通勤手当でも割増賃金の計算から除外できない場合があるの?
Q.弊社の賃金規定では、「通勤手当は自動車通勤する者に対し、月額○○○○円を支給する。」としています。通勤手当は割増賃金を計算する際の賃金額からは除外できると役所のパンフにも書いてありました。
そのため今まで除外して計算していましたが、先日、親会社から「貴社の通勤手当は除外できないのでは」と指摘されました。本当でしょうか?教えてください。
なお弊社は公共の交通機関から離れているため、ほぼ全社員がマイカー通勤です。
A.御社の場合“マイカー通勤者は全て一律○○○○円支給”ということですので、除外賃金とは認められないと思われます。
●通常、通勤手当は、残業代等の割増賃金を計算する基となる賃金からは除外できるのですが、実は条件があるのです。
①除外賃金となる通勤手当は、通勤距離に応ずる実費を基礎とするものをいい、名称にとらわれず実態による(基発170号通達より抜粋)
②通勤手当のうち一定額が最低額として距離にかかわらず支給される場合は、その一定額も割増賃金の算定基礎となる賃金に算入しなければならない(基発297号通達より抜粋)
●要するに“全員一律に支給するものは除外できませんよ”ということです。
これは家族手当や住宅手当でも考え方は同じです。ご注意ください。
●マイカー通勤手当を定額支給する場合、通勤距離に応じて額を変える方法が一般的です。これならば全員一律とはなりません。
当方の関与先様でも、
2Km以上〜10Km未満 ○○○○円定額
10Km以上〜15Km未満 ○○○○円定額 等
としています。
(なお、この区分は非課税限度枠が基準となっています。)