人事労務の最新ニュース(07年10月15日〜31日)

●企業の新卒採用サポート 中小が積極活用 戦略立案、ブログ更新も
 (10月31日 産経)


バブル期以来の売り手市場となっている就職戦線で、企業の採用活動を支援するサービスが盛況だ。採用戦略を企画・立案したり、ホームページやブログの更新を請け負ったり。面接の代行を手がけるケースもある。知名度不足や人事部門の手薄さで新人の採用に苦戦する中小企業などが積極的に活用している。(海老沢類)

全文⇒ http://sankei.jp.msn.com/life/trend/071031/trd0710310828003-n1.htm

●人材各社、転職支援は事務職に的・20―30代女性向け(10月31日 日経)

人材サービス会社が事務職に的を絞った転職支援を始める。専門の転職サイト開設や、派遣から正社員を目指す人向けの紹介事業を展開する。1990年代後半以降、事務職に派遣スタッフを活用する企業が多かったが、景気拡大で正社員の採用が増えていることが背景。新卒時に就職氷河期だった20代後半―30代の正社員志向も高まっており、需要が大きいと判断した。

インテリジェンスは来年1月下旬、事務職に特化した求人サイト「DODA オフィスワーク」を開設する。正社員・派遣合わせて約9000件の求人案件を掲載。金融機関や製造業大手を中心に「優秀な人材を採るため事務職を正社員で採用したいという企業が増えている」ことに対応する。当初1年間で約20億円の売上高を目指す。

●自殺社員はうつ病発症が業務に起因と認定(10月30日 毎日)

中部電力(本店・名古屋市)に勤務していた愛知県内の男性(当時36歳)が過労などを理由に自殺したのは労災だとして、妻(43)が名古屋南労働基準監督署長を相手取り、遺族年金などの不支給処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が31日、名古屋高裁であった。満田明彦裁判長は、1審・名古屋地裁判決同様、自殺の原因となったうつ病発症が業務に起因したと認定し、同署長側の控訴を棄却した。

判決によると、男性は99年8月、主任に昇任して多忙になり、休日出勤などを余儀なくされた。また上司から結婚指輪について「ちゃらちゃらしたものつけるな」と指示されたり、社員の前で「お前なんかいなくても同じだ」と怒鳴られるなどしてストレスが増大。同9月にうつ病を発症し同11月に焼身自殺した。

1審は業務とうつ病の関係性を認めたが、同署長側は「うつ病は業務外で発症した」と控訴。満田裁判長は「うつ病を発症されるに足る危険性があった。うつ病により正常な認識や行動選択能力が阻害された」と判断し、署長側の主張を退けた。また、上司が男性に取った言動を「合理的理由がない、単なる厳しい指導の範ちゅうを超えている」として「パワーハラスメント」と認めた。

●「職場のメンタルヘルス」に関する正社員5000名の意識調査結果
 (10月30日 マネジメントベース)


マネジメントベース(東京都文京区 http://www.m-base.jp/ )は、この春に実施した日本の企業・法人に勤める正社員5049名のアンケート結果より「メンタルヘルス(心の健康・ストレス)」について聞いた設問分野の分析結果を紹介します。

1. 強いストレス状態にある正社員の割合は15.6%
抑うつ、不安、脱力感といったストレス反応をこの1週間に「しばしば」以上の頻度で感じている「強いストレス状態にある」正社員の割合は全体の15.6%でした。

2. 年齢別では、20歳代〜30歳代前半で特に強いストレス状態にある割合が高い
年齢別に強いストレス状態にある割合をみると「20歳代後半」が最も高く20%が「しばしば」以上の頻度と回答しました。それ以降、年齢とともに割合は減少していく傾向が見られました。また、「大体いつもあった」と、より深刻なストレス状態にある割合が最も高いのは「30歳代前半」で約6%でした。

3. 職場・仕事のストレス原因として16項目抽出。最も影響が強いのは「職場の人間関係」
ストレス反応の強さと会社、職場、仕事、上司要因との関係を検討するために、重回帰分析を行ないました。その結果、有意な説明変数として16項目が示されました。

最も関係の強かった項目が「職場の人間関係」です。続いて、目標や責任が重く、能力を発揮できていない等の「仕事の質」に関する項目、「会社の将来性」、仕事のために家庭や私生活を犠牲にしている人が多い職場(ワークライフバランス)といった「仕事の量」に該当する項目が並びました。ここで抽出された項目に関して、職場や会社が適切な状態になるようマネジメント・配慮することが重要と考えられます。

4.「人間関係で悩む職場」と回答した内、約40%が強いストレス反応を示す
最も影響の強い原因としてあげられた、職場の人間関係について、職場の人間関係で悩んでいる(=「悩むことが少なくない」)という回答者の内、約40%が強いストレス状況にあるようです。一方、そのような状況にない職場という回答者の場合、10%程度におさまっています。

5. ストレス反応の強さと「従業員満足度」、「離職意向」に強い相関関係
ストレス反応得点と「従業員満足度」、「離職意向」の関係を調べると、有意に高い相関関係が認められました。従業員満足度の向上や離職率低下を図る上で、従業員のメンタルヘルスに配慮することは重要であることがわかります。

アンケート結果詳細 ⇒ http://www.m-base.jp/news/20071030

●高齢者の医療費負担増の凍結、与党PTが正式決定(10月30日 朝日)

