外国人技能実習 不当賃金、監視を強化 厚労省(1月9日 産経)

●外国人技能実習 不当賃金、監視を強化 厚労省(1月9日 産経)

厚生労働省は8日、技能実習生の身分の外国人を雇う日本企業に対する監視体制を平成19年度から強化する方針を明らかにした。巡回指導の対象企業を18年度に比べ1300社増やし計7300社とする。技術習得という本来の目的に反して、実習生に不正な就労をさせている事例が相次いでいるためで、同省では労働基準法を厳格に適応して、外国人労働者に対する雇用管理の徹底を図ることにした。

外国人技能実習制度で、17年の1年間に研修生から実習生に移行した外国人は3万2000人を超え、製造業を中心に4年前の2倍以上に拡大している。

しかし、受け入れが急速に拡大するなか、トラブルが多発するようになった。労基署への外国人技能実習生からの訴えは、15年には28件だったが、17年には126件と2年で4・5倍に急増。技能実習制度が適正に行われているかどうかをチェックする財団法人、国際研修協力機構(JITCO)によると、17年度に巡回した約6000社のうち、68社に不払い残業があった。不当に賃金を減らしていたケースも479社に上った。

また、JITCOに申請した技能実習計画とは別の場所で単純労働などをさせていた企業が55社あったほか、26社が逃亡防止などのためにパスポートを取り上げていた。

こうしたトラブルの背景には、受け入れ企業がコスト削減と人手不足解消のために「実習生を低賃金労働者としてあつかっている」ことがある。

同省は、こうしたトラブル多発を受けて、実習生受け入れ企業の監視を強化し、違反や不正労働には厳格に対処することが必要と判断した。まず、JITCOによる巡回件数を増やす。その上で、指導に従わない悪質なケースには労働基準監督署と連携し、違反企業に対して改善命令や労基法に基づく刑事罰を科していく。

また、今後、法務省とも連携して、不正労働を強いた企業や団体に対して科す外国人技能実習生の新規受け入れ停止期間を、現行の3年から5年に延長するなどの罰則強化も検討する。

政府は18年3月に、こうした事例に対する対策を「規制改革・民間推進3カ年計画」の中で閣議決定。外国人労働者の受け入れ拡大を求める日本経団連も「日本の信用に関わる重大な問題」として監督・指導の強化を求めていた。

◇【用語解説】技能実習制度

途上国などの外国人を対象とした新たな技能移転のしくみとして平成5年に創設された。1年間の研修(外国人研修制度)を経たのち、技能評価試験に合格すれば、2年間、働きながら技術、技能を習得できる。対象は繊維・衣服、機械・金属、食品製造、建設など62職種で、受け入れ企業は約1万5000社。法務省によると、平成17年に技能実習制度の対象となっている外国人は約6万人。国籍は中国が最も多く、全体の8割以上を占める。