企業年金の未払いも明らかに
 
◆企業年金にも多くの未払い
 
国民年金や厚生年金の記録漏れ問題の全容解明も途中だというのに、今度は企業年金の未払いが明らかになりました。転職などによって厚生年金基金を脱退した人の年金資産を引き継いでいる企業年金連合会が、124万人に年金を支給していないことを発表したもので、未支給額は累計1544億円になるといいます。
 
◆加入者を軽んじた企業年金連合の未払い
 
企業の厚生年金基金が解散したり、転職して短期間で加入資格を失ったりしたとき、加入者の年金資産は企業年金連合会に移ります。企業年金連合会は、こうした人の資産をまとめて運用し、各人の加入期間に応じて年金給付しています。現在は、2,400万人の年金記録を管理し、276万人に年金給付を行っています。
 
年金が未払いになっている124万人という数は、この約半数に達します。企業年金連合会は、未支給者がこれだけいる理由について、その大半は支給開始年齢に達したときに支給開始の手続きをとることができないためだと説明しています。
 
◆申請主義に限界?
 
年金を受け取るには、本人が企業年金連合会に請求手続をする必要があります。「申請主義」を補うため、請求手続をとるように加入者が60歳になる直前に通知する仕組みが導入されています。しかし、住所を追跡把握していないため、特に若いころに厚生年金基金を脱退した人には手続きが必要なことを知らせるのが難しいのが現状です。こうした人の多くについては、請求手続が行われないため、年金の支給も開始されません。
 
未受給者の中には、自らの意思で権利を放棄したわけではなく、申請手続の必要性を知らなかったために未受給となっている人も数多く含まれる見通しです。
 
◆今後の対策は?
 
企業年金連合会はフリーダイヤル(電話:0120―458―865)を開設し、100人体制で相談に応じることにしています。また、社会保険庁に対して加入者の住所情報の提供を求め、来春以降、企業年金の中途脱退者などに定期的に年金記録を通知することにしています。
 
企業年金連合会には13兆円の積立金があり、仮に未支給の1,544億円の全額を支払っても、財政への悪影響は限定的です。
 
企業年金連合会はこれまで豊富な運用資産をバックにガバナンスの改革を迫ってきました。日本最大の「モノ言う株主」ですが、顧客に当たる加入者情報の管理強化など、自らのガバナンス見直しも迫られそうです。

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