人事労務の最新ニュース(2006年7月)

●2,000万円支払い和解 月100時間残業の新人自殺(7月31日 共同通信)

栃木県の加工食品卸会社に入社約8カ月後に自殺した男性=当時(23)=の両親が、月100時間を超える時間外労働を放置し安全配慮を怠ったとして、勤務先に1億2,000万円の損害賠償を求めた訴訟は31日、会社側が約2,000万円を支払うことなどを条件に東京地裁で和解が成立した。

原告代理人の川人博弁護士によると、会社側は労働基準法36条に基づいて労使間で時間外の労働時間を決める「36協定」を超える残業があったことも認め、再発防止を約束した。

訴状によると、男性は2002年4月に入社。研修終了後の同年10月から営業マンとして働いたが、残業や休日出勤は月に100時間を超えた上、取引先とのトラブルやノルマ達成、社用車での交通事故などによるストレスからうつ病になり、同年12月に自殺した。

遺族は03年5月に労災認定を申請したが、真岡労働基準監督署は「業務外の災害」として認めていない。

川人弁護士は「新入社員の過労自殺の相談が増えている。リストラの結果、新人をサポート不足のまま即戦力にすることが背景にある。特に営業職はノルマが課され、過重な負担から自殺するケースが珍しくない」と話している。

●「偽装請負」労働が製造業で横行 実質派遣、簡単にクビ(7月31日 朝日)

大手製造業の工場で「偽装請負」と呼ばれる違法な労働形態が広がっている。この3年で労働局から違法と認定された企業の中には、キヤノン、日立製作所など日本を代表する企業の名もある。メーカーにとっては、外部から受け入れた労働者を低賃金で、安全責任もあいまいなまま使えるうえ、要らなくなったら簡単にクビを切れる好都合な仕組みだ。「労働力の使い捨て」ともいえる実態がものづくりの現場に大規模に定着した。

全国の労働局が2年ほど前から立ち入り調査を強化。昨年度だけでも、メーカーなど請負を発注した660社のうち、半分以上の358社で偽装請負に絡む問題が発覚し、文書指導した。05年度までの3年間を見れば指導件数は年々倍増しており、「いたるところで見つかる状態」。指導事例は、氷山の一角だ。

装請負の現場で働く労働者は不利な立場にある。担い手は20〜30代半ば。ボーナスや昇給はほとんどなく、給料は正社員の半分以下だ。社会保険の加入さえ徹底されず、契約が打ち切られれば、すぐさま失業の危機にさらされる。

請負労働者が働いているのは、ハイテク商品を扱う最新鋭工場が多い。

大分市郊外にあるキヤノンの子会社「大分キヤノン」の大工場。作業台に沿って、若い男女が立ち並ぶ。視線は手先に集中し、黙々と人気商品のデジタルカメラを組み立てる。多くは、請負会社から送り込まれた。県内のもう一つの工場と合わせると約4000人で、正社員の3倍以上の人数だ。

大分キヤノンは昨夏、偽装請負があったとして大分労働局から改善指導を受けた。だが1年たった今も、違法状態は完全には解消できていない。

これまで偽装の実態が知られなかったのは、労働局が指導先の企業名を公表してこなかったからだ。朝日新聞が独自に調べたところ、この2、3年の違反例だけでも、日本を代表するメーカーが次々と見つかった。

キヤノンは子会社だけでなく、宇都宮市の本体工場も昨秋に指導を受けた。このほか、ニコン、松下電器産業の子会社「松下プラズマディスプレイ」や東芝系の情報システム会社「ITサービス」、富士重工業やトヨタ自動車グループの部品会社「光洋シーリングテクノ」と「トヨタ車体精工」、いすゞ自動車系の「自動車部品工業」、今治造船、コマツの子会社「コマツゼノア」で偽装請負があった。

偽装請負の現場では、重大な労災事故も起きている。日立製作所の茨城県日立市の工場では04年9月、請負会社の作業員2人が発電機の検査中に感電し、死傷する事故が発生した。日立は安全対策を怠ったとして労働安全衛生法違反容疑で書類送検されたほか、偽装請負についても茨城労働局から改善するよう口頭で指導を受けた。

監督官庁がないため、請負会社で働く人の数はつかみにくい。厚生労働省の推計だと製造業だけでも04年8月時点で87万人に上るというが、働く人たちの多くが自分たちを派遣労働者と思い込んでいる。

メーカーの認識不足も著しい。関東各県の労働局が昨年製造業約9000社を対象にしたアンケートでは、回答企業1876社のうち「派遣と請負の区分を十分理解している」と答えたのは34%。多くが違法性を認識しないまま偽装請負を続けているのは間違いない。

 労働者派遣法などに抵触 偽装請負とは?

メーカーなどの企業が、人材会社から事実上、労働者の派遣を受けているのに、形式的に「請負」と偽って、労働者の使用に伴うさまざまな責任を免れようとする行為。職業安定法や労働者派遣法に抵触する。職業安定法には懲役刑もあるが、適用されたことはほとんどない。

製造業への労働者派遣は04年3月に解禁された。これ以降、メーカーが他社の労働者を指揮命令して使うには、労働者派遣法に基づいて使用者責任や労働安全上の義務を負う派遣契約を結ぶ必要があるが、こうした責任・義務を負わずに済む請負契約で請負労働者を使う「偽装」の事例が後を絶たない。

本来の請負は、請負会社がメーカーから独立して仕事をする。自前のノウハウや設備を持ち、そこで生産した商品を発注元に納めるのが典型だ。しかし、偽装請負では、請負会社は労働者をメーカー側の工場に送り込むだけで、仕事の管理はメーカー側に任せている。メーカー側はこうした立場を利用し、自社の社員や派遣労働者と同じように仕事を指図したり、勤務状況を管理したりしている。

厚生労働省は製造業への派遣が解禁された04年以降、メーカーに対し、「偽装請負」から「派遣」への切り替えを促してきた。しかし、派遣にすると、一定期間経過後には直接雇用を申し込む義務がメーカー側に発生する。人件費アップを避けたい企業は、派遣への切り替えに消極的で、請負契約を続けたい意向が今も強い。

●育児休暇6年、何度でも・サイボウズ、男女とも取得可(7月30日 日経)

企業向けソフト開発のサイボウズは育児・介護支援制度を8月1日から拡充する。子供が小学校に入学するまで最長6年間、育児休職を取れるようにする。取得回数は制限なし。産前休暇も妊娠が判明した時から利用できるようにする。育児・介護休業法で求める範囲を大幅に上回る支援制度の導入で、優秀な人材の確保をめざす。

新制度は男女とも利用できる。6年の取得可能期間は上場企業では西日本鉄道などごく一部に限られ、最も長いという。従来は最長1年6カ月を1回取れるだけだった。

サイボウズ株式会社HP プレスリリース
http://cybozu.co.jp/company/news/2006/20060731.html

●既往症ある社員の急性心臓死、業務起因性を認めず請求を棄却 青森地裁
 (7月29日)


青森地裁は28日、遺族補償費不支給処分取消請求を棄却した。

工場長であった男性が急性心臓死により死亡したことについて、妻である原告が、労働基準監督署に対し労災保険法に基づき,遺族補償給付の支給を請求したところ、男性の死亡は業務上の事由によるものとは認められないとして不支給の処分を行ったため、妻がその処分の取消しを求めたのに対し、監督署長の処分は正当であってこれを取り消すべき理由はないとして争っていた。

争点は男性の死亡が業務に起因するものであるかどうかであったが、青森地裁は、既往症のある者が勤務先会社の本社で行われる会議に出席する途中で急性心臓死をしたことと業務との間に業務起因性があるとは認められないとの判断を下し、遺族補償費不支給処分取消請求を棄却した。

事件番号:平成17(行ウ)2
事件名 :遺族補償費不支給処分取消請求事件
裁判年月日:平成18年7月28日
裁判所名・部:青森地方裁判所 第2民事部

判決全文⇒遺族補償費不支給処分取消請求事件
補足資料⇒労働時間以外の要因

●過労自殺、遺族と和解 コマツ、裁量労働下で初(7月29日 共同通信)

仕事の性質上、勤務時間などが労働者に委ねられる裁量労働制の職場で働き、過労自殺した諏訪達徳さん(当時34、神奈川県平塚市)の遺族が長時間勤務を放置したなどとして、勤務先の機械メーカー「コマツ」(東京)に計約1億8,000万円の損害賠償を求めた訴訟は28日までに、東京地裁(湯川浩昭裁判長)で和解が成立した。

原告代理人の弁護士は「和解内容はコマツの意向で公表できないが、納得できる内容」と話している。同弁護士によると、裁量労働制下の過労自殺をめぐり、勤務先の責任を追及した訴訟の初の和解とみられる。