高齢者の医療費負担増の凍結を検討している自民、公明両党の与党プロジェクトチーム(PT)は30日、来年4月に予定していた70〜74歳の窓口負担割合の1割から2割への引き上げを1年間凍結するなどの措置を正式に決めた。75歳以上の一部からの新たな保険料徴収も半年間先送りし、続く半年間も本来の保険料の1割に減額する。

新たな保険料徴収の対象になっていたのは、サラリーマンの子供などに扶養され、これまで保険料を支払う必要のなかった75歳以上の高齢者200万人。保険料の負担は最初の半年間はゼロ、次の半年間(08年10月〜09年3月)が1割、09年度は半額という段階的な減免措置がとられる。

今回の合意で必要となる税負担は、窓口負担増の凍結で1100億円、保険料徴収の先送りや軽減で360億円。一連の措置に伴うコンピューターのシステム改修費として100億円程度かかる見込み。与党は、これらを合わせた計1500億円程度を今年度補正予算に計上するよう政府に求める。

高齢者の医療費負担増は、政府・与党が06年の医療制度改革で決めたものだが、先の参院選の与党大敗を受け、凍結論が浮上。福田政権発足に伴う自公の連立政権合意で負担増凍結の検討が盛り込まれ、与党PTで具体策を検討していた。

●リクルート、アルバイト紹介「経験者優遇」・即戦力確保(10月30日 日経)

リクルートは12月、学生やフリーターの経験や能力を評価して時給に反映させるアルバイト情報の紹介サービスを始める。人手不足が深刻な外食や小売業などで「即戦力」となるアルバイトの雇用ニーズが増えていることに対応する。バイト経験をキャリアとして評価する「経験者優遇」型のバイト情報紹介は初の試みで、フリーターの待遇改善や長期雇用促進にもつながりそうだ。

リクルートが (1)特定企業での勤務経験 (2)特定業界での勤務経験 (3)特定の資格・技能の有無 (4)体育会系部活や生徒会長の経験――など4つの独自基準を設定。基準を満たす「経験者」を優遇する求人情報を集めたサイトを開設する。いくつものバイトを繰り返すフリーターの待遇改善やキャリア支援にもつながるとして、バイトを使う企業に利用を促す。

●小企業の雇用動向調査 従業員が「不足」の企業は2割
 (10月29日 国民生活金融公庫)


○従業員が「不足」とする企業割合は4年連続で「過剰」を上回る
・「適正」とする企業割合が64.6%と最も高く、「不足」が22.2%、「過剰」が13.2%となっている。
○業種、規模、地域で不足感に格差がみられる
・業種別にみると、「不足」企業割合は、情報通信業(51.1%)、運輸業(35.8%)で高い。
・従業員規模別にみると、「不足」の割合は、「0〜4人」で16.8%であるのに対し、「20人以上」では36.4%と、規模の大きい企業ほど「不足」の割合が高い。
○雇用に関する課題の第1位は「現在の従業員の能力向上」
・課題としては「現在の従業員の能力向上」をあげる企業の割合が42.6%と最も高く、以下「即戦力となる従業員の採用」「人件費の削減」「従業員数の確保」の順となっている。「従業員数」といった量的なことよりも、「能力」「即戦力」など質的なことを重視する企業が多い。
○賃金が「上昇した」企業割合は2割
・1年前と比べた賃金の動向をみると、「ほとんど変わらない」が68.9%で最も高く、「上昇した」が21.1%、「低下した」が10.1%となっている。
・業種別にみると、「上昇した」割合は情報通信業が52.7%と最も高く、次いで製造業が27.3%となっている。
・従業員規模別にみると、「上昇した」割合は規模が大きい企業ほど高くなっており、「20人以上」の企業では44.9%と半数近くを占めている。一方、「0〜4人」の企業では「低下した」の割合が「上昇した」を上回っている。

詳細(PDF) ⇒ http://www.kokukin.go.jp/pfcj/pdf/koyou_doukou_071029.pdf

●キーコーヒー、サービス残業代23億円支払い(10月29日 日経)

キーコーヒーは29日、管理職を除く全社員の約1000人を対象に未払い賃金計約23億円を支払うと発表した。2005年9月からの2年間、時間外賃金なしのサービス残業をしていたことが判明したため。これに伴い07年9月中間期の連結最終損益は9億8500万円の赤字(前年同期は6億3700万円の黒字)になる。

労働基準監督署から9月26日に時間外労働管理に関する是正勧告を受け、勤務状況の実態を調査していた。「管理の不徹底が原因」(広報)という。サービス残業は正社員のみでパートではなかった。対象時間は延べ115万時間弱。

22日、社長直轄の労務改善委員会(委員長=新川雄司専務)を組織した。労働環境と労務管理手法を見直し再発防止に取り組むという。

●心の病、官僚にもジワリ・中央省庁1.3%休養(10月28日 日経)

2006年度に心の病で病気休暇を取った中央省庁の職員は在職者の1.3%に当たる563人で、省庁別では社会保険庁が6.4%と最も高かったことが、人事院が実施した実態調査で分かった。年齢別では30歳代が半数近くを占めており、人事院は職員の勤務状況に日ごろから注意するよう各省庁に要請した。

人事院が5年ごとに実施している調査によると、国家公務員の長期病休の原因は「精神・行動の障害」が1991年には4位だったが、96年には2位、2001年には1位に浮上。このため、中央省庁職員の心の病をテーマにした実態調査を実施。32の中央省庁の担当者に電子メールで調査票を送り、各省庁で06年度、心の病で病気休暇を取得した職員について調べた。

