私傷病休職制度(05年11月号)

私傷病休職制度

私傷病休職制度は、多くの会社で以前から実施されていますが、近年では成人病や心の病など慢性的な疾患を抱える労働者が増加し、これまでの制度では対応できないケースが増えています。特に問題となるのは出勤と欠勤を繰り返すケースや、休職して職場復帰した後、短期間で同一の傷病で欠勤するケースですが、このような事例に対応できる私傷病休職規程にしておくとよいでしょう。

◆私傷病休職制度とは

私傷病休職制度は、社員が病気やけがによって一時的に働けなくなった場合に直ちに解雇するのではなく、一定期間休職させることによって健康を取り戻し、再び就労するチャンスを与えることを目的とする制度です。

この制度は法令で義務付けられているものではなく、会社が任意に実施する制度なので、制度を実施するかどうか、実施する場合に休職期間をどの程度にするか、休職期間中に賃金を支払うかどうかなど制度の内容は労使の取り決めによって決めることになります。

ただし、制度として実施した後は、労働契約上の労働条件となるため、会社が恣意的に運用することはできません。

◆規程に定めておくとよい例

休職発令前の欠勤期間(欠勤許容期間)については欠勤が連続して発生したことを休職発令の条件として定めるケースが多いですが、欠勤と出勤を繰り返し、同一傷病による欠勤日が連続しない場合もあるので、同一傷病による欠勤期間を通算してカウントする制度とするのがよいでしょう。

私傷病制度を適用する場合には、社員に対し医師の診断書の提出を義務付けるのが一般的ですが、診断書を提出しないケースもあります。私傷病によって一定期間以上欠勤する場合および休職の適用を受ける場合に医師の診断書の提出を義務付ける旨を規程に定め、診断書を提出しない場合の取扱いも規程に定めるとよいでしょう。

休職期間満了までに傷病が回復し、職場復帰が可能な場合、会社は職場復帰を認めなければなりませんが、短期間の休職と復職を繰り返す場合の対策として、規程に一定期間内に生じた同一傷病による休職期間は通算し、2回目以降の休職には欠勤許容期間を適用しないで直ちに休職を発令できる旨を定めておくとよいでしょう。