人事労務の最新ニュース(08年1月1日〜14日)

●金融大手、パートの正社員化加速・改正法に対応(1月14日 日経)

みずほ銀行や損保ジャパンなど大手金融機関が、パート社員の正社員化に乗り出す。みずほ銀行は、4月に正社員へのステップとなる役職を新設し、2年以内に800人を転換する。パートの一部と正社員との差別待遇を禁じた、改正パートタイム労働法の4月施行に対応。非正社員依存度が高くなっている金融機関が人材政策を変更することは、他業種のパート雇用の見直しや時給水準の上昇にもつながりそうだ。

みずほ銀行が新たに設ける役職は「リーダースタッフ」。女性がほとんどの非正社員をまとめ役であると同時に、正社員転換への準備期間という位置づけ。同スタッフとして1年以上勤務した人を、順次正社員に転換させる。

●08年度税制改正要綱を閣議決定(1月11日 財務省)

政府は11日の閣議で2008年度の税制改正要綱を決定した。教育訓練費が増加した場合の特別税額控除制度については、対象を中小企業に限定。労働費用に占める教育訓練費の割合が0.15%以上の場合、教育訓練費の総額の一定割合(8%〜12%)を税額控除できる制度に改組する。

税制改正の要綱⇒ http://www.mof.go.jp/seifuan20/zei001_a1.htm
税制改正の概要(PDF)⇒ http://www.mof.go.jp/seifuan20/zei002.pdf

●灯油・ガソリン高騰下における企業の燃料手当、マイカー通勤手当の対応状況
 (1月11日 労務行政研究所)


民間調査機関の(財)労務行政研究所(東京都港区 https://www.rosei.or.jp )は、原油価格高騰に伴い灯油、ガソリンなど石油製品価格が値上がりしていることを受けて、燃料手当やマイカー通勤手当を支給している企業における手当等の見直し状況を調査しました。

調査結果によると、燃料手当や寒冷地手当を支給している企業は全体の30.9%(123社中38社)で、そのうち灯油価格の値上がりに対処した企業は13.2%(5社)にとどまっています。対処した企業は、10月から12月にかけて市場価格を参考に手当額のベースとなる基準灯油価格を見直しており、別途、対処のために一時金を追加支給するケースはありませんでした。見直し後の基準灯油価格の設定は、最高93.0円、最低77.0円、平均84.5円となっています。

一方、マイカー通勤手当を支給している企業は全体の90%(120社中108社)。手当を支給している企業で手当額を見直したのは27.8%(30社)となっています。見直した企業は、自社の改定ルールに基づいてガソリン単価を定期的に見直したり、もしくは設定したガソリン単価と市場価格にギャップが生じた際に臨時に見直すことにしているケースが多い。燃料手当、マイカー通勤手当のいずれも、灯油やガソリン価格上昇に伴い、緊急的に見直した企業は少ないことが明らかになりました。

詳細(PDF)⇒ http://www.value-press.com/parts/2076_rs080111.pdf

●厚生年金の未納、強制徴収・悪質企業に圧力、08年度から(1月10日 日経)

厚生労働省は2008年度から厚生年金の保険料を納めない企業への対策を強化する。社会保険庁の職員が企業を個別に訪問し保険料の納付を促すほか、従わない企業には差し押さえなどの強制徴収をする。一連の年金記録漏れ問題では、従業員から保険料を集めながら、社保庁に納めない悪質企業の存在も発覚した。従業員が保険料を納めたのに年金をもらえない「意図せぬ無年金者」を防ぐ狙いがある。

厚生年金は全ての法人事務所と従業員5人以上の個人事業所には加入する義務がある。だが社保庁が把握しているだけでも支払い義務があるのに支払っていない未加入事業所が06年度末で約9万7000ある。05年度末と比べ3万4000あまり増えた。大半が中小企業で、保険料負担を嫌い加入を怠る企業が増えている。

●育児との両立計画策定 義務づける企業、3倍増目指す(1月9日 朝日)

