外国人に「仕事の常識」 長野労働局が冊子1万部(12月25日 産経)

●外国人に「仕事の常識」 長野労働局が冊子1万部(12月25日 産経)

外国人労働者からの労災などに関する労働相談が増加傾向にあることを受けて、長野労働局は、ポルトガル語と中国語による労働安全衛生に関する冊子を計1万部作成し、事業所などに配布して啓発活動に力を入れている。冊子には、「上着の袖口などはボタンで留める」などといった、工場でけがをしないための基本的な注意事項を中心に記載。「始業時刻に間に合うように家を出る」といった就労の心構えも載っていて、外国人労働者が日本企業になじむためのテキストとしての活用を呼びかけている。

県内の外国人労働者数は約1万3000人で、埼玉や大阪を上回る全国6位の規模。ブラジルなど中南米系と中国人が合わせて8割程度を占めるとみられる。

外国人労働者をめぐっては、平成16年に製造業への派遣労働が解禁になった影響で企業の雇用が活発化。一方で、長野労働局に寄せられる相談も急増し、昨年は94件だった相談件数が、今年はすでに200件を突破している状況だ。

特に「労働災害」に関する相談はこのうち15%を占め、「解雇」(14%)や「労働条件」(8%)などをしのぐ多さで、仕事でけがをする外国人労働者が目立つようになってきた。

このため、同局は、県内の多くの外国人労働者が母国語として使うポルトガル語で7000部、中国語で3000部を作り、県内の製造業者などに10月から郵送で配布を実施した。

冊子は、(1)安全衛生の基本(2)作業前の注意事項(3)作業を行う際の服装について(4)作業中の注意事項(5)作業後の注意−の各項目に分けて記載。内容をみると、自分の担当以外の仕事は無断で行ってはいけない▽資格がないのに機械の運転をしない▽共同作業を行うときは、お互いに良く呼吸を合わせ、声をかけ合う ▽始業時刻前に定められた場所に集合する−など、日本の製造現場での“常識”が記載されている。

それぞれ母国では当たり前と考えていることが、日本では違っていることがあり、この誤解が職場での事故やトラブルの引き金になっているケースが少なくないためで、同局は「小規模な事業者では、外国人労働者に対して満足な研修をしていないことがある。基本を知ってもらうためのテキストとして使ってほしい」としている。