人事労務の最新ニュース(07年3月1日〜18日)

●外国人在留許可の要件、指針公表へ・法務省方針(3月18日 日経)

法務省は17日、日本に滞在する外国人が在留資格を変更したり、期間を延長する際の要件を明示するガイドライン(指針)を公表する方針を固めた。許可するかどうかは事実上、法相の委任を受けた各地方入国管理局の現場の裁量で判断しており、申請者や経済界から「不透明」との批判が出ていた。指針に客観的な基準を盛ることで、外国人らが理解しやすいようにする。2007年度中の公表を目指す。

出入国管理及び難民認定法(入管法)は法相が在留資格変更と期間更新を許可すると規定。通常は地方入管局の当局者が、書類審査や本人らとの面接などを通じて在留中の生活・活動状況を把握し、総合的に判断する。ただ要件を明示した文書などはない。外国人にとって可否の基準がわかりにくく、不許可の場合の理由も不明確だとの指摘がある。

●4社に1社が交通違反・事故への懲戒処分厳罰化の意向(3月16日 労務行政研)

財団法人労務行政研究所は16日、「通勤と業務における自動車使用等の実態調査」の結果を発表した。通勤または業務での運転中の交通違反・事故について、4社に1社は処分の厳罰化などの見直しに今後着手する意向を示している。業務時間外に起こした飲酒・酒気帯び運転での傷害事故に対する懲戒処分内容については、4割が「懲戒解雇」と回答。「諭旨解雇」を合わせると、半数強が解雇事由に相当としている。

労務行政研究所 「通勤・業務中の飲酒運転防止に向けた企業の取り組み」(PDF形式)
⇒ http://www.rosei.or.jp/press/pdf/200703.pdf

●「賃金カット」の不当労働行為を否定/南労会(業務指示)事件(3月16日 中労委)

医療法人南労会が組合員に対して業務内容を変更する指示を発令し、この指示に従わなかったことを理由に賃金カットを行ったことなどが不当労働行為だとして、救済の申立てがあった事件で、中央労働委員会は16日、賃金カットがなかったものとして取り扱うよう命じた初審命令を取り消した。会社の行為は組合活動を理由とする不利益取り扱いとも、組合弱体化を企図した支配介入であるともいえないとの判断を示している。この問題をめぐる団交の拒否は不当労働行為に該当するとされた。

⇒ http://www.mhlw.go.jp/churoi/houdou/futou/shiryo-01-232.html

●月末に35歳向け「定期便」 先行的に年金記録郵送(3月15日 共同通信)

社会保険庁は3月下旬から、4月以降に35歳になる国民年金と厚生年金の加入者に対し、加入記録を郵送で通知する「ねんきん定期便」を始める。加入者全員への本格スタートは2008年4月から。25年の年金受給資格期間を満たすのに間に合う35歳を一つの区切りとみて、先行実施する。

今回の対象は07年度中に35歳となる約200万人で、誕生月の前月末に順次通知。加入月数や過去の勤務先などの記録を伝え、年金制度を身近に感じてもらい保険料の納付意欲の向上を図る。加入者本人が点検することで記録ミスを早期に是正する狙いもある。

今年12月には、45歳と55歳以上の人に対象を広げる。

08年度から全面実施する定期便では、加入記録だけでなく将来受け取る年金見込み額も通知。50歳以上には実際に受け取るのに近い予想額を、50歳未満には納付実績に基づく額を示す。

●就職活動を終えた大学4年生対象の意識調査結果を発表
 (3月15日 ベンチャー・オンライン)


中小・ベンチャー企業向け新卒採用支援の、ベンチャー・オンライン(http://online-group.jp/)は、中小企業の採用活動が本格化するのを前に、中小企業の人事担当者と、就職活動を終えこの春の新社会人となる大学4年生を対象に調査を実施しました。

厚生労働省と文部科学省の調査によると、四年制大学を今春卒業する就職希望者の内定率が79.6%と8年ぶりの高い水準になるなど、2006年度の就職戦線は、企業が新卒採用を積極的に行った「売り手市場」だったと言われています。来年度も、学生側の売り手市場は継続する見込みで、学生の大手企業志向が強まる傾向にある一方、中小・ベンチャー企業では、優秀な人材確保がこれまで以上に困難になるのではという見方も強まっています。

アンケート結果から、学生が興味を一番深めるのは、およそ7割の学生が会社説明会と回答しています。また、就職活動中に印象が悪いと感じたのは、会社説明会の時とおよそ3割の学生が回答していて、就職活動において「会社説明会」が重要なウェイトを占めている事がわかります。一方、企業側に採用活動で最も大切だと思っている所を聞いたところ、「会社説明会時」と答えたのは、わずか0.2%でした。この結果、会社説明会に対して、学生と企業側の意識の違いが明らかになりました。

就職活動中にイメージが悪いと感じた会社の商品の購入やサービスの提供を今後受けないと答えた学生が全体の74.5%にのぼり、採用活動中の企業の対応が、そのまま企業イメージになるとの結果も出ています。中小企業の採用活動が苦戦する中、会社説明会に工夫を凝らすことや、学生の気持ちをつかむことが重要なようです。

●小児科医自殺を労災認定 「過労や医師不足でうつ」 東京地裁、処分取り消す
 (3月14日 共同通信)


東京都中野区の立正佼成会付属佼成病院に勤務していた小児科医の中原利郎さん=当時(44)=が 1999年に自殺したのは過労が原因として、妻のり子さん(50)が労災と認めなかった新宿労働基準監督署の処分取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁は14日、自殺を労災と認め処分を取り消した。

原告側代理人によると、医師の自殺を労災と認めた判決は全国で2例目で、小児科医では初めて。

佐村浩之裁判長は「宿直が多く睡眠不足だった上、全国的に小児科医が不足している状況下で医師二人が退職を表明。医師補充がうまくいかず、人間関係も悪化した。管理職として心理的負荷がかかり、遅くとも自殺の約2カ月前にはうつ病になっていた。自殺と業務には因果関係がある」と判断した。

判決によると、利郎さんは87年から佼成病院に勤務。99年2月に小児科部長代行に就任後、二人が退職し、小児科の常勤医は3人に減った。過重な労働に拍車が掛かり、月に宿直勤務を8回したり、出勤が月29日に達したりした。精神的に不安定となり、同年8月、同病院の屋上から飛び降り自殺した。

