「70歳雇用」普及へ、定年延長の中小企業に助成金、他(07年1月11日 読売、他)

●「70歳雇用」普及へ、定年延長の中小企業に助成金(1月11日 読売)

厚生労働省は2007年度、企業の「70歳雇用」の普及促進に着手する。具体的には、定年を一気に70歳以上に延長した中小零細企業に最大160万円の助成金を支給する制度を創設する。

また、定年を70歳以上に延長した企業の優れた事例を集めた「先駆的企業100選」も07年度中に公表する予定だ。

新たな助成金制度では、定年が65歳未満の中小零細企業が、70歳以上に定年を延長したり、定年後も70歳まで継続雇用したりすることを就業規則に明記すれば、企業規模に応じて160万円、120万円、80万円のいずれかを助成する。

先駆的企業100選は、高齢者が無理なく能力が生かせるような優れた職場作りの事例を紹介し、70歳雇用の普及に役立てる。全国で70歳雇用をテーマにしたシンポジウムの開催も計画している。厚労省は07年度予算に、企業の雇用保険料を財源とした雇用保険3事業の一環として、両事業の費用約22億円を計上している。

06年4月施行の改正高齢者雇用安定法は、企業に最終的に65歳まで働ける環境整備を義務付けたが、70歳雇用に法的義務はない。

厚労省は、「07年は団塊世代の退職が始まるうえ、人口推計でも超高齢化社会が目前に迫っていることが明らか」(職業安定局)として、70歳雇用の機運を高めたい考えだ。

◇高齢者雇用安定法

労働者が働ける年齢を現行の60歳から段階的に引き上げ、2013年度以降は 〈1〉定年を65歳に引き上げ 〈2〉65歳までの継続雇用制度の導入 〈3〉定年制の廃止――のいずれかを企業に義務付けた。厚生労働省の調査では、定年延長の企業は少なく、大半が継続雇用制度の導入にとどまっている。

●「70歳まで働ける企業」拡大へ 厚労相が雇用促進策(1月9日 産経)

―アドバイザー育成、コンテスト開催も―

厚生労働省は9日、少子高齢化で労働力の不足が見込まれる中、意欲と能力のある高齢者が「70歳まで働ける企業」を増やすための新規プロジェクトに乗り出す方針を決めた。70歳雇用支援アドバイザーの育成、高齢者雇用企業のコンテスト開催などが柱となっており、2007年度から始動させる。

高齢者雇用の促進では現在、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構が主体となり、65歳までの定年延長や定年後も働き続けられる継続雇用などを考えている事業主を対象に、同機構に登録している高年齢者雇用アドバイザーが相談や助言を行っている。プロジェクトでは、このアドバイザーの中から同機構がベテランを選び、70歳雇用支援のエキスパートとして育成。健康管理や人事の在り方など、70歳までの人を雇う際に配慮すべき点をアドバイスしてもらう。

同省と同機構が高齢者雇用に積極的に取り組んでいる先進的企業のコンテストを開き、公表・表彰することも検討。事例集「70歳生き生き企業百選」の作成・提供や、高齢者雇用を阻む要因を取り除くための研究も行う。

さらに、主に中小零細企業でつくる業界団体や事業主団体で、高齢者雇用に積極的なところに対する助成も実施。加入する企業経営者らに対し、雇用対象年齢の70歳への引き上げや継続雇用の対象者拡大を働き掛けている団体などが対象で、今後詳しい助成内容を詰める。

少子高齢化で今後、若手の労働力は減少する一方、比較的元気で働く意欲のある高齢者は増えると見込まれる。同省は今回のプロジェクトを通じ、そうした人が「70歳まで働ける」環境整備に努める考えだ。

●定年70歳時代へ 厚労省、促進策に奨励金も(1月1日 産経)

団塊の世代の定年退職が始まるのを受けて、厚生労働省は平成19年度から、企業に定年を70歳まで引き上げるよう促す施策に着手する。本格的な人口減少社会に入るなか、労働力人口確保のため、意欲と能力のある高齢者が70歳まで働ける環境づくりを目指す。企業向けに支援アドバイザーを育成するほか、引き上げを実施する中小企業には奨励金を創設する。平成22年には定年引き上げを中心に全企業の2割で70歳まで働けるようにする考えだ。

高齢者雇用をめぐっては、昭和22〜24年生まれの団塊の世代670万人が今年から60歳に達し、むこう3年間で280万人が一斉に定年退職を迎えるという。この「2007年問題」に対応するため、厚労省は平成18年の改正高年齢者雇用安定法施行で、企業に65歳までの雇用を義務付けた。

しかし、人口減少社会に突入し、労働力人口もむこう10年間で200万人減る可能性も指摘されるなかで、24年には再び団塊の世代が65歳になって大量退職を迎えることになる。

厚労省では、「意欲と能力のある高齢者が、いくつになっても働ける社会」の整備が必要と判断。まずは70歳までの環境づくりを進める。

具体策として、中小企業向けには60歳から70歳に定年を引き上げるか、定年制廃止の場合に企業規模に応じ80万〜160万円を奨励金として助成。企業体力に劣る中小企業が賃金・人事処遇制度を見直すことで発生する財政負担を軽減する。

また、全企業を対象に、規模や業種、企業風土など会社独自の事情やニーズを踏まえて制度見直しの個別提案を行うため、社会保険労務士を中心に新たに「70歳雇用支援アドバイザー」を育成する。このほか、定年制を廃止した日本マクドナルドなど先行事例を紹介したり、事業主団体に「70歳雇用実現プログラム」の作成を委託するなどの施策を検討している。