訴状によると、諏訪さんは1984年、コマツに入社し、98年秋から裁量労働制の職場へ異動。1日11〜18 時間働き、うつ病となって99年12月に自殺した。

平塚労働基準監督署は2002年「自殺は過労が原因」と労災認定し、遺族は03年7月に提訴した。

訴訟でコマツは「自殺の原因は長時間労働ではない」などと主張し、争っていた。

●「メンタルヘルスの取り組み」に関する調査結果(7月29日 社会経済生産性本部)

(財)社会経済生産性本部はこの度、「メンタルヘルスの取り組み」に関するアンケート調査結果を発表した。

(1)6割の企業でこの3年間に「心の病」が増加
@最近3年間における「心の病」は、6割以上の企業が「増加傾向」と回答。
A年齢別にみると、「心の病」は30代に集中する傾向がより鮮明になっている。
B「心の病」による「1ヶ月以上の休業者」は、7割強の企業で存在。

(2)背景に職場の変化〜7割近い企業で「個人で仕事する機会増えた」
@7割近い企業において、個人で仕事をする機会が増えている中で、約6割の企業で、職場のコミュニケーションの機会が減り、5割近くの企業で、職場の助け合いが少なくなっている。
A各従業員の責任と裁量のバランスが取れているという企業は約6割あるものの、とれていない企業も4割みられ、責任と権限がアンバランスになりがちな現状もあることが示唆される。

(3)職場の横のつながりを取り戻すことが喫緊の課題
@職場でのコミュニケーションの機会が減少した企業においては、心の病の増加した割合が71.8%にのぼっている。

財団法人 社会経済生産性本部 メンタルヘルス研究所 アンケート調査結果
⇒ http://www.js-mental.org/kekka.html

●一緒に飲酒し乗らなかった同僚、車の所有者の勤務先会社にも責任…ひき逃げ死亡
 (7月28日 読売)


埼玉県坂戸市で2001年、大学生だった正林幸絵さん(当時19歳)が酒酔い運転の車にひき逃げされ死亡した事件で、遺族が、運転手の元会社員(37)(危険運転致死傷罪などで懲役7年確定)と、運転前に一緒に飲酒した同僚(33)などを相手取り、計約8100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、東京地裁であった。

佐久間邦夫裁判長は、同僚についても「深酔い状態にあることを知りながら、運転を止めなかった責任がある」と賠償責任を認め、元会社員と同僚、車の所有者だった勤務先の会社に、計約5800万円を支払うよう命じた。

原告代理人によると、飲酒運転による事故で同乗者の責任を認めた判例はあるが、直前まで一緒に飲酒した者の責任を認めた判決はほとんど例がないという。

判決によると、元会社員は01年12月28日夜から29日未明にかけ、同僚らと計3店で飲酒した後、駐車場で同僚と別れ、会社の車で帰宅する途中に正林さんら3人をはねて逃走した。正林さんと女子短大生(当時20歳)の2人が死亡し、もう1人が重傷を負った。

訴訟では、元会社員と勤務先の会社は責任を認めたが、同僚は「法的責任はない」と主張した。この日の判決は、「正常な運転ができないほど飲酒を勧めた者には、運転を制止する義務がある」とした上で、同僚について、「長時間にわたり一緒に飲酒しており、飲酒を勧めたのと同一視できる」と指摘。「深酔い状態で運転すると分かっていたのに、元会社員を駐車場に残して帰宅したのは、飲酒運転をほう助したと言える」と、結論付けた。

原告側は、元会社員の妻についても、「夫が飲酒運転の常習者で、酒を飲んで帰ると知っていた」として賠償を求めたが、判決は、「帰宅途中の事故を回避させる方策はなかった」として、認めなかった。

●75歳以上の医療保険料、最少負担は月900円に(7月28日 日経)

厚生労働省は75歳以上を対象に2008年度に新設する高齢者医療保険の保険料の大枠を固めた。平均的な所得がある高齢者1人あたりの保険料を月額6200円とするのが標準的なモデルで、低所得者の保険料は三段階で軽減する。最も負担が軽い人で900円に抑える例も示した。高齢者の「負担の分かち合い」の具体例を示し、制度の円滑な導入を進めるのが狙いだ。

新制度は先の国会で成立した医療制度改革法に盛り込まれ、75歳以上の全員から保険料を徴収する公的医療保険。現在、高齢者は自営業者などが主体の国民健康保険など現役世代と同じ健康保険に加入している。子供に扶養されているため保険料を払っていない人も多い。新制度は高齢者だけの公的保険になるので、高齢者の負担感が増す可能性が高い。

●「60歳代前半への雇用延長動向」市場レポート(7月28日 大和総研)

大和総研 資本市場調査部 レポートサマリー

@2006年4月から、改正高年齢者雇用安定法による60歳代前半の雇用確保措置義務化がスタートしている。好調な企業業績もあってか、ほとんどの企業で着実な対応がなされている。

A大多数の企業は、対象者について緩やかな基準を設けた上で、継続雇用制度の一つである再雇用制度により対応している模様。雇用形態は1年毎の更新で、非正規社員としての処遇が主流とみられる。これらは事前の予想通りである。

B再雇用制度の場合には人件費コストが大きいものとはならず、企業にとっては高年齢者雇用がむしろ戦略にさえなりうるだろう。ただし、2006年後半から実際に大量定年退職が始まると何が起きるのか、十分な予想は難しい。足下での定年退職者は少ないため、変化は急激に生じる可能性がある点、注意しておきたい。

詳細は 大和総研HP リサーチ 資本市場レポート
http://www.dir.co.jp/research/report/capital-mkt/capmkt/06072703capmkt.html

●対価 8,700万円で和解 東芝と開発者の元社員 フラッシュメモリー特許
 (7月27日 共同通信)


携帯電話やデジタルカメラなどに広く使われている半導体「フラッシュメモリー」の開発者で、東芝(東京)の技術者だった舛岡富士雄東北大教授(63)が特許権を会社に譲渡した対価の一部として約10億円の支払いを求めた訴訟は27日、東芝が舛岡教授に和解金8,700万円を支払うことを条件に東京地裁(設楽隆一裁判長)で和解が成立した。

企業内発明の対価をめぐる訴訟で決着したケースの中では、3番目の高額とみられる。

東芝によると、和解は訴訟で争われたフラッシュメモリーの発明だけでなく、舛岡教授が東芝在職中に単独または共同で関与したすべての発明が対象。

請求額に比べて和解金は大幅に少ないが、舛岡教授は記者会見で「会社からこれまでに受け取った対価の 600万円に比べれば、けた外れに評価された金額。技術を大事にする方向性が日本の産業を発展させる。和解は大きな前進」と評価した。

訴状によると、舛岡教授は東芝に勤務していた1980年と87年、小型記録媒体を構成する2種類のフラッシュメモリーを開発。東芝は計41件の特許を取得した。

フラッシュメモリーは携帯電話などのほか、家庭用ゲーム機器や携帯用音楽プレーヤーにも使われ、舛岡教授は特許使用料や国内外での独占的販売で、東芝は少なくとも200億円の利益を得たと主張。舛岡教授が受け取るべき発明の相当対価を80億円とし、一部を請求した。

これに対し、東芝側は「舛岡教授一人で発明したわけではない」などと反論していた。

舛岡教授は71年、東北大工学部電子工学科で博士号取得後、東芝に入社。94年に退社し、同大工学部教授となった。

東芝広報室は「和解の対象となった発明には、舛岡教授にこれまでに600万円を超える多額の対価を支払っている」と話している。

社内技術者の発明の対価をめぐっては、東京地裁が2004年3月の判決で、青色発光ダイオード(LED)を開発した米国の大学教授、中村修二氏の請求を認め、日亜化学工業に200億円の支払いを命令。控訴審で約8億4,000万円の支払いで和解したケースが過去最高額とみられる。

●個人情報保護、企業8割が対応(7月27日 NRIセキュアテクノロジーズ)

昨年4月に施行された個人情報保護法への対応が完了した企業が8割を超えたことが、野村総合研究所の子会社のNRIセキュアテクノロジーズの調査でわかった。ただ、約4割の企業が「対応に自信がない」と回答しており、情報漏出への不安を感じている企業は少なくない。

調査は5月に東証1部・2部上場企業など約3000社を対象に実施。15%にあたる449社から回答を得た。

個人情報保護法に対応済みの企業は前年の54.8%から80.3%に増えた。72.1%の企業が携帯用のノートパソコンで「ウィニー」などのファイル交換ソフトの使用を禁止するなど、情報保護の意識は高まっている。この結果、過去1年間に「ウイルスなどへの感染事案が発生した」と回答した企業も前年の51.2%から36%に減少している。

一方、「過失によって個人情報が漏出した」と回答した企業は6.1%と前年より倍増。携帯用パソコンなどの紛失・盗難が発生したと回答した企業も前年の22.1%から26.2%へと増えた。同社は「今後は社員教育のほか、事故が発生した際、被害を最小限にとどめる仕組みの導入も重要になる」としている。

NRIセキュアテクノロジーズHP 7月26日ニュースリリース
http://www.nri-secure.co.jp/news_alert/news_release/06_07_26.html