病院の机には「少子化と経営効率のはざまで」と題し、小児科医不足の現状や過重労働について書いた遺書のような文書が残されていた。

のり子さんが2001年9月、労災保険法に基づく遺族補償支給を請求したが、新宿労基署は03年3月「うつ病と業務に因果関係はない。性格や生活習慣病などが原因で発病した」として労災と認めず不支給とした。

●保険証をICカード化・厚労省、2012年メド(3月14日 日経)

厚生労働省は14日、健康保険証にICカード機能を搭載し、過去の病歴や受診内容を患者や医師がパソコンで確認できる「健康ITカード」(仮称)を導入する方針を固めた。情報化で医療の効率を高める。16日に経済財政諮問会議に示す医療・介護分野の「質向上・効率化プログラム」に盛り込む。

健康ITカードは2012年4月をメドに導入する。ICカードで国が整備するデータベースに接続することで、医療機関は他の病院で受けた診療内容や病歴が分かる。患者も自分が受けた診療内容を確認することができる。

●労働3法案を閣議決定、社保庁改革法案も(3月13日 日経)

政府は13日、残業代の割増率引き上げを盛り込んだ労働基準法改正案など労働関連の3法案を閣議決定した。すでに国会に提出している雇用保険法改正案など3法案と合わせ、雇用ルール改革の6法案が出そろった。社会保険庁の廃止・解体と新組織の設立などを規定した日本年金機構法案も閣議決定した。

労基法改正案は長時間労働の是正に向けて、月80時間超の残業代の割増率を現行の25%以上から50%以上に引き上げる。年収などで一定の条件を満たす会社員を労働時間規制から除外する自己管理型労働制(日本版ホワイトカラー・エグゼンプション)は労働組合などの反対が強く、導入を見送った。

出向や解雇など雇用時のルールを明文化する労働契約法案と、地域別の最低賃金額を生活保護との整合性を考慮して決める最低賃金法改正案も閣議決定した。雇用ルール改革の6法案のうち、雇用保険法改正案、雇用対策法改正案、パートタイム労働法改正案は2月に国会に提出している。

法案概要全文⇒ 労働関連6法案(労働基準法改正案、労働契約法案、最低賃金法改正案、パート労働法、雇用保険法改正案、雇用対策法改正案)の概要

●研修生転がし:制度悪用し低賃金で外国人雇用 各地で横行(3月13日 毎日)

日本の高い技術を学んでもらおうと国際貢献の一環で設けられた外国人技能実習生・研修生制度を悪用し、賃金を不当に安く抑える「研修生転がし」と呼ばれる手口が各地で横行している。研修生が労働基準法で定められた最低賃金の半分以下の「研修手当」で雇用できることに目を付け、実習生に昇格する直前に「実技試験に落ちた」などとうそを言って帰国させ、新たに別の研修生を受け入れているという。

同制度では、研修生は1年間、座学や実務の研修を受け、国からの委託で自治体が行う技能や日本語などの検定に合格すると、実習生としてさらに2年間の技能実習を受けられる。研修生への手当は受け入れ企業などの裁量だが、実習生は労基法の適用対象となり、最低賃金が保証される。

しかし、各地の組織と連携して支援している福井市の市民団体「外国人研修生問題ネットワーク」によると、研修生が座学を受けるケースはまれ。研修生転がしに関する相談も、この2年間で北陸、中部、東北、中国地方などで20件あった。手当は、日曜日も休みなく1日8時間以上働いて月に5万円という人もいた。

福井県越前市では昨年5月、縫製の技術を学ぼうと来日した中国人男女3人が、実際には検定試験に合格していたのに、実習生になる2カ月前に、受け入れ先の協同組合から「縫製の実技試験に落ちた。実習生になれない」と言われ帰国した。組合はその後、別の研修生3人を受け入れた。

昨年4月には福井市内の塗装会社が中国人の男性研修生(31)に「実習生になれない職種になった」とうそを言って帰国させた。同ネットがこの研修生への聞き取り調査をもとに残業代未払いなどを福井労基署に訴えた結果、会社は研修生の受け入れ停止処分を受け、その後、廃業した。この研修生は帰国前、「進んだ技術を学びに来たのに、途中で帰らされ残念」と話していたという。

石川県では昨年、中国からの男性研修生2人が受け入れ先の鉄工所から帰国を促され、夢を断たれた思いがしたのか、そのまま逃亡した。

同ネットの高原一郎事務局長は「志を持って来日した外国人が苦しい思いをしている。国の制度自体に不備があり、改善しないと研修生転がしはさらに増えるだろう」と指摘している。【松井聡】

●女性管理職の25%「役員以上目指す」(3月13日 日経)

女性管理職の9割以上が現在の仕事を「充実している」と感じ、4人に1人が「役員以上への昇進」を目指している――。12日創刊の月刊誌「日経EW」(日経ホーム出版社発行)が実施した調査で、一線で働く女性たちのこんな意識が明らかになった。

調査は人事コンサルタント会社、キャリパージャパンと共同で実施。全国の有力企業403社に勤務する課長級以上の女性476人からアンケートの回答を得た。

平均年齢は42.1歳で、男女雇用機会均等法の施行前後に入社した世代が中心。転職経験者は3人に1人で回数は平均2.2回。入社時に「一生働き続けると決めた」のは4割にとどまり、昇進を意識せずに「気付いたら管理職」という人が過半数に達した。

●企業の「求める人材像」調査結果(3月12日 経済産業省)

経済産業省では、企業が職場で求める能力(社会人基礎力)に関し、昨年10月、企業人事部に対するアンケート調査を実施しました。本調査結果では、「主体性」等を中心に殆どの企業が採用や人材育成に「社会人基礎力」を重視していることが明らかになるとともに、職種別・企業別に重視する能力要素の特徴が明確になっています。

経済産業政策局 企業の「求める人材像」調査の結果について〜社会人基礎力との関係〜
⇒ http://www.meti.go.jp/press/20070312001/20070312001.html

●過去最多の22万3000人 直接雇用の外国人労働者(3月12日 共同通信)

厚労省が12日発表した外国人雇用状況報告(昨年6月1日現在)によると、企業に直接雇用されている外国人労働者は、前年比2万4549人増の22万2929人と、1993年の集計開始以来最多となった。直接雇用している企業は2万7323社(2217社増)に上り、全体の3割に達した。