次世代育成支援対策推進法(次世代法)で、仕事と子育ての両立支援に関する行動計画の策定を新たに義務付ける企業の規模について、厚生労働省は9日、「従業員101人以上」とする方針を固めた。現行の「従業員301人以上」の大企業から中小企業に義務づけを拡大する方向で企業規模を検討していた。18日開会の通常国会に同法改正案を提出する。

約1万3000ある大企業は昨年9月末現在、ほぼ100%が行動計画を策定している。しかし、約150万社にのぼる中小企業は、行動計画策定が努力義務のため、策定し終えた企業は約7800社にとどまる。

大企業を含め、策定が義務化される「従業員101人以上」の企業は計約4万社になるという。

政府が少子化対策の重点課題とするワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)を全国的に推進するため、同省は都市部に集中する大企業だけでなく、地方密着の中小企業にも行動計画を策定し、積極的に取り組んでもらうことが不可欠と判断した。

●トヨタ過労死問題 遺族、時間外労働に見合う年金要請(1月9日 朝日)

トヨタ自動車の堤工場(愛知県豊田市)で勤務中に過労死した内野健一さん(当時30)の遺族らが9日、舛添厚生労働相と面会し、内野さんの死を労災と認めた判決に基づき、判決で認定された時間外労働の時間数に見合った遺族年金を支払うよう求めた。豊田労働基準監督署が、判決で否定された短い時間数で計算しているといい、舛添氏は「できるだけ努力したい」と応じた。

内野さんは02年、残業中に急死。豊田労基署は労災と認めなかったが、昨年11月、名古屋地裁が労災と認定、国も控訴しなかった。

だが遺族側によると、豊田労基署は判決後、労災保険から支給される遺族年金の計算にあたり、倒れる直前1カ月の時間外労働を、判決が認めた106時間45分ではなく当初労基署で認定した45時間35分をもとに計算。労基署は「トヨタが106時間45分の残業を認めて残業代を支払わない限り、年金には反映できない」としているという。

●「雇用の現場で変わるもの、変わらないもの」(1月9日 日経Biz-Plus)

雇用の社会では法律よりも現場が先に変化をします。この差を埋めたのが判例法理です。しかし、判例法理はどうしても事後的に形成されます。そして今日では、その時間的なギャップが社会経済的に容認されないほどに変化が急になっています。このため、裁判官の思考を先取りするような感覚が実務では必要となります。

日経Biz-Plus 「法的視点から考える人事現場の問題点」第29回 弁護士 丸尾拓養氏
⇒ http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/jinji/rensai/maruo2.cfm?p=1

●定年後の継続雇用、約6割が希望――待遇など説明不足も(1月9日 日経産業)

労働政策研究・研修機構がまとめた「60歳以降の継続雇用と職業生活に関する調査」によると、定年が60歳で継続雇用制度が設けられている企業の従業員のうち、約6割が、定年後も継続雇用を希望していることが分かった。ただ、労働条件や就業形態などについては定年間近になっても説明を受けていない従業員が半数以上いることもわかった。

継続雇用を希望している従業員は全体の59.2%。待遇については46.4%が現在の年収の最低8割以上を希望しているほか、継続雇用者の賃金水準を全般的に向上させることを「非常に望んでいる」割合が38.7%に達した。

●定年後の継続雇用、約6割が希望――待遇など説明不足も(1月9日 日経産業)

労働政策研究・研修機構がまとめた「60歳以降の継続雇用と職業生活に関する調査」によると、定年が60歳で継続雇用制度が設けられている企業の従業員のうち、約6割が、定年後も継続雇用を希望していることが分かった。ただ、労働条件や就業形態などについては定年間近になっても説明を受けていない従業員が半数以上いることもわかった。

継続雇用を希望している従業員は全体の59.2%。待遇については46.4%が現在の年収の最低8割以上を希望しているほか、継続雇用者の賃金水準を全般的に向上させることを「非常に望んでいる」割合が38.7%に達した。

●企業の納税などネット申請、使いやすく・5省庁、09年メド(1月8日 日経)

経済産業省など5省庁はNTTデータなど民間約10社と組み、企業が納税申告などの公的手続きをインターネットで簡単にできる新システムを開発する。2009年1月をメドに導入し、納税などの専門家がいない中小企業のコスト削減に役立てる。09年度中に50万社の採用を目指す。