●出産一時金、病院に直接支給・厚労省が改善策(7月26日 日経)

厚生労働省は出産費用として、健康保険から親に支給される出産育児一時金の支払い方法の改善策をまとめた。いまは出産してから約1カ月後に現金で対象世帯に渡す仕組みだが、年内にも健康保険から医療機関に直接支給する方式に改める。親は30万円程度かかる分娩費用を準備しておかなくても済むようになる。

分娩は健康保険の対象外だが、出産育児一時金として赤ちゃん1人につき30万円(10月から35万円)が現金で支払われる。現在は出産後、必要な手続きをしてから約1カ月後に現金で支給されるため、親は病院に払う分娩費を用意する必要があった。

●神戸製鋼が選択型福利厚生制度―育児や介護に重点、今秋メド
 (7月25日 日経産業)


神戸製鋼所は今秋をメドに社員が所定の枠内で子育て支援や介護サービス、資産形成セミナー受講などを選択できる福利厚生制度を導入する。仕事と子育ての両立など多様化する社員のニーズに対応する。春の労使交渉では、仕事と育児の両立で鉄鋼大手の各労使が合意している。具体的なプランを打ち出したのは神鋼が初めて。

神戸製鋼が導入する選択型福利厚生制度(カフェテリアプラン)は、社員1人当たり年間8万円の福利厚生費を原資に、各社員に800ポイント(1ポイントは100円)を付与し、社員がその枠内で24の福利厚生メニューから自由に選択できる。

育児や介護、子供の教育などの「家族協働支援」に最多となる5項目を割き、次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づき策定した行動計画を後押しする。育児分野では保育園や幼稚園への通園費用やベビーシッター費用、チャイルドシートなど育児用品の購入費用の半額に充てることができる。介護分野でも同様に、同居する一等親に対する介護保険費用や、介護施設・サービスの利用料、介護用品の購入費用の半額を、年間8万円を上限に補助を受けられるようになる。

●事前面接、条件つき解禁へ―次期通常国会に派遣法改正案上程
 (7月24日 労働)


厚生労働省は、平成19年に開催する次期通常国会に労働者派遣法改正案を上程する方針である。約1年をかけて、関係業界へのヒアリングや実態調査を進めてきた結果、事前面接の解禁、雇用契約申込み義務の緩和、紹介予定派遣の運用改善、偽装請負に対する指導監督の強化などを柱とする制度改正の意向を固めた。具体的な改正内容は、今後さらに審議会で検討するが、事前面接の解禁などでは、労働者保護の面などから一定の制約を設ける模様だ。

●業務委託にも団交認める 大阪府労委、拒否は不当(7月24日 共同通信)

大阪府労働委員会は24日、住宅設備大手「INAX」(愛知県常滑市)の子会社「INAXメンテナンス」(同)が、個人で業務委託契約を結び製品の修理に当たる「カスタマーエンジニア(CE)」の労働組合との団体交渉を拒否したのは不当労働行為だと認定、団交に応じるよう命じた。

業務委託されている人たちに団交権を認めた例はあるが、少ないという。

命令書で府労委は (1)メンテナンス社のCEは約570人で正社員の約3倍 (2)業務に従事する条件は会社が一方的に決定 (3)出社こそしないが会社の指揮監督を受け会社の決めた業務をしている ―の実態を挙げ「労働組合法上の労働者と認めるのが相当」と指摘。

「CEを構成員とする組合と会社の関係に関する事項は、団交を行う義務がある」と判断した。

同社のCE9人は2004年9月、労働条件改善を求め労組を結成。団交を申し入れたが、同社に「CEは独立した個人事業主で、労働組合法上の労働者には当たらない」と拒否され、救済を求めていた。

労組側代理人の村田浩治弁護士は「今回の命令は業務委託を受けている人が組合をつくって会社に対抗できることを認めた重要な判断。同様の形態の会社にも影響を与えるだろう」と話している。一方、INAXメンテナンスは「内容を詳しく検討して今後の対応を考えたい」としている。

●企業年金、ポータビリティー制度導入の動き拡大(7月24日 朝日)

転職したときなどに、以前の勤務先で積み立てた確定給付型の企業年金の資産や加入期間を合算できる「ポータビリティー制度」を導入する動きが広がっている。景気回復に伴い、雇用環境が改善している。導入する企業は、社員の老後の備えである年金への不安を減らして、質の高い転職者の確保につなげることを狙っている。

傘下にセブン―イレブン・ジャパンやイトーヨーカ堂などをもつセブン&アイ・ホールディングスは昨秋、「業容拡大に向けて金融やIT(情報技術)など幅広い技能をもつ人材が不可欠」とみて導入した。これまで10人が制度を活用して中途入社した。「個人が安心して働ける職場づくりには欠かせない」と同社幹部。

警備大手のセコムは家庭や企業などの警備需要の増加に恵まれて、年間約1000人規模を中途採用している。新制度の導入で「多様な人材を確保し、企業の活性化を図る」と意気込む。

6月に証券会社で初めて制度を導入したのは、独立系準大手の岡三証券。前の勤務先と合算で20年以上働けば、年金を受け取れるようになった。「貯蓄から投資へ」の流れの下、証券各社は中途採用を増やしており、新制度導入で差別化を図りたい考えだ。

政府は、雇用の流動化が進むなかで企業年金の「持ち運び」が重要になるとみて、米国にならって01年に確定拠出年金(日本版401k)をスタートさせたが、株価低迷の長期化などで普及は遅れている。

昨年10月からは異なる企業年金間のポータビリティーも可能になったものの、財政計算が煩雑なこともあり、日本の企業年金の主流はまだ資産の持ち運びや合算が仕組み上、難しい確定給付型となっている。

●高額医療・介助の合算制度に大きな不備 75歳以上で(7月23日 産経)

同じ世帯で医療と介護保険の両方を利用した際の自己負担額が重くなり過ぎないよう、合計額に上限を設ける「高額医療・高額介護合算制度」が平成20年度からスタートするが、75歳以上の「後期高齢者医療制度」と国民健康保険(国保)とに分かれて加入する高齢者夫婦世帯の場合に適用対象外となるなど、制度上の大きな不備があることが22日、分かった。異なる健康保険の合算を認めていないためだ。後期高齢者医療制度への加入を義務付けておきながら、それが原因で世帯の合算ができないチグハグぶりに反発も出そうだ。

合算の対象にならないのは「夫75歳、妻70歳」といった高齢者夫婦や扶養家族が75歳以上になるといった家族が異なる健康保険に加入している世帯。

合算制度の対象は、健康保険組合や政府管掌健康保険(政管健保)、国保など各健康保険の加入者本人と扶養家族の医療と介護サービスの総額の合計額で計算される。しかし、一つの世帯を形成していても異なる健康保険に加入している家族は、事務処理が複雑になるなどの理由から合算が認められない。

高齢者の場合、厚生労働省は20年度から後期高齢者医療制度を新設して75歳以上は自動的に加入させる。高齢者夫婦のみの世帯では、ともに74歳以下の時は世帯合算の対象になっていたのが、どちらかが75歳に達した時点で加入する健康保険が異なると世帯合算できなくなる。子供の扶養家族になっているような場合も75歳になると自動的に合算対象から外れる。これらの世帯では負担額が急増する可能性もある。

厚労省はこうしたケースについて、個別に医療と介護の合計限度額を設定して対応する考えで、75歳以上を合算対象から外すことについて「負担能力があり、それぞれの限度額まで負担してもらうことが制度の趣旨にかなう」と説明している。

このため、医療と介護の合算が全くできなくなるわけではなさそうだが、75歳以上の場合は、後期高齢者医療制度への加入が義務付けられることに伴うものである上、高齢化の進行に伴ってこうした世帯は今後増え続けることが予想される。スタート前に制度の修正を求める声が強まることも予想される。

●リストラの実施にあたり関与した労働組合が約9割(7月22日 労働調査会)

リストラが実施された事業所では約9割が労働組合が関与し、そのうち3分の1では団体交渉を行っていることが厚生労働省の調査結果で分かった。

これは、同省が実施した「平成17年労働組合活動実態調査」の結果によるもの。調査は、組合員規模100人以上の単位労働組合約3400組合を対象に、昨年6月末時点で行っている。同様の調査を5年ごとに実施しており、今回が5回目となる。

調査結果によれば、過去3年間(平成14年7月1日〜平成17年6月30日)に労働組合が属す事業所で企業組織の再編・事業部門の縮小等(リストラ)が「実施された」のは42.2%で、前回調査(平成12年=45.7%)よりやや減少している。「実施された」事業所で、実施にあたり労働組合が「関与した」のは87.6%(前回82.2%)で、そのうち、「労使協議機関で協議した」が92.7%(同90.7%)、「団体交渉を行った」が35.7%(同36.5%)となっている。