出身地域別では、中国人労働者の流入増を反映して、東アジアが45・0%と最多。中南米の29・1%、東南アジアの14・5%と続く。産業別では製造業が最多で、直接雇用の52・5%を占め、自動車や電機メーカーなど、ものづくりの現場が外国人労働力に支えられている現状を裏付けた。

厚生労働省 外国人雇用状況報告の結果について
⇒ http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/03/h0312-1.html

●「派遣社員が希望する働き方」意識調査(3月12日 ヒューマンリソシア)

総合人材サービス事業を展開するヒューマンリソシア(http://www.athuman.com/)は、20代・30代の女性で、同社から各企業に派遣されているスタッフ(派遣社員)791人を対象に意識調査を実施しました。

【 希望する働き方は、一人ひとりの状況によって変化 】
希望する働き方を伺ったところ、正社員5割強、派遣社員4割弱と回答。派遣社員より正社員を希望している方が比較的多いことが分かりました。しかし結婚後に希望する働き方では、正社員3割弱、派遣社員5割弱。出産後に希望する働き方では、正社員2割弱、派遣社員3割弱。比較的子供に手がかからなくなった時の働き方では、正社員3割強、派遣社員4割弱。結婚・出産・育児後に望む働き方は、正社員より派遣社員を希望している方が多いことが分かりました。正社員、派遣社員それぞれ働き方にメリットがあるからこそ、一人ひとりの状況にあった働き方を望まれていると分析できます。

派遣社員として働くメリットとして、「職場の人間関係がよい」「休暇が取得しやすい」「自分のペースで仕事ができる」「オフィス環境がよい」「残業がない」が続きます。職場環境の良さとプライベートの充実に派遣社員のメリットを感じていることが読み取れます。

詳細は ヒューマンホールディングス 2007年3月12日 PRESS RELEASE
⇒ http://www.athuman.com/news/?code=060373

●誕生日から6カ月で1歳上? 生保「保険年齢」やめます(3月11日 朝日)

生命保険の契約者の年齢を、人によって1歳繰り上げる「保険年齢」方式から、一般に使われる「満年齢」に切り替える動きが、国内の生保会社に広がり始めた。4月の保険料の全面改定に合わせて、住友、太陽、富国の3社が満年齢に切り替える。好調な銀行窓口での保険商品の販売が今年末にも全商品を対象に解禁されるのを前に、契約者に分かりにくい生保独特の業界用語を減らし、窓口での説明をしやすくする狙いだ。

「保険年齢」では、誕生日から6カ月を超えると、満年齢よりも契約上の年齢が1歳年上になる。保険料の前提になる死亡率などは誕生日時点を基準にしており、誕生日を中心にした1年間を契約時の年齢と計算してきた。生保業界の長年の慣行だった。

このため、保険会社の営業現場では「6カ月を過ぎると年齢が一つ上として保険料を計算されて、割高になるから早く契約したほうがいい」などと、顧客が契約をせかされるケースが少なくなかった。

実際、保険年齢方式で年齢が一つ上と計算されて契約した人が、仮に「満年齢」で契約していた場合、一つ年齢が下がる分だけ保険料が安かった可能性がある。

損害保険各社や外資系の生保会社では満年齢が一般的で、国内の生保会社では大同が02年春から切り替え済みだ。一方で、日生や第一生命などは「保険年齢」を続ける。各種システムの更新などのコストがかかるためで、生保業界で年の数え方の混在は続きそうだ。

●「年間4千時間労働、うつで解雇」賠償求め会社を提訴へ(3月10日 朝日)

年間4000時間を超える長時間労働でうつ状態となり解雇されたとして、総合建設コンサルタント「建設技術研究所」(本社・東京)の元男性社員(30)が、損害賠償や未払い賃金など約1300万円の支払いなどを求める訴訟を大阪地裁に近く起こす。長時間労働させたこと自体を違法行為として賠償を求める方針で、企業責任を問う手法としては珍しい。

長時間労働を巡るこれまでの裁判では、うつの後遺症などを理由に賠償請求する事例が多かった。元社員の代理人の岩城穣弁護士は「後遺症がなくなっても、本人が受けた精神的苦痛は大きい。長時間労働をさせた会社の責任そのものを追及する」としている。

準備中の訴状などによると、元社員は01年4月から建設技研の大阪本社(大阪市中央区)に勤務。土木工事の計画作りなどを担当していたが、02年の1年間で、会社側の資料でも3565時間勤務させられたことが確認できたという。残業が月250時間を超えることもあった。元社員は「実際には、法定労働時間の倍の4000時間を超える勤務を強いられた」と主張している。

02年12月ごろから体調を崩し、03年4月からは自宅療養と復職を繰り返すようになった。その後、適正な支援も受けられず、05年12月に解雇されたという。個人加入した地域労組を通じて復職を求めてきたが、会社側は応じなかった。

建設技研は元社員の主張を認めておらず、「誠実に事実を明らかにしていきたい」としている。

●残業代割増率、法に明記・厚労省「月80時間超は50%以上」(3月9日 日経)

厚生労働省は長時間労働を減らすための残業代割増率の引き上げについて、今通常国会に提出する労働基準法改正案に「月80時間を超える残業に50%以上の割増率」という具体的数値を明記することを決めた。当初は法律には数値を盛り込まず、政省令で定める予定だった。法律に割増率を明記して制度が簡単に変更できないようにする。

労基法改正案に割増率引き上げのほか、今は原則1日単位でしか取れない有給休暇を年間5日分、1時間単位で取得できる新制度なども盛り込んだ。「両親の介護のために5時間」などと生活に合わせ、柔軟な取得が可能になる。

●「製造業務の派遣可能期間が最長3年となりました」(厚生労働省)

製造業務について、派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務に係る派遣の受入可能期間は1年ですが、平成19年3月1日から、最長3年の定めをすることが可能となりました。
⇒ http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/haken-shoukai10/index.html

●長寿で値下げ、死亡保険 年金保険は値上げ 生保業界(3月9日 朝日)

生命保険各社が4月から、11年ぶりに保険料を全面的に改める。寿命が延びたことに対応し、死亡保険は大半が値下げされる。一方、年金保険については、加入者が亡くなるまで年金を受け取り続ける「終身型」を選んだ場合、保険会社の負担が増えるために、支払い保険料が十数%値上げされる。

