新制度は、使用者と従業員の両者が納得する合理的な手続きを通して、職務発明への「相当な対価」の支払いについて定めるもの。企業の96%が新制度を認識、68%が対価の額を「上限なし」としている。

経済産業省 報道発表 企業等における新職務発明制度への取組状況について
⇒ http://www.meti.go.jp/press/20060322002/20060322002.html

●不払い残業代、19億8,800万円を精算(3月22日 東北電力)

東北電力は22日、2003年10月から05年9月の2年間で、約4,700人の社員に総額約19億8,800万円の残業代が未払いだったと発表した。対象者には同日支給の3月分の給与で精算(1人あたり平均約14.9万円)している。同社は昨年4月以降実施された労働基準監督署の調査により、2事業所で労働時間管理に関する指導を受け、全社対象の調査を行っていた。

東北電力 労働時間管理に関する社内調査結果について
⇒ http://www.tohoku-epco.co.jp/whats/news/2006/03/22b.html

●健全経営なら「信用保証料」安く 4月から新制度(3月21日 朝日)

経済産業省は信用保証制度を見直し、これまでは一律だった保証料率を企業の経営状況によって弾力化する。経営の健全な企業の資金調達コストを軽減することで中小企業に財務内容の改善を促す一方、経営状態が良くない企業にも融資の道を開く狙いだ。必要な政令を22日に改正し、4月1日から新制度を始める。

現在は保証金額の1.35%(無担保、1年間の場合)に固定されている保証料率を、各地の信用保証協会が借り手の経営状況に応じて0.5〜2.2%の間で自由に決められるようにする。高い料率を取れるようにすることで、リスクの大きい企業の保証申し込みにも対応できるようにする。

信用保証制度は、中小企業が金融機関から融資を受ける際、信用保証協会に保証料を支払って「保証人」の役割を果たしてもらう仕組み。担保や信用力が乏しい企業の資金調達を助けるための制度で、中小企業の約4割が利用している。

●信用保証協会、「連帯保証」を原則廃止 経済産業省(3月20日)

経済産業省は国が認可する各地の信用保証協会が手掛ける信用保証制度で、「連帯保証」を原則廃止する方針を決めた。信用力の低い中小企業は連帯保証人を付ける例が多かったが、経営破綻した場合、家族まで債務を負う再起が難しくなり、むしろ中小企業の再生が進まないと判断した。4月からの制度改革に合わせ、月内にも全国の信用保証協会に廃止を通達する。

信用保証は中小企業が金融機関から融資を受ける際、国の認可を受けた信用保証協会が返済を保証する制度。倒産リスクが高い中小・零細企業向け融資では、各地の協会が経営者の家族や知人ら第三者を連帯保証人として付けるよう信用金庫などの金融機関に求めていた。企業が倒産した場合、肩代わりした債権の回収率が低くなるのを避けるためだ。信用保証協会は全国で年に約100万件の保証をしているが、2〜3割が連帯保証人をつけているとみられる。

●「育児両立支援奨励金」を10万円増額 厚労省(3月20日 日経)

労働政策審議会雇用均等分科会は20日、勤務と育児が両立しやすい制度を新たに導入した企業に支給する奨励金を今より10万円増額するなどの制度改正案を了承した。これを受け、厚労省は4月1日に制度改正を実施する。

少子化が進むなか、育児をしながら働きやすい職場環境作りを制度面から後押しするのが狙い。増額するのは「育児両立支援奨励金」で最大支給額は大企業で40万円、従業員300人以下の中小企業は50万円に引き上げる。この制度は3歳以上、小学校入学前の子供を持つ社員を対象に、(1)子供が満1歳まで認められる育児休業に準じた制度、(2)短期間勤務、(3)フレックスタイム、(4)残業をさせない、などの制度を新設し、実際に社員が利用すると企業に奨励金を支払うもの。支給は一事業所で一回のみ。

