●労災、場所偽り報告 シャープ下請け会社(8月12日 朝日)
 
液晶テレビを作るシャープの亀山工場(三重県亀山市)で04年3月に全治約1カ月の労災事故が起きたのに、シャープの工場ではない場所で事故が発生したように偽った「労災とばし」の報告書が下請け会社によって作成され、労働基準監督署に提出されていたことがわかった。けがをした男性(43)は、多重な偽装請負のもとで働いており、三重労働局が実態調査に入る。

偽装請負は安全に関する責任の所在がメーカーと請負会社の間であいまいになり、労災隠しや労災とばしが起きやすいといわれている。

事故があったのは、亀山工場内でパネル材料や薬剤を運ぶ工程。契約の上では、シャープはこの業務を元請けの「日新」(横浜市)に委託し、元請けは1次下請けの「光明」(埼玉県狭山市)に、さらに1次下請けは2次下請けの「アサヒサービス」(愛知県安城市)に請け負わせた。けがをした男性は2次下請けに雇われていた。

しかし、1次下請けも2次下請けも男性を自社の指揮命令下に置いておらず、人材派遣をしただけの「偽装請負」だったことが朝日新聞社の調べで明らかになった。その場合、男性は元請けかシャープの指揮下にいたことになる。

男性は作業の際、PHS(簡易型携帯電話)を渡され、シャープの正社員から頻繁に具体的な指示を受けていたといい、偽装請負にシャープも関与していたと主張している。

これに対し、シャープは「元請け会社の責任者に指示していたつもり。男性に直接指揮命令したとの認識はない」と偽装請負への関与を否定している。

男性は04年3月22日、パネル材料の束(幅2メートル、奥行き1.2メートル、高さ1.2メートル)にかけられたシートをはずそうとして、作業台から転落し、胸の骨が折れる全治29日のけがを負った。

男性によると、事故当初、直接の雇用関係のない元請けから「自分の国民健康保険で診療を受けてほしい」と指示された。男性は「労災扱いにならないのはおかしい」と抗議。その後、労災扱いに切り替えられたが、2次下請けの担当者から「シャープに迷惑はかけられない。事故は1次下請けの事業所で起きたことにする」と口裏合わせを求められたという。

報告書を作った2次下請けの担当者は「下書きではシャープと書いたが、上司に書き直しを命じられた」と話した。

シャープは、労災とばしについて「行政へは請負会社が届けており、事実と異なる届け出がおこなわれていたとは知らなかった」と話している。

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