なぜ訪問看護師が増えないのか(07年3月号)

なぜ訪問看護師が増えないのか

◆訪問看護師の役割・需要の増加

病院・施設での長期入院・入所に代わって在宅療養が推進され、その担い手の要となる訪問看護師の役割が重要になっています。高齢化社会の進展に伴い、とりわけ医療と介護の両分野にまたがる訪問看護師への需要は多いようです。しかし、そのための事業所である訪問看護ステーションの普及はあまり進んでいないようです。

◆訪問看護師とは

訪問看護師の役割は、患者宅に出向いて健康状態をチェックしたり、リハビリ指導、床ずれ処置、入浴介助、人口呼吸管理などを行ったりすることです。訪問看護サービスを受けた利用者には好評ですが、認知度が低く、サービスそのものがまだまだ普及していないのが現実です。

訪問看護ステーションが制度化されたのは1992年で、翌年に介護保険制度の開始を控えた1999年には、医療法人だけでなく企業やNPO法人にも門戸が解放されました。介護保険の在宅サービスとして期待されましたが、2005年10月時点での訪問看護ステーションは5,300カ所と、当初の目標数値(2004年までに9,900カ所)の約半分に留まっています。

◆法規制、指示書などがネックに

必要度が高い訪問看護師ですが、なぜ増えないのでしょうか。同じ在宅介護サービスの通所介護や訪問介護、それにグループホームの分野では地域に密着した小さな企業やNPOの参入が急増した一方、看護ステーションでは、企業とNPOの運営は全体のうちわずかしかなく、相変わらず医療法人が半数近くを占めます。

その理由の1つは「ステーションには看護師が2.5人必要」と、1人での開業が規制されているのに加え、自宅マンションなどで開業の際にはステーションとして独立性が必要となるなど、開業へのハードルが高いことが挙げられます。

また、法律で看護師の業務は「診療の補助」と「療養上の世話」とされ、前者には医師の指示書が必要とされています。制度改革を望む声は現場に多いようです。