同時に従業員100人以下の中小企業を対象に、育児休業や短期間勤務制度を新設し、実際に社員が利用した場合に最大100万円の助成金を企業側に支払う「中小企業子育て支援助成金」制度も承認した。2006年度に実施予定。

●発明社員の待遇改善、9割の法人が「対価支払い」協議(3月20日 読売)

社内で発明をした社員に支払う「発明の対価」について、あらかじめ従業員と協議して決める企業や大学などの法人が88.6%に上り、発明した社員の待遇見直しが進んでいることが、特許庁のアンケート調査で明らかになった(調査は04年に特許出願が10件以上あった企業などを対象に行い、1093法人が回答)。

対価を見直すことを促す改正特許法が2005年4月に施行されたのを受け、今年1月時点の対応を調べた。

従来からの変更点では、対価の算定方法を変更した法人が62.3%にのぼった。対価を発明で会社が得た利益に応じて決める実績報奨を導入した法人も23.3%あった。対価の上限をアップした法人は17.5%あり、34.6%は対価の上限をなくした。

社内の業務で発明をした社員の特許権は通常は会社に帰属するが、会社が特許権と引き換えに支払う報奨金などの対価はまちまちで、発明をした元社員が「正当な対価」を求めて会社を訴えるケースが続出。改正特許法が施行されている。

●石綿被害者救済の給付申請の受付開始(3月20日 環境省)

「石綿(アスベスト)による健康被害の救済に関する法律」(石綿救済新法)に基づく救済給付の申請の受け付けが20日始まった。労災補償の対象とならない健康被害者とその遺族への給付は独立行政法人環境再生保全機構や地方環境事務所などで、労災補償の権利が時効で消滅した労働者の遺族への給付は全国の労働基準監督署で、それぞれ申請を受け付けている。

環境省 「石綿(アスベスト)問題への取り組みをご案内します」
⇒ http://www.env.go.jp/air/asbestos/index.html
独立行政法人環境再生保全機構
⇒ http://www.erca.go.jp/index.html
中皮腫・じん肺・アスベストセンター
⇒ http://www.asbestos-center.jp/

●賃金格差の訴訟が和解 岡谷鋼機、名古屋高裁(3月20日 共同通信)

総合職や事務職のコース別の待遇による男女の賃金格差は不当として、名古屋市の鉄鋼商社「岡谷鋼機」の社員(57)と元社員(63)の女性二人が差額賃金など計約1億円や総合職の地位確認を求めた訴訟が20 日、名古屋高裁(田中由子裁判長)で和解した。

和解条項で、同社は二人に解決金を支払い、今年6月から女性社員を事務職から総合職に変更するなどとした。

名古屋地裁は2004年12月の判決で、差額賃金や総合職への変更の請求は退けたが、同社が「性差別をされない人格権を侵害した」などとして、現社員の女性への慰謝料と弁護士費用計550万円を認めていた。

1995年12月に提訴した二人は和解後に記者会見し「10年余りの長い道のりだったが、和解を評価したい」とした。

●神戸市、介護保険財政軽減のため有料老人ホーム建設を制限(3月18日 日経)

神戸市は2006年度から有料老人ホームの建設を実質制限する。市外から移転してくる高齢者の需要が強く、市内の施設数は02年度末から2.7倍に増えた。介護保険財政への影響の軽減を狙う。

神戸市は4月にも受け付けを始める。新設案件の受付期間を年1〜2カ月に絞り、事業方針や資金調達計画などを審査して事業者を決める。08年度までの3年間で神戸市が介護給付を負担する高齢者の新設ベッド数を200床に抑える方針だ。

●年金受給見込み額試算、50歳から可能に 社保庁(3月17日)

社会保険庁は17日、年金の受給見込み額を希望者に試算するサービスを、55歳以上から50歳以上に広げると発表した。20日から実施する。加入者によって異なる年金見込み額を早めに知らせることで、老後の生活設計に役立ててもらう。