●外国人研修生:男性経営者に未払い賃金求める
 労働審判(10月26日 毎日)


外国人研修制度・技能実習制度で岐阜市内の縫製会社で働いていた20〜30代の中国人女性4人が26日、正規の残業代が支払われなかったうえ「社内貯金」として強制的に天引きされたとして、同社の男性経営者(33)に計約1000万円を支払うよう求めて岐阜地裁に労働審判を申し立てた。また4人は同日、労働基準法違反などの容疑で経営者を岐阜労働基準監督署に刑事告訴した。

申立書などによると、4人は同社に派遣された05年から今年9月までの間、1年目の研修期間には1時間300円、2年目からの実習期間には1時間500円の賃金で、ほぼ毎日4〜9時間の残業を強いられた。賃金は岐阜県の最低賃金を大幅に下回る額だった。

さらに強制的に月3万円を社内貯金として天引きされるなどし、毎月の手取りは1万〜2万2000円だったという。4人は正規の残業代と26〜30カ月分の強制貯金の返還を求めている。

同社は現在は休業状態といい、申し立てについて経営者は「未払い分は支払う意思がある。9月中旬から4人と支払い金額などについて協議してきたが、この請求額は不当で納得いかなない」などと話している。

財団法人国際研修協力機構によると、岐阜県内の外国人研修生・技能実習生は05年度現在で全国最多の3620人。主に縫製業に従事しており、年々増加傾向にあるという。【稲垣衆史】

●「過重労働・賃金不払残業解消キャンペーン月間」の実施について
 (10月26日 厚生労働省)


厚生労働省においては、労使関係者の主体的な取組を促すため、従来から実施してきた賃金不払残業の解消を目的としたキャンペーン活動について、新たに過重労働による健康障害の防止を目的に加え、11月に「過重労働・賃金不払残業解消キャンペーン月間」を実施することとしています。

実施期間:11月1日(木)から30日(金)までの1か月間
⇒ http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/10/h1026-1.html

●改正パートタイム労働法〜最近のヒアリングで感じること(10月26日 労政機構)
労働政策研究・研修機構 コラム 
⇒ http://www.jil.go.jp/column/bn/colum087.htm

●若年者の離職理由と職場定着に関する調査(10月26日 労政機構)
Business Labor Trend 2007.9 特集―若年層の就労問題
(PDF) ⇒ http://www.jil.go.jp/kokunai/blt/bn/2007-09/4-15.pdf

●休めない建設産業のホワイトカラー(10月26日 労政機構)
Business Labor Trend 2007.9 TOPICS 労働時間
(PDF) ⇒ http://www.jil.go.jp/kokunai/blt/bn/2007-09/36-37.pdf

●個人情報保護法の施行から2年(10月26日 労政機構)
 社内規定ありが2年間で倍増、防止策のトップが「PC持ち出し禁止」に交代
Business Labor Trend 2007.9 モニター特別調査
(PDF) ⇒ http://www.jil.go.jp/kokunai/blt/bn/2007-09/54-57.pdf

●人材開発の課題、5割の企業が「管理職が力不足」・日本経営協会調査
(10月25日 日経産業)


人材開発の課題について「管理職が力不足」と答えている企業が約5割に達していることが日本経営協会がまとめた「人材白書2007」でわかった。現在の管理職は部下の管理だけではなく、業務上の成果も求められることが多い。経営陣の管理職への期待や要求が以前に比べると大きくなっていることの表れと言えそうだ。

調査は昨年秋に無作為で抽出した企業を対象に実施、136社から回答を得た。人材開発のうえで直面している課題を複数回答で尋ねたところ、「管理職が力不足」が50.7%に達し、最も多かった。次いで「中堅層が力不足」(38.2%)と「若手社員が育ちにくい」(24.3%)が続いた。

●企業年金不払い124万人、該当者判明は1%(10月25日 日経)

転職した会社員の企業年金の資産を預かる企業年金連合会が受給資格者の約3割に年金を支給していなかった問題で、該当者の判明がわずか1%にとどまっていることが24日わかった。転居などで連絡が取れなくなってしまっている人が多く、支給するためには本人からの連絡を待つしかないという。同連合会は専門委員会で対策の検討に乗り出したが、全容解明にはほど遠い状況だ。

同連合会は厚生年金基金などの企業年金を転職で途中で脱退した会社員の資産を預かり老後に年金を支給する団体。幅広い人を対象とする国民年金とは異なり、会社員のために運用する年金だ。累計で約3000万件の年金を預かり、資産残高は13兆円程度ある。

今年の9月上旬になって60歳以上の受給資格者の約3割にあたる124万人に本来支払うべき年金を支給していなかったことが判明。未支給額は約1544億円あり、単純計算すると1人あたり平均の未支給額は10万円程度となる。

●6500万円の賠償命令、長時間労働を放置 福岡地裁(10月25日 朝日)

福岡市博多区の産業用ロボット製作会社に勤めていた男性(当時43)=佐賀県鳥栖市=がくも膜下出血を発症して死亡したのは、長時間労働を放置した同社に原因があるとして、男性の妻子が同社を相手取り計約1億5000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が24日、福岡地裁であった。木村元昭裁判長は「男性の労働条件を改善する努力を怠った」と同社の安全配慮義務違反を認め、計約6500万円の支払いを命じた。

判決によると、男性は02年4月から製造部長を務め、死亡する1年前の時間外労働時間は少なくとも月74〜168時間に達し、精神的、肉体的疲労が蓄積した状態だった。04年2月、くも膜下出血を発症して死亡。遺族は05年2月、福岡中央労働基準監督署に労災認定を申請し、同年11月に認められた。

