振替休日に有効期限はありますか?(6月26日)労務相談Q&A

振替休日に有効期限はありますか?

Q.出勤日に私用で休まなくてはならない用事があるため、代わりに休日に出勤するような場合、休んだ日と休日に出勤した日では、どのくらいの間隔(日数)まで許されるのでしょうか。
たとえば、今月の19日(仮に平日とします)に、休まなくてはならなくなったので、翌月の19日(休日とします)に出勤するというのは、法的には大丈夫なんでしょうか?


A.法定休日が確保されていれば、今月の19日と翌月の19日の振替なら、まず大丈夫です。

●法的には2年が限度(民法上の労働債権の時効)ですが、労働行政はまず認めません。もし有効期限を2年としていたら、何らかの改善指導を受けます。

実務的には3ヵ月が管理の限度です。当方では「振替日は1か月以内」と規定することを勧めています。

★注意★
法定休日が確保されていることが大前提です。また賃金の全額払いのルールに添った処理も必要です。

●「休日」の目的は、労働が継続する際に生じる心身の疲労を軽減することです。
「振替休日」は、この休日の『トレード(指定による交換)』です。

労働基準局からは、休日の振替は「振り返られた日以降できる限り近接している日が望ましい」との通達も出されています。また、労働行政は、賃金計算の期間内で実施するよう指導しています。

●振替休日を実施するための大前提

休日は原則として毎週1回以上与えなければなりません。

@週休2日制の場合は、出勤日と同じ週に振替休日を取れずとも、1日の法定休日は確保されていれば「休日労働」は発生しません。
(注意:間違っても「法定休日は○曜日とする」とは就業規則に規定しないで下さい。)
A4週間を通じて4日の休日を与える変形休日制の場合も、4週間以内に振替えないと「休日労働」になります。
B週休1日制の場合、休日を別の週に振替えると、法定休日が確保できないため、「休日労働」になってしまいます。

●「振替休日」を実施するためには、3つの要件があります

@就業規則等に振替休日の規定を設けること
A休日を振り替える前に、あらかじめ振替日を決めておく
B法定休日が確保されるように振り替えること

この3条件のどれかが欠ければ、それは振替休日ではなく、
「代休」になってしまいますので、ご注意ください。

●「振替休日」は会社側の都合で取らせることができます。

合理的根拠があれば、会社は従業員の『個別的同意を得ずに』休日振替を命じることができます。

裁判例および行政解釈も、「使用者が休日を他の労働日に振り替えることができる旨を定めた規定が存在し、振替先の労働日をあらかじめ特定すれば、使用者は労働者の個別的同意を得ずに休日振替を命じることができる」としています。


Q.引き続いての質問で恐縮ですが、上記の「代休」の場合は、「賃金の割り増しが必要」で、「振替休日」の場合は、「賃金の割り増しが不要」という解釈でよろしいのでしょうか?


A.「休日労働」の割増(35%)は不要でも、「時間外労働」の割増(25%)の支払いが必要な場合があります。

●振替休日と残業代に関して

「代休」・・・・・・・「休日労働」の割増賃金(35%)を支払う必要あり。

「振替休日」・・・「休日労働」の割増賃金(35%)は支払不要です。
★ただし、「時間外労働」の割増賃金(25%)の支払いが必要な場合があります。

給与計算期間内で振替休日を取れば、総労働時間は同じなので「休日労働」の割増賃金(35%)は不要ですが、出勤日と同じ週に振替休日を取れず、結果としてその週の総労働時間が40時間を越えてしまうと、越えた分の「時間外労働」の割増賃金(25%)だけは必要です。

仕事の繁閑に合わせて変形労働時間制を採用される場合はちょっとややこしくなります。
例えば1ヶ月単位の変形労働時間制の場合、35時間枠の今週日曜に出勤(所定8時間)し、45時間枠の来週水曜に振替休日をとれば、35時間+8時間で40時間オーバー3時間分の「時間外労働」の割増賃金(25%)が必要です。

●「代休」に関して

現実として、業務多忙のため振替休日と指定した日に休めないことがあり得ます。
この場合、「代休」に切り替えて割増賃金で対応することも考えておく必要があります。(この場合は就業規則等に規定すべきです。)

なお、「代休」に関しては「使用者は、法三十六条の規定により休日労働させた労働者に対しては割増賃金の支払は要するが、必ずしも代休を与える義務はない。」との労働基準局の通達があります。

要するに『休日労働に対しては割増賃金を支払うことでケリがついているので、代休予定日に労働させても労基法違反にはならない』ということですが、あくまで最後の手段です。

振替休日の指定日に休めず、“ズルズルと振替休日が溜まる”(この段階で、もはや振替休日ではない)ことにならないようご注意下さい。