リストラにあたり使用者から提示された事項としては、「出向・転籍」が最も多く53.1%、以下、「転居を伴わない配転」39.6%、「転居を伴う配転」33.0%、「退職金・企業年金の見直し」27.5%の順。一方、提示事項で組合が重視したものは、「出向・転籍」が42.5%で最も多く、次いで、「転居を伴う配転」、「転居を伴わない配転」がそれぞれ21.5%、「退職金・企業年金の見直し」が21.4%の順となっている。

また、リストラに対する組合の認識をみると、「企業組織の再編等の実施は避けられないとしても、労働条件の変更は最小限に止めるべきである」51.0%(前回46.5%)、「雇用の維持が図られるならば企業組織の再編等は実施してもよい」30.5%(同29.9%)となっている。

●松下労組の解散決定 単組の連合体に移行(7月22日 共同通信)

松下電器産業労働組合は21日、大阪府門真市で定期大会を開き、8月1日付で解散し、事業分野ごとに独立した労組の連合体に移行することを決議した。

1946年に結成された松下電器労組は、単一組織として60年の歴史に幕を下ろす。

松下電器労組はこれまで、事業分野ごとに14の連合支部を置いていた。今回の再編で支部は16の単組として独立し、個別に会社側と労使交渉を行う。

新たに発足する「松下電器労働組合連合会」が、各単組やグループ関連会社の労組を束ねる。29日に労働組合連合会の結成大会を開く予定だ。

●労働審判申し立て、全国で278件 スタート3カ月(7月22日 日経)

会社と労働者個人のトラブルを解決するため今年4月に始まった労働審判制度の全国の地裁への申立件数が、6月までの3カ月間で278件に達したことが21日、最高裁の調べで分かった。このうち東京地裁では、申し立てから結論が出るまでの平均日数は約49日で、早期決着を目指す制度の効果が表れ始めていた。

労働審判は、裁判官1人と労使双方から推薦された労働審判員2人で構成し、各地裁に設置された労働審判委員会が審理する。3回以内の調停で、3カ月程度での決着が目標。

●胸部エックス線検査、40歳未満5年ごと 厚労省案(7月22日 日経)

労働安全衛生法に基づいて職場の定期健康診断で年一回義務づけられている胸部エックス線検査について、厚生労働省は21日、40歳未満は医師の判断で5年に1回に省略できるとの案を同省の検討会に示した。

検討会は8月にも結論を出す見通し。同省は研究班を設置して影響を調査したうえで同法施行規則を改正し、早ければ2008年4月から実施したいとしている。

昨年4月施行の改正結核予防法が一般職場でのエックス線検査の義務づけを廃止したため、同法に準拠する労働安全衛生法についても、検討会でエックス線検査の必要性が議論されている。

厚労省の案によると、40歳未満の若い世代では、エックス線検査で結核などの病気を発見できる利点よりも、放射線被曝による発がんの有害性の回避を優先。雇用時の健診でエックス線検査を受けた後は、医師の判断で5年に1回に省略できるとしている。

●「高い評判は、個人の選択行動に好影響。従業員満足度も向上させる」gooリサーチ
 「企業の評判と購買・就労・投資に関する意識調査」結果(7月21日 三菱総研)


国内最大級のインターネットアンケート・サービス「gooリサーチ」を共同で提供するNTTレゾナント株式会社と株式会社三菱総合研究所は、「gooリサーチ」登録モニターおよびgooユーザを対象に「企業の評判と購買・就労・投資に関する意識」調査を実施した。

本調査により、「企業の評判」が個人の購買意識、就労意識、投資意識に以下のような影響を与えていることが分かった。

@商品・サービスの選択を迷い易い人は(商品・サービスによっても異なるが)「評判」を重視する。
A勤務先に対する高い評判は従業員の満足度を高める。
B長期運用志向の個人投資家は、財務的側面に加えCSR、経営方針に関わる評判も重視する

詳細は、三菱総合研究所HP プレスリリース
http://www.mri.co.jp/PRESS/2006/pr060720_cbu01.html

●「アリさん」の引越社支店長代行、過労運転命令で罰金(7月21日 朝日)

「アリさんマーク」で知られる「引越社関西」(大阪市東淀川区)の林篤貴・姫路支店長代行(29)が過労状態の運転手に運転を命じたとされる事件で、大阪区検は20日、林支店長代行を道路交通法違反(過労運転の下命)の罪で大阪簡裁に略式起訴した。同簡裁は罰金30万円の略式命令(※)を出し、林支店長代行は即日納付した。

命令などによると、支店長代行は3月27日、アルバイト運転手松平圭志さん(当時21)が厚生労働省が定める上限(最大1カ月320時間)を超えて勤務するなど過労状態だったにもかかわらず、兵庫県姫路市から横浜市までの運転を命じるなどした。松平さんは同日、大阪府東大阪市内の阪神高速で追突事故を起こし、死亡した。調べに対し支店長代行は、「業績を上げるため、まずいと思いながら運転させた」と供述したという。

略式起訴

検察官は、100万円以下の罰金や科料に相当するような軽微な犯罪について、被疑者に異議がない場合、簡易裁判所に略式命令を請求(略式起訴)することができ(刑事訴訟法第461条)、これを受けて、簡裁が、書面審理だけで刑を言い渡す(略式命令を出す)簡単(簡易)な刑事裁判の手続き(略式起訴する際、被告が起訴事実を認め略式裁判を受け入れる「略式請書(うけしょ)」が作成される)。

この場合、被告人が公開の法廷に立たずに済むなど、迅速な処理ができる利点があるため、現在、日本の刑事事件の9割以上が略式手続きで済まされている。しかし、無罪や罰金刑が定められていない罪の場合などは「略式不能」>となり、事案が複雑で公判を開くべきだと判断した場合などは「略式不相当」と判断され、正式裁判(公判請求)が行われる。また、被告人や検察官は簡裁の命令に不服がある場合には、改めて正式裁判が請求できる(同法465条)。

●ニチイ学館、パート2000人を正社員並み待遇に(7月20日 日経)

東証一部上場で介護事業最大手のニチイ学館は介護事業所で働く管理職のパート社員約2000人の給与体系を正社員並みとする。時給・固定給とバラバラだった給与体系を固定給に統一し、管理職手当もつける。契約期間は1年の有期雇用である点は変わらないが、待遇面で正社員との差をほとんどなくす。優秀な人材の定着率を高め、介護事業での競争力を強化する。

対象は「サービスリーダー」と呼ぶパート社員約2000人。サービスリーダーは高齢者の入浴を助けるホームヘルパーのスケジュールを管理したり、福祉用具の手入れの仕方などを新人の介護職員に教育したりする。

●エプソン、育児目的の有給休暇を最大5カ月に(7月20日 日経産業)

セイコーエプソンは2007年度から従業員の育児支援を拡充する。病気療養などに限定していた有給の医療休暇を育児でも取得できるようにする。短時間勤務の適用範囲も拡大する。労使委員会が24日に答申案を作成、双方の合意を得たうえで正式決定し、07年度にも本格導入される見通し。

これまで従業員本人の病気療養や家族の看護などにしか利用できなかった医療休暇(最長60日)を育児でも取得できるようにする。育児目的で医療休暇を取得できるのは中学卒業まで。授業参観や家庭訪問も育児とみなす。

エプソンでは05年度に77人が育児休職制度を利用。しかし男性の利用者はわずか3人。育児休職は分割取得が不可能なため、「職場に迷惑をかける」と尻込みする場合が多いという。分割可能な医療休暇の活用で男性社員の育児参加を促す。医療休暇、通常の有給休暇(40日)、通常の休日を合わせ、育児で最大5カ月間の有給休暇を取得できる。

●派遣労働で違反急増・厚労省の指導、5年で10倍(7月20日 日経)

厚生労働省が2005年度に派遣労働に関する法令違反で是正指導した件数が、前年度比63%増の3812件荷のぼったことが明らかになった。5年間で10倍と急増。派遣労働が広がる一方で、派遣業者や受け入れ企業の法令順守体制が追いついていないためとみられる。IT(情報技術)業界などで違法な雇用が常態化しているとの指摘もあり、厚労省は指導を強化する。

厚労省は地方労働局などを通じて企業に立ち入り調査をしており、職業安定法違反などがみつかると是正指導をしている。04年度からは労働者から苦情が寄せられた企業を重点的に調査するなど体制を強化しており、05年度には対象企業の61.1%で違反がみつかった。

●年末一時金支払訴訟 上告審で元従業員側の勝訴確定(7月19日 共同通信)

労使合意に反して年末一時金を支給しなかったのは不当として、旧秋保温泉タクシー(仙台市太白区)の元従業員ら63人が同社に一時金の支払いを求めた訴訟の上告審で、最高裁第三小法廷(堀籠幸男裁判長)は18日、同社の上告を退ける決定をした。同社に計約2,000万円の支払いを命じた二審仙台高裁判決が確定した。

