●年金特例法など3法が成立・参院本会議(6月30日 日経)
 
社会保険庁改革法、年金特例法、天下り規制を強化する改正国家公務員法が30日未明、参院本会議で自民、公明などの賛成多数で可決・成立した。これに先立ち、採決に反対する野党は内閣不信任決議案を提出したが、与党が衆院本会議で反対多数で否決した。重要法案がすべて成立した結果、延長国会は7月5化までの会期を残して事実上閉幕する。
 
社保庁改革法は、社保庁を2010年に廃止、非公務員型の「日本年金機構」を新設することが柱。年金特例法は5年間の年金支給の時効を撤廃、支給漏れがあった場合は過去にさかのぼり全額受け取れるようにする。公務員法案は08年中に公務員の再就職を一元管理する「官民人材交流センター」を内閣府に設け、設置後3年以内に各省庁による天下りのあっせんを全面禁止する。
 
●平成19年10月1日から「外国人雇用状況報告制度」が新しくなります。
 (6月29日 厚労省)
 
厚生労働省におきましては、外国人労働者の雇用動向の把握を「外国人雇用状況報告制度」に基づき実施してきたところですが、今般、雇用対策法の一部が改正され、外国人労働者(※)全体の就労状況を把握することで、失業の予防や再就職の促進及び雇用管理に向けた指導援助を効果的に実施するため、平成19年10月1日から外国人労働者を雇用している全ての事業所について、届出が義務づけられることとなりました。(※)在日韓国、朝鮮人等の「特別永住者」の方の届出は不要です。
 
新たな外国人雇用状況報告制度の概要(PDF)
 http://osaka-rodo.go.jp/topic/gaikokujin/gaiyou.pdf
周知案内リーフレット(PDF)
⇒ http://osaka-rodo.go.jp/topic/gaikokujin/poster.pdf
 
●雇用契約期間は請負契約の期間より長くすること
 厚労省・請負事業の適正化でガイドライン(6月29日 労働調査会)
 
いわゆる偽装請負問題への対応として、製造業における請負事業の適正化・雇用管理の改善について検討していた厚生労働省の「製造業の請負事業の適正化及び雇用管理の改善に関する研究会」(座長・諏訪康雄法政大学大学院政策科学研究科教授)が報告書をまとめた。

報告書は、製造業の請負事業で働く労働者をめぐる現状と課題を指摘し、改善すべき現状への取組みとして、請負事業主及び発注者が講ずべき措置をガイドラインとして示し、また、その取組内容についてチェックシートの形でまとめている。

ガイドラインは、請負事業主向けと発注者向けに分かれている。請負事業主向けのガイドラインでは、就業条件の適正化に関して、「雇用契約の期間を請負契約の期間に合わせることや請負契約の期間を超えたものにすること」により、安定した雇用を図るとしている。また、法令遵守に関しては、偽装請負とならないよう「請負、労働者派遣を適切に選択し、請負と労働者派遣を繰り返さないようにする」としているほか、「労働・社会保険に適切に加入させ、発注者に加入状況を通知すること」としている。このほか、体制の整備として、雇用管理上の責任の明確化・現場における業務処理の責任の明確化のために、現場及び事業所に責任者を置くことを掲げている。

一方、発注者向けのガイドラインでは、発注者が請負労働者の就業条件改善に協力できる事項として、給食施設などの福利厚生施設を利用させること、技術・技能等を重視して請負事業主を選定すること―などとしている。また、法令遵守に関しては、請負、労働者派遣、直接雇用を適切に選択し、請負と労働者派遣を繰り返さないようにすること、労働・社会保険の加入状況を確認すること―などを掲げている。
 
■厚生労働省:都道府県労働局長あて通達
「製造業の請負事業の雇用管理の改善及び適正化の促進に向けた取組について」
 
●下請け大工の労災認めず 『労働者に該当しない』(6月28日 中日)
 
出稼ぎ先の工事現場で、建設会社の下請け作業中に指を切断した山形県の大工の男性(55)が、労災保険の適用を認めなかった藤沢労働基準監督署(神奈川県)を相手取り、休業補償などの支払いを求めた訴訟の上告審判決が28日、最高裁第一小法廷であった。泉徳治裁判長は「元請け業者の指揮監督下で仕事をしたとは認められず、労災保険が適用される労働者には当たらない」と述べて、男性側の上告を棄却した。

男性側の敗訴が確定した。

訴訟では、下請けの大工として出稼ぎに来ていた男性が、労災保険の対象となる労働基準法上の労働者に当たるかどうかが争点となった。

同小法廷は、元請け業者からの指揮や命令、報酬支払いなどの実態について検討。(1)工法や作業手順は自分で選択できた (2)作業時間も自由 (3)報酬は出来高払いで労務に対する対価ではなかった――などの事実を指摘し、「労働基準法上の労働者には該当しない」と結論づけた。

判決によると、工事は神奈川県茅ケ崎市のマンション新築工事で、竹中工務店(東京)などの共同企業体が受注。内装工事は下請けに出され、男性らが作業にあたった。男性は1998年11月、作業中に電動のこぎりで右手の指三本を切断。労災保険法に基づいて休業補償などの支払いを同監督署に請求したが、翌年3月に不支給とした。

男性は2003年、不支給処分の取り消しを求めて提訴。一審の横浜地裁は04年3月、「労災保険法上の労働者とは認められない」と訴えを退けた。

二審の東京高裁もこれを支持したため、男性側が上告していた。

■厚生労働省:労災保険制度
⇒ http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken.html
■財団法人 労災保険情報センター 特別加入の概要
⇒ http://www.rousai-ric.or.jp/employer/07/index.html
 
●賃金男女差別:昭和シェルに賠償命令 東京高裁・額は減額(6月28日 毎日)
 
昭和シェル石油(東京都港区)を92年に退職した野崎光枝さん(75)が、昇格や昇給で男女差別があったとして同社に男性社員の給与や退職金との差額分など約5200万円の賠償を求めた訴訟で、東京高裁は28日、4537万円の支払いを命じた1審・東京地裁判決を変更し、賠償額を2052万円に減らした。
 