日本、第一、住友、明治安田の国内大手4生保の改定内容が8日、出そろった。生涯を通じて死亡時に1000万円の保険金が出る商品の例では、30歳の男性が加入した場合、明治安田生命で現行より2.8%減の月額2万760円など、各社とも1〜2%程度の値下げ。寿命が延びた分、保険会社に払われる保険料の総額が増えることに対応した。各社が主力とする死亡保険と医療保険などを組み合わせた商品も、年齢によって違うが数%の減額になる。

医療保険は、寿命が延びると保険会社からの支払いが増えて、値上げ圧力となるが、各社とも少子高齢化による需要増をにらみ、年齢や性別ごとの病気の発生率を細かく見直すなどして、値上げを避けた。ほぼ現状維持が多いが、住友生命の例では、30歳男性が生涯、入院1日あたり1万円をもらえる想定で、現行より5.1%減の月6340円となるなど、年齢や性別によって値下げとなる医療保険もある。

保険料改定は、生保各社が保険料算出の基準としている「標準死亡率」が改められたため。保険の数理専門職がつくる社団法人「日本アクチュアリー会」が算定し、金融庁が検証した結果、死亡保険の標準死亡率は全体で男性が現行より12%、女性は18%下がった。

前回改定の96年以降も寿命は延びていたが、改定にはコストがかかるうえ、標準死亡率に比べて実際の寿命が延びれば保険会社の利益が増えるという事情もあり、改定が先送りされてきた。

●INAX、育児支援策を拡充・労働時間柔軟に(3月9日 日経産業)

住宅設備のINAXが育児支援策を拡充している。子を持つ従業員の働く時間を2時間まで短縮できる制度の範囲を拡大。使わなかった有給休暇を「温存」して育児に利用できる制度も導入した。住宅設備を扱う会社だけに育児支援の体制づくりは重要とみており、支援策を相次ぎ打ち出す。

1日の勤務時間を所定労働時間より最大2時間短くする「育児短時間勤務制度」。子供の年齢が3歳までという条件を昨年5月、小学校1年生までに拡大した。子供を保育所などに預けて仕事する従業員も多く、「この制度があるから仕事を続けられる」との声も出ているという。

●近親婚でも遺族年金の受給可能、最高裁が初の判断(3月8日 読売聞)

叔父と内縁関係にあった茨城県内の女性(67)が、「近親婚は民法で禁じられている」との理由で遺族厚生年金を受給できないのは不当だとして、社会保険庁を相手取り、不支給処分の取り消しを求めた訴訟の上告審判決が8日、最高裁第1小法廷であった。

泉徳治裁判長は「叔父とめいのような三親等間の近親婚については、生活の実態などを考慮し、反倫理性や反公益性が著しく低い場合は、受給権が認められる」とする初判断を示した上で、請求を棄却した2審判決を破棄し、受給資格を認めた1審判決を支持する判決を言い渡した。

これにより、女性は月額約10万円の遺族厚生年金を受け取れることになる。

厚生年金保険法は「事実上の婚姻関係があれば配偶者として認める」と規定しているが、民法が三親等以内の親族などとの婚姻を「近親婚」として禁じていることから、社会保険庁は、「民法に反する近親婚の場合、配偶者とは認められず年金の受給権はない」としてきた。

判決によると、女性は1958年に叔父と共同生活を始め、2人の子を出産。2000年に叔父が死亡するまで事実上の夫婦として生活していた。

1審・東京地裁は、女性の年金受給権を認めたが、2審・東京高裁は「反倫理的で法秩序に反する近親婚は、公的給付の受給者として保護されない」とし、逆転敗訴の判決を言い渡していた。

●障害者雇用率にパート労働者も算入へ(3月8日 日経)

厚生労働省は、従業員56人以上の企業に義務付けている障害者の法定雇用率(従業員に占める障害者の割合=1.8%)について、労働時間が週20時間以上30時間未満のパート労働者の数も算定の対象とするよう制度変更する方針を固めた。また、法定雇用率に満たない企業への納付金支払義務を300人以下の中小企業に拡大することも検討しており、来年の通常国会に障害者雇用促進法改正案を提出の予定。

●福祉施設等で働く障害者への労基法適用基準を見直し(3月8日 日経)

厚生労働省は、障害者作業所や福祉施設で働く障害者に対する労働基準法等の適用基準を見直す方針を示した。1951年の通達では、1.勤怠管理をしない、2.工賃に差を付けない、などの条件を満たせば訓練とみなし、労働法規の適用が除外するとされているが、現在でも訓練の一環として一般的に導入されている、タイムカードでの勤怠管理や能力給を認める内容。3月中に全国の作業所等に新たな通達を出すとしている。

●パート厚生年金、16万人に限定 「再チャレ」色後退(3月7日 朝日)

政府・与党は6日、パート労働者への厚生年金適用拡大について「勤務期間が1年以上で月収9万8000円以上」との条件を設ける方針を決めた。当面の間は従業員数300人以上の企業を対象とする方針で、対象は16万人にとどまる。パート労働者の待遇改善は安倍首相の看板政策である「再チャレンジ支援策」の柱だが、極めて限定的なものとなりそうだ。

パート労働者は現在1200万人。厚生年金の適用対象について「正社員の4分の3、週30時間以上の労働時間」とした現行の規定を「正社員の2分の1、週20時間以上」に緩める一方、年収要件や企業規模で限定を強める。政府は今国会に関連法案を提出する方針だが、労働関連法案など重要法案が山積していることから成立の見通しは立っていない。

適用対象者を広げないと、不安定なパート労働者の老後保障への効果は乏しい。しかし、パート労働者を多く抱える企業や、新たな負担が生じる「主婦パート」の反発を抑えるため、対象範囲を限定的にした。厚生労働省は企業規模による限定を「一定期間」としており、将来的に広げる余地は残した形だ。

首相は施政方針演説で「勝ち組と負け組が固定化せず、何度でもチャレンジが可能な社会」づくりを提示。その柱として、パートへの厚生年金適用拡大とパート労働法の改正によるパート労働者の正社員化を掲げた。しかし、年金の適用拡大は対象が16万人に限定されたことに加え、パート労働法改正案で正社員との差別を禁止される対象は「全体の4〜5%」(柳沢厚労相)にとどまる。