一、二審判決などによると、同社は例年一時金を払っており、元従業員側は1999年4月、会社側との集団交渉で労働条件を例年通りとすることで合意。会社側はその後、一時金を含む賃金制度見直しを提案したが元従業員側が拒否、同年末の一時金は支給されなかった。

一審仙台地裁、二審とも「合意は書面化されていなかったが、一時金支給は労使慣行で、例年通り支給するとの労働契約は成立していた」と判断した。

●派遣各社、主婦取り込み・人材不足に対応(7月19日 日経)

人材派遣各社が派遣スタッフを確保するため、主婦の開拓を強化する。子育て中の主婦に保育所を利用しやすい仕組みを設けたり、短時間労働への対応などを進める。景気回復で派遣需要が増える一方、企業の正社員採用拡大の影響で新規登録者数は伸び悩んでいる。人材確保のため、いったん家庭に入った女性を戦力として活用する。

フジスタッフは保育所運営の学栄(大阪市)と組み、派遣スタッフが保育所の空き情報を優先的に取得できるようにした。月々の保育料も3割引き(上限2万円)になる。子育てで働きに出られない主婦の登録を狙う。同社には育児中のスタッフが3月末で約2000人いるが、来年3月までに3000人程度に増やす。

●介護各社、人材の確保・育成強化(7月19日 日経)

介護事業各社が人材の確保・育成の強化策に知恵を絞っている。高齢化で介護事業の需要が増える一方、景気回復などで採用競争が激しくなっているためだ。ホームヘルパーや看護師らの人材不足も深刻化しており、待遇や認知度の向上で成長を目指している。
 
日本医療事務センターは年内にも、介護職員の給与体系に能力主義を採用する。ヘルパーのランクを利用客からの評価に応じて6〜7段階のランクに分ける。最高ランクと最低ランクヘルパーの間では時給換算で最大1000円程度の差がつくという。

●社会保険料、海外赴任者も控除・まず仏と相互協定(7月19日 日経)

政府は、外国で働く日本人や、日本で働く外国人が母国に納めた社会保険料を、税法上、就労地の所得から控除できる制度を導入する。企業活動がグローバル化する中で、海外赴任に伴う個人の納税負担を軽くする狙い。まず日仏間で相互に所得控除することで合意した。来年の通常国会で租税条約を改正し、2007年中にも実施する。

日仏両国には支払った社会保険料を所得から控除する制度がある。ただし、外国で働く者が母国に支払う保険料は控除の対象外だった。制度改正により仏で働く日本人数千人、日本で働くフランス人数百人がそれぞれ社会保険料の所得控除を受けられる見込み。

●企業年金連合会、「積み立て不足」14年ぶり解消(7月19日 読売)

国内有数の機関投資家である企業年金連合会は18日、株価の回復などの運用環境の改善で、2006年3月末時点で剰余金が1兆円を超え、将来の年金支払いに必要な運用資産よりも実際の資産が少ない「積み立て不足」が14年ぶりに解消したことを明らかにした。

連合会は、超低金利などの運用環境の悪化で解散した企業の厚生年金基金の債務を引き継ぎ、運用している。転職などで厚生年金基金を中途で脱退したサラリーマンも含めて約2800万人分(延べ人数ベース)の年金資産を保有しており、運用収益の改善で、加入者の年金が予定通り支払われるメドが立ったことになる。

●元従業員ら勝訴確定 仙台のタクシー会社訴訟(7月18日 共同通信)

労使合意に反して年末一時金を支給しなかったのは不当として、旧秋保温泉タクシー(仙台市太白区)の元従業員ら63人が同社に一時金の支払いを求めた訴訟の上告審で、最高裁第三小法廷(堀籠幸男裁判長)は18日、同社の上告を退ける決定をした。同社に計約2,000万円の支払いを命じた二審仙台高裁判決が確定した。

一、二審判決などによると、同社は例年一時金を払っており、元従業員側は1999年4月、会社側との集団交渉で労働条件を例年通りとすることで合意。会社側はその後、一時金を含む賃金制度見直しを提案したが元従業員側が拒否、同年末の一時金は支給されなかった。

一審仙台地裁、二審とも「合意は書面化されていなかったが、一時金支給は労使慣行で、例年通り支給するとの労働契約は成立していた」と判断した。

●非正社員「同じ仕事なのに賃金低い」3割 労政機構調査(7月18日 日経)

パート社員や契約社員など非正社員の約3割が「正社員と同じ仕事をしているのに賃金が低い」と考えていることが、独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査で分かった。約2割は「(低い賃金に)納得していない」と回答し、正社員との賃金格差への不満が目立つ。

調査は2005年12月、全国の事業所870カ所と非正社員1700人を対象に実施した。

非正社員の52%は「事業所内に同じ仕事内容の正社員がいる」と回答。32%は自らの賃金水準を「同じ仕事内容の正社員に比べ低い」と思い、18%が「納得していない」と答えた。

●雇用保険、65歳以上の新規加入可能に 厚労省方針(7月18日 日経)

厚生労働省は65歳以上の人でも雇用保険に新規に加入できるようにするため、制度の見直しに着手する。失業した人に生活資金を給付したり職業訓練の機会を提供したりする雇用保険の間口を広げ、高齢の就業者を守るセーフティーネット(安全網)を充実させる。少子化で若年層の労働力人口の減少が懸念されるなか、現在約500万人の65歳以上の就業者の増加につなげる。

制度の見直しは今秋から、厚労相の諮問機関である労働政策審議会で進める。審議会で結論がまとまれば、2007年の通常国会にも雇用保険法の改正案を提出する。来年中に成立した場合には、08年度にも施行を目指すことになりそうだ。

●確定拠出年金の運用、転職で放棄4万7000人超 05年度末(7月18日 日経)

確定拠出年金(日本版401k)の運用を、転職を機に放棄している人が2005年度末で4万7000人にのぼることが明らかになった。毎年2倍のペースで増えており、転職時に必要な手続きを済ませて運用を続けている人の1.3倍となった。継続手続きを知らずにいる人が多いためとみられる。運用を続けないと給付額が減り、将来問題化する恐れがある。

確定拠出年金は加入者本人が積立金を債券や投資信託などに投資して運用する制度で、昨年末時点で約175万人が加入。転職の際に、転職先の企業年金に積立金を持ち運べる「ポータビリティー」が特徴の一つだ。会社員が加入する「企業型」では転職先に同型の年金がない場合、自営業者らが加入する「個人型」に積立金を移して運用を続ける必要がある。

●「不払い残業」正社員の4割超 労政機構調査(7月15日 朝日)

正社員の4割超が「不払い残業」をしており、平均で月約35時間にのぼることが、労働政策研究・研修機構の調査でわかった。残業自体の多い30〜40代に目立ち、20〜30代の男性を中心に転職希望も強かった。

調査は05年8、9月、20〜50代の正社員2000人と配偶者約1300人を対象に同年6月1カ月の残業の状況などを聞き、約8割から回答を得た。

残業をしていた人は全体の約8割。平均の残業時間は、30代が最長で41.9時間、次いで40代が39.2時間だった。理由(複数回答)は、「所定時間内では片づかない仕事量だから」が最多(59.6%)だった。

もともと残業代がつかない管理職らを除いた人について、残業代が支払われていない「不払い残業」時間を算出したところ、46.5%は0時間だったが、42.0%が不払い残業をしていた。11.5%は無回答だった。平均は月34.5時間。「40時間以上」もいて、男性の30代は16.3%、40代は18.8%にのぼった。女性は20代が最多で15.7%、30代が11.4%だった。職種別では、男性は「営業・販売・接客」、女性は「製造・生産関連」の30代で目立った。

また労働時間が月240時間を超える人では、20代の3人に1人、30代の5人に1人が「いいところがあればすぐにでも転職したい」と答えた。

小倉一哉・同機構副主任研究員は「働き盛りに過大な業務量が行き、そこに成果主義が加わると、不払いでも長時間残業をしてしまうのではないか」と分析している

●正社員の賃金決定、「業績・成果」と「職務遂行能力」を以前よりも重視
 (7月15日 労政機構)


労働政策研究・研修機構は14日、「多様化する就業形態の下での人事戦略と労働者の意識に関する調査」の結果を発表しました。それによると半数を超える事業所が、正社員の賃金を決定する場合、その要素として「業績・成果」と「職務遂行能力」を「以前よりも重視」しています。また、4割弱の正社員が会社の賃金の決め方に納得しておらず、その理由として約半数が「仕事への努力が正しく評価されていない」ことをあげています。

独立行政法人 労働政策研究・研修機構HP 「What`s New」コーナー
http://www.jil.go.jp/index.htm

●二審も年金減額認めず 元港湾労働者が全面勝訴(7月14日 共同通信)

財団法人港湾労働安定協会(東京)が労使協定に基づき港湾年金の支給額を引き下げたのは不当だとして、元港湾労働者9人が減額分の支払いを求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は13日、原告全面勝訴の一審神戸地裁判決を支持し、協会に計約230万円の支払いを命じた。