西田美昭裁判長は「合理的な理由なく女性であることを理由に、男性と差別的扱いをした」と指摘。当時の男女雇用機会均等法の規定が努力義務だったとしても、努力の証拠がなく違法と認定した。1審は、合併で同社が生まれた85年以降の差額支払いを命じたが、2審は提訴3年前の91年より前の賠償請求権は時効で消滅したと判断した。【北村和巳】
 
●全受給者、加入者に詳細履歴を通知 年金問題で厚労相(6月28日 共同通信)
 
柳沢伯夫厚生労働相は28日午前の参院厚生労働委員会で、年金記録紛失問題への新たな対応策として、平成20年度内にもすべての年金受給者、加入者に対し詳細な加入履歴を通知する考えを明らかにした。これまでの方針では、詳細な加入履歴が送られるのは全受給者と一部の加入者だけだったが、野党側の要求に加え、与党内からも同様の声が相次いだことから、方針転換した。

政府は、基礎年金番号に未統合の年金記録約5000万件と受給者、加入者の記録を1年以内に照合し、同一の記録の可能性がある人には詳細な加入履歴とともにその旨を通知。受給者については、同一の可能性がない場合にも、記録の再確認を呼びかける意味で、詳細な加入履歴を送付することが決まっていた。

同一の可能性がない加入者には35、45歳時点など段階的に詳細な加入履歴を送付する「ねんきん定期便」で対応する予定だったが、柳沢氏は同日の答弁で「そういう(同一の可能性のない)方々にも年金の履歴を送り、記録を確認してもらう」と述べ、詳細な加入履歴を通知することを表明。照合作業の結果、未統合記録を持つ可能性のある受給・加入者への通知後、同一の可能性のない受給・加入者にも早急に通知する考えを示した。
 
●特許料、最大4割引き下げへ・特許庁方針(6月28日 日経)
 
特許庁は2008年に特許権の保有者が毎年支払う特許料を2〜4割引き下げる方針を固めた。企業のロゴマークなどを保護する商標権も登録更新料の引き下げを検討する。特許は4年ぶり、商標では現行制度が始まった1997年以来初の下げとなる。引き下げで、特許権や商標権を取得・維持しやすい環境を整え、技術革新のインフラを強化する。
 
同庁は9月にも産業構造審議会(経済産業相の諮問機関)を開き、具体的な下げ幅を詰める。来年の通常国会に特許法と商標法の改正案を提出する。特許権の存続期間は20年間だが特許料を支払わないと権利が消滅してしまう。特許料は特許権の保有期間によって四段階の料金を設定している。登録後、1〜3年は毎年2600円、4〜6年は8100円、7〜9年では2万4300円、10年目以降は8万1200円がかかりさらに申請数に応じた手数料が上乗せされる。これを2〜4割下げる。
 
●入社半年で自殺 労災と認定「過重業務で心理的負荷」、福岡地裁
 (6月27日 時事通信)
 
長崎県内のソフトウエア開発販売会社に入社し、約半年後にうつ病などで自殺したシステムエンジニアの男性(当時24)の遺族が、国を相手に労災認定を求めた訴訟の判決で、福岡地裁は27日、業務と自殺の因果関係を認め、福岡中央労働基準監督署の遺族補償一時金などの不支給処分の取り消しを命じた。

木村元昭裁判長は、男性について、納期に迫られながらシステムのトラブル処理などで、「過重の心理的負荷があった」と認定。男性は半年の間に勤務時間が急増し、自殺直前の出張中は、徹夜で作業を続けていたとした。

国側はシステムのトラブル処理はさほど困難でなかったとしたが、裁判長は「初めての処理で、応用力も必要とされた」として退けた。

判決によると、男性は2000年4月入社し、福岡支店でシステムエンジニアとして勤務。同年9月26日、千葉県に出張中、遺書を残してホテルで自殺した。
 
●「新入社員モチベーション調査2007」最終報告/新入社員4200人に調査
 (6月27日 リンクアンドモチベーション)
 
株式会社リンクアンドモチベーション(東京都中央区)は、今春新卒入社した新入社員4200人にアンケート調査を行いました。4月13日に発表した中間分析の最終報告です。

《新入社員には「働く意味」を与え、「夢を語れる」上司を》

1.【入社動機】 昨年以上に、仕事に「働く意味」「やりがい」を求める傾向が顕著に
「あなたが就職活動をした時に会社を選ぶ基準として重要視したものは何ですか?」という質問に対しては、「会社の事業の優位性や成長性」の重要度が最も高く、以降「会社理念への共感」、「事業の社会的意義」となっており、具体的な仕事内容よりも、企業の打ち出す姿勢に関する項目の重要度が高いことがわかります。
「会社理念への共感」、「事業の社会的意義」の重要度は、昨年に較べてもそれぞれ「0.10」、「0.08」の大きな上昇をみせ、仕事に「働く意味」「やりがい」を強く求める傾向は年々強くなっているといえます。

2.【上司・先輩への期待】 自立性を尊重しつつ「自分のことを見ていてくれる」上司や先輩を求める
「あなたが入社後に直属の上司や先輩に求めることは何ですか?」という質問に対する回答は、「意見を受け入れてくれる」、「持ち味や特徴をおさえてくれる」という項目の重要度が高く、自立性を尊重しつつ陰から支えて欲しいという欲求がうかがえます。「納得感の高い評価をしてくれる」「成果を褒めてくれる」という項目の重要度も高くなりました。「業務上の課題を把握」、「キャリアアップの方向性を示す」などの、父性的な指導よりも、自分に注目をして見守って欲しいという意識がうかがえます。周囲から制約を受けながら働くのではなく、のびのびと仕事をさせてほしいという傾向がみられます。

3.【職場への期待】 活発に議論でき、相互理解が進んでいる一体感溢れる職場を求めている
「あなたが入社後に職場に求めることは何ですか?」という質問に対する回答は、「発言が活発」「スムーズな連携」といった職場の一体感に関する項目の重要度が高くなっています。
 「効率的・計画的に仕事を進めている」という効率性を求める項目は、一体感に比較すると下位となりました。効率的に働くより、活気のある職場で働きたいという傾向が強いと推測されます。

【まとめ】
アンケート結果をまとめると、新入社員は「働く意味」「やりがい」を感じられる会社に就職し、「自分を認めてくれる職場」で働くことを求めています。

背景には、企業と個人の関係が、高度成長期の終身雇用・年功賃金制度を軸とした「相互拘束型」の関係から、企業と個人がお互いに選びあう「相互選択型」の関係へと変化していることがあります。時代の構造変化に加え、景気向上による採用難も訪れていることから、その会社で働くことの意味を提供し続けない企業は、個人から選ばれなくなる危険性があります。