公的申請を専門会社に外注することの多い大企業と違い、中小企業は数人がかりで必要な計算をやっていることが多い。経産省は新システムの導入で経理の手間が減り、中小企業の経営効率が高まるとみている。

●団塊世代の人材バンク・パソナ、大阪に新設(1月8日 日経)

人材派遣大手のパソナグループは4月をメドに、定年退職した団塊世代を主な対象とする「高齢者人材バンク」を大阪市に設立する。営業や人事など長年の会社勤務で築いた技能を再活用する狙いで、人手不足に悩む関西の中小企業などにあっせんする。登録者数は5年後に1000人を目指す。関西で軌道に乗れば、首都圏などにも拠点網を広げる。

パソナ連結子会社で、松下電器産業など関西の大手企業も出資している関西雇用創出機構(大阪市)のネットワークを生かし、就業意欲のあるシニア人材を確保する。面接を重ね、営業畑ならどんな商品を扱っていたかなど、登録者の得意分野や能力、性格を把握。人手不足が深刻な中小企業などに、適合する人材を橋渡しする。

●労働安全衛生法施行令の改正政令など公布(1月8日 厚労省)

「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令」が12月14日に公布された。ホルムアルデヒドなどによる労働者の健康障害防止対策を強化するもの。これに伴い「特定化学物質障害予防規則等の一部を改正する省令」や関係告示が12月28日に公布・公示された。これら改正政省令・告示は一部の規定を除き、3月1日から施行・適用される。

特定化学物質障害予防規則等の改正
⇒ http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei17/index.html

●国民年金と厚生年金、2011年から死亡届の提出不要に(1月7日 日経)

社会保険庁は2011年4月から、国民年金と厚生年金の受給者が死亡した時に死亡届を出さずに済むように制度を見直す。住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)を使い、年金受給者の状況を把握して届け出を省略できるようにする。

現在は年金受給者が亡くなった場合、遺族が近くの社会保険事務所などに死亡届を出す必要があるが、届け出を忘れるケースも少なくない。住基ネットは国民1人1人に11ケタの番号を付与して氏名、住所、性別、生年月日の4情報をオンラインで管理しており、国民の99%が登録されている。

●ビルコム、就職活動生向けに社員の仕事を公開(1月7日 日経産業)

企業向けマーケティング支援のビルコム(東京都港区)は米グーグルの電子地図情報サービス「グーグルマップ」を活用して社員の仕事ぶりを公開する新卒採用サイトを開設した。サイトではビルコム社員の仕事内容と、その時の位置情報を見られる。就職活動中の学生が入社後の仕事を具体的にイメージできるようにした。

社員が全地球測位システム(GPS)機能付きの携帯電話から「○○で来期の戦略会議をしました」などコメントを投稿。新卒採用サイト「ビルコムリアルマップ」の地図上に、投稿時の位置情報と内容が表示される。現在5人分を閲覧できる。

●メンタルヘルス対策で会社がもうかる!?(1月7日 日本総合研究所)
⇒ http://www.jri.co.jp/consul/column/data/665-suzuki.html

●「職場の人間関係に関するアンケート調査」結果(1月7日 第一生命研究所)
(PDF)⇒ http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/ldi/news/news0712.pdf

●佐川子会社に事業改善命令へ グッドウィル労働者を違法派遣−厚労省
 (1月7日 時事通信)


佐川急便グループの物流会社が二重派遣を行っていたとして、厚生労働省は7日までに事業改善命令を出す方針を固めた。日雇い派遣大手グッドウィルから派遣された労働者、延べ約1万人をさらに別会社に送り込んで働かせていた。同省は昨年12月19日付で処分予定を通知しており、同社の弁明を待って正式決定する。

今回の違法派遣についてはグッドウィルが先に処分予定の通知を受けているが、派遣先企業が処分対象になるのは珍しい。派遣元だけでなく受け入れ企業にも厳しい姿勢を示すことで、派遣事業の適正化を強く促すのが狙いとみられる。

