同一県内の転勤でも通勤災害に?(06年7月号)

同一県内の転勤でも通勤災害に?

◆通勤災害の対象が拡大

今年4月1日に施行された改正労災保険法により、単身赴任者の赴任先住居と帰省先住居との間の移動中の災害について、業務との関連性を有するものについては通勤災害の対象となりました。
それでは、同一県内における近距離の転勤による単身赴任の場合も通勤災害の対象となるのでしょうか。

◆改正法の内容

今回の改正では、住居と就業の場所との往復に先行し、または後続する住居間の移動についても、通勤災害制度の対象となる「通勤」に該当することとされました。

転任に伴い、当該転任の直前の住居と就業の場所との間を日々往復することが当該往復の距離等を考慮して困難となったため住居を移転し、同居していた配偶者、子、要介護状態にある親族とやむを得ない事情により別居している労働者であることを満たす者による移動が対象とされたものです。

◆「通勤が困難な場合」とは

では、同一県内での転勤はどう判断するのでしょうか。前述した「距離等を考慮して困難」の判断について、通達では、「その経路について、徒歩による測定距離や鉄道事業法に規定する鉄道運送事業者の調べに係る鉄道旅客運賃算出表に掲げる距離等を組み合わせた距離が60キロメートル以上の場合、または、60キロメートル未満であっても、移動方法、移動時間、交通機関の状況等から判断して60キロメートル以上の場合に相当する程度に通勤が困難である場合」とされています。

◆実態に即した判断

つまり、単身赴任者に係る「通勤が困難」の判断については、転勤直前の住居と転勤先の就業場所との距離が、原則60キロメートル以上であることが必要となります。

したがって、同一県内での転勤であっても、転勤前住居から転勤先の職場の距離が60キロメートル以上あれば通勤が困難と認められ、その移動が就業に関して行われているものであれば、住居間の移動は通勤災害の対象となります。

一方、他県への転勤であっても、通勤が困難とは認められず、住居間の移動は通勤災害の対象とならない場合もあり、実態に即した形で判断されることになります。