詳細は リンクアンドモチベーション ニュースリリース
⇒ http://www.lmi.ne.jp/companydata/newsreleases/view.php?id=64
 
●平成19年度新入社員「働くことの意識」調査結果
 (6月27日 社会経済生産性本部)
 
(財)社会経済生産性本部と(社)日本経済青年協議会は、平成19年度新入社員を対象に実施した「働くことの意識」調査結果をとりまとめた。

平成19年度新入社員「働くことの意識」調査の主要結果

① 就職活動で利用された情報源は、「会社説明会」(85.2%)がトップに返り咲き、ついで「インターネットの企業ホームページ」(83.9%)の順となった。

② 就職先の企業を選ぶ基準では、最も多かった回答は「自分の能力、個性が活かせるから」で、全体の28.8%であった。以下「仕事がおもしろいから」(21.3%)、「技術が覚えられるから」(14.1%)など、個人の能力、技能ないし興味に関連する項目が上位を占めた。反面、勤務先の企業に関連する項目は低い水準にとどまり、。「会社の将来性」(9.0%)、「経営者に魅力を感じて」(4.7%)、「一流会社だから」(5.0%)、「福利厚生施設が充実しているから」(1.6%)などとなっている。昨今の終身雇用制の後退を背景とする、「就社」より「就職」という傾向を反映しているものと思われる。

③ 就労意識については、1位「仕事を通じて人間関係を広げていきたい(95.4%)」、2位「どこでも通用する専門技能を身につけたい(93.1%)」、3位「社会や人から感謝される仕事がしたい(92.9%)」であった。昨年との比較では、「いずれリストラされるのではないかと不安だ」が35.9%から38.8%へ、「いずれ会社が倒産したり破綻したりするのではないかと不安だ」が21.6%から22.8%へと微増している。

③ 仕事中心か生活中心かでは、「仕事と生活の両立」という回答が大多数(79.8%)を占め、「仕事中心」(9.6%)、「生活中心」(10.6%)、という回答を大きく上回る。

④ 一般的な生活価値観では、自分らしくポジティブに生きることが志向され「明るい気持ちで積極的に行動すれば、たいていのことは達成できる(84.3%、2位)」「他人にどう思われようとも、自分らしく生きたい(83.0%、4位)」が上位を占めた。

⑤ 近年の好景気による「売り手市場」を反映してか、「思っていたよりも満足のいく就職ができた」と答えたものは、全体で81.9%であった。また、これから日本の人口が減少に転じていくことが予想されるなか、「将来、子供が欲しいと思う」ものは、全体の88.6%に達した。

⑥ 「ブログやSNSの参加率」は、全体で59.0%、男女別では男性54.3%、女性66.9%であった。

財団法人 社会経済生産性本部 平成19年度新入社員「働くことの意識」調査結果
詳細版(PDF)⇒ http://activity.jpc-sed.or.jp/detail/lrw/activity000821/attached.pdf
 
●日本版401k 企業型も本人拠出 厚労省「投資意欲高まる」(6月27日 産経)
 
厚生労働省は26日、公的年金を補完する企業年金のうち、確定拠出年金(日本版401k)について、企業からの掛け金に加え、加入している会社員本人の拠出を解禁する方針を明らかにした。同日開催の企業年金研究会で示したもので、加入対象も拡大する考え。早ければ来年の通常国会に関連法の改正案を提出する見通しだ。

企業が拠出する掛け金の限度額は現在、確定拠出年金のみ実施の場合は月4万6000円、将来の給付額を約束する確定給付年金も併せて実施している場合は半額の月2万3000円。

ただ、勤続年数が短い社員については企業が多額の掛け金を拠出することは少なく、限度額の枠を使い切っていないのが現状。このため、各方面から本人拠出も認めてほしいとの要望が出されている。

これを受けて厚労省は「加入者本人の自助努力を認めるべきで、本人の投資意欲も高まる」(年金局)とし、本人拠出を解禁する方針を示した。企業からの掛け金と合わせて現行の限度額の枠内に収まることとする。

一方、勤務先に企業年金制度が全くない会社員や自営業者向けに、加入者本人が掛け金を拠出する個人型の確定拠出年金について加入対象を拡大し、確定給付年金だけがある企業の会社員も加入を認める方向で検討すべきだとした。ただ、会社員の妻など国民年金3号被保険者や公務員は当面、加入対象外のままとする考えだ。

確定拠出年金の制度改正では、中途脱退条件の一段の緩和や65歳までの加入期間延長を盛り込んだ法改正案を今国会に提出している。
 
■確定拠出年金
 
将来の受取額を約束する確定給付年金とは異なり、運用成績に応じて将来の受取額が変動する年金。預貯金や株式、債券など運用先は加入者が選択する。掛け金を企業が負担する企業型と、加入者本人が拠出する個人型がある。平成13年10月に導入され、加入者数は今年2月末現在で企業型が218万人、個人型が8万人。米国の企業年金「401kプラン」を参考みにしたため、「日本版401k」とも呼ばれる。
 
●与党、雇用ルール見直し法案の今国会成立を断念(6月27日 日経)
 
自民、公明両党の幹事長、国会対策委員長らは27日午前、都内のホテルで会合を開き、最低賃金の引き上げなどを盛り込んだ雇用ルール見直し法案について、今国会での成立を断念する方針で一致した。継続審議とし、秋の臨時国会で成立を目指す。
 
同法案は国会会期が12日間延長されたことから、政府・与党内に「今国会で成立を図るべきだ」との意見が浮上した。しかし、同法案を扱う参院厚生労働委員会では社会保険庁改革法案などの審議が続いているため、成立は困難と判断。自民党の二階俊博国対委員長は会合後、記者団に「野党の動向をみても、物理的に成立させるのは無理だ」と述べた。
 
●楽天、多面的評価など新人事制度導入(6月27日 日経)
 
楽天は上司や管理担当者らによる多面的な評価などを柱とする新人事制度を導入した。職種の異なる社員についても能力に応じて評価できるようにし、従業員の意欲向上につなげる。中長期的な人材育成にも役立てる。
 