年金見込み額の試算は同庁のホームページのほか、社会保険事務局の窓口や電話でも受け付ける。希望者が基礎年金番号や生年月日、現在加入している年金制度など必要な情報を伝えると、後日、60歳まで加入し続けた場合の年金額や支給開始年齢などが通知される。ホームページから申し込むと電子メールで、窓口や電話での申し込みなら郵送で結果を受け取る。

社保庁は2004年1月に、年金見込み額の試算の対象年齢を58歳以上から55歳以上に広げた。04年度には14万7000人が利用。現在も月に4000〜5000人から試算の申し込みがあるという。

●デンソー「期間従業員から正社員」を2.5倍に拡大(3月17日 日経)

デンソーは生産ラインで働く「技能職」で、期間従業員から正社員への登用を拡大する。2006年度は05年度の2.5倍にあたる150人程度まで増やす計画。トヨタ自動車など自動車メーカーの生産拡大を受けて部品メーカーでも現場の人材不足が目立っており、一定の経験を持つ即戦力を確保する。

デンソーは05年度から登用を始め、初年度は60人程度を採用する見通し。勤務期間が6カ月以上の期間従業員が対象になる。希望者は年2回の募集期間に応募、試験を受けて合格すれば7月か翌年の1月に正社員に切り替わる。

●成果主義導入企業の約半数、「適正な評価できていない」(3月16日 生産性本部)

社会経済生産性本部は16日、「日本的人事制度の変容に関する調査結果」を発表した。「業績や成績により、賞与・賃金で相当の格差がつく」という企業が約9割を占めるが、このうち約半数が「現場での評価能力に   バラツキがあり、適正な評価が出来ていない」と感じている。役員退職慰労金を廃止した企業は19.3%で、5,000人以上規模では31.1%荷のぼった。

●新入社員の意識、「就社」から「就職」へ 「新社会人白書」
 (3月16日 生産性本部)


社会経済生産性本部は16日、「新社会人白書−採用・就職事情最前線」を発表した。2005年の企業の採用活動と学生の就職活動を総括し、今後の方向を展望している。また、この40年間の意識調査の結果から、新入社員の意識や価値観の変化を分析。会社選びの姿勢が「就社」から「就職」へと変化したことや、自分の特技が就職の合否に影響を与えると考える人が増えたことなどを指摘している。

●週末帰任は「通勤」 労基署の不支給取り消す 単身赴任で名古屋高裁
 (3月15日 共同通信)


日曜日に単身赴任先へ移動中の男性=当時(41)=が事故死したのは通勤災害として、岐阜県土岐市の妻(46)が遺族給付などを不支給とした高山労働基準監督署の処分を取り消すよう求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁の青山邦夫裁判長は15 日、「(単身赴任者の)週末帰宅型の通勤」として、請求を認めた一審判決を支持、労基署側の控訴を棄却した。

遺族給付を定めた労災補償保険法は4月に改正法が施行され、自宅から単身赴任先に戻る途中の事故も通勤災害と認められる。今回の判決は一審岐阜地裁と同様、法改正を先取りした形で、妻の弁護士は「二審も同様に通勤災害を認めたのは初めて」としている。

青山裁判長は判決で、通勤とは「住居と就業の場所の間を合理的な経路と方法で往復すること」などと指摘。

男性が都合の良い列車がないため、自家用車で約3時間半かけて日曜日に移動した点を「健康と安全のためにやむを得ない」とした。

その上で、社宅は勤務していた生命保険会社の営業所の2階にあり「就業の場所と同一視できる」と位置付け「事故は(自宅と就業場所を往復する)週末帰宅型通勤の途中に発生した」と結論付けた。

判決によると、男性は日曜日の1999年8月1日夕、土岐市の自宅から約3時間半離れた岐阜県高山市の赴任先に車で出発。約4カ月後、途中の同県中津川市の沢に車ごと転落、死亡しているのが見つかった。

