●2審も「次長の降級無効」成果主義の外資系代理店/マッキャンエリクソン事件
東京高裁判決(2月22日 共同通信)
成果主義賃金による降級・減額措置を違法とした初の東京高裁判決
外資系広告代理店マッキャンエリクソン(東京)の男性次長が、成果主義により給与等級を違法に降級処分にされたとして、地位確認や差額賃金の支払いを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は22日、降級を無効と認め、計100数十万円の支払いを命じた1審東京地裁判決(06年10月25日)を支持し、会社の控訴を棄却した。
会社は「降級は会社の広範な裁量に含まれる」と主張したが、浜野裁判長は「降級にするには根拠を具体的に挙げ、等級に比べ能力が著しく劣ることを明らかにしなければならない」と判断し、降級を無効とした。
男性の原告代理人弁護士は「地位確認まで認めたのは高裁レベルでは初めてだと思う。企業の成果判定の裁量にも限界があることを明らかにした」と評価している。
判決によると、会社は01年10月、成果主義に基づく新賃金制度を導入し、業績などによって降給できるようにした。男性は同月に副社長から退職勧奨を受けたが拒否。03年4月に給与等級を7級から6級にされ、基本給は月額で約20万円下がった。
会社は「降級は会社の広範な裁量に含まれる」と主張したが、浜野裁判長は「降級にするには根拠を具体的に挙げ、等級に比べ能力が著しく劣ることを明らかにしなければならない」と判断し、降級を無効とした。
男性の原告代理人弁護士は「地位確認まで認めたのは高裁レベルでは初めてだと思う。企業の成果判定の裁量にも限界があることを明らかにした」と評価している。
判決によると、会社は01年10月、成果主義に基づく新賃金制度を導入し、業績などによって降給できるようにした。男性は同月に副社長から退職勧奨を受けたが拒否。03年4月に給与等級を7級から6級にされ、基本給は月額で約20万円下がった。
【判決のポイント】
1.降級処分はあくまで従業員に明らかにされている基準で行うべきとし、社内秘運用ルール適用を否定した。
2.本人に「著しい能力の低下・減退」はなかったとし、管理職たる地位確認請求、差額賃金請求が認められた。
《比較裁判例》
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