社員旅行に行かなければ積立金は?(05年10月号)

社員旅行に行かなければ積立金は?

社員の交流を図ったり、結束を強めたりする目的で、毎年、社員旅行に出かける会社も多いと思います。社員旅行のために、月々の給料から天引きで積立てをしている会社もあるでしょうが、もし社員旅行に行かなかった社員から積立金の返還を求められた場合、積立金は返さなければならないのでしょうか?

◆請求があれば返金すべき

労働基準法に社内預金に関する規定があり、利用目的を旅行に限定している場合でも、会社が社員から徴収し、管理する資金という点では、社員旅行の積立金も社内預金の一種と見られています。そのため、社員から要求があった場合、会社は遅滞なく返金する必要があります。

ただし、直前のキャンセルなどで宿泊施設のキャンセル料が発生した場合などは、その社員に現金で請求することができます。

◆給料から天引きする場合

積立金を給料から天引きする場合には、会社には労働者の過半数で組織する労働組合か労働者の過半数を代表する者と労使協定を締結する必要があります。もし、労使協定なしに天引きすれば、違法な社内預金となるため、法定利率を付け、社員の不利益にならないように返金しなければなりません。

◆親睦会費の積立金は

親睦会費などの名目で積立てをしている場合、あらかじめ規約で「旅行に参加しなかった場合、積立金は返還しない」旨を定めておけば、原則返金する必要はありません。規約に定めていない場合には、旅行の準備などの活動経費を差し引いた分を欠席した社員に返却しないと民法上の不当利得に当たる可能性もあるので注意が必要です。

親睦会費か社内預金かは、名称ではなく実態に即して判断されます。親睦会費と称していても会の実態がなかったり、親睦会は存在していても活動の実態がなく社員旅行目的の積立てを行っていたりすれば社内預金と解され、返還の請求があれば返金しなければなりません。