男性の子育て促進へ 職場の意識改革、達成なら助成金 厚労省、他(11月22日 産経、他)

●男性の子育て促進へ 職場の意識改革、達成なら助成金 厚労省
 (11月22日 産経)


―中小企業に最大150万円―

厚生労働省は21日、少子化対策に向けて働き方を見直すワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)を推進するため、男性が仕事と子育てを両立しやすい職場の意識改革に取り組む中小企業に、平成19年度から助成する方針を固めた。社内託児所の設置といった施設整備や、短時間勤務など制度導入への助成はあるが、職場風土改善の取り組みに助成するのは初めてとなる。

少子化に歯止めをかけることを最重要課題に掲げる厚労省は、男性の育児参加が進んでいない点を重視し、「流れを変えるには働き方の見直しが不可欠」と判断。特に、大企業より取り組みが遅れている中小企業への対策が普及のカギを握るとみている。

このため、新たな助成制度は、常用雇用者300人以下の中小企業を対象に、子育てとの両立などワーク・ライフ・バランスを推進できる職場風土改善の取り組みを促す計画書の策定を求める。期間は2年で、成果が上がった企業には各年50万円ずつ助成。さらに育休取得率が一定以上など顕著な成果を収めた場合に50万円を加算し、最大150万円を助成する。

国の助成措置は、社内に託児所を設置したり、小学校入学前の子供を持つ社員に短時間勤務を認めた場合など、施設設置や制度導入への助成が一般的だった。だが、制度があっても男性の育休取得は200人に1人程度と進んでいない。

職場では、「子育ては女性の仕事」といった管理職層に根強い意識に加え、周囲が残業に追われる中で「制度を活用できる雰囲気や実態でない」との指摘もある。

新制度では、助成を受ける企業が提出する職場風土改善計画書の中に、「社長による方針の明確化と社内外への発信」という要件を設け、確かな両立支援に向けた制度の周知・徹底を求める。

他にも、部下の残業が多いほど管理職の評価を下げるなど「社内の意識改革」や、育休をとる場合に昇進・賃金にどう影響するかの明示、在宅勤務活用など柔軟な働き方が可能かどうか−なども盛り込ませる考えだ。

厚労省では、「制度を実際に活用できる職場の雰囲気作りの呼び水にしたい」としている。                    

―用語解説―男性の子育て参加

17年度に厚労省が全国の企業約1万社を対象に実施した調査では、男性の育休取得率は0・5%。同省は30代男性の4人に1人が週60時間以上の長時間労働に追われ、女性に育児負担が重いことを問題視している。

●育児支援進めた中小企業に助成拡大 厚労省方針(9月4日 朝日)

少子化対策が遅れている中小企業に対して厚生労働省は、育児休業など、仕事と家庭の両立支援制度を利用しやすくするための新たな助成制度をつくる。来年度予算の概算要求に1億5000万円を盛り込んだ。

現在、厚労省は両立支援の取り組みを進める企業に対して育児休業中の代替要員確保やベビーシッター費用補助などの助成金を出している。しかし、05年度の女性の育休取得率は事業所の規模が小さいほど低くなっており、500人以上では87.3%だが、100〜499人は79%、30〜99人は76.9%。5〜29人では58.5%にとどまっている。

新しい助成制度の対象は、常勤の労働者が300人以下の中小企業でかつ常勤の20代・30代が50人以上が条件。内容は、仕事と家庭の両立の意識改革を重視して(1)企業トップの方針の明確化と内外への発信(2)管理職研修(3)従業員周知、を必須とする。このほか、育休を取りやすい職場風土を作るために従業員の勤務態勢や仕事の進め方の見直しなどを行う。従業員の意識改革に力を入れた両立支援の助成は初めて。

取り組み1年後に厚労省の定めた「男性の育休取得者はどれくらいいるか」といった61項目の「両立指標」で検証する。成果があれば50万円、2年目にさらに成果があがれば50万円を支給。女性の育休取得者が80%以上で両立指標の点数が基準を超えると50万円を加算する。

次世代育成支援対策推進法では、301人以上の企業に両立支援の行動計画策定を義務づけているが、300人以下の企業は努力義務にとどまっている。同省では「この新たな助成制度の取り組みを進めれば事実上、行動計画を策定するのと同じような効果がある」(職業家庭両立課)としている。