業績評価が難しい技術者ら専門職についても各職種ごとに評価点を設定。管理職への昇格基準を明確にした。また、成果だけでなく結果に至る過程も重視。社員の能力については、開発や管理の担当者が所属部署を超えて多面評価し、将来の人材育成に生かす。
 
●フルキャストも天引き分返還へ 日雇い派遣「管理費」(6月27日 朝日)
 
日雇い派遣での不透明な天引き問題で、大手のフルキャスト(東京都渋谷区)が26日、天引き分を返還する方向で検討に入った。派遣労働者でつくる「フルキャストユニオン」が同日の交渉で返還を正式に求めたほか、厚生労働省が問題の調査に乗り出しており、返還は避けられないと判断した。
 
すでに返還を表明したグッドウィル・グループ傘下のグッドウィル(東京都港区)と同じく過去2年分を返す場合には、対象者は約40万人、返還額は総額30億円近くに上るとみられる。
 
フルキャストは今年2月まで、派遣1回当たり250円を「業務管理費」として給料から天引きしていた。同社はグッドウィルの返還表明後も「支払いは任意で、説明も十分してきた」などと返還には応じない姿勢を続けてきた。賃金請求権の時効を根拠に返還を2年に限定する可能性もあるが、ユニオン側は全額返還を求める。
 
またグッドウィルやフルキャストの派遣労組の母体となっている派遣ユニオンはこの日、厚労省に日雇い派遣業者への指導強化を要請。厚労省側は、天引きは労使協定がなければ違法と明言し、実態調査を進める方針を明らかにした。
 
●ねんきん定期便:年金加入履歴も同封へ 政府・与党が検討(6月26日 毎日)
 
政府・与党は26日、年金加入者(約7000万人)に対し、保険料納付月数などを毎年誕生月に送付する「ねんきん定期便」について、初年度の08年度はすべて年金加入履歴を同封する検討に入った。既に年金受給者(約3000万人)には08年中に加入履歴を送付する方針を示しており、実現すれば全加入者・受給者約1億人に加入履歴が届く。加入者については35歳、45歳、58歳時に送る定期便にのみ加入履歴を同封するのが従来方針だったが、給付漏れ防止策として加入者全員に通知した方がいいと判断した
 
●職場の人間関係が業績後押し・07年版国民生活白書(6月26日 日経)
 
高市早苗少子化・男女共同参画担当相は26日の閣議に「つながりが築く豊かな国民生活」と題する2007年版の国民生活白書を提出した。職場での良好な人間関係は会社の業績を後押しする効果があると指摘。近年の雇用形態の変化やIT(情報技術)化によって職場での人間関係は希薄になりつつあり、4人に1人が社内でのコミュニケーションが不十分と考えていることもわかった。
 
白書は家族や職場、地域社会における人と人との「つながり」の強弱が生活満足度や経済にもたらす効果を調べ、その強化策をまとめた。高市担当相は白書の冒頭で「生活を豊かにするためにも、人々が望むつながりを得られるようにすることが重要だ」などと強調した。
 
白書では社会人を対象に実施したアンケート調査(回答数約7800人)を紹介。職場での人間関係に満足している人のうち、会社の業績が上がっていると答えた人の割合は24%と、満足していない人の中の割合(17%)を上回った。
 
■平成19年版 国民生活白書
⇒ 
 
●日野自動車、派遣社員を直接雇用へ 200〜300人(6月26日 朝日)
 
トラック製造大手の日野自動車は26日、同社の製造部門で働く派遣労働者を、期間工として直接雇用する方針を決めた。同社では、派遣と期間工の業務内容が同じなのに年収などの待遇格差が大きいとして、派遣労働者らでつくる労働組合が改善を求めていた。

製造業で働く非正規労働者の労組「ガテン系連帯」によると、同社の工場には派遣会社十数社から労働者約800人が派遣されている。日野自動車は9月をめどに、1年以上勤務し、労働者派遣法に基づき直接雇用申し入れの対象になる人を対象に直接雇用する。200~300人規模になる見通し。

日野自動車では、期間工には事実上のボーナスにあたる慰労金(年間約40万円)が払われ、同社の寮に家賃なしで入居できる。一方、派遣労働者は一定期間勤めると月給に約千円加算されるが慰労金はない。ほとんどが派遣会社の寮に入るが、家賃約3万8000円と光熱費が給与から差し引かれ、期間工とは年収で約100万円の差がつくという。

自動車メーカーでは、いすゞ自動車が昨年、派遣労働者のほぼ全員にあたる1361人を直接雇用している。同労組の小谷野毅事務局長は「日野では期間工は2年以上働けるが、派遣は生産調整でいつ契約が更新されなくなるかわからない。期間工になれば安定度が格段に違う」と話している。

日野自動車では昨年、実態は労働者派遣なのに出向契約を装う「偽装出向」がわかり、東京労働局から指導を受けて、すべての出向労働者を派遣に切り替えていた。
 
●お客様は神様でない(6月25日 日本総研)
 
日本総合研究所 コラム「研究員のココロ」 井上岳一 主任研究員
 
●偽装請負防止へ 発注元にも法順守の確認求める 厚労省(6月25日 朝日)
 
実態は労働者派遣なのに請負を装う違法な「偽装請負」を防ぐため、請負会社や発注元企業が守るべき内容をまとめた厚生労働省の指針の概要が25日分かった。請負会社に労務管理体制の強化を求めるだけでなく、仕事の発注元にも、契約時に請負会社の法令順守体制の確認を求める点が特徴だ。発注元もコスト削減などのため偽装請負を活用してきた経緯があり、厚労省も指針を踏まえて関係企業による協議会をつくり、適正化を強く求めていく。

指針は発注元企業向けと請負会社向けの2種類で、月内に関係業界の代表や専門家による研究会で正式にまとめる。強制力はないが、厚労省は指針に基づくチェックシートをつくり、請負会社と発注元企業からなる協議会を設け、セミナーなどを開いて各企業に指針の内容の徹底を促す。

発注元向けの指針では、契約する請負会社を選ぶ際、適正に労働者を雇用保険や社会保険に加入させているかなど、法令順守を考慮するように求める。また、請負会社には有期雇用の労働者が多く、請負契約の解約で突然解雇される例も後を絶たない。このため、発注元にも、契約を途中で解約する場合は30日前に請負会社に予告することを要請する。

