酒気帯び黙認は事業停止7日間・国交省、処分基準を厳格化(06年5月27日 日経、他)

●酒気帯び黙認は事業停止7日間・国交省、処分基準を厳格化
 (06年5月27日 日経)


運転手の酒気帯びや過労運転による重大事故が後を絶たないことから、国土交通省は26日、運送事業者が悪質な違法行為を運転手に命じたり容認した場合に7日間の事業停止処分とするなど、道路運送法に基づく行政処分の基準を厳格化すると発表した。8月1日から実施する。

国交省は警察からの通報や事故などを端緒に運送事業者を監査し、法令違反があれば車両の使用禁止などの行政処分を科している。

従来は違反の重さによって点を付け、一定の点数を超えたときに初めて事業停止処分ができたが、今後、会社が酒気帯びを黙認したり過労状態で運転を命じるなど悪質な違法行為が監査で見つかった場合は、ただちに7日間の事業停止処分にする。

また運転手の悪質違反によって重大事故が起きた場合、事業者による違反防止の指導監督が不十分だったと判明すれば3日間の事業停止処分とする。

●トラック・バス会社、違反一発で営業停止 処分強化へ(06年5月8日 朝日)

国土交通省はトラック、バス、タクシーの運行会社が運転手の長時間勤務や飲酒運転を放置するといった道路運送法などの悪質な違反に対し、直ちに営業停止命令を出せるよう関係する処分基準を今夏から強化する。規制緩和と競争激化に伴う労働環境の悪化や事故増加に歯止めをかけるのが狙い。現在は死亡事故を起こすか、違反を重ねないと営業停止にならない。新基準で数日から数週間までの営業停止という「一発処分」が可能になるため、違反状態を放置しがちな経営者に意識改革を迫る効果も期待している。

現状の営業停止命令は違反に応じた点数が累積して一定水準に達した業者に出される。ただ、国交省などの監査は人手不足もあって頻度が少なく、違反の繰り返しで営業停止になる業者は極めてまれ。労働基準法に基づいて厚労省が定めた拘束時間(トラックで1カ月320時間)を超えて働く運転手や、長時間勤務を黙認する業者も多い。

一方、死亡事故を起こすと点数が3倍になる。このため、死亡事故を受けた事後的な監査で違反がいろいろ見つかり、営業停止になる例が大半という。「死亡事故が起きないと営業停止にならない」のが現状だ。

そこで新基準は、安全を脅かす長時間勤務や飲酒運転・速度違反などに焦点を当て、これらの問題を放置したり、社内監督が不十分だったりした場合に、厳しい処分を出せるよう改める。業者内部や労働基準監督署の通報による監査も組み合わせ、事故に至る前の予防的な対応を強化する考えだ。特に中小零細の業者は、短期間の営業停止でも取引先を失う恐れがあるため、処分の影響は大きい。