減給の制裁と降格処分
 
労働基準法第91条では、制裁として減給を行う場合、1回の減給の額が平均賃金の1日分の半額を超え、また、その総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならないと定めています。この規定は、減給の制裁が労働者の生活に大きな影響を及ぼすことに配慮したものです。

減給の制裁が制約されているため、減給の制裁の代替措置として賃金の減少を伴う降格処分を多用している企業があります。

この場合、実際の職務内容や責任度合が変わるのか、それとも従前の職務に従事させつつ賃金額のみを減ずるのか、実態によって違ってきます。

従来と同一の業務に従事させながら賃金額だけを下げる降格処分は、減給の制裁として労基法第91条の適用があります(昭和37・9・6基収第917号)。

賃金の減額を伴う降格が実際に職務内容や責任度合を変えるものである場合は、「職務ごとに異なった基準の賃金が支給されることになっている場合、職務替えによって賃金支給額が減少しても労基法第91条には抵触しない。」とされています(昭和26・3・31基収第938号)。

また、「交通事故を引き起こした自動車運転手を制裁として助手に格下げし、従って賃金も助手のそれに低下せしめるとしても、交通事故を引き起こしたことが運転手として不適格であるから助手に格下げするものであるならば、賃金の低下は、その労働者の職務の変更に伴う当然の結果であるから労基法第91条の制裁規定の制限に抵触するものではない。」としています(昭和26・3・14基収第518号)。

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