節税効果縮小へ、中小企業経営者の逓増定期保険                「法人が支払う長期平準定期保険等の保険料の取扱い」についての一部改正(07年12月26日 国税庁)

「法人が支払う長期平準定期保険等の保険料の取扱いについて」の一部改正の概要(07年12月26日 国税庁課税部)


1 改正の背景

逓増定期保険(保険期間中に保険金額が逓増する定期保険をいいます。)は、保険期間の前半において支払う保険料の中に相当多額の前払保険料が含まれていることから、平成8年7月4日付課法2−3「『法人が支払う長期平準定期保険の保険料の取扱いについて』通達の一部改正について」(法令解釈通達)により、その支払保険料の損金算入時期に関する取扱いの適正化を図ったところです。

しかしながら、上記通達の発遣後10年余を経過し、金利水準をはじめとする金融環境の変化や保険会社各社の商品設計の多様化等により、逓増定期保険の保険料に含まれる前払保険料の割合等にも変化が見られることから、その実態に応じて取扱いの見直しを行うものです。

2 改正の概要

昭和62年6月16日付直法2−2「法人が支払う長期平準定期保険等の保険料の取扱いについて」(法令解釈通達)を次のとおり改正します。

(1)対象とする逓増定期保険の範囲

この通達に定める取扱いの対象とする逓増定期保険の範囲について、「保険期間の経過により保険金額が5倍までの範囲で増加する定期保険のうち、その保険期間満了の時における被保険者の年齢が45歳を超えるもの」に改める。

(2)逓増定期保険に係る保険料の損金算入時期

逓増定期保険に係る前払期間、資産計上額等を次のとおり改める。

@ 保険期間満了の時における被保険者の年齢が45歳を超えるもの
(A又はBに該当するものを除く。)
〔前払期間〕   保険期間の開始の時から当該保険期間の60%に相当する期間
〔資産計上額〕 支払保険料の2分の1に相当する金額

A 保険期間満了の時における被保険者の年齢が70歳を超え、かつ、当該保険に加入した時における被保険者の年齢に保険期間の2倍に相当する数を加えた数が95を超えるもの(Bに該当するものを除く。)
〔前払期間〕   同上
〔資産計上額〕 支払保険料の3分の2に相当する金額

B 保険期間満了の時における被保険者の年齢が80歳を超え、かつ、当該保険に加入した時における被保険者の年齢に保険期間の2倍に相当する数を加えた数が120を超えるもの
〔前払期間〕   同上
〔資産計上額〕 支払保険料の4分の3に相当する金額

(3)改正通達の適用時期

改正後の取扱いは、平成20年2月28日以後の契約に係る逓増定期保険の保険料について適用し同日前の契約に係る逓増定期保険の保険料については、なお従前の例による

国税庁 課税部通達(08年2月28日)

■「法人が支払う長期平準定期保険等の保険料の取扱い
 について」の一部改正

―保険期間中に保険金額が逓増する定期保険の支払保険料の損金算入時期等
について、所要の見直しを行いました。
  
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/hojin/kaisei/080228/01.htm

「法人が支払う長期平準定期保険等の保険料の取扱いについて」の一部改正案に対する意見公募 http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=410190038&OBJCD=100410&GROUP=


新聞報道抜粋

●中小企業の経営者向け定期保険、生保が販売再開(08年3月1日 日経)

生命保険各社は中小企業の経営者らが加入する「逓増(ていぞう)定期保険」の販売を再開する。国税庁が課税方法の見直しを検討していたため昨年3月から販売を停止してきたが、新たな課税方法が決まったのを受けて再開する。従来より節税効果は大幅に縮小するため、節税メリットを強調したこれまでの営業手法は見直しを迫られる。

逓増定期は中小企業の経営者を被保険者に、企業が契約する生命保険。同じ掛け捨て保険料を払い続けるうちに保険金額が次第に増加する。企業は条件によって保険料全額を損金算入して課税所得を圧縮できるため、節税効果をねらって加入する中小企業も多い。国税庁が28日付けで出した通達は保険料全額を損金算入できる条件を大幅に厳しくし、損金算入は保険料の半額にとどまる例が増えそうだ。