●パートの厚生年金拡大 パート側からも疑問の声(1月8日 産経)
 
政府は、パート社員の厚生年金加入対象を拡大することを目指している。安倍内閣が打ち出した「再チャレンジ政策」の目玉の一つで、正社員との格差是正が狙いだというが、保険料の半分を負担する企業側の反対が根強いうえ、パートで働く側にも収入が目減りすることへの懸念がある。(政治部 水内茂幸)

パート社員は現在、週30時間以上(正社員のおおむね4分の3以上)働くと厚生年金に加入しなければならない。サラリーマンの扶養家族となっている配偶者の場合は、年収130万円以上になると独自に加入する義務が生じる。

政府・与党内のこれまでの協議では、勤務時間を週20時間以上(正社員のおおむね2分の1以上)とすることで加入対象を拡大する。勤務時間にかかわらず、月収が9万8000円以上の人も該当する。この収入要件は、最終的に年収65万円以上になる方向だ。

政府がこれらの要件を見直すのはここ数年、企業が人件費圧縮を目的に正社員のリストラを進め、若者や中高年男性のパート化が広がったため。女性の全労働者数の4割をパートが占めており、加入拡大は女性の地位向上を図る狙いもある。平成7年に896万人だったパート社員数は17年には1266万人。正社員と同じような仕事をしながら将来受け取る年金額が大きく変わり、待遇格差が問題となっていた。

厚生労働省の試算によると、この案が実現した場合、サラリーマンの妻が月収10万円のパートをしているケースで、生涯を通じて約120万円の得になるという。新たに保険料負担が約200万円発生するが、年金受給額が320万円以上増えるという計算。

ただ、対象勤務時間の拡大には保険料を折半する企業側の反発が強い。パート社員を多く抱える外食産業6団体は、昨年12月に緊急集会を開いて反対声明を出すなど、徹底抗戦の構え。

「賃金が安く、保険料負担の少ない外国人労働者の雇用に切り替えざるを得ない」(中小企業経営者)といった声もあり、1人が週20時間を超えないよう複数のパートで1つの仕事を分担させるといった現象につながる可能性もあり、かえって格差が広がりかねない。家計を補う目的で働いている主婦からは「将来の年金受取額の話をされても…」といった声も漏れる。

政府・与党は「1事業所に勤務1年以上」などの条件を新たに加えることで企業側の理解を得たい考えだが、これでは新たな加入対象者は100万人程度で当初想定していた3分の1にしかならない。「改革の影響は小幅で、強い反対を押し切ってまでやる意味があるのか」(自民党中堅)と疑問視する向きもある。

安倍晋三首相は通常国会に提出する年金制度改革関連法案に改正内容を盛り込む考えだが、与党内には参院選への影響を懸念する声もあって曲折が予想される。

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