●生活保護5億円、ムダ払い 医療費や年金受給資格者にも(10月12日 朝日)
 
「最後のセーフティーネット」と呼ばれる生活保護を受けている人の中に、本来なら公的年金を受け取れたり、通院医療費の給付を受けられたりする人が相当数含まれていることが、会計検査院の調べで分かった。全国で147万人超の受給者数の4%を検査院が抽出して調べただけでも、これらの制度を活用すれば約5億1000万円が節減できたという。指摘を受けた厚生労働省は、事業主体の都道府県や市町村が公的年金や公費負担医療制度の活用状況を確実に把握するよう求める通知を出した。

検査院は今回、20都道府県の145福祉事務所で、生活保護を受けている約6万4000人について個別に調査した。その結果、約380人が厚生年金や国民年金などを受給できる資格があった。また、約910人は「障害者自立支援法」に基づいて精神病の通院治療にかかった費用の95%が公費で賄われることが分かった。こうした人たちは、自らの受給資格や制度が利用できることに気づいておらず、その分余計に生活保護費が支給されていたという。

節減できた生活保護費は、公的年金制度を活用した場合は計3億4140万円。精神通院医療では1億7742万円にのぼったという。

検査院の調査と並行して厚労省は今年3月、年金の受給が始まる直前の加入者に、受け取り開始の手続きに必要な請求書を送るサービスを活用するよう、都道府県などに通知。さらに9月末、福祉事務所に公的年金や公費負担医療制度の活用状況把握のための調査を徹底するよう求めた。

同省保護課は「適正な支給になるよう、注意喚起し、指導を徹底したい」としている。

生活保護、過去最多の104万世帯 05年度の月平均(10月6日 朝日)

05年度の1カ月平均の生活保護世帯数が、104万1508世帯と初めて100万世帯を超え、過去最多となった。92年度の58万5972世帯を底に増加の一途をたどっている。景気回復に伴い、伸び率は鈍化しているが、厳しい状況が続いている。

厚生労働省が6日発表した社会福祉行政業務報告でわかった。月別では04年10月に100万世帯を突破。05年度に入っても100万世帯を超える水準が続いている。新たに保護を受け始めた世帯は前年度より8.1%減ったが、経済的に自立して保護の対象から外れる世帯が少ないために、増加傾向は止まっていない。

保護世帯のうち最も多いのは夫婦ともに65歳以上の高齢者世帯で、全体の43.4%を占め、障害者・傷病者世帯(37.4%)が続く。母子世帯(8.7%)は前年度より3053世帯増え、9万531世帯だった。

受給者数は147万5838人で、5万2450人増えた。伸び率は3.7%で、前年度より2.2ポイント下がった。世帯数の伸び率(4.3%)よりも受給者数の伸び率が低いことから、母子家庭など一人親の世帯や中高年の単身者が増えているとみられる。

保護内容は、医療費にあたる医療扶助が前年度比4.6%増。食費や光熱費などの生活扶助が同3.7%増だったのに対し、高齢者の増加に伴い、老健施設などに入る費用の補助である介護扶助が11.4%増と大幅に伸びた。

生活保護を受け始めた理由は、「傷病」が42.8%(2.7ポイント増)と最も多く、「収入の減少・喪失」は0.9ポイント減の19.5%だった。

保護世帯の増加について、厚労省保護課は「働き口が少ないため、保護を受け始めた世帯がそのまま受け続けざるを得ない状況が続いている。失業率が改善すれば、受給者が減少に転じる可能性もある」とみている。

●生活保護の拒否66%は「違法」 日弁連調査(9月1日 朝日)

失業や病気で生活できなくなった人を支える生活保護制度について、日本弁護士連合会(日弁連)が電話相談を実施したところ、自治体窓口で保護の申し出を拒否されたうち、66%が自治体の対応に生活保護法違反の可能性があることがわかった。保護申請書を渡さないケースがほとんどで、病気で生命の危険があったのに働くよう求めたり、生活が苦しい親族に援助してもらうよう説得したりしたケースもあった。日弁連では、保護費を抑えようとして申請をさせない「水際作戦」が広がっているとみている。

電話相談は今年6~8月、全国42都道府県で初めて実施し、計634件の相談が寄せられた。

このうち保護を断られた180件について検証したところ、118件は自治体が違法な対応をしている可能性があった。

生活保護法では、自治体は申請を必ず受理し、保護に該当するかどうかを審査しなければならず、申請自体を拒むことは違法とされる。拒否の理由で最も多かったのは、親族らから援助してもらうよう要求したケースで49件。このほか「『若いから働ける』と拒否」が41件、「持ち家の処分を求めた」16件、「借金を理由に拒否」11件。弁護士が「生命の危険がある」と判断したケースも7件あった。

ほかにも、「病気なのに治療するお金がない」16件、「食事を満足にとれない」9件、「水道やガスを止められた・家賃を滞納中」12件など、切迫したケースがあり、弁護士が介入した。

相談を分析した小久保哲郎弁護士は「最低限の生活を保障するはずの生活保護制度が現場でゆがめられている実態が明らかになった。生活保護を受けさせまいとする水際作戦は、人権侵害につながっている恐れが大きい」としている。日弁連は、制度の適正な運用を国などに求める方針だ。
 

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