各業界における人材不足への懸念と対策(06年12月号)

各業界における人材不足への懸念と対策

◆人手不足の状況と企業戦略

景気拡大期間が戦後最長の「いざなぎ景気」を超えようとしている今、各業界で人手不足感が強まってきています。企業には今後、人材確保を視野に入れた新戦略が求められます。

◆ドラックストア業界が懸念する薬剤師不足

大手ドラッグストア各社は、今後予想される薬剤師不足をにらみ、業態転換や、資格を持ちながらも転職や退職などで一線から離れている人を対象とした研修の実施を検討し始めているようです。2004年6月に薬剤師法が改正され、今春の入学者から薬学教育が従来の4年制から6年制に移行し、2010年、2011年は薬学部の卒業生が極端に減少する見込みだからです。

各社における調剤事業強化のためには、薬剤師不足への対応が今後の成長を大きく左右しかねない状況のようです。

◆証券業界では女性社員を活用

証券大手は女性社員の活用に力を入れ始めました。人材派遣会社から受け入れている派遣期間が3年に達しているベテランスタッフについて、本人が希望する場合は面談などを経て正社員に登用する制度を導入したり、女性の労働環境を改善するための女性チームを発足して、育児支援制度や復職支援制度を設けたりする動きが進んでいるようです。

また、出産などで退職したり、外資系証券会社に転職したりした女性社員を積極的に採用するという動きも広がっています。

◆追い風を受ける派遣業界

各業界における人手不足を背景に、求人増の対応に追われているのが人材派遣業界です。派遣料金は過去に例がないほど急激な上昇をたどり、雇用バブルともいえる様相を呈しています。

企業の姿勢は「コスト重視」から、「人数確保優先」へと変わり、人材市場は「買い手優先」から「売り手優先」へと力関係が逆転しています。