木村裁判長は「疲労が蓄積し、健康状態が悪化するのは容易に想像がつく」と述べ、同社のずさんな労務管理を指摘。また、男性が管理職として他の従業員が仕事を終えるまで長時間、待機していた点について「自由な時間を過ごしていたとしても、帰りたくても帰れない状況は疲労を蓄積する」と認定した。

●新人は希望部署に、企業の6割――産労総研調べも(10月23日 日経産業)

企業の6割が新入社員の配属希望をかなえていることが産労総合研究所( http://www.e-sanro.net/sri/index.html )の「ホワイトカラーのキャリア開発支援に関する調査」で分かった。入社から一人前になるまでの3―5年ほどは業務分野を超えて異動させない企業も多い。希望分野で育成し「若手の早期離職を避けようとする企業の努力がうかがえる」(同社)。

●社保庁、「ねんきん特別便」事業所名は載せず(10月23日 読売)

社会保険庁は約5000万件の該当者不明の年金記録の名寄せ結果を通知する「ねんきん特別便」に関し、記録が該当しそうな受給者らに対し、受給に結び付いている加入履歴を示した上で、「他の加入期間があると思われ、確認願いたい」と説明するにとどめる方針を明らかにした。

社保庁が23日の民主党の厚生労働・総務部門合同会議に資料を提示した。事業所名や加入期間などは通知しないことから、民主党などは「本人が過去に働いていた事業所名や加入期間などを思い出せなければ、記録漏れを解消できない」などと指摘している。

安倍前首相は6月の参院厚生労働委員会で「記憶を呼び起こしやすい形で、年金履歴も含めてお知らせする」と述べ、事業所名などを明記した通知を送付する考えを示していた。

しかし、社保庁は「婚姻による姓の変更や生年月日の違いがあっても通知を送るので、同じ通知が複数の人に行く可能性がある。過去の記録を細かく記入すると、無用な誤解が生じる」としている。

●全保険、銀行で解禁へ 死亡保障や自動車も(10月23日 朝日)

銀行窓口での保険商品の販売(銀行窓販)が、12月22日から全面解禁されることが22日、自民党の了承で正式に決まった。これまでも一部商品は取り扱っていたが、今回は新たに死亡保障つきの定期保険や自動車保険など、保険の「本丸」が解禁される。ビジネス拡大の期待は高まるが、銀行と保険会社の役割分担など課題も多い。

保険の銀行窓販は01年から順次、対象を広げてきた。これまでは個人年金などが中心で、約25万人の営業職員らが売る死亡保障など生保の主力商品とは住み分けができていた。全面解禁で垣根が取り払われ、利用者は銀行でも、生損保会社の営業職員や代理店経由でも商品を買えるようになる。

銀行で死亡保障などまで含めた全保険商品が販売される例は、欧米でもほとんどない。これまで生保レディーらの独壇場だった市場に巨大な販売網が出現することになり、営業網が手薄な外資系などにとっては市場拡大の期待が高まる。

一方、保険販売専門の職員を大量に抱える国内大手生保からは、「銀行に保険販売に必要な病歴の告知などの点検ができるのか」と牽制(けんせい)する声も根強い。販売後の銀行と保険会社の責任の明確化、銀行の立場を悪用した販売の防止など課題が多いのも事実だ。

資金の「貸手」で立場が強い銀行が、「借り手」の融資先に保険を買うよう求めれば、断りにくい。このため金融庁は過去の部分解禁の際、融資と保険販売の「抱き合わせ」の禁止や、商品によっては融資先への保険販売禁止、融資と保険の担当者分離などの弊害防止措置を設けてきた。

全面解禁にあたって銀行側は緩和を求めたが、金融庁は当面、現行の措置を続け、3年後をめどに見直す方針だ。

生保業界には「家族が増えた時の保障の見直しや保険金請求時の説明など、アフターケアが銀行にできるのだろうか」と疑問視する声も根強い。金融庁は全面解禁に合わせて、保険会社と銀行が役割分担を明確にする▽銀行は保険に詳しい人物を責任者として置く――など、新たな内容を盛り込んで監督指針を強化する方針だ。

●08年度の雇用保険料率、1.5%に据え置き(10月23日 厚生労働省)

労働政策審議会は23日、2008年度の雇用保険料率を07年度と同様に1.5%(事業主負担0.9%、労働者負担0.6%)とする内容の告示案要綱について、「妥当と認める」と答申した。現在の雇用失業情勢や雇用保険の財政状況を勘案し、前年の料率に据え置いた。

厚生労働省発表 平成20年度の雇用保険率
⇒ http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/10/h1023-1.html

●一律定年制の企業の9割以上に継続雇用制度あり 厚生労働省調べ
 (10月19日 労働調査会)


厚生労働省がまとめた「平成19年就労条件総合調査結果」によれば、一律定年制を定めている企業のうち、勤続延長制度または再雇用制度の少なくとも一方を有している割合が9割を超え、前年より大幅に増加していることが分かった。

この調査は、常用労働者30人以上の事業所約5300企業を対象に、労働時間制度、賃金制度、定年制―などについて、平成19年1月1日時点(年間については平成17年度ないし平成18年1年間)で行ったもの。