妻は2001年3月、遺族給付などを求めたが、同労基署は同8月、不支給処分とした。

●シャープ、育児退職社員を再雇用・4月から新制度(3月9日 日経産業)

シャープは9日、育児を理由に退職した社員の再雇用を保証する制度を4月から導入すると発表した。今春の労使交渉で組合からの要求に応じたもので、社員の子供が小学校に入学するまでの間、いつ退職しても希望時に再雇用を保証する。

同時に最高で500万円(金利は2.8%、最長6年間)までを貸し付ける不妊治療融資制度を新設する。さらに現在は3歳到達後の3月末日までが対象期間となっている育児短時間勤務制度も、子供が小学校に入学するまでに対象期間を延長する。

●二審もヨドバシに賠償命令 従業員が派遣社員に暴行で(3月8日 共同通信)

派遣先のヨドバシカメラ(東京)の従業員から暴行を受けたとして、派遣会社の元男性社員(28)が、ヨドバシカメラと同社従業員に100万円の慰謝料を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は8日、10万円の支払いを命じた一審東京地裁判決を支持、ヨドバシカメラ側の控訴を棄却した。

判決理由で南敏文裁判長は「従業員の暴行があったと認められ、ヨドバシカメラは使用者責任を負う」とした。

判決によると、男性は2002年12月7日、ヨドバシカメラの上野店で、仕事のミスから従業員に脚を3回けられた。

ヨドバシカメラは「コメントは差し控える」としている。

●多くの非正社員が「正社員より賃金低すぎる」と認識(3月8日 労政機構)

労働政策研究・研修機構は8日、「日本人の働き方総合調査」の結果を発表しました。(1)緩やかな時間管理の管理職では、「余計に働いてしまう」という人が多い、(2)正社員の3分の1が「持ち帰り仕事」をしており、その仕事は賃金に反映されていない場合がほとんど、(3)非正社員の多くが「仕事の内容からみて正社員より賃金が低すぎる」と思っている、(3)専属請負中心の個人事業主の約7割が「少々の病気なら仕事する」と考えている、などの結果が示されています。

独立行政法人 労働政策研究・研修機構 研究成果 調査シリーズ No.14
⇒ http://www.jil.go.jp/institute/research/2006/014.htm

●高齢者の健保保険料、06・07年度に激変緩和措置(3月8日 読売)

厚生労働省は8日、国民健康保険の保険料が税制改正の影響で2006年度から上がることをにらみ、年金を受給している高齢者に対する激変緩和措置を06、07年度に設けることを決め、各市町村に通知した。

具体的には、保険料の算定の基礎となる所得額から、「公的年金等特別控除」として06年度に13万円、07年度に7万円を、「老年者特別控除」として06年度に32万円、07年度に16万円を差し引くことを認めるなどの措置をとる。実際の保険料は、所得額に資産額などを加えたうえで市町村ごとに異なる保険料率をかけて算出するため、この措置でどれだけ安くなるかは個別のケースで異なるが、厚労省では「年間数千円程度の違いは出る」と見ている。

●石綿新法の施行は27日 20日から申請受け付け(3月6日 共同通信)

政府は6日、事務次官会議で、石綿健康被害の救済新法の施行日を27日とする政令案を決めた。7日の閣議で正式に決定する。施行日の1週間前の20日から給付申請を受け付ける。

環境省の関連団体、環境再生保全機構は6日から、制度に関する問い合わせの受け付けをフリーダイヤル(0120)389931で開始。

法律では時効で労災申請できなかった元従業員の遺族は全国の労働基準監督署で、労災対象外の周辺住民らは保健所などで受け付けるとしている。しかし、当面は準備が整わないため、環境再生保全機構本部(川崎市)と大阪支部(大阪市)のほか、札幌市や名古屋市など全国7カ所にある地方環境事務所で受け付ける。