与党内からは「あまり拡大対象が狭いと、本当に救わなければならない人が救えない」(幹部)との懸念も出ており、安倍政権の再チャレンジ支援の実効性が問われかねない状況だ。

●時間外労働の割増率アップが意味するもの(3月7日 日経Biz-Plus)

時間外労働の割増率については一定の場合に50%にあげる方向で作業が進んでいます。このことは労働者に利益をもたらすように見えますが、長期的には必ずしもそうとは言い難いかもしれません。

日経Biz-Plus 「法的視点から考える人事現場の問題点」第9回 弁護士 丸尾拓養氏
⇒ http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/jinji/rensai/maruo2.cfm

●職場健診でも腹囲測定を メタボリック症候群で厚労省検討会(3月7日 産経)

厚生労働省の検討会は6日、生活習慣病の危険性が高まるメタボリック症候群(内臓脂肪症候群)の検査のため、職場で実施する定期健康診断に腹囲(へそ回り)の測定を加えるべきだとする報告書をまとめる。

報告書を踏まえ、厚労相の諮問機関、労働政策審議会分科会に諮る方針。来年4月からの導入を目指すが、日本経団連など経営者団体は、検査項目の増加によって企業側の経済的な負担増などを懸念し反対している。

高齢者医療確保法が来年4月から、40〜74歳を対象に腹囲測定を含む新しい健診を実施するよう健康保険運営者に義務付けたことに合わせ、労働安全衛生法に基づく職場健診の検査項目も見直すことになった。

報告書は「腹囲を把握することは、脳・心臓疾患を予防する観点から、労働安全衛生上必要なもの」と指摘。測定については対象者の協力を得やすいように、自己申告や着衣のままの測定など運用を柔軟にすることが望ましいとした。

検討会のヒアリングに対し日本経団連や東京商工会議所からは「(事業者に課されている)安全配慮義務の範囲が拡大するのではないか」「生活習慣が原因の健康障害は、事業者が個人の生活にまで介入して改善させることはできない」などの意見が出た。

●流通業界で急増する パートの正社員雇用(3月6日 J−CAST)

景気回復で人手不足感が強まるなか、パートや契約社員を正社員化する動きが広がっている。一時的にはコストアップという負担を抱えることになるが、優秀な人材を囲い込んで長期的なメリットを得たい考えだ。特にこの動きは小売り・流通業で目立つが、他の業界にも波及しそうだ。

J−CASTニュース 2007/3/ 6
⇒ http://www.j-cast.com/2007/03/06005989.html

●年金受給者に10億円 TBS減額訴訟が和解(3月6日 共同通信)

TBS(東京)が企業年金制度を同意なく変更し、受取額を大幅減額したのは契約違反として、同社OB約 340人が変更前の受給権確認を求めた訴訟は 6日、TBSが原告を含む全年金受給者約730人に計約 10億円を支払うことなどを条件に東京地裁(中西茂裁判長)で和解した。

原告代理人弁護士らによると、制度変更による試算損失は一人当たり約800万円。受け取り方の違いもあり、和解で取り戻したのは平均約180万円になるという。

また和解に際し、TBSは「受給者の権利や生活への配慮が十分ではなく、原告らに多大な負担、迷惑をかけたことを認め、遺憾の意を表する」と伝えた。TBSは「円満に解決したことは喜ばしい」とのコメントを発表した。

訴状などによると、TBSは2004年8月「低金利で年金財政が逼迫し、会社の経営を圧迫している」として年金受給者に支給額の約6割カットと、一括払いの一時金による補てんを通知。翌年4月から実施された。

平均的なケースで月額 25万円が10万円となり、一時金は約1,950万円。原告は平均余命までの受給見込み額を大きく下回るとして提訴した。

●9億9千万円支払い確定 山田紡績社員の解雇無効(3月6日 共同通信)

愛知県半田市の山田紡績が事業縮小に伴い、解雇した紡績部門の計100人が従業員の地位確認や賃金支払いを求めた訴訟の上告審決定で、最高裁第三小法廷(藤田宙靖裁判長)は6日、解雇を無効とし、判決確定までの賃金支払いを命じた二審名古屋高裁判決を支持、会社側の上告を退けた。原告勝訴が確定した。

原告代理人弁護士によると、同社が支払う賃金は9億9,000万円を超え、解雇無効をめぐる訴訟で戦後最高額という。

昨年1月の二審判決などによると、山田紡績は 2000年10月、民事再生法の適用を名古屋地裁に申し立て、翌月に紡績事業の廃止を従業員に通知。01年2月までに、従業員計約160人のうち紡績部門の従業員をほぼ全員解雇した。民事再生法は適用され、不動産事業は存続した。

05年2月の一審名古屋地裁判決は「会社は民事再生の申し立てについて従業員に事前に相談せず、それまでの事業を継続するという説明を翻した。極めて乱暴な解雇」として請求を認めた。二審判決も同様に判断して会社側控訴を棄却した。

●戸籍謄抄本の交付を制限 改正案を閣議決定(3月6日 共同通信)

政府は6日午前の閣議で、戸籍法改正案を決定した。戸籍謄本・抄本の不正取得事件や婚姻、養子縁組を偽装する事件が相次いだことや、国民のプライバシー意識の高まりに応えるのが狙い。戸籍情報の公開を制限し不正取得に対する制裁を強化したほか、婚姻などを届け出る際の本人確認を義務付けた。今国会での成立を目指す。

改正案は、条件なしに謄抄本の交付を受けられる対象を、戸籍に記載されている本人と配偶者、直系の親族のみに限定。これまで不当な目的でなければ交付を受けることができた弁護士などの専門職や国、自治体に対し、請求理由を明らかにするよう義務付けた。

また虚偽申請など不正な手段で謄抄本を取得した者に対する制裁を強化。現行の「5万円以下の過料」から「30万円の罰金」に引き上げる。

婚姻や養子縁組などの届け出について、運転免許証などによる本人確認や、代理人が届け出た場合の本人通知制度も創設。

●学生無年金訴訟、国が上告(3月5日 朝日)

国は5日、国民年金加入が任意だった学生時代に統合失調症と診断された男性に、未加入を理由に障害基礎年金を支給しなかった国の処分を取り消した盛岡地裁判決を支持した仙台高裁判決を不服として、最高裁に上告した。

●パート・契約社員5000人を正社員へ ユニクロ(3月5日 朝日)

