服装の自由はどこまでOK?(05年8月号)

服装の自由はどこまでOK?

今年の夏は、地球温暖化を防止するため、環境省から「クールビズ」が提案され、ノーネクタイ・ノー上着のファッションで夏を快適に過ごそうという試みがなされています。

会社にとって顧客や取引先に与えるイメージは重要ですので、「企業が服装や身だしなみについて合理的な規則を定めた場合、社員はこれに従う義務を負う」という判例があり、会社が勤務中の服装や身だしなみについてある程度管理することは妥当といえます。

社員は職務に支障のない範囲で髪の色や形・服装などの身だしなみを自由にできる権利があるといえますが、行き過ぎた服装や身だしなみによって会社が損害をこうむる恐れのある場合、業務命令として制裁を受ける場合があります。

◆身だしなみを規制するポイント

社員の身だしなみや服装を規制する場合、まず就業規則に規定することが前提となります。その上で採用時の説明や社内教育、朝礼等で日ごろから会社の方針を社員に浸透させることが重要です。
それらが行われていれば、業務に具体的な悪影響がある場合、会社が身なりや服装を制限する合理的な理由が確立することになり、業務命令として改善を促す根拠となります。

ただ、規則に反し改善支持に従わない社員を解雇できるかというと難しく、顧客や取引先からクレームが相次ぐなどの悪影響が生じない限りは「会社の品位やイメージを損ねる」といったあいまいな言い分での解雇は通用しません。

◆服装をめぐる主な裁判事例

過去の判例では「業務に具体的な実害があるかどうか」がポイントとなっています。
1980年、ハイヤーの運転手が口ひげを理由に乗務を外されたケースでは「乗客からの苦情はなく口ひげを生やしていても、業務に支障はなく口ひげをそる義務はない」と判断が下されました。

また、1997年茶髪を理由に男性社員が解雇された運送会社の事例でも「営業に具体的な悪影響を及ぼした証拠はない」として解雇は無効となっています。