一方、請負会社向けの指針では、発注元企業の社員が請負会社の労働者を指揮、命令すると偽装請負にあたるため、請負会社が労働者を監督できる者を現場に置き、会社側にも適正な雇用管理を担う責任者を置くべきだとした。このほか、請負労働者の安定雇用を促すため、雇用契約の期間は、発注元と請負会社とで結ぶ請負契約の期間と少なくとも同じとし、極端に短い雇用契約にならないように求めている。
 
●年金問題:政府・与党が新たな対応策 雇用保険情報活用へ(6月24日 毎日)
 
政府・与党がまとめた年金記録漏れ問題の新たな対応策が23日、明らかになった。公的な納付記録がなく本人も領収書を持たない人については、年金記録確認の「第三者委員会」などが支給の是非を判断するが、そのための資料として新たに電子化や磁気化が済んだ雇用保険(失業保険)の加入者情報を活用する。記録のない人が職歴を証明する時に有力な手がかりとなりそうだ。

雇用保険の記録には氏名、性別、生年月日のほか加入、脱退時期などの情報が明記されている。雇用保険は厚生年金より加入義務の対象範囲が広い。「雇用保険加入者イコール厚生年金加入者」ではないが、網羅される人が多いため、職歴を証明したい人には朗報となる。政府は本人に雇用保険の記録を参照する同意を得たうえで、当該企業への「在籍証明証」とする考えだ。

一方、08年5月までに行う「宙に浮いた記録」5000万件の照合をめぐり、生年月日が特定できない約30万件の記録について、氏名と性別しか分かっていなくても突き合わせができるようにするソフトを開発する。混乱や間違いの元になっている氏名の読み方も、複数のケースを想定して照合できるよう設計する。

未統合記録が見つかった場合、08年6月以降、対象者に順次通知する方針だが、厚生年金の場合は本人が思い出しやすいよう企業名も明記する。統合すべき記録がない受給者にも、08年9月から本人の加入履歴を送り確認を求める。

5000万件とは別に、基礎年金番号に統合されていない記録を含む厚生年金の旧式記録1430万件については、手作業でオンライン記録に収録し、5000万件の照合と並行して進める。【坂口裕彦】
 
●社会保障番号「国民カード」導入検討 住基ネットと連携(6月23日 朝日)
 
政府・与党は22日、年金や医療保険、介護保険の個人情報を一元的に管理する「社会保障番号」を11~12年度をめどに導入し、ICチップ入りの「国民サービスカード」(仮称)を全国民に1人1枚ずつ配布する方向で本格的な検討を始めた。住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)と連携させることで今後は年金記録の入力ミスはなくなるとしており、国民は年金記録や健康診断結果などをパソコンでいつでも見られるようになる。だが国が個人情報を一元管理するようになるため、プライバシー保護の観点から論議を呼びそうだ。

安倍首相は14日の国会答弁で「社会保障番号の早急な検討」を表明。自民、公明両党も参院選の共通公約にカード導入など、新たな年金記録管理システムの構築を盛り込む方針だ。

計画によると、現在は別々になっている公的年金、医療、介護の各保険の加入者情報を一元化した共同データベースを構築、各制度共通の国民サービス番号(社会保障番号)を導入する。国民には年金手帳、健康保険証、介護保険証を一本化した国民サービスカードを配る。

個人情報の漏洩(ろうえい)を防ぐため、ICチップを搭載。カードをパソコンの端末に差し込み、暗証番号や生体認証などで本人確認ができれば、年金の加入履歴や給付の見込み額、健康診断や治療を受けた際の検査結果、請求書(レセプト)などが常時、閲覧・保存・印刷できる。医療機関や介護業者の窓口でカードを示せばすぐに本人確認ができ、複数の医療機関で同じ検査を受けたり、余分な薬をもらったりすることもなくなり、医療費の抑制につながるという。

一方、年金記録の管理については、11年度をめどに新システムを導入。現在審議中の社保庁改革関連法案でも、年金加入者の住所異動や名前変更、死亡情報などを住基ネットから取得することになっており、法案が成立すれば、届け出がなくても自動的に基礎年金番号の情報が更新される。「宙に浮いた」5000万件など過去の年金記録問題が解決するわけではないが、今後は入力ミス、入力漏れなどは発生しなくなるとみられる。

社会保障番号の付け方については、現在20歳以上の人が持っている基礎年金番号を国民全員に拡大する案と、住基ネットの住民票コードを用いる案がある。国民サービスカードについても、独自のカードを発行するか、住基カードとの一体型にするか今後検討する。
 
●今どきの「幹部・リーダーの意識アンケート」調査結果(6月22日 タナベ経営)
 
タナベ経営(大阪府吹田市 http://www.tanabekeiei.co.jp/ )では、「平成19年度幹部候補生スクール」やリーダー養成セミナー参加者を対象に、5月下旬に幹部社員・リーダーの意識についてアンケート調査を実施(回答回収数524件)、その結果をまとめました。

【 主な内容 】
(1)自信があるのは「責任感」。不足しているのは「指揮統率力」
◇自信のある能力素養は、「責任感」26%で最多。以下、「専門知識・ノウハウ」24%、「明るさ・バイタリティ」12%と続き、幹部・リーダーに不可欠な「判断力・決断力」や「コミュニケーション力」・「トップ・上司補佐」について、「自信がある」とした回答は7~6%。
◇自分に不足しているのは、「指揮・統率力」27%が最多。「長所を伸ばす部下育成力」15%、「判断力・決断力」11%と続く。

(2)部下に望むのは「向上心・チャレンジ精神」6割
◇部下・後輩の指導について、9割が「相手のタイプによって得手・不得手がある」。「自信がある」はわずか6%。
◇部下に望むのは、「向上心・チャレンジ精神」58%、「責任感」37%、「行動力・積極性」36%。前回調査(2006年5月)では、「行動力」34%、「向上心」17%、「責任感」13%の順であった。部下に求めることの重点が、自発的なモラールアップや、「仕事への基本姿勢の改善」に変化した。

(3)身につけたいのは「部下育成・人材開発スキル」、「計数知識」
◇仕事をする上で身に付けたい技能は、「部下育成・人材開発スキル」50%、「計数知識・決算書分析力」45%、「方針、目標管理のやり方」32%が上位。

