「パート型派遣」に主婦らが注目(12月21日 読売)

●「パート型派遣」に主婦らが注目(12月21日 読売)

「週3日」「午前中」と、自分の都合に合わせて働き方を選べる「パートタイム型派遣」が、注目を集めている。

―仕事と自分の時間、両立したいなら便利―

主婦を中心に、仕事も家庭も、そして自分のやりたいことも大事にしたいという“欲張り”な人や、子どもが小さくてフルタイムでは働けないという女性などに好評だ。

栄子さん(仮名、30)は11月から、東京・日本橋の食品卸会社「国分」で、派遣スタッフとして働き始めた。データ入力などが主な仕事で、勤務は月・火・金曜の午前10時〜午後4時と変則的。

栄子さんは昨秋、結婚。それまで、別の会社の契約社員だったが、「仕事、家事に学生時代から続けているピアノの勉強――。すべてをこなすのに時間が足りなかった」と話す。そのため、「週3日」「午前だけ」「月末の数日間」といった勤務を組むことが可能なパートタイム型の人材派遣会社「ビー・スタイル」(東京)に登録した。

こうした働き方を選んだことで、ピアノの勉強もできるように。仕事で得た収入は貯蓄などに回すつもりだ。

パート型派遣は、労働時間がパートタイム的である以外は、通常の派遣労働と大差ない。ただ、契約は3か月ごとの更新が多く、時給はフルタイムの派遣労働者より1〜2割低めだ。

受け入れ企業側にとって、業務の忙しい曜日や時間帯をパートタイム派遣で補うことで、コストを抑えつつ効率的に人手を確保できるという利点がある。

ビー・スタイルの場合、登録者約1万7000人の平均年齢は35歳前後で、半数が子どもを持つ母親。週3日程度働いて、月収は8万〜9万円という人が標準的だという。

社長の三原邦彦さんは「結婚や出産後に働きたくても、育児などの都合でフルタイム勤務は難しい女性は少なくない。事務職だった人が復帰後も同様の仕事を希望するケースも多い。そうした人には、パート型派遣は働きやすいのではないか」と話す。

パート型派遣に特化した人材派遣会社のグッドジョブ(東京)も主婦の登録者が多いが、登録・業務サポート部の松本直子さんは「自分の本業や趣味、勉強などに打ち込みたいという理由で、フルタイムではなく、パート型派遣を選ぶ例もある」と説明する。

ミュージシャンの尚美さん(仮名、37)は、ライブや作曲活動の合間にパート型派遣で働く。現在は東京都内の商社で月6〜8回事務をしている。勤務は午前9時半から午後4時半で、月収は約5万円。「ある程度の収入が確保でき、リハーサルや打ち合わせなどの不定期な日程に合わせるには、今の働き方がいい」

情報サイト「オールアバウト」( http://allabout.co.jp )の主婦向け仕事情報ガイド、川崎あゆみさんは「結婚や出産などで退職後、数年間のブランクがある人が再び働きたいと思っても、いきなりのフルタイム勤務は不安も大きい。パート型派遣で少しずつ慣らすという利用法もある」とアドバイスする。

ただ、注意すべき点もある。派遣労働者の労働組合「派遣ユニオン」書記長の関根秀一郎さんは「パート型派遣は契約更新までの期間が短く、また、必ずしも更新されるとは限らない。自分の思い通りの働き方が続けられるかの保障はないということを頭に入れておいてほしい」と話す。

収入、家庭、自分の時間――。どれを優先させるかで、パート型派遣がふさわしいかどうかも変わる。