●対象20万人ホント? 残業代ゼロ労働(1月14日 朝日)
 
対象となる会社員が全国で20万人って、ほんと――? 一定の条件で会社員を労働時間規制から外し、残業代をなくす「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入をめぐり、厚生労働省が持ち出した対象者数の試算が波・を広げている。対象は全労働者の0.4%にすぎないとする推計を出したのは、強い慎重論がある与党を説得する狙いとみられるが、算定方法はどんぶり勘定。省内からも「推計がおかしい」との声が漏れる。労働界は「導入後に範囲を拡大するのでは」と警戒し、推進する経済界も「そもそも20万人なら、制度を入れる必要があるのか」と戸惑っている

柳沢厚労相が10日、与党に示した案では、対象者は年収900万円以上のホワイトカラーに限定する。対象者数の試算にあたり、厚労省は05年の賃金構造基本統計を参考にした。この統計は部課長などの職階別に平均月収や賞与を調べている。

試算ではまず、年収900万円以上の会社員約540万人のうち、部長や課長級の300万人を「管理監督者」とみなし、もともと労働時間規制からはずれているとして除外した。

だが、労働基準法は管理監督者を「経営者と一体的な立場にある者」と位置づけ、肩書ではなく実態で判断すべきだとする。統計でいう部課長は組織上の肩書にすぎず、企業ごとに責任や権限はまちまち。「部課長300万人というのは実際の管理監督者よりかなり多く、それをもとにした推計は危険」と疑問視する声が厚労省内にもある。

実際にも、企業が「管理監督者」を幅広に解釈し、残業代を払わない例が問題になっている。05年2月には、大手家電量販店「ビックカメラ」が、主任職を管理監督者とみなして残業代を支払わず、労基法違反で立件された。

厚労省の試算では、いわゆる平社員など、肩書のない200万人も除く。エグゼンプションの適用条件である「仕事のやり方を自分で決められる人」ではないとみるからだ。

残りは係長級程度の40万人だが、総務省の労働力調査によると、全労働者に占めるホワイトカラーの割合は55%なので、40万人の半分がホワイトカラーとして20万人と計算した。

さらに、厚労省は実際の適用者は「2万人」とはじく。適用には本人の同意が必要とされ、塩崎官房長官は11日の記者会見で「(20万人のうち)本人が仮に1割OKした場合は2万人くらいかな」との推測を示した。

連合幹部は「与党からの予想以上の批判を受けて、対象者が少ないと強調しているだけだ」と反発。年収以外の条件も不明確で、いくら試算しても意味がないとする。

経済界も「あまり対象を限定されても困る。対象がどんな人かもあいまい。対象外の人に適用したとして労基法違反で摘発されかねず、怖くて導入できない」(電機大手)と冷ややかだ。

お問合せ・ご相談はこちら

ご不明点などございましたら、
お電話もしくはお問合せフォームよりお気軽にご相談ください。

お電話でのお問合せはこちら

072-956-8846
  • 今の就業規則で解雇やサービス残業の問題を予防できますか?
  • わかりやすい人事制度で、社長の思いを従業員に伝えましょう!
  • 65歳雇用義務化による、雇用延長と退職金の問題を解決しましょう!
  • 当事務所は、経営者と従業員が価値観を共有し、同じ目標に向かって「1つ」となる組織づくりを、全力でサポートしています。

就業規則と人事制度のカワムラ社労士事務所
<大阪の社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー>

対応エリア
大阪市 堺市 松原市 藤井寺市 羽曳野市 他

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ

072-956-8846

ごあいさつ

こんにちは所長の川村泰文です社長の『困った』を解決します

カワムラ社労士事務所

住所

〒583-0852
大阪府羽曳野市古市2271-68

【免責事項】
本サイトで提供している情報の内容については万全を期して記載しておりますが、その内容を保証するものではありません。この情報に基づいて被ったいかなる損害についても当事務所は一切責任を負いかねますのでご了承下さい。