●3人死亡事故で社長ら逮捕 運転手に月400時間労働(3月6日 共同通信)

京都府宇治市の京滋バイパスで2月、渋滞の列にタンクローリーが追突し3人が死亡した事故で、京都府警は6日、過労状態の運転手に運転を命じたとして道交法違反(過労運転下命)の疑いで大津市の運送会社「近若石油」社長国松英文容疑者(63)=大津市三井寺町=ら2人を逮捕した。

運転手の北村宏一容疑者(35)=業務上過失致死容疑で送検=は調べに「疲れで居眠りをしていた」と供述したという。

北村容疑者の事故直前1カ月間の労働時間は、労働基準法に基づく労使協定で定めた上限を約100時間も上回る約420時間で、休日は3日しかなかったという。

府警交通指導課の調べでは、国松容疑者らは2月12日、北村容疑者が長時間勤務による疲労で正常に運転できない恐れがあると知りながら、翌13日にタンクローリーを運転するよう命令した疑い。

北村容疑者は13日午前5時50分ごろ、大阪府堺市から滋賀県近江八幡市へ石油を運ぶ途中、路上に倒れていた京都市の男性を助けようとして停止したトラックなど計11台の列に突っ込み、3人が死亡、6人が重軽傷を負った。

同社は事故10日前の2月3日、近畿運輸局滋賀運輸支局から「運転手の拘束時間が長い」と警告を受けていた。

●育児支援制度を拡充(3月6日 東京海上日動火災保険)

東京海上日動火災保険は6日、仕事と育児の両立を図る社員を休職前から復職後までサポートするため、母性保護・育児支援制度を充実させたと発表した。30分の早退を小学校就学前まで認めていた短時間勤務制度を「1日最大3時間、小学校3年生の年度末まで」に拡充。また、養育可能な配偶者がいても育児休業を取得できるようにした。

東京海上日動火災保険 「育児フルサポート8つのパッケージ」
⇒ http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/j0201/pdf/060306.pdf

●生活保護の支給額、国民年金以下に削減 厚労省検討(3月5日)

年金保険料を払い続けてきた人よりも、生活保護を受ける人が所得が多いケースが多いことから、厚労省が生活保護の支給額を削減する検討に入ったことが分かった。

生活保護の支給額は、例えば東京23区内に住む68歳(単身)の場合、光熱費などの生活扶助分で8万820円。さらに賃貸住宅に住む人には上限1万3000円の住宅扶助などが加算される。これに対し、国民年金の場合、40年間払い続けた人でも月約6万6000円しか受け取れない。

このままでは保険料を払わず、老後を生活保護に頼る人が増えると、07年度から生活保護の支給額を段階的に国民年金(基礎年金)の支給額以下に引き下げる方針だ。

●離婚時の年金分割、「事実婚」も対象 厚労省方針(3月5日)

厚生労働省は来年4月に始まる離婚時の年金分割制度の対象に、法律上の婚姻関係がない「事実婚」のカップルも加える方針を決めた。あえて婚姻届を出さないという新しいライフスタイルにも対応する。財務、総務、文部科学など共済年金を所管する各省とも協議し、年内に省令で詳細を定める。

公的年金では婚姻届を出していないカップルでも、一緒に暮らし生計をともにするなど一定の条件を満たせば、事実上の夫婦と見なされる。事実婚上の妻は専業主婦であれば、国民年金の保険料納付が免除される「第3号被保険者」になれる。

●在宅勤務についての調査結果を発表 厚生労働省(3月4日)

厚労省は、在宅勤務の効率性についての調査結果をまとめた。調査対象は日本IBMや資生堂など大企業を中心とした在宅勤務者約130人。これによると、対象者の83%が「業務に集中できる時間が増えた」とし、「生産性が向上した」との回答も74%にのぼった。また、上司からの評価が低下したケースはほとんどない一方で、在宅勤務経験のある上司の評価が甘くなる傾向がみられた。