(4)仕事と家庭「どちらも大事」が7割
◇仕事と家庭の優先度は、「同等」65%。
◇ライフプラン(人生設計)は、「3~5年先まで考えている」44%。

「職場でブログ閲覧」4割、管理不足が鮮明―会社員1000人調査
 (6月22日 日経産業)


社員の4割が職場からブログにアクセス経験がある――。セキュリティー対策会社のクリアスウィフト(東京・港区)はこんな調査結果をまとめた。ミクシィなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)やユーチューブなど動画共有サイトの利用経験者もそれぞれ2割程度おり、職場における情報管理が不十分な実態が明らかになった。

今年5月、会社員1000人を対象に、職場におけるウェブ2・0系サービスの利用状況を質問したところ、回答者の41.7%がブログにアクセスしたことがあった。SNSも23.3%、動画共有サイトも17.1%いた。
 
●「データ装備費」返還へ=派遣スタッフから徴収、最大37億円−グッドウィル
 (6月22日 時事通信)
 
グッドウィル・グループは21日、子会社の人材派遣、グッドウィル(東京都港区)が派遣スタッフから1回の勤務ごとに200円を徴収していた「データ装備費」を返還すると発表した。支払総額は最大で37億円と見込まれ、スタッフからの請求状況を踏まえ、今後、特別損失として計上する。
 
返還は、2005年5月から07年4月末までの2年間に派遣された、延べ80万人のスタッフが対象。2年間に限定したのは、「賃金請求権の時効期間が2年のため」(グッドウィル・グループ)と説明している。グッドウィルは今後、スタッフからの請求を待って返還する方針だが、「すべての請求に応じるかどうかや返還方法など詳細は未定」(同)としている。
 
グッドウィルは、傷害・物損の民間保険料の一部や、派遣スタッフの安全装備の購入費に充当する目的で、「データ装備費」を給与から天引きしていた。同社は「負担は任意だった」としているが、今年5月に同制度を廃止。一方、派遣スタッフらの労働組合は、「強制的だった」などとして返還を求めていた。
 
グッドウィルグループサイト ⇒ http://www.goodwill.com/
グッドウィルユニオンサイト ⇒ http://ameblo.jp/goodwillunion/
 
「新入社員のマナー意識」 電車では「ジベタ」許さず「飲食」許す
 (6月21日 共立総研)
 
㈱共立総合研究所(大垣市 http://www.okb-kri.jp/)は、岐阜・愛知・三重・滋賀県所在の企業271社の新入社員1498名に対し、標題のアンケートを行いました。

『電車では、ジベタ許さず、飲食許す』。当社が今年の新入社員に対して行ったアンケートで、こんな若者の意識が明らかとなりました。
(1)身近なマナー違反 『電車では、ジベタ許さず、飲食許す』
(2)気になる大人のマナー違反 『大人は、どこでも吸って、勝手に捨てる』

詳細は⇒ 「新入社員のマナー意識(PDF形式)」http://www.okb-kri.jp/press/20070621.pdf

●ビジネスパーソンの転職意識調査 「3年以内に転職したい」が6割以上
 (6月21日 デューダ)


インテリジェンス(http://www.inte.co.jp/ )が運営する転職サービス「DODA(デューダhttp://doda.jp)」は、ビジネスパーソン1000名を対象に、転職に関する意識調査を実施しました。

【 調査結果詳細 】
1.6割以上が3年以内の転職を検討中
現在の会社に勤務すると思われる期間について聞いた質問では、「1年以上~3年未満」が35.9%で最多となっており、「1年未満」(27.4%)と合わせると、6割以上が3年以内の転職を検討していることがわかりました。特に、若年層でその傾向が強く、24歳以下ではその割合が7割以上に及んでいます。

2.人生で転職すると思う回数、「2回以上」が全体の7割
人生で転職すると思われる回数について聞いた質問では、「2回」が31.5%と最も多く、次いで、「1回」(26.7%)、「3回」(17.8%)となっています。また、5回以上と回答した人が全体の1割以上を占めており、2回以上とした人の割合は全体の約7割。長いビジネス人生の中で、複数回の転職を考えている人が多いことがうかがえます。

3.求人情報を探す手段、5割以上が「求人・転職サイト」を利用
求人情報を探す情報源について聞いた質問では、「求人・転職サイト」(50.4%)の利用者が最も多く、5割以上が主要な情報源としていることがわかりました。特に24歳以下ではその傾向が顕著で、「インターネットポータルサイトの転職・求人コーナー」(10.7%)をあわせると、8割近くの人がインターネットによる情報収集を行っていることが明らかになりました。

4.半数近くが週に1~2回以上の頻度で求人情報にアクセス
利用している求人情報源への接触頻度について聞いた質問では、「週に1~2回程度」(24.2%)、「週に3~4回程度」(11.9%)、「ほぼ毎日」(8.0%)の合計が半数近くに及んでおり、気軽にアクセス可能なインターネット媒体を中心に、頻繁に情報収集を行っている人が多いことがわかりました。

詳細は⇒ DODA「ホンネの転職白書」http://doda.jp/guide/ranking/009.html

●07年新入社員意識調査~今年の新入社員は“安定志向”
 (6月20日 しがぎん経済文化センター)


本格的な景気回復に向かう中、事業の強化や、いわゆる“団塊の世代”の大量退職を見すえた大量採用に踏みきるなど、積極的に新入社員を採用した企業も多いのではないだろうか。当社では、毎年3月から4月にかけて滋賀県内企業の新入社員を対象に、アンケート調査を実施している。そこから、新入社員の仕事に対する意識をみてみたい。

◇入社の動機は「自分の資格や能力が発揮できそう」◇責任感を持って、意欲的に仕事に取り組む姿勢
◇“入社する会社で定年まで”が4割強◇初めての給料は「家族などにプレゼントする」が増加
◇理想の上司は「イチロー」「篠原涼子」◇今年の新入社員は“安定志向”

⇒(PDF) http://cgi2.biwa.ne.jp/%7ekeibun2/data/kake_200706_20_21.pdf

「転勤命令を巡る環境の変化」(6月20日 日経Biz-Plus)