年金減額を認めた労使協定の効力が受給者のOBにも及ぶかどうかが最大の争点。竹中省吾裁判長は「OBには労使の意思形成過程に参加する機会がない。現役世代と利益は共通せず、労使間の合意が及ぶとは言えない」として、OBには満額受給の権利があると判断。協会側の控訴を棄却した。

判決によると、港湾年金制度は1976年、港湾労働者の老後のために協会と事業者が拠出し設立。不況を理由に99年の労使協定で年額30万円から25万円への減額が決まった。

原告側は「協会は2度の司法判断を受け止め、退職したすべての労働者に減額分を支給するべきだ」とコメントした。

●離婚時年金分割、事実婚は扶養期間のみ 厚労省が省令案(7月14日 朝日)

厚生労働省は、来年4月に導入される離婚時の年金分割制度の省令案をまとめた。これまで不明確だった事実婚の扱いや、分割できる年金見込み額などの問いあわせに応じる情報提供の方法が具体化された。8月11日まで一般からの意見(パブリックコメント)を募った上で、同月末までに公布する。

法律婚の夫婦の場合、それぞれが働いて保険料を納めていた期間も含め婚姻期間全体が分割協議の対象となるが、事実婚の場合は、一方が相手に扶養され、社会保険庁が国民年金の「第3号被保険者」と認めた期間に限られると定めた。

10月から社会保険庁が始める一般への情報提供については、離婚前なら問いあわせた事実は配偶者に知らされないが、離婚後は通知されるようになる。

電子政府の総合窓口HP パブリックコメント欄「厚生年金保険法施行規則等の一部を改正する省令(案)」
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public

●「若年者雇用に果たす中小企業の役割と課題―ミスマッチの解消に向けて―」
 (7月13日 中小公庫総研)


中小公庫総合研究所では12日、若年者の就業を促すための中小企業の役割と課題について、先進的な中小企業の事例分析などから、標記のレポートを取りまとめた。

日本の15〜64歳の生産年齢人口は1995年以降減少が続いている。中でも、15〜34歳の人口は、他の階層に比べて、その減少度合いが大きく、今後の懸念材料となっている。また、同階層の労働環境は、有効求人倍率あるいは完全失業率といった指標で見ると、需給ギャップが他の階層に比べて大きい状況にある。若年者の需給ギャップの大きな要因として、雇用のミスマッチの問題があることを指摘するとともに、雇用のミスマッチに対応する上で、中小企業が極めて大きな役割を果たしうることを明らかにする。

中小企業金融公庫HP「中小公庫レポート」
http://www.jasme.go.jp/jpn/result/c2_0605.html

●富士通社員の過労自殺認定 労基署、再調査で一転認める(7月13日 朝日)

02年3月に自殺した富士通社員の神奈川県厚木市の男性(当時28)について、労災申請を却下していた厚木労働基準監督署が再調査の結果、自殺直前の過労が判明したとして先月末に一転して労災を認めたことが12日、わかった。

遺族の代理人の川人博弁護士によると、男性は00年4月に入社し、医療事務ソフトの操作マニュアルの作成を担当。02年3月20日に自殺した。

遺族は過労が原因だとして同年9月に労災申請したが、同労基署は業務による強いストレスがあったとは認められないとして04年11月に不支給を決定。神奈川労働局への審査請求も棄却されたため、遺族は国の労働保険審査会に再審査請求し、昨年12月、東京地裁に決定取り消しを求める訴えを起こしていた。

認定の理由について同労基署は、裁判に伴う再調査の結果、(1)直前1カ月の残業時間が当初118時間とされたが、実際は159時間だった(2)過労により、直前に精神疾患を発症したとみなすべきだとわかった、などと遺族に説明したという。男性の父親(65)は会見し、「4年もたち、訴訟まで起こさないときちんと調査しない労働行政とは何なのか」と話した。

過労による労災認定は脳・心疾患の場合、「発症直前の1カ月に残業が100時間を超える」などの基準が示されているが、うつ病などの精神障害の場合、仕事の変化や人間関係などを総合的に判断するとして明確な基準がない。認定率(05年度)も脳・心疾患の44.1%に対し、28.3%と低い。川人弁護士は「明らかな長時間労働でも、精神疾患では認定されないという現象が起きており、厚労省は基準を見直すべきだ」としている。

●「仕事と家庭の両立支援で業績向上」厚労省委託調査(7月13日 日経)

社員が仕事と子育てを両立できるよう気を配る企業は業績もいい―。厚生労働省がこんな調査結果をまとめた。人材育成を重視し、仕事と家庭の両立支援が手厚い企業は、社員のやる気や1人当たりの経常利益が高いという。

調査と分析はニッセイ基礎研究所と専門家に委託した。従業員数301〜2000人の企業を対象に実施し、446社から回答を得た。社員の能力開発への投資や、育児休業の導入時期などを点数化し、それぞれ上位50%と下位50%の企業の業績を比べた。

社員1人当たりの経常利益を比べると、人材育成と両立支援の両方で上位の企業の43.5%が300万円以上と高かったのに対し、下位の企業は28.5%にとどまった。逆に100万円未満の低収益は上位企業で23.5%と少なく、下位企業では35.8%と多かった。新卒者の最近5年間の採用状況では、両項目が上位に入った企業の42.9%が「質・量ともに必要な人材が確保できた」のに対し、両項目とも下位だった企業は20.4%にとどまった。厚労省は「社員への支援は企業にとってもメリットがあることが明らかになった」としている。

●長期入院患者の食住費、重い人は除外 厚労省が方針(7月13日 朝日)

慢性期の患者が長期入院する療養病床で10月から70歳以上が徴収される「食費・居住費」について、厚生労働省は12日、肺炎や神経難病など重い患者は対象外とする方針を決めた。また、低所得者も3段階で負担を軽減する。同日の中央社会保険医療協議会(中医協)で明らかにした。

お年寄りから新たに徴収されるのは、月額で、食費(材料費・調理コスト)4万2000円、居住費(光熱費相当)1万円の計5万2000円。従来は食材料費相当額の2万4000円のみだったため、2万8000円の負担増となる。

除外対象は、医療の必要度に応じて分けられた3区分のうち、重い「区分2」と「区分3」で、肺炎や神経難病のほか、気管切開や肺気腫、四肢まひがある脊髄(せきずい)損傷の患者など。

また、住民税非課税世帯(夫婦2人の場合、年金収入211万円未満)は、収入に応じて、食費・居住費の総額が、3万円、2万2000円、1万円に減免される。

●社員の育児支援制度を拡充 デンソー(7月12日)

デンソーは11日、今年11月から社員の育児支援制度を拡充すると発表した。「子どもが1歳6カ月になるまでの1回」としていた育児休職期間を「小学校卒業まで最長3年間(5回までの分割取得が可能)」に延長。また、小学校卒業までの間に通算1年間、実働4時間15分または5時間45分のどちらかを選択できる短時間勤務制度を導入する。

株式会社デンソーHP 「ニュースリリース」コーナー
http://www.denso.co.jp/ja/newsreleases/060711-01.html

●東京地裁が過労死認める「消防査察の負担が原因」 (7月11日 共同通信)

会社が保管していた危険物の運搬作業を終えた直後に心筋梗塞で死亡した東京都の顔料メーカー課長=当時(54)=の妻が、労災と認めなかった立川労働基準監督署の処分取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁は10日、労災と判断して処分を取り消し、遺族補償の支給を認めた。

課長は死亡した日の朝、消防署から危険物の保管状況をその日のうちに査察するという連絡を受け、危険物を会社の倉庫から慌てて運び出していた。査察と死亡との因果関係が争点となり、難波孝一裁判長は「査察による精神的負荷がかかった状況での運搬が原因で死亡した」と認定した。

判決によると、課長は社内で危険物保安監督者を兼務。 1999年9月16日朝、立川消防署から査察予告の電話を受け、倉庫内に消防署への届け出を超える危険物(樹脂原料)があったため、重さ19キロの一斗缶を片手に1個ずつ持って30分間に約80個運び出し、直後に倒れた。

妻は労災申請をしたが、立川労基署は2003年6月「業務と死亡は関係ない。課長には高血圧などの危険因子がもともとあった」として、不支給処分にした。

●中国電、65歳まで再雇用(7月11日 日経産業)

中国電力は来年4月から希望する従業員を65歳まで再雇用する。4月施行の改正高年齢者雇用安定法に対応した。一方で、55歳以上は管理監督職に就けない役職定年制の導入や早期退職制度の拡充なども実施し、雇用期間延長に伴う人件費の増加抑制と組織の新陳代謝を促進する。

60歳以降の雇用を希望する社員は55歳で一度退職することが条件となる。その時点で再雇用契約を結び、65歳まで雇用を継続する。雇用継続は65歳まで保障される。再雇用者の賃金は社員退職時の約7割とし、60歳から65歳は賃金を一定額とする。

●36協定の上限超える時間外で送検―京都南労基署(7月10日 労働)