●スタッフサービス「紹介予定派遣」事業を全国展開(3月4日)

人材派遣最大手のスタッフサービスは一定期間派遣社員で働いた後、正社員として就職する「紹介予定派遣」事業を業界で初めて全国展開する。今月までに、全都道府県の53拠点で職業紹介免許を取得した。景気回復で正社員採用を増やす企業が地方都市にも広がっていることに対応。初年度は3000人の登録者を目指し、2008年度に紹介予定派遣事業の売上高20億円を見込む。

紹介予定派遣は04年3月の労働者派遣法改正で、派遣先企業による就業前の面接や履歴書の送付が可能になった。最長6カ月の派遣期間中に、企業は労働者の資質や業務遂行能力を、逆に労働者は派遣先の仕事が自分に合うかを見極める。

●派遣職員400人を正社員に(3月3日 福岡銀行)

福岡銀行は3日、関連会社から受け入れている派遣社員400人を、4月1日付けで正社員として直接雇用すると発表した。この関連会社に2006年度の新入社員として入社予定の156人も正社員として採用する。

福岡銀行 派遣社員の正社員化について
⇒ http://www.fukuokabank.co.jp/news/h2006/h03-03_2/index.htm

●賃金不払い残業で2億円清算(3月2日 札幌銀行)

札幌銀行は2日、札幌中央労働基準監督署から労働時間管理に関する是正勧告を受け、社内調査を実施した結果を発表した。2003年11月から05年10月までの2年間に、総額約2億円の賃金不払い残業があったことが判明。3月中に清算することにした。

札幌銀行 労働時間管理に関する行内調査結果について
⇒ http://www.sapporobank.co.jp/whatsnew/2006/20060302.htm

●ダイハツの再雇用制度、定年退職後も年収の8割以上支給(3月1日 日経)

ダイハツ工業は4月1日から、定年退職者を対象に退職後も年収の8割以上を支給して再雇用する制度を導入する。工場の生産要員や事務職が対象。国内生産の増強に加え、東南アジアなどでの生産・販売強化を進めており、有能な人材をつなぎとめる狙い。

導入する「シニア嘱託社員」制度は当初、2006年度に定年退職する約180人が対象。1年契約で最長65歳まで雇用する。最低でも定年時の年収の8割を保証し「定年時の年収を上回ることもある」(総務・人事部)が、選考基準は厳しく、選ばれるのは対象者のうち数%の見通し。

同社は現役時代の4割や6割程度の年収で再雇用する制度を持つが、退職後の処遇を手厚くして競合会社からの引き抜きなどを防ぎ、有能な人材の確保を狙う。

●改正社会保険労務士法が一部施行
 /労働争議不介入規定を削除(3月1日 厚労省)


社会保険労務士が個別労働紛争に関する裁判外紛争解決手続(ADR)で代理業務を行えるようにする改正社会保険労務士法の一部が1日施行された。今回施行されたのは社労士の労働争議への介入を禁止する規定を削除した部分など。法改正により、社労士が争議行為の対策の検討、決定に参与できることになった。労働争議時の団体交渉で、一方の代理人になる業務は引き続き行うことができない。

社会保険労務士法の一部を改正する法律の概要
⇒ http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/shahoroumu01/01.html

●政府管掌健康保険の介護保険料率が変わりました(3月1日 社保庁)

政府管掌健康保険の介護保険料率は、平成18年3月分保険料(平成18年5月1日納付期限分)から、1.23%(2月分までは1.25%)となった。

これにより、40歳から64歳までの介護保険第2号被保険者の政府管掌健康保険料率は、医療に係る保険料率(8.2%)と合わせて、9.43%(2月分までは9.45%)となった。なお、健康保険組合の加入者の介護保険料率は、加入している健康保険組合によって異なる。