違法派遣を行っていたのは、佐川グループの持ち株会社SGホールディングス傘下の佐川グローバルロジスティクス(SGL、東京)。同社は2004年11月から昨年8月まで、グッドウィルからの派遣労働者を静岡県内の別会社の倉庫で箱詰め作業などをさせていた。二重派遣は使用者責任があいまいになりやすいなどの理由で禁止されている。

厚労省は先月、SGLの二重派遣を含む違法派遣を行ったとして、グッドウィルに対して全国の事業所を対象に4〜2カ月間の事業停止命令を予告。グッドウィルは8日に弁明書を提出する予定だ。

●有期雇用契約、打ち切り予告義務に・厚労省、3回以上更新で(1月5日 日経)

厚生労働省は雇用期間を定めて働く有期雇用労働者の解雇規制を強化する。企業が3回以上契約を更新した場合、次に契約を更新しないときには契約終了の30日前までの予告を義務付ける。契約が継続されてきた有期雇用の社員が突然職を失うことがないように、雇い止めの際の保護を強める方針だ。

厚労省は労働基準法に基づく「有期労働契約の基準」を改正し、3月から新たな規制を適用する。

■現行「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」
改訂労働基準法の概要 平成16年1月1日施行(平成15年11月 東京労働局)
⇒ http://www.roudoukyoku.go.jp/seido/kijunhou/index.html
改正労働基準法リーフレット(平成15年11月 厚生労働省)
⇒ http://www.mhlw.go.jp/topics/2003/11/tp1111-1.html

●ミニ保険会社急増、昨年末で11社に・ニッチ市場開拓(1月5日 日経)

商品や事業規模に制約がある代わり、保険会社よりも設立が認められやすい少額短期保険業者(ミニ保険会社)が相次いで誕生している。昨年末までに11社が財務局に登録した。地震、ペット、医療など取り扱う保険商品を1〜2種類に絞り込み、独自サービスで大手生損保が手掛けにくいニッチ(すき間)市場を開拓している。消費者が保険に加入する際の選択肢も広がりそうだ。

ミニ保険は昨年11〜12月に6社が登録し、一挙に増えた。今年度内に20〜30社まで増えるとの見方もある。最低資本金が保険会社の100分の1の1000万円で済むなど参入条件が緩やかなためだ。一方で、取り扱う商品には保険金額が1000万円以下など「少額」かつ保険期間が1〜2年以内の「短期」という制限がある。

●松下やキヤノンなど、社員の「心の健康」対策を強化(1月4日 日経)

松下電器産業やキヤノンなど国内の大手企業が社員の「心の健康」対策を強化する。うつ病などによる社員の休職を減らし、会社全体の生産性を上げるのが狙い。部下に対する管理能力向上を目的とした上司の研修を実施したり、復職時に半日勤務など柔軟な勤務体系を運用したりして心の健康維持を図る。

松下電器産業は2008年度から管理職を対象にインターネットを使った教育「eラーニング」を実施する。「心の健康」対策では、部下の業務内容の把握など上司の管理能力向上がポイントになるからだ。詳細は今後詰めるが、まず数百人規模を対象に管理職として知っておくべき知識や対応策を学ばせる方針。

●団塊世代の派遣活用、企業の7割が予定「ない」(1月4日 日経産業)

マンパワー・ジャパン(横浜市)が国内約1000社を対象にした調査で、昨年から大量退職が始まった団塊の世代で定年退職した人を派遣社員として受け入れる可能性について、7割の企業が「ない」と回答していたことが分かった。過半数の企業が継続雇用制度を導入しているとはいえ、シニアの外部人材を活用することには慎重な見方が多いようだ。

団塊の世代を派遣社員として受け入れる可能性について「ある」との回答は16%。17%が「分からない」、67%が「ない」とした。

●零細企業の給与、7年連続で減少・厚労省調べ(1月3日 日経)

零細企業の従業員の給与が7年連続で減少したことが分かった。厚生労働省の調査によると、従業員5人未満の企業に勤める人の基本給と残業代を合わせた月給は19万482円で、前年同月と