転勤を巡る企業と労働者との関係が変化しつつあります。長期雇用システムの下では、転勤命令権は「絶対」とされ、不服ながらも転勤に応じる労働者がほとんどでした。バブル崩壊後の人員数の縮小時期も、雇用を維持したい圧倒的多数の労働者は転勤に応じてきました。しかし、近年の景気回復により中途採用市場が活発となり、「転勤するくらいなら転職する」という労働者も増加しています。また、法的にみたときに、転職命令権の根拠も動揺しつつあります。

日経Biz-Plus「法的視点から考える人事現場の問題点」第16回 弁護士 丸尾拓養氏
 http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/jinji/rensai/maruo2.cfm

●病院に老人ホーム設置容認 厚労省、療養病棟の転換支援(6月20日 朝日)

厚生労働省は20日、慢性疾患を抱えるお年寄りが長期入院する療養病床を削減し、他の施設に転換させるための追加支援策をまとめた。病院や診療所を運営する医療法人が、設備や人員の一部を本体施設と共有する「サテライト型」の小規模な老人保健施設(老健)、特別養護老人ホーム(特養)、有料老人ホームを複数設置できるようにすることで、転換先の選択の幅を広げる。同日午後に開かれる「介護施設等の在り方に関する委員会」(厚労相の諮問機関)で示す。

サテライト施設は本体施設と容易に行き来できる距離にあるのが条件。定員は30人未満で、医務室や調理室などの施設や、医師、ケアマネジャーなどのスタッフを本体と共用できるため、運営コストが下げられる。

従来は老健一つについてサテライト型一つしか設置が認められていなかったが、追加支援策では病院もサテライト型施設を設置できるようにするほか、有料老人ホームなどさまざまなサテライト型施設の設置を認める。

医療法人が一般病棟と療養病床専門の病棟の両方を持っている場合、療養病床をサテライト施設とすることで、本体の病院機能を維持しつつ、療養病床を転換することができる。さまざまな場所にサテライト施設を設置することで、地元の細かいニーズに合ったサービスを提供することも期待できるという。

このほか、従来は社会福祉法人などに限られていた特養の設置を医療法人についても認めることで、療養病床の特養への転換をスムーズに行えるようにする。

また、療養病床を老人保健施設へ改修した場合に法人税を軽減したり、改修費用への融資で優遇したりする財政的な措置も盛り込んだ。

●面接で「給料聞くな」 島根労働局のテキスト(6月20日 中国新聞)

島根労働局(松江市)の求職者向け再就職支援セミナーで「面接の際に給料、残業、休日について聞いてはならない」と記したテキストを参加者に配っていたことが20日、分かった。

同労働局の中島住夫職業安定課長は「テキストの点検が不十分だったと反省している。再点検し早急に問題の個所を削除・修正したい」と話している。

島根労働局によると、テキストは2005年度から、ハローワーク島根(松江市)が主催するセミナーで使われていた「面接の受け方」。労働局の委託を受けた都内の会社が作った。

「面接必勝の秘訣(ひけつ)」の項目に「自分から給料、休日、勤務時間、役職の話は持ち出さない」とあるほか、面接の最後に「何か質問は」と聞かれた際のポイントとして「間違っても給料、残業、休日について聞いてはならない」と書かれていた。

また「面接の高等テクニック」として「面接官が2人以上の場合、いち早く上位者を見極め、その者が好みそうな回答を心掛けましょう」との記述もあった。

ハローワーク島根の窓口では、人材を募集する企業、求職者の双方に対し労働条件の明示や確認の大切さを説明している。

●年金記録統合、企業が従業員分を申請・厚労省方針(6月20日 日経)

厚生労働省・社会保険庁は19日、企業が従業員に代わって年金記録の統合を申請できるよう制度を見直す方針を固めた。現行制度では従業員本人が個別に社会保険事務所に出向いて申請する必要があるが、企業の担当者がまとめて代理申請できるようにする。企業に協力を求め、基礎年金番号に未統合の約5000万件の年金記録を少しでも早く減らすことをねらう。

安倍晋三首相は約5000万件の未統合の年金記録を1年以内に照合、08年度末までに全加入者に結果を通知して基礎年金番号への統合を進めると明言している。公的年金の加入者約7000万人のうち、厚生年金に加入する会社員は約半分の3300万人に達する。企業が本格的に協力すれば、統合作業を加速できると厚労省は期待している。

●保険料納付履歴、郵便局で無料確認(6月20日 日経)

公的年金保険料の記録漏れ問題で、日本郵政公社は全国に約2万4000ある郵便局の窓口で国民年金保険料の納付履歴を無料で確認できるようにする。郵便局に照会に応じるよう19日付で通知を出した。

保険料を現金で払った顧客は2002年6月以降の領収データを、郵便貯金口座による自動引き落としで支払った顧客は1999年1月以降の領収データを確認できる。郵政公社は申し込みを受けた後、全国に12ある貯金事務センターが保存データを調べ、顧客に文書で回答する。

●年金記録漏れ、保険料支払いを無料で確認・三井住友銀(6月19日 日経)

公的年金保険料の記録漏れ問題で、三井住友銀行は国民年金保険料を口座引き落としで払った預金者を対象に、過去の取引明細を無料で提供し始めた。社会保険庁などに納付記録が残っていなくても、支払いを確認できるようにする。メガバンクでは初の取り組み。三菱東京UFJ銀行とみずほ銀行も近く無料化する見通しだ。

三井住友銀は従来、預金者から求めがあれば、過去10年以内の取引明細を1カ月分525円の手数料で提供していた。しかし、記録漏れ問題が拡大していることから、納付記録を確認する場合に限り無料にすることにした。口座を持っている同行の本支店の窓口で受け付ける。

●年金事後納付を5~10年分に延長、政府・与党が検討(6月19日 読売)

政府・与党は18日、現行では、過去2年間分まで認めている年金保険料の事後納付を、一定期間を対象に、特例的に5年~10年間分を納付できるよう期間延長する検討に入った。また、年金の受給資格が得られる保険料納付期間を、現行の25年以上から短縮、緩和することも検討する。

自民党の中川政調会長は18日、国会内で記者団に対し、「国民皆年金を担保するためにも、やってみたらいい」と述べ、「無年金者」を減らす対策として前向きな考えを示した。

特例納付制度は、1970年~80年にかけて、計3回実施されたことがある。

●訪問販売すべてクーリングオフ対象に、特定商取引法改正へ(6月19日 読売)