京都南労働基準監督署(谷口勉署長)は、36協定で定めた1日当たりの時間外労働の限度を超えて業務に従事させた貨物自動車運送業の葛ヲ利と同社配車係長を、労働基準法第32条(労働時間)違反の疑いで京都地検に書類送検した。同社の36協定の1日当たり限度時間は5時間だったが、トラック運転者6人に対して、1日最大で12時間20分の時間外労働を行わせていた。昨年11月に、滋賀県の高速道路上で7人が死亡した交通災害を契機に違反が表面化した。

●高齢者医療 保険料3段階軽減 最少負担900円(7月9日 産経)

厚生労働省は8日、平成20年度に新設される75歳以上を対象とした後期高齢者医療制度で、低所得者については保険料を3段階で減額する基準を決めた。世帯所得に応じて定額部分を7割、5割、2割減額する。厚労省は高齢者1人あたりの保険料を月額6200円(全国平均)と試算しているが、夫婦ともに収入が基礎年金(年79万円)のみの世帯の場合、1人月額900円の負担で済む計算となる。

高齢者医療制度の新設に伴い、患者の自己負担も所得に応じて増えることに加え、新たな保険料が徴収されることから、負担軽減措置が焦点となっていた。

75歳以上の保険料額は都道府県ごとの広域連合が決め、定額部分と所得比例部分(いずれも全国平均3100円)の合計で決まる。

減額対象になるかどうかは、世帯全体の所得で判断され、子供と同居している高齢者の場合、子供の所得も含めて判定を受ける。具体的には、年収から給与控除額や公的年金控除額を差し引いた「軽減判定所得」を世帯全員についてそれぞれ算出し、その合計額を減額基準額とする。

基準額33万円以下は7割、103万円までは2割を減額する。2人以上の世帯の場合、判定された所得が57万5000円以下なら5割減額とする。

この基準額を年金収入のみの高齢者にあてはめると、年収153万円以下は7割減額、223万円以下は2割減額が適用される。基礎年金のみで子供と同居していない人や、いずれも基礎年金のみの夫婦世帯は、所得比例部分がかからない上、定額部分が7割減額されるため、保険料は1人月900円で済む計算だ。

逆に、基礎年金のみの高齢者でも、例えば年収390万円(政管健保加入者の平均年収)の子供と同居している場合は減額対象にならず、定額部分月3100円を負担することになる。

減額分は、税金(都道府県4分の3、市町村4分の1)で補填(ほてん)する。

●社員の発明に対する報奨金額を引き上げた企業が約4割(7月8日 労政機構)

労働政策研究・研修機構は7日、「従業員の発明に対する処遇についての調査」の結果を発表しました。この調査は、社員の発明に対する処遇について上場企業3783社を対象に、昨年11月〜12月実施したもので、約600社から回答を得ている。

それによれば、発明等(発明、実用新案の考案、意匠の創作、登録品種の育成)に関する社内規定について、特許権等(特許権、実用新案、意匠権、登録品種の育成者権)の取扱いの「明文の規定がある」のは、特許等を取得したことがある企業の85.5%となっている。規定別では、「使用者が定める規則(就業規則とは別のもの)」が77.7%と最も多く、ほかでは、「就業規則」26.3%、「労働協約」1.5%など。

発明等に対する処遇を最近5年間で変更したかどうかに関しては、「発明等の対価の見直しの観点から報奨金の支給額引上げ等制度を充実」(44.0%)、「発明等へのインセンティブを高める観点から支給額引上げ等制度を充実」(42.0%)が多くなっている。

独立行政法人 労働政策研究・研修機構HP 「What`s New」コーナー
http://www.jil.go.jp/index.htm

●「歳を考えろ」 全日空機長、乗務多すぎで労災申請(7月8日 産経)

成田―パリ往復のために宿泊していたパリ市内のホテルで脳疾患を発症したのは、長期間の過重な乗務が原因だとして、全日空の国際線機長(58)が7日、休業補償などを求めて大田労働基準監督署(東京)に労災申請をした。

申請によると、機長は昨年6月、パリ行きの定期便に乗務。到着翌日の朝、宿泊先のホテルで頭痛などを同僚に訴え、そのまま約1カ月意識不明となった。一命は取り留めたが、1年たった現在も体に障害が残り休業が続いている。

業務との因果関係について機長は、飛行時間が13時間前後となる北米や欧州便の乗務が月4回前後あることや、それに加えた国内線乗務の疲労、時差による不眠、乗務しながら若手パイロットを評価する査定業務のストレスなどが長年続いたと主張。機長の平均的な乗務時間が月約50時間なのに対し、平成10年から恒常的に60〜80時間の乗務を続け、疲労が長期間蓄積した、としている。

申請代理人の全日空乗員組合は「北米や欧州の国際線を月に4回以上飛ぶことは、時差を考えると4回以上徹夜するようなもの。体力が衰えた50代の機長が30〜40代と同じ頻度で飛ぶこと自体に無理がある」と話す。申請について全日空は「客観的なデータを提供し、労基署の判断を待ちたい」としている。

●全日空が時間外手当未払い 一般職、労基署が是正勧告(7月7日 共同通信)

全日空は6日、自己申告で勤務時間を管理している一般職の社員に時間外や深夜の割増賃金を支払わずにサービス残業をさせ、労使協定で定めた残業時間も守らなかったとして、天満労働基準監督署(大阪市)から是正勧告を受けた。

本社や全国の支店などに勤務する一般職約1,100人の勤務状況を9月末まで調べ、過去2年分の未払い賃金を11月に支払う予定。

全日空によると、5月22日に大阪支店が同労基署の立ち入り調査を受け、一般職の社員3人について調べた結果、業務メールの送信履歴などから、残業を申告していない日も残業していることが判明した。

また協定で1日の残業時間が4時間までと定められているのに、4時間半の残業をしていたケースも見つかった。全日空は「勧告を真摯に受け止め、適切に対応していきたい」と話している。

●「就職活動・内定実態調査」の結果発表(7月6日 楽天グループ共同調査)

楽天グループの「みんなの就職」と「楽天リサーチ」は5日、共同調査として「みんなの就職活動日記」の登録ユーザーを対象に、『就職活動・内定実態調査』を実施した。この調査は、買い手市場から売り手市場に変化した就職市場において、“内定者”と“非内定者”にはどのような違いがあるのかを調査するべく、「就職活動に関する考え方」、「就職に必要なスキル」などをテーマに行なわれた。

今回の結果について、『決して「いい人」に内定が出ないということを示したものではなく、内定者でも非内定者と同様の意識傾向を持つ者も存在する。しかし、“内定”と“非内定”を分けるポイントは、「自分のスキル」を数多く磨いて、且つそれを自己アピールする外向きのパワーを持つことが傾向として表れている。(中略)実際の能力を採用試験で判断するのは至難であるがために、より外を向いたプレゼンテーション能力をもった学生が勝ち組になったことは容易に想像できる。』などと分析している。

調査結果全文は、楽天リサーチHP「リサーチ公開データ」コーナーへ
http://research.rakuten.co.jp/ 

●派遣販売員の資格取得、ノジマが全額を負担(7月6日 日経)

中堅家電量販店のノジマは取引先から派遣される販売員「ヘルパー」に販売士、簿記など資格取得の費用を全額同社が負担する制度を導入する。士気向上による顧客サービスの強化が狙い。直接の雇用関係がないヘルパーの資格取得を支援するのは業界でも珍しいという。

同社が負担するのは、通信講座などの受講料と、資格に合格した場合の受験料で合わせて1人数万円。同社の正社員にはすでに導入しており、処遇格差の解消につながるとみている。

●名神高速の多重衝突事故−最後尾に突っ込んだ運送業者に過重労働の容疑
 (7月5日 共同通信)


昨年11月、滋賀県彦根市の名神高速道路下り線で日系ブラジル人7人が死亡した多重衝突事故。調査過程で長時間労働が表面化していたが、7月4日、「(株)協利」(宇治市槙島町)と同社の配車係長が労働基準法第32条(労働時間)違反容疑で京都南労基署から京都地検に書類送検された。

同社は多重衝突事故前1ヶ月間に、事故にからんだ運転手(40歳)を含む6人に対してのべ18日にわたり、最高1日12時間20分(運転時間のみカウント)にも及ぶ時間外労働をさせていた。法定内8時間を加えると20時間20分になるが、24時間との差3時間40分が睡眠に当てられた保証もない。

●雇用保険の基本手当の日額など引き上げ 厚労省(7月5日)

厚生労働省は8月1日から雇用保険の基本手当の日額、高年齢雇用継続給付の支給限度額などを引き上げると4日発表した。雇用保険法の規定に基づく措置で、毎月勤労統計調査の2005年度の平均給与額が前年度より約0.4%上昇したことから、この率に応じて引き上げる。

厚生労働省HP「雇用保険の基本手当の日額、高年齢雇用継続給付の支給限度額等の変更」のページ
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/07/h0704-1.html