調査結果について、まず、労働時間制度についてみると、週所定労働時間は1企業平均39時間18分(前年39時間15分)、労働者1人平均38時間53分(同38時間48分)となっている。週休制の形態では、「何らかの週休2日制」を採用している企業は88.8%(同89.4%)で、「完全週休2日制」が39.3%(同39.6%)となっている。

次に、賃金制度における業績評価制度に関してみると、制度がある企業割合は45.6%となっている。制度がある企業がそれをどうみているかについては、「うまくいっている」20.2%、「うまくいっているが、一部手直しが必要」49.0%、「改善すべき点がかなりある」24.0%、「うまくいっていない」0.6%となっている。

また、業績評価によって生じる問題点としては、「評価結果に対する本人の納得が得られない」(28.5%)、「評価によって勤労意欲の低下を招く」(22.9%)、「評価システムに対して労働者の納得が得られない」(17.0%)などをあげる企業が多い。

定年制については、定年を定めている企業割合は93.2%(前年95.3%)、そのうち、一律定年制としているのが98.4%(同98.1%)となっている。一律定年制における定年年齢をみると、「60歳」86.6%(同90.5%)、「62歳以上」13.2%(同9.0%)「65歳以上」9.1%(同6.3%)などとなっている。

また、一律定年制を定めている企業で、勤務延長制度及び再雇用制度のどちらかまたは両方がある企業割合は90.2%となっており、前年(76.3%)に比べ大幅に増加している。これを制度別にみると、「勤務延長制度のみ」が12.6%(同13.6%)、「再雇用制度のみ」が66.7%(同53.1%)、「両制度併用」が10.9%(同9.6%)となっている。

□厚生労働省発表 平成19年6月1日現在の高年齢者の雇用状況
⇒ http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/10/h1019-1.html

●賃金改善が増加、「定昇のみ実施」は30%に低下・経団連調査
(10月19日 日経産業)


日本経済団体連合会(http://www.keidanren.or.jp/japanese/journal/times/2007/1018/05.html)の調べによると非管理職の賃金決定方式で主流だった「定昇のみ実施」が今春の労使交渉では30.6%まで低下したことが分かった。好業績を背景に、定昇に加え賃金上乗せを世代別に柔軟に配分する賃金改善を併用する企業が増えている。

「2007年春季労使交渉に関するトップ・マネジメントのアンケート調査結果」によると、「ベア以外(賃金改善などの概念も含む)の措置・定昇ともに実施」とした企業が全体の17.2%と前年を3.4ポイント上回った。同選択肢は昨年調査から設けた。

日本経団連「2007年春季労使交渉に関するトップ・マネジメントのアンケート調査結果」
詳細(PDF)⇒ http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2007/079.pdf

●住み込み管理人にも残業代「時間外も住民対応で待機」 最高裁
 (10月19日 時事通信)


夫婦でマンションの住み込み管理人をしていた女性(67)が雇用主で大林組子会社の「大林ファシリティーズ」を相手に、残業代など約4000万円の支払いを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(津野修裁判長)は19日、「所定労働時間外にも、住民らに対応できるよう待機せざるを得ない状態に置かれていた」と述べ、残業代は支払われると判断した。

その上で、通院や犬の散歩に使った時間は「管理人の業務とは関係ない私的行為」とし、実際の残業時間算定のため、審理を二審東京高裁に差し戻した。

同小法廷は、夫婦は平日午前9時〜午後6時の所定時間以外にごみ置き場の扉の開閉や、空調設備の運転切り替えなどの仕事をしていたとして、平日の労働時間を午前7時〜午後10時と認定。2人分の残業代が支払われるべきだとした。

管理マニュアルで、管理人室の照明が点灯している間は時間外でも宅配便などに対応すべきだとされていたとし、「残業は会社による黙示の指示だった」とも指摘した。

判決によると、夫婦は1997年から2000年まで、東京都北区の13階建てマンションを住み込みで管理していた。

●現場管理者、2割以上が派遣技術者・メイテック調査(10月19日 日経産業)

技術者派遣最大手のメイテックが行った調査で、製造現場の2割以上で派遣エンジニアが管理責任者として働いているという結果が出た。これまでは外部人材は専門分野を任されるのが一般的だったが、各プロジェクトの中心的存在として企業に活用されている実態が明らかになった。

メイテックが35―45歳の正社員エンジニア155人に派遣社員の責任者がいるか聞いたところ、23.2%が「いる」と答えた。また、20―29歳の正社員エンジニア155人への責任者が外部人材でもいいかという問いには、「優秀ならいい」「積極的に活用すべきだ」が計39.3%あった。

●上司の叱責、「パワハラ状態」 自殺過労死を労災認定 保険審査会
 (10月18日 時事通信)


盛岡市の自動車部品販売会社「日産部品岩手販売」に勤務していた男性(当時31)が自殺したのは、過重なノルマや上司の強い叱責などが原因として、労働保険審査会は18日までに、盛岡労働基準監督署長などが出した遺族補償給付の不支給処分を取り消した。審査会は「売り上げ目標も高く、叱責による心理的負担はパワーハラスメント(職権を背景とした嫌がらせ)を受けているような状況」と認定した。

記者会見で男性の父親(69)は「半分以上あきらめていたが、認められうれしい」と語った。

裁決書などによると、男性は1996年に入社。99年8月に盛岡営業所に配属されたが、営業経験がないにもかかわらず厳しいノルマが課され、休日出勤も強いられた。さらに上司の営業部長から、ノルマ不達成などを理由に、毎日のように「辞表を書け」「やる気があるのか」などと叱責され、重度のストレスが原因で、同年12月に自殺した。