経済産業省は18日、訪問販売や外国語教室などの業務を規制している「特定商取引法」を抜本改正する方針を固めた。

「訪問販売」、「通信販売」、「電話勧誘販売」の三つの販売方法について、商品やサービスごとに指定して規制していた方針を改め、原則すべての商品・サービスを規制の対象にするのが柱だ。英会話学校最大手のNOVAが同法違反で行政処分を受けたことなどを踏まえ、消費者トラブルの多い行為の差し止め請求を消費者団体に認める「消費者団体訴訟制度」も導入する。来年の通常国会に改正案を提出する方針だ。

特定商取引法は訪問販売など三つの販売方法について、新たな被害が出るたびに、規制対象を追加指定し、現在約80種類の商品・サービスに網をかけている。今月15日には、みそ、しょうゆなどの調味料のほか、商品取引市場で運用するとして客から証拠金を集める「証拠金(保証金)取引」なども指定商品に加えた。ただ、悪質業者は指定商品のリストにない商品を選んで訪問販売するなど、いたちごっこが続いていた。

このため、改正法では、保険業法や薬事法など他の法律が規制対象としている物品・サービス以外はすべて対象にするよう法改正する方針だ。これにより、ほぼすべての物品やサービスが、一定期間内ならば契約を解除できる「クーリングオフ」などの対象になる。

一方、新たに導入される「消費者団体訴訟制度」では、NOVAが行っていた虚偽の説明をする「不実の告知」などについて、消費者団体が差し止めの訴訟を起こすことが可能になる。

今月7日に施行された改正消費者契約法にも団体訴訟制度が盛り込まれているが、経産省では、語学教室や訪問販売などのサービスを対象とした特定商取引法に導入することで、より制度の利用が進むと見ている。

経済産業省によると、同法に基づく行政処分は、証拠固めなどの事務が膨大なため昨年度でわずか84件しかない。一方、国民生活センターに寄せられた昨年度の同法関連のトラブルは60万件で、行政処分だけで悪質行為をやめさせるには限界があると判断した。

●後継者紹介、全国で―中小企業の事業継承、自民が支援策(6月18日 日経)

自民党は18日、中小企業などの事業継承を円滑にするための支援策をまとめた。顧客や設備、技能があるにもかかわらず後継者難で廃業を迫られている事業者と、起業を目指す人を橋渡しする事業承継支援センターを各都道府県に設置。後継者が相続税や贈与税の支払いのため資産を切り売りしないで済むよう政府系金融機関が融資する制度も創設する。

自民党の事業承継問題検討小委員会が下旬に決定する。これを踏まえ、経済産業省など関係省庁が来年度予算案の概算要求に盛り込み、来年度からの実施を目指す。

●損保各社が傷害保険料5%下げ、国内旅行も15%(6月18日 読売)

損害保険各社が、けがの治療費などを補償する傷害保険の保険料を9年ぶりに全面改定することが17日、明らかになった。

職種別に保険料が決まる通常の傷害保険は、一部を除いて引き下げ、平均では5%程度の値下げとなる。職業にかかわらず保険料が同じ国内旅行傷害保険も、約15%引き下げる。職場や旅行で訪れる施設などで安全対策が強化され、保険料を決める主な基準であるけがの発生率が低下したことが理由だ。最大手の東京海上日動火災保険が8月から実施し、他社も9~10月に追随する見通しだ。

通常の傷害保険は、生活時間の大半を占める就業中にけがをする確率が高いため、とび職やスポーツインストラクターなど危険を伴う職業で保険料が高めに設定されている。

今回の改定では、仕事中にけがをすることが少ないサラリーマンや公務員などの事務職は数%程度の引き下げにとどまる。

作業現場で安全対策が進み、けがの発生率が下がっている金属プレス工や配管工などは大幅な引き下げとなる。特に労働災害の防止に企業が力を入れている自動車工場の組立工の場合、引き下げ幅は4割近くになる。

逆に、建設作業員など一部の職種の保険料は、例外的に2~3割程度の引き上げとなる。タクシー運転手も交通事故が減っていないことなどから、値上げされる。

通常の傷害保険は会社や学校を通じて団体で加入するケースが多く、年間の加入者数は業界全体で約200万人。一方、ツアーに参加する際などに使う国内旅行傷害保険の加入数は、年間約1100万人に達している。

●92~96年入社社員の年金、学生時代の分で統合漏れも(6月18日 日経)

4年制大学を卒業して1992~96年に就職した会社員の大部分で、大学時代の国民年金の加入記録が基礎年金番号に統合されていないことが明らかになった。学生時代に払った国民年金の記録が、就職後に加入した会社の厚生年金の記録につながらず、約5000万件のさまよう年金記録の一部になっている。該当者は社会保険事務所に出向いて手続きをしないと、将来の年金受取額が減ることになる。

91年4月から20歳以上の学生にも国民年金への加入が義務付けられた。収入のない学生に代わって親などが払う例が多かった。この学生が卒業後に会社員になって厚生年金に入ると国民年金とは別の年金番号が付き、二つの年金記録が分断されたままになった。

●「第3回 企業ホームページ運営状況調査」結果公開(6月18日 JAA)

社団法人 日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会(東京都中央区 http://www.wab.ne.jp/ )は、このほど「第3回 企業ホームページ運営状況調査」を行いました。
【企業ホームページの効果は量から質の段階へ】
【社内評価や重要性認識が高まった企業は6割】

日本アドバタイザーズ協会 Web広告研究会 第3回 企業ホームページ運営状況調査
⇒ http://www.wab.ne.jp/topics/websitestudy3.html

●時効分の年金、補償対象者に通知・社保庁が方針転換(6月17日 日経)

厚生労働省・社会保険庁は16日、公的年金の支給漏れがわかっていながら、5年の時効で本来の支給額を減らされていた人に対し、不足分を全額支払うための通知をする方針を固めた。時効を超えた分の年金も全額支払う年金時効特例法案を受けた措置。同法案の成立後、数カ月以内に通知を始める。

社保庁はこれまで、加入者からの申請がないと不足分などを支給しない「申請主義」をとっていた。今回はこうした手続きを改め、迅速に支給漏れに対処する姿勢をアピールする狙いだ。
 

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