●ロイヤル、考査基準づくり―店長クラスも参加(7月5日 日経)

ファミリーレストラン大手のロイヤルホールディングス(HD)は来年1月、給与査定に関する評価基準づくりに店長などの中堅社員が参加する制度を導入する。現場の声を基準に反映し、社員の士気向上を図る。

現時点で対象となるのはグループ全体の社員2500人のうち、HD本体を含むグループ13社の約710人。年内に傘下企業ごとに店長や本社の部課長など役職者代表が議論し、月給の1〜3割程度を占める成果反映分の評価項目の一部を決める仕組み。

●フリーターを正社員に 人材関連各社(7月5日 日経)

人材関連各社が定職に就かない「フリーター」を正社員として企業に仲介する事業に力を入れている。適職を探しあぐねている人向けに幅広い職種をそろえた人材紹介部門を新設したり、技術者派遣の要員として自社で積極採用したりする。大量の人員を必要とする外食や小売り、優秀な人材が不足しているIT(情報技術)業界などの旺盛な需要を獲得する狙いだ。

フルキャストは今月下旬にもフリーター対象の人材紹介を始める。イベント施行や販売促進など、主力の派遣事業で開拓した約40種類の職種をそろえ、個人の適性を見極めた上で希望分野への就職をあっせんする。企業から取る手数料は紹介者の年収の1割前後と通常より低めに設定し、紹介先企業を増やす。

●やる気引き出す“反成果主義” (7月5日 読売)

年間休日140日、70歳定年、残業禁止など独自の理論で「社員のやる気」を引き出す未来工業(本社・岐阜県輪之内町)。そのユニークな制度を打ち出してきたアイデアマンが創業者の一人、相談役の山田昭男さん(75)だ。

同社は、電気設備資材などを手がける中堅メーカー。今年で創業40年を迎えた。山田さんはこれまで、「会社がもうかるためには、社員のやる気を起こさせることが大切」と、従業員を優遇する様々な制度を整えてきた。年間休日140日は、山田さんによれば「日本一多い」という。正月休みは20日間、8月の盆休みは10日間ある。就業時間は朝8時30分〜午後4時45分。休憩1時間を除くと7時間15分と、労働基準法に定められた8時間に比べて短い。年間の総労働時間1600時間。残業は一切禁止だ。

今年2月には、創業40周年を記念し、オーストラリアへ社員旅行。かかった費用1億5000万円は、すべて会社持ちだ。社員が旅行委員となり、「バンジージャンプ」「ホームステイ」「エステ」など、40周年にちなんだ40のネタを作成。社員はクジをひいて様々な体験に挑戦した。

5年前には、当日にならないと行き先がわからない「ミステリー社員旅行」を開催。あみだクジで、パリ、ハワイ、フロリダなど海外10か所へ飛び立つ、ユニークな試みを行った。

「働くうえでいい条件を作れば、社員が頑張り、会社がもうかる。こうした様々な取り組みは、言ってみれば『アメ』作りで、『ムチ』は決して使ってはいけません」

従業員800人のうち300人が女性という同社では、一昨年から産休の仕組みも整えた。出産後、最大3年間の育児休暇を与える。2人目以降も同様に3年間。ただ、3年取った社員はまだおらず、「育休を取っても1週間で戻ってきてしまう」のが現状という。

今年から定年を延長した。従業員は、71歳の誕生日の前日まで働くことができ、その間、自由に定年時期を設定できる。60歳以降も給料は下がらず、長くいればいるほど退職金も上がる仕組みだ。昨今の成果主義の逆をいく「やる気主義」を貫いている。

「評価の基準もあいまいなのに、成果主義などを入れても社員のやる気は上がりません。うちの会社は、評価をしない『年功序列』。そのために、休暇制度をはじめ様々なインセンティブ(動機付け)をつけているのです」

従業員は必ず正社員にし、特別な場合を除き、パート、アルバイトは認めていない。「会社は、コストを下げろと言われると真っ先に人件費から削るのが常。その結果、派遣社員やパートが生まれた。けれど、人材は会社の大切な財産。人件費の前にまだ下げるべきものはある」と言い切る。

創業から8年間は毎年、倍増で売り上げを伸ばした。以後、現在まで業績を下げることなく、維持している。

6年前、脳こうそくをわずらったものの、現在は年間100日のペースで中小企業の社長を対象に経営論を語り歩く。「後進が1人前になるための手助けをすることが残りの人生の目的」と山田さん。まだまだ第一線で走り続ける。

●阪急、育児支援制度を拡充―育休延長や再雇用(7月4日 日経産業)

阪急電鉄は育児・介護支援制度を拡充した。育児休職などの期間を拡大するほか、育児や介護のために退職した社員の再雇用制度を設ける。育児・介護休業法を上回る水準の制度を導入し、社員の育児・介護を支援する。

男性、女性ともに取得可能な育児休職の対象期間を1年から3年に延長。妊娠中の女性社員が体調不良の際に取得できるマタニティー休暇を新設し、子どもが生まれた際に男性社員が取得できる配偶者分娩(ぶんべん)休暇も4日から5日に拡大する。退職した社員の能力を活用するため、勤続3年以上で結婚や育児、介護で退職した場合、退職後10年以内であれば優先的に再雇用する。

●主要企業の9割「定年延長せず再雇用で対応」(7月3日 日経調査)

4月施行の改正高年齢者雇用安定法で企業は従業員に65歳までの就労機会提供を義務付けられたが、主要企業の9割は定年の廃止や延長ではなく再雇用制度で対応していることが日本経済新聞社の調査で分かった。

60歳超の賃金水準は60歳時の5割前後が相場で、再雇用の対象は希望者全員か労使で定めた基準の適合者との回答が大半だった。企業は自社の高齢人材を、賃金を抑えながら幅広く活用しようとしている。

主要企業126社に聞き取り調査をしたところ、定年退職した従業員を再雇用する制度を導入している企業は118社で、全体の93.6%を占めた。

●「就職先企業を決定する上で、重要視すること」
 (7月1日 リンクアンドモチベーション調査)


組織変革・経営コンサルティングのリンクアンドモチベーション(東京都中央区)は、2007年度入社予定の就職活動中の学部生・大学院生約600人に、「就職先企業を決定する上で、重要視すること」についてアンケート調査を行った。就職活動初期(3月27日〜30日)と後期(6月7日〜14日)に分けて行い、意識の変化も傾向として読み取ることができる。

「就職する企業を決定する上での重要視すること」項目の変化

採用活動初期から後期の間に、学生の意識は大きく3つの変化があった。
@初期と後期を通じて、「仕事の内容」「組織風土」に関する項目が安定して高かった
A初期の上位項目であった「採用姿勢への共感」が、後期においてやや重要度が下がった
B後期に「給与への納得感」など待遇面の重要度が上昇した

企業や仕事が、抽象的なイメージから具体的な実像に変わっていくのに比例して、学生の会社を選ぶ視線も現実的なものとなっていくことがわかる。その一方「仕事内容」「組織風土」に関する項目は就職活動時期全般を通じて高い数字で推移している。

企業が採用活動を行う際には、「仕事の内容」や「組織風土」を伝えつつ、その他の魅力は時期にあわせて伝える内容を変化させていく必要性があることが読み取れる。

詳細は 株式会社リンクアンドモチベーション HP「ニュースリリース」ページへ
http://www.lmi.ne.jp/main2.php?S=news&C=index

●過労運転命じ死亡事故、「引越社関西」支店長代行を逮捕(7月1日 産経)

引っ越し荷物の搬送中の居眠り運転による死亡事故にからみ、運転手が過労状態だったにもかかわらず運転業務を指示していたとして、大阪府警交通捜査課などは30日、道交法違反(過労運転の下命)の疑いで、「引越社関西」姫路支店(神戸市西区)の責任者で支店長代行、林篤貴容疑者(29)を逮捕。同支店や大阪市東淀川区の本社など3カ所を捜索した。同社は「アリさんマーク」のテレビCMで知られる業界大手。

調べでは、林容疑者は今年3月27日、同支店の男性アルバイトの運転手(21)が15日間連続出勤するなど過労状態にあると知りながら、トラックの運転を指示した疑い。林容疑者は「正常な運転ができなくなるとは思わなかった」などと容疑を否認している。

この運転手は同日夕、大阪府東大阪市の阪神高速東大阪線下りで居眠り運転し、渋滞の車列に追突、脳挫傷などで死亡した。当日は午前6時45分に支店を出発し1軒目の引っ越し作業を終えた後、2軒目の荷物を載せて横浜市内へ向かうところだったという。

府警は、運転手が事故当日まで15日間連続で勤務していたうえ、事故のあった3月は厚労省の基準を超える計323時間拘束されていた点や、妻に「寝る時間がない」などと話していたことなどから、居眠りが過労運転によるものだったと判断した。

同社は「事故につきましては真摯に受け止めております」とコメント。社内に事故防止対策委員会を設け、安全意識の向上を図っているという。