仮処分
種々の権利(の実現)がいろんな原因で侵害されたり、侵害の危険に瀕している場合に、その保全の(権利を確保する)ため、この権利に関する紛争の訴訟的解決または強制執行の可能となるまで暫定(ざんてい)的仮定的に行われる処置。仮処分には、仮差押えと並んで保全処分の一種で、係争物(訴訟で争いの目的となる特定物)に関する仮処分
と仮の地位を定める仮処分とがある(民事保全法23条以下・52条以下参照)。前者は特定物の執行官保管を命ずるように、その物に関する将来の強制執行を予定し、執行保全を目的とするのに対し、後者は解雇無効を主張する従業員に対する賃金支払を命ずるように、端的に被保全権利につき現在の満足を与える。