家族は2001年に労基署に労災申請したが認められず、03年3月に審査会に再審査を申し立てていた。

◇日産部品岩手販売の話
詳細を把握していないのでコメントできないが、こうしたことが起こらないよう社内管理に努めている。

●長時間労働者の半減など数値目標設定へ――政府作業部会(10月18日 日経)

政府の「働き方を変える、日本を変える行動指針」策定作業部会は18日、個人がそれぞれ希望する形で仕事と生活の調和を実現できるように、社会全体で取り組む数値目標案をまとめた。10年後に働く時間が週60時間を超える労働者を半減するほか、男性の育児休業取得率を10%に高めるなどの内容。年内に作成する行動指針に盛り込む。

政府は少子化対策を徹底するため、ワーク・ライフ・バランス(仕事の生活の調和)を進めることをめざしている。子を生む女性は地域や家族の支援を強く求めているとの調査結果があり、男性を含めて長時間労働に代表される働き方を変えることが不可欠と判断している。

数値目標は18日の会合で厚生労働省が示した。男性の育児休業取得率は2005年に0.5%しかない者の、現在から5年後に5%、10年後に10%に高める。6歳未満の子を持つ男性の育児・家事関連時間も現在の1日あたり60分から、10年後に2時間30分に増やす。

●職業能力評価基準について(10月18日 厚生労働省)

◇能力評価基準とは
仕事をこなすために必要な職業能力や知識に関し、担当者に必要とされる能力水準から組織・部門の責任者に必要とされる能力水準までの4つのレベルを設定し、整理・体系化したものです。
◇能力評価基準の特長
能力評価基準は業界内のニーズが高い職種について策定されており、単に職務遂行に必要とされる知識や技術が記述されているだけでなく、ビジネスシーンにおける行動が思い浮かべやすい表現がなされています。
⇒ http://www.mhlw.go.jp/general/seido/syokunou/hyoukakijun/index.html

●「解雇の存在意義」(10月17日 日経Biz-Plus)

労働者の解雇がなかなか難しいのは、誰もが聞いたことがあるでしょう。しかし、実際にはリストラという名の下に、多数の労働者が不服ながらも企業を去っていきました。一方で、協調性不足や体調不良で欠勤を繰り返す問題社員について、使用者が解雇に踏み切れずに悩んでいることも事実です。解雇は本当にできないのでしょうか。

日経Biz-Plus 「法的視点から考える人事現場の問題点」第24回 弁護士 丸尾拓養氏
⇒ http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/jinji/rensai/maruo2.cfm

●75歳以上の保険料免除期間、与党間で合意できず再調整へ(10月17日 読売)

自民、公明両党が連立政権協議で合意した高齢者医療費の負担増凍結の方法を協議する「与党高齢者医療制度に関するプロジェクトチーム」は17日の会合で、来年4月に1割から2割に引き上げられる予定だった70歳〜74歳の窓口負担を1割に据え置く期間を「1年間」とすることで合意した。

一方、新たに保険料が発生する75歳以上の保険料の免除期間について、自民党側が免除期間を「半年間」と明記した座長案を示したが、「9か月」を主張している公明党側が強く反発し、再調整する。

座長案には「高齢者医療制度のあり方について今後も検討を続ける」などの項目を設け、負担増の凍結後に、法改正も含めて高齢者医療制度の修正を議論することを盛り込んだ。

座長の鈴木俊一自民党社会保障制度調査会長は、会合後の記者会見で「与党案は来週24日の会合で決着するだろう」との見通しを示した。

●新興企業も子育て支援・DeNA手当を拡充(10月17日 日経)

新興上場企業が社員向け子育て支援策を拡充している。育児手当の増額やオフィスでの託児所開設で、仕事と育児を両立しやすい職場環境づくりを急ぐ。人手不足で採用難にあえぐ新興企業が多い。急成長の陰で後手に回りがちな福利厚生を充実させることで、優秀な人材の確保と定着を図る。

携帯情報サイト運営のディー・エヌ・エー(DeNA)は育児手当制度の対象を広げた。従来は第一子を育てる社員だけに月額5000円を支給していたが、第二子が生まれた場合に同5000円、第三子以降は同1万円を支給する。社員の平均年齢は31歳(2007年3月期末)。今後、育児に携わる社員が増加するとみており、子供が複数いても働きやすい環境を整える。

バッグ・アクセサリー販売のサマンサタバサジャパンリミテッドは、東京・青山の本社ビルにゼロ歳児でも預けられる企業内託児所を開設した。保育士や看護師、調理師を配置。社員は託児所のビデオカメラを通し、職場のパソコンで子供の姿を確認できる。

●転職前の休息、4割近くの若者「1カ月以上ほしい」(10月17日 日経産業)

転職前に休息を――。人材紹介大手のインテリジェンス(http://www.inte.co.jp/)が主に30代前半までの若年者を対象に実施した調査で、前職を辞めてから新しい職場に初出勤するまでに「少なくとも1カ月以上ほしい」とする人が4割近くに達した。1週間未満としたのは約4分の1。転職の際、ある程度の休息を取りたいと考える傾向にあることが鮮明になった。

「1ヶ月以上3ヶ月未満」と答えた人が最も多く、全体の34.2%。「必要なし」が23.2%で続いたが「2週間以上1カ月未満」とするのも19%おり、2週間以上の休暇を望む声が5割を超えた。

●年金未納企業の従業員救済、自民党が特例法案検討(10月16日 日経)