カジュアル衣料のユニクロは、店頭で接客や販売にあたっている6000人のパートと契約社員のうち最大5000人を4月以降、2年程度をめどに正社員に切り替える。転勤しなくてもいい正社員制度を新設することで、賃金は年収ベースで10%以上あがる。大量出店を進めるなか、必要な人材を確保するには「不安定な雇用状態をなくす制度が必要」(柳井正会長兼社長)と判断した。

導入する「地域限定正社員制度」は週40時間以上の勤務と、転居を伴わない異動が条件。3月から従業員の意思確認を始めており、4月1日付で正社員に変更する。パートの4650人と契約社員の350人の希望を見込み、当初1年で2500人を切り替える方針。毎年2回、実施する。

月給は地域ごとに設定した賃金を支給するため、転勤のある正社員との差は残る。ただ、一部のパートには支給されていなかった賞与は全員に支給し、成果主義を導入している正社員と同じ水準で査定する。店長になることもできる。同社の現在の正社員数は約2100人。

正社員への登用制度はすでにあるが、転勤が壁となり、応募は少数だった。5000人が正社員に切り替わると、ユニクロにとっては十数億円程度の負担増となるが、「正社員との処遇格差をできるだけなくすことで、サービス向上や売り上げ、利益増への先行投資としたい」という。

出店競争が激しく、人材確保を急ぐアパレル業界では、ワールドがパートなど約5000人を100%子会社の正社員としたほか、サンエー・インターナショナルも販売職の契約社員を正社員化した。

●トヨタ、工場に短縮勤務 再雇用増加へ週2〜3日(3月5日 朝日)

トヨタ自動車は、工場で1週間のうち2、3日だけ働く短縮勤務制度を、今月から試験的に導入した。製造現場の技能職が、定年後も働き続けやすいようにするのが目的。自動車などをつくる流れ作業のラインでは、週5日間連続で働くのが前提で、週2、3日だけ働くのは管理の面で難しかった。団塊世代の大量退職を迎え、製造現場での柔軟な働き方の事例として注目されそうだ。

トヨタによると、愛知県内の自動車組み立てとエンジン製造の2工場で順次、3カ月程度の予定で試行する。工場が操業する5日間を2日と3日に分け、再雇用者が週半ばに勤務を交代する。生産ラインでも人手が比較的かからない、製造機械の監視や操作のような部署に配置し、交代時の情報交換を綿密にする。

定年後の再雇用で短縮勤務を認めている企業は多いが、流れ作業の場合、生産性の維持や情報の共有などの難しさが指摘されていた。トヨタは05年度に技能職を約200人再雇用したが、全員が週5日、1日8時間のフルタイムで働いていた。

06年度は再雇用を約650人まで増やす予定で、短縮勤務の導入効果を見込み、07年度以降はさらに増える見通しだ。トヨタ自動車労働組合も「再雇用を求める組合員の要望がある」として、試験導入に協力する方針を示している。

●中間管理職、「成果主義、修正し実施」過半数・経営協会調べ(3月5日 日経)

中間管理職の過半数が人事考課のあり方について「成果主義を修正した上で実施すべき」と考えていることが日本経営協会の調査で分かった。成果主義の意義は認めながらも、仕事に取り組む姿勢など数字に表れない部分も考慮することが部下の士気向上につながると判断しているようだ。

調査は2006年10月から11月末にかけて実施、企業・団体で働く546人の中間管理職(部・課長級)から回答を得た。回答者の54.4%が40代だった。「成果主義を修正した上で実施すべき」と答えた人は全体の53.8%を占めた。

●収入要件は月9万8000円 パート年金拡大、加入対象16万人(3月4日 産経)

パート社員の厚生年金加入基準の「週20時間以上勤務」への拡大について、自民・公明両党は3日、収入要件を月収9万8000円以上とし、従業員300人未満の中小企業を当面は対象から外すことで最終調整に入った。この結果、新たな加入対象は16万人程度に限定される見通し。同時に拡大が検討されている健康保険については、新たに負担が生じる会社員の妻などを対象から外す考えだ。週明けにも正式決定する。

この問題では、加入基準を現行の「週30時間以上勤務」から「週20時間以上勤務」に拡大するにあたり、企業の負担が重くなり過ぎないよう「勤務年数1年以上」の条件を付ける方針がすでに固まっている。

ただ、現行ではサラリーマンの妻で年収130万円未満の人は「第3号被保険者」と位置付けられ、自分で保険料を負担しなくても将来年金を受給できることから、実際にパートで働く主婦らを中心に保険料負担増で「手取り額」が減少することへの反発は根強い。このため、収入要件を厚生年金保険料算出の下限月収である月9万8000円(年収約117万円)以上とすることで決着を図り、パート社員が多い中小企業についても激変緩和措置を講じ、従業員300人未満については期限付きで対象から外すことで調整する。

「主任」や「現場責任者」など、実態として正社員と同じ内容の仕事をしているパート社員が加入条件を満たさないケースの救済措置も検討されてきたが、年金法改正案には盛り込まず、厚労省の通知や指針で対応する考えだ。

週20時間以上勤務への拡大で全国のパート社員約1200万人のうち約310万人が新たな対象になる見通しだったが、年収制限で対象者は約40万人となり、従業員300人未満の中小企業を外すとさらに減って約16万人に絞り込まれる。

一方、与党は厚生年金加入基準の拡大に合わせて健康保険の対象拡大の検討も進めてきたが、保険料負担が新たに生じる年収130万円未満のパート主婦などは当面、対象外とする。厚労省の試算では、現在保険料負担がないこうした主婦らが対象になると、新たに年約5万5000円もの保険料負担が必要となる。将来の給付額増につながる年金と異なり、健康保険は保険料を納めても医療機関での窓口負担率は変わらず、理解が得られないと判断した。

●「日雇い派遣」にも有給休暇保証 フルキャスト労使合意(3月3日 朝日)

携帯電話やメールでそのつど人を集める「スポット派遣」(日雇い派遣)が急速に広がるなか、スポット派遣大手の人材会社フルキャストグループ(東京)で、登録スタッフの労働条件向上にむけた労使協定が成立した。日雇いスタッフにも年次有給休暇を保証し、日雇い労働者向けの雇用保険を適用することなどを明記したものだ。

