「飲酒運転防止マニュアル」に問い合わせ殺到 事故相次ぎ(06年9月14日 産経)

●「飲酒運転防止マニュアル」に問い合わせ殺到 事故相次ぎ(06年9月14日 産経)

全国で公務員などによる飲酒運転事故が相次ぐなか、職員や従業員に飲酒運転の危険性を実感させようという自治体や企業からの問い合わせが殺到している冊子がある。日本損害保険協会(東京)が発行した「飲酒運転防止マニュアル」。幼児3人が死亡した福岡市の事故の後、協会では急遽(きゅうきょ)3万部の増刷を決めた。皮肉にも惨事で注目されることとなったが、担当者らは「少しでも飲酒運転を思いとどまる人が増えてくれれば」と普及に取り組んでいる。

マニュアルは、同協会が昨年11月に発行。飲酒運転の罰則や事故の統計をまとめたページに続き、逮捕者の手記が記載されている。

「気の緩みと仕事からくるストレスで」と当時を振り返る、上場企業の取締役だったKさんのケースを紹介。Kさんは道交法違反(酒気帯び運転)の罪で起訴された直後、再び飲酒運転で逮捕、起訴された。留置場では覚醒(かくせい)剤の常習者や窃盗犯と同室で、犯した罪の大きさを実感、懲役4カ月の実刑を受けた。会社は退職させられ、生活のめどは立っていない。Kさんは「違反した日に戻れるなら飲酒運転など死んでもしない」と後悔の念をつづっている。

このほか、「アルコールの影響」と題したページでは、酒気帯び運転の摘発基準となる濃度(呼気1リットル当たり0・15ミリグラム)は、缶ビール1本や焼酎コップ半分で超えることを図解入りで示し、酔いのメカニズムや習慣飲酒の危険性も掘り下げている。

また、ドライバーが宴席で酒を勧められたときの断り方や、主催者が酒を勧めない気配りの方法、飲酒運転に対する社内規定の実例なども紹介されている。

冊子を作製した中心メンバーで同協会業務企画部課長の岩崎武さん(42)は「警察や酒類メーカーが作る啓発資料とは違って、飲酒運転の問題と解決策を網羅したかった」という。

当初、運輸業界の安全運転管理者や総務担当者らに手引書として利用してもらう想定で、約3000部を発行したが、各社から「従業員に直接配布したい」という希望が続出。警察や交通安全協会からも注文が入り、発行部数は約12万5000部にふくれ上がった。

福岡市の事故以降の2週間だけで、約5000部を送付。特に自治体や一般企業からの問い合わせが急増し、在庫が残り少なくなったため、今月末に3万部増刷する。

B5判、30ページ。個人は無料、団体は印刷実費35円(いずれも送料別)。問い合わせは、同協会業務企画部(TEL03・3255・1942)へ。

日本損害保険協会のホームページからもダウンロードできる。
http://www.sonpo.or.jp/archive/publish/traffic/0003.html