保母退職後の自殺、労災に認定 東京地裁(9月5日 読売)

●保母退職後の自殺、労災に認定 東京地裁(9月5日 読売)

兵庫県加古川市内の無認可保育所の保母だった岡村牧子さん(当時21歳)が退職から約1か月後に自殺したのは、過労によるうつ症状が原因だとして、神戸市に住む父の昭さん(70)が、国を相手取り、労災認定を求めた行政訴訟の判決が4日、東京地裁であった。

難波孝一裁判長は、「過重な業務の結果、精神障害を発症し、その状態のまま自殺に至った」として、業務と自殺の因果関係を認め、労災と認めなかった1996年の加古川労働基準監督署の処分取り消しを言い渡した。厚生労働省によると、過労で退職した後の自殺が労災と認められたケースは「これまで聞いたことがない」という。

判決によると、牧子さんは保母資格を得た直後の93年1月から同保育所に勤務していたが、同僚の保母が一斉退職するため同4月から新人保母5人をまとめる主任になることが決まり、心身の疲労からうつ状態となって緊急入院。同3月末に退職し、同4月下旬、両親の留守中に自宅で首をつって自殺した。

両親は加古川労基署に労災を申請し、保育所にも損害賠償を求めて提訴。損害賠償訴訟は98年に大阪高裁が自殺と業務の因果関係を認め2000年に確定したが、労災は認められず、労働保険審査会の再審査も棄却されたため、昭さんが行政訴訟を起こしていた。

加古川労基署を管轄する兵庫労働局労災補償課は、「判決文を十分検討し、控訴するか否かを含め対応していきたい」としている。