同グループの社員や登録スタッフは昨秋、「フルキャストユニオン」を結成。団体交渉を行い2月末に会社と合意した。

協定によると、有休は派遣先が次々と変わっても働いた日数に応じて付与する。法律上はもともと条件を満たせば有休を認める必要があるが、ほとんど取れないのが実態だったため、取得できることを確認した。

また会社側が日雇い労働者向けの雇用保険(日雇(ひやとい)労働求職者給付金)の適用事業所の申請をし、労働者が雇用保険に入れるようにする。勤務先近くの駅などに集合時間を強制した場合、集合時からの賃金を払うことを確認。損害保険料などとして賃金から1回250円を差し引く「業務管理費」については、すでに廃止した。

日雇い派遣は、99年に派遣が原則自由化されてから拡大。若者や失業した人が流れ込んだ。拘束時間に比べて低賃金とされ、ネットカフェに泊まりながら働く人もいるなど「ワーキングプア(働く貧困層)の温床」との批判も強まっている。

同ユニオンの関根秀一郎氏は「権利向上の第一歩。この協定をスポット派遣業界全体に広めたい」と話す。フルキャスト広報室は「スタッフの満足度向上のため締結した。すでに実施した項目もあるが、積極的に取り組む姿勢を示した」と説明している。

同グループは連結売上高901億円(06年9月決算)。登録スタッフは累計160万人を超える。

●正社員の不足感、14年ぶりにパート上回る(3月3日 朝日)

厚生労働省が2日発表した07年2月の労働経済動向調査で、正社員の不足感を示す指数がパート労働者の不足感を示す指数を93年2月の調査以来、14年ぶりに上回った。同省は「総じて正社員の採用意欲が高まっている」と分析している。

指数は、社員数が「不足」と答えた企業と「過剰」と答えた企業の差を数値化したもので、数値が大きいほど不足感も大きい。調査は年4回で、今回は、正社員が前回調査より6ポイント高い29ポイントに上昇したのに対し、パートは3ポイント高い26ポイントだった。

正社員の指数は、98年5月から過剰感が上回るマイナス状態が続いていたが、企業のリストラが一段落したことで、03年11月に不足感が上回るプラスに転換。その後も上昇傾向は続いていたが、正社員より雇用調整が容易なパートの不足感がまさっていた。

業種別にみると、情報通信業や運輸業、金融・保険業では正社員がパートの不足感を大幅に上回る一方、パートが多い卸・小売業や飲食・宿泊業は、引き続きパートの不足感が正社員の不足感を上回っている。

●バス運転手:「病気で事故」増加 5年で82件(3月3日 毎日)

バスを運行中の運転手の健康状態が原因となった交通事故が01〜05年の5年間、増加傾向が続き、全国で計82件に上ることが国土交通省の調査で分かった。心筋梗塞(こうそく)など過重な労働が引き金となる症状も目立ち、過酷な労働環境と事故との関連を示唆している。大量輸送機関であるバスの安全性確保のため、悪質と判断した事業者について、同省は、厚生労働省の傘下で各地にある労働基準監督署と合同で監査する検討を始めた。

国交省は01年、道路運送法などに基づく自動車事故報告規則を改正。トラックやタクシーなどとともに、バスの事業者(路線・貸し切りとも)に対しても、新たに運転手の健康状態を理由とする交通事故について報告することを義務付けた。運転手が事故を起こす前の勤務状態についても細かく報告を求めた。

同省によると、事故件数は路線・貸し切りを合わせて01年は3件だったが、02年12件、03年18件、04年が27件と年々増加。05年も22件と高いままになっている。症状別では、心筋梗塞、クモ膜下出血、心不全の順で多く、脳血栓や失神などが続き、82件の大半で運転手が死亡しているという。

同省自動車交通局安全監査室は82件について「(運転手が)通常勤務をしていて突然死する事例もあり、分析は難しいが、過重な労働が要因のひとつといえる」と話している。

大阪府吹田市で2月18日に起きたスキーツアー客ら27人が死傷したバス事故で、府警は、運転手(21)の居眠り運転が原因とみているが、運転手は、勤務について「1日の睡眠時間は5時間ぐらいで、2月の休みは1日だけだった」と供述。長野−大阪間約500キロを1人で運転したことも判明している。

同省はバスと同様に労働環境が悪いとされるタクシー事業者に対し、昨年2月から労基署との間で同法に基づく合同監査を実施。今後、バス事業者にも監査を検討する。労務管理の立場からの分析もふまえ、効果的な安全対策をはかっていくという。

監査により悪質な問題点が明らかになった場合、旅客自動車運送事業の許可取り消しや一定期間の事業停止、車両の使用停止などの処分をする。【鵜塚健】

●厚生年金、パート加入に月収条件 対象は限定的(3月2日 朝日)

厚生労働省は1日、厚生年金へのパート労働者の加入拡大について、現行の「正社員の4分の3、週30時間以上の労働時間」とする加入条件を「2分の1、週20時間」に緩める一方、「勤務期間が1年以上で、月収7万4000〜9万8000円以上」との新たな条件を加える方針を固めた。パートを多数雇う外食・流通産業が、保険料の負担増に反発していることから対象者を限定。当初310万人と見込まれていたパートの加入増は、40万〜150万人にとどまる見通しだ。

パート加入の拡大は、安倍首相が再チャレンジ支援策の一環として今国会への法案提出を指示。厚労省は今回の方針をもとに与党との最終調整に入るが、国会日程上、今国会での成立は難しいともみられている。

厚労省案では、月収について (1)現在の厚生年金の下限である9万8000円(年収117万円)以上 (2)配偶者控除を受けている主婦が保険料を負担しないで済む8万6000円(同103万円)以上 (3)厚生年金下限の4分の3の7万4000円(同88万円)以上――の3案を提示。与党と調整し、どの金額にするかを決める。(1)では40万人、(2)は80万人、(3)は150万人のパートの加入増が見込まれる。「従業員数300人以上の企業に限る」という条件を(1)に加える案もあり、この場合の加入増は16万人にとどまる。

保険料負担で手取り収入が減ることへの主婦層の抵抗感も強く、参院選を控えた与党は対象者をできるだけ限定したい考え。一方、社会保障審議会年金部会(厚労相の諮問機関)では「パートに頼る企業だけが、保険料負担を免れるのは不合理」など対象範囲を広げるべきだとの声が多い。条件を厳しくすれば「パートの老後保障」という当初の狙いから遠ざかり、実効性が問われそうだ。

