「職場意識改善助成金」新設へ
―残業削減などで総額150万円支給
◆職場意識改善の取組みに助成
働き盛りの30代の過労死が社会問題になっています。この問題に関連し、厚生労働省では、平成20年度から「職場意識改善助成金」を新設する方針を固めました。これまでにも施設設備や制度導入に関しての助成金はありましたが、職場意識改善の取組みが助成の対象となるのは、これが初めてとなります。
◆「職場意識改善助成金」とは?
厚生労働省では、平成20年度の重点施策として、「ワーク・ライフ・バランス」の実現を掲げています。仕事と生活の両立が可能となるよう、企業の取組みに対する支援と社会的気運の醸成に力を入れる方針です。
今回の職場意識改善助成金の新設もその一環です。労働時間を減らしたり、有給休暇の取得促進を行ったりすることを目的として打ち出されました。中小企業が、労働時間等設定改善法に基づいて労働時間の適正化・職場の意識改善などを進めるなど業務管理の改善を行い、かつ、年休取得率60%以上または所定外労働を20%削減するなど一定レベル以上の数値目標を達成した場合、助成金が支給される予定です。
◆支給までの流れ
支給対象となるのは、2年間にわたり労働時間などの設定改善に積極的に取り組む意欲があり、しかも一定の成果が期待できる、常時使用する労働者数300人以下の中小企業です。
この助成金を受けたい企業は、まず、労働時間などの設定改善に向けた取組み計画を作成し、「事業主が講ずべき労働時間等の設定の改善のための措置」に基づき、労働時間等設定改善委員会の設置・開催と、取り組み方針などの内外への公表を行うことが必要です。その後、年度終了時に設定改善指標の確認を行い、向上していた場合には助成金が支給される予定です。
◆助成額
以下の額が支給される予定です。総支給額は、最大150万円となります。
1.1年度目終了後に、設定改善指標が少しでも向上した場合に50万円
2.2年度目終了後に、さらに同指標が向上した場合に50万円
3.2年度目終了時点で、一定の数値目標をクリアしている場合に50万円