自民党の年金記録等適正化推進チーム(座長・衛藤晟一厚生労働部会長)は16日、初会合を開き、企業が従業員の給与から天引きした厚生年金保険料を国に納めていなかった場合に、従業員に年金を給付できるようにする特例法案を議員立法で今国会に提出する方針で一致した。

企業が従業員から保険料を集めながら国に納付していない場合、年金の納付記録は残らない。法案は納付記録がない従業員の救済が目的。(1)未納企業に保険料納付の2年間の時効を適用せず、自発的な納付を特例で適用 (2)企業が納付を拒否した場合や既に倒産している場合は税金で補てん――などを柱とする方針だ。

未納企業の従業員の年金を巡っては、政府が当初、2年間の時効を超えて過去にさかのぼって企業や元役員らから強制徴収することも検討していたが、立法化が難しく断念した経緯がある。

●「給料泥棒」発言はアウト? パワハラ自殺「初認定」の余波
 (10月16日 J−CASTニュース)


「給料泥棒」「存在が目障りだ」などの会社上司の暴言が男性をうつ病・自殺に追い込んだ。自殺は労災と認めるべきだ――。パワーハラスメントを巡りこんな判決を東京地裁が2007年10月15日、国側に示した。「そんな発言、部下にしたことあるな」と思い当たる上司も少なくないかもしれない。上司の「きつい」発言、どこからがアウトなのか。

◇「どこへ飛ばされようと、言いふらしたる」

訴訟は、自殺した男性(当時35)の妻が、上司の暴言が原因で、労災と認めるよう国を相手取って起こしていた。静岡労働基準監督署は04年11月、労災とは認めない処分を決定しており、処分の取り消しを求めていた。原告の妻側代理人弁護士によると、上司の暴言やいじめなどのパワハラを自殺の直接的原因と認め、労災を認定した司法判断は初という。

判決によると、製薬会社「日研化学」(現・興和創薬)の社員だった男性は、02年春に赴任した50代の係長から02年秋以降「お前は会社を食いものにしている、給料泥棒」「お願いだから消えてくれ」「どこへ飛ばされようと、おれはお前が仕事をしないやつだと言いふらしたる」などの暴言をたびたび受けた。上司は相談にも乗ろうとしなかった。男性は02年末ごろからうつ病の症状を見せはじめ03年3月に自殺した。遺書には上司の暴言が記され「自分の欠点ばかり考えてしまい」などと書かれていた。

東京地裁の渡辺弘裁判長は「男性の心理的負担は、通常の上司とのトラブルから想定されるものよりも重い」と指摘し、仕事のせいでうつ病になり自殺した、と認めた。

判決は、上司が部下に「給料泥棒」などと言ってはいけない、ということにつながるのだろうか。「目障りだ」などと言うと即パワハラになってしまうのか。判決では、4つの柱を指摘している。 1番目は、上司の発言内容自体が男性のキャリア・人格を否定するもので過度に厳しく、また「上司」という強い立場から発せられていること。 2番目は、上司の態度には男性への嫌悪の感情があった。男性が上司の発言を指導だと受け止め、負荷を軽減するものだったとは思えないこと。 3番目は、大声で「傍若無人」に話し、男性への「配慮」がなかったこと。 4番目は、会社に対するもの。男性が直行直帰でこの上司とたまにファミリーレストランで話をするという「問題があった場合発見しにくい」状態を放置したという管理体制を問題にした。以上の論点を総合的に判断したという訳だ。

◇「職場全体の問題だと捉えること」が大事

結局、発言内容でパワハラかどうかの線引きはあるのだろうか。J―CASTニュースが原告側の山下敏雄弁護士に話を聞いた。山下弁護士によると、単純にこういう発言はだめ、というマニュアル的発想には意味がない。セクハラについては、防止対策を含めかなり意識が広がっている。しかし、パワハラはまだ理解が進んでいない現状をまず知る必要がある。部下の人格や名誉を傷つける言動は、病気や命の問題につながることも理解が欠かせない。大事なのは「パワハラは個人の問題ではなく職場全体の問題だと捉えること」。今回の判決は、上司がどんな発言をしようと「指導の範囲」、部下がどんなに傷つこうと「個人の資質の弱さ」で片付けてしまいかねない現状に警鐘を鳴らすものだという訳だ。

静岡労基署は「今後の対応については、判決内容を検討し、関係機関とも協議した上で判断したい」としている。同署によると、04年に労災を認めなかった際の理由の1つとしては、心理的負荷の強度を国が定める3段階で評価すると、上司とのトラブルの強度は「中」にあたる「2」と判断していた。判決では、「人生でまれに経験する程度に強度だった」と労基署判断の「甘さ」を指摘した格好だ。

男性が勤めていた会社に対しては、妻が賠償を求める訴訟を起こしていたが、06年に和解が成立している。

●「パワハラ自殺」労災初認定、上司の暴言でうつ病・東京地裁(10月16日 日経)

男性営業マン(当時35)が自殺したのは上司の暴言などパワーハラスメントによるうつ病が原因だとして、男性の妻が静岡労働基準監督署に労災認定するよう求めた訴訟の判決で、東京地裁の渡辺弘裁判長は15日、暴言と男性のうつ病発症や自殺との因果関係を認め、労災の不支給処分を取り消した。パワハラによる自殺に労災を認めた判決は初めてという。