●長時間労働とワークスタイル(3月2日 労政機構)

分析の結果、(1)長時間労働と収入との相関はあまり高くない。残業の理由は多様性があるように見えるが、実際は仕事や会社の都合で規定されることが多い、(2)労働時間の長さだけでなく労働時間の変化(増加)も責任の重さや仕事量に関するストレスに影響している。相対的に労働時間が短くても家庭の事情を抱えた労働者のストレスは強い、(3)「時間管理の緩やかな労働者」の労働時間が長い。これらの労働者の仕事志向は強いが、「時間管理」がストレスに直接影響を及ぼしているとはいえない、といったことがわかりました。

独立行政法人 労働政策研究・研修機構 ディスカッションペーパー 07-01
⇒ http://www.jil.go.jp/institute/discussion/2007/07-01.htm

●パートへの厚生年金適用拡大、企業の3割が「負担増えないよう時間設定」
 (3月2日 アイデム)


アイデム人と仕事研究所は2日、事業所の採用・雇用管理担当者を対象にインターネット上で実施した「パート・アルバイト雇用調査」の結果を発表しました。週20時間以上働くパート・アルバイトに厚生年金保険の適用が拡大された場合の対応策をたずねたところ、「特に対応策はとらない」が35.1%、「保険料負担が増えないよう、パート・アルバイトの労働時間を週20時間未満に設定する」が31.1%と拮抗しています。

アイデム人と仕事研究所 パート・アルバイト雇用調査
⇒ http://apj.aidem.co.jp/question/investigation/part_arbeit.html

●「アルバイター1000人の生声 金銭感覚編」(3月1日 インテリジェンス)

株式会社インテリジェンス(東京都千代田区)が運営するアルバイト情報検索サイト「OPPO」(オッポ)(http://oppo.jp )は、「アルバイト白書2007」にて、「アルバイター1000人の生声 金銭感覚編」を発表いたしました。

1.貯金の有無 「あり」と答えた人が約7割
2.現在の貯金額 フリーター男子は約47万円
3.アルバイト収入 フリーターは学生の約2倍
4.高時給の基準 「最低でも1,000円以上」が約8割

株式会社インテリジェンストップ ニュースリリース
⇒ http://www.inte.co.jp/corporate/news/2007inte/20070301.html

●厚労相、最低賃金「800円は中小企業にきつい」(3月1日 日経)

柳沢伯夫厚生労働相は1日午後の衆院予算委員会で、企業が労働者に支払う下限を定めた最低賃金制度について「800円は中小企業にとってはきついレベル」との認識を示した。目安となる賃金水準に関しては「米国の(検討している制度改正での)最初のレベル(5.85ドル=約700円)でどうか、仮想の問題としてぎりぎり考えなければならない」と言及した。民主党の松本剛明政調会長への答弁。

政府は最低賃金法改正案を今国会に提出する方針。改正後は都道府県が地域別の最低賃金を定める際は生活保護の支給額に配慮しつつ、地域の実情に合わせて個別に交渉して引き上げることになる。現在最も低いのは青森、岩手、秋田、沖縄の4県で610円。

厚労省によると米国での最低賃金引き上げは連邦議会で審議中。現行の5.15ドル(約620円)から3段階で7.25ドル(約870円)まで引き上げる内容だ。

●確定拠出年金、転職者の6割が運用放棄(3月1日 日経)

確定拠出年金を転職先に持ち運ばず、運用を放棄している人の数が、転職者全体の約6割にあたる7万4600人いることが分かった。厚生労働省の外郭団体の国民年金基金連合会が1月末時点で調べた。雇用の流動化に合わせ年金も持ち運びしやすい仕組みをつくったが、手続きが必要で、十分活用されていないことが浮き彫りになった。厚労省は転職者が自動的に年金を移せるよう転職者の積立金を専門に運用するファンドをつくることなど新たな制度の検討に入った。

確定拠出年金は確定給付年金など他の企業年金とは異なり、企業を窓口にするが、企業ではなく個人が金融機関と運用の契約を結ぶ。従来の企業年金は転職すると、年金制度が終わってしまい、積立金を精算する必要があるが、確定拠出年金は転職先が導入していなくても、一定の手続きをすれば引き続き加入できる。2001年に発足し、1月末で8000社が採用。加入者数は06年12月末で218万人いる。導入企業が増えたことで05年3月末と比べ2倍程度に増えている。

●住民票交付請求を限定 不正取得の罰則も強化(3月1日 共同通信)

住民票の写しの交付を本人や家族のほか、訴訟など職務上の理由で必要とする弁護士らに限定する住民基本台帳法改正案の概要が28日、明らかになった。不正取得の罰則強化と合わせ、個人情報保護と不正流出防止を図る。

総務省は改正案を3月中旬にも国会に提出し、2008年夏までの施行を目指す。

現行法で「市町村は請求が不当な目的が明らかなときは拒むことができる」としている住民票の交付要件について、改正案は「本人または同一世帯の家族の請求」「国、自治体が法令に基づく事務を行う必要がある場合」と規定。

これ以外の第三者による請求は、国や自治体に住民票を提出する際など「正当な理由がある場合」とした。具体的には(1)弁護士らが職務上の必要性から取得(2)金融機関などの債権者が債権回収のため債務者の住民票を取得−などを想定。改正法の成立後に自治体に通知する。

●健保の被扶養者認定、「兄姉」も同居の有無は問わず(3月1日 読売)

総務省は28日、健康保険の被扶養者の認定要件について、「兄姉」の場合も、同居の有無は問わないように健康保険法を改正するよう厚生労働省に要請した。

現在は、父母、配偶者、子、弟妹などは、被保険者によって生計を維持していれば被扶養者と認定されるのに対し、兄姉の場合は、同居が必要とされている。

重度の知的障害をもつ兄を自宅で扶養している東京在住の女性が昨年2月、「同居するため遠距離通勤を余儀なくされている」との行政相談を寄せ、総務省で検討した。現在も、障害者が施設に入所している場合は、同居と見なされる。

以前は、兄弟姉妹は一律に同居が要件だったが、勉学のため別居する弟妹が被扶養者になれるようにするため、1973年に法改正された。兄姉は、「年長者は本来、自活するもの」として、そのままにされた。