自殺したのは製薬会社の旧日研化学(現興和創薬、東京・中央)の静岡営業所に勤務していた医薬情報担当者(MR)。

渡辺裁判長は上司の暴言の事実を認定したうえで「上司から人格否定の言葉が発せられることの部下の心理的負担は、上司との通常のトラブルより重い」と評価。「係長の言動がうつ病発症と自殺の原因になった」とした。

●中小の相続税8割軽減・非上場株事業承継、雇用維持など条件
 (10月16日 日経)


中小企業の後継者の相続税負担を軽減する「事業承継税制」について、政府・与党が2008年度税制改正で導入を目指す制度拡充案が明らかになった。非上場の同族会社株を相続する場合は、課税価格を8割減額する。従業員の8割以上の雇用維持などを条件にする。後継者難の中小企業の廃業を食い止め、雇用機会の確保と固有技術の継承につなげる狙いだ。

16日に開く政府税制調査会(首相の諮問機関)で資産課税の見直しを取り上げ、事業承継税制の拡充に向けた議論を始める。自民党の津島雄二税制調査会長が中小企業のテコ入れに向けて事業承継税制の拡充に意欲を示しているほか、民主党も政権公約に事業承継の際の税負担軽減を掲げている。政府・与党は年末までに詳細を詰め、来年の通常国会に関連法案を提出する考えだ。

●厚生年金未加入、9万7427事業所に・06年度末、1年で1.5倍
 (10月15日 日経)


厚生年金制度に加入する義務があるにもかかわらず、未加入のまま保険料を支払っていない事業所が2007年3月末時点で9万7427事業所あることが社会保険庁の調査で明らかになった。前年同期より3万3888件増え、1年で約1.5倍になった。従業員が未納分の年金をもらえなくなるだけでなく、公的年金財政の悪化要因となる。

厚生年金と健康保険はすべての法人事業所と従業員5人以上の個人事業所に加入が義務付けられている。企業にも保険料負担が生じるため、負担に耐えられず加入を怠る中小・零細企業が増えている。従業員は将来、保険料の未納分は年金を受け取ることができず、未納期間が長ければ「無年金者」となりかねない。

社保庁は未加入の事業所に対して文書や電話、戸別訪問で説得しており、06年度中に加入に結びついた事業所数は前年度の約2倍の1万883事業所に上ったことも明らかになった。ただ、新たに未加入と判明した事業所が増えたことで、全体数は逆に増加した。

●医師の人材派遣を拡大、民間参入は排除…厚労省方針(10月15日 読売)

深刻化する医師不足に対応するため、厚生労働省は15日、医師ら医療従事者の人材派遣をへき地以外の病院にも拡大する方針を決めた。

同日、労働政策審議会の部会で了承された。ただし、同部会でも民間派遣業者の参入を懸念する声があがったことから、地域医療を担う人材確保に必要と判断された病院に限り、都道府県を通じた派遣を認めることにした。厚労省は今後、政令を改正し、年内にも実現する見通しだ。

労働者派遣法では、医師や看護師ら医療業務の人材派遣は禁止されており、元の病院に在籍したまま、別の病院で勤務することは違反に当たる。ただ、これまでも、産前産後や育児、介護中などで休業している医師の代替要員やへき地の病院に勤務する場合に限り例外として認められていた。今回は、この例外をさらに拡大する。医療機関からの派遣の要請を受け、都道府県に設置された医療対策協議会が必要と認めた場合、都道府県内の主要な医療機関から人材を確保して派遣するという仕組みになる。

これまでの労働政策審議会の部会では、日雇い派遣の急増など派遣を巡る問題が山積する中、労働側の委員から「医療の安全を確保するため、派遣元を医療機関のみに限定して、民間企業参入を認めないようにすることが必要」などという意見が出ていた。そのため、厚労省は、派遣元を医療機関のみに限定する方針だ。

●「ホワイトカラーのキャリア開発支援に関する調査」結果発表
 (10月15日 産労総合研究所)


民間のシンクタンク機関である産労総合研究所(東京都千代田区 http://www.e-sanro.net/sri/index.html )では、このほど「ホワイトカラーのキャリア開発支援に関する調査」を実施し、企業が社員の能力開発やキャリア形成にどのように取り組んでいるのかを調査いたしました。

【 調査結果のポイント 】
1.新規学卒者について、新入社員の配属先希望を把握している企業は74.5%、実際の配属先決定では27.8%の企業が「できるだけ希望部署に配属」と回答。職種別採用を実施している企業35.3%とあわせると約6割の企業で新入社員の配属希望はかなえられる。

2.新入社員が一人前になるまでの期間は「3〜5年」が67.6%と多数派。それまでのローテーション(異動)は、「1回」と「異動しない」で全体の7割を占める。

3.キャリア開発研修を実施している企業は37.6%、研修内容で多いのは「自己理解・自己分析」(85.5%)、「キャリアの棚卸し」(66.7%)、「キャリア開発プランの作成」(59.4%)など。

4.キャリアについて専門家(キャリア・カウンセラーやキャリア・コンサルタント)に相談できる社内体制があるのはわずかに1割の企業。

5.社内公募制度を実施している企業は31.0%、社内FA制度は6.5%。制度導入のメリットは、「社員自らが自立的にキャリア開発を考えるようになる」(82.8%)、「人事配置のミスマッチが減少でき、社員のモラールやモチベーションが高まる」(67.5%)、「優秀な人材の社外流出を抑制できる」(42.4%)など。

詳細(PDF)⇒ http://www.e-sanro.net/sri/ilibrary/pressrelease/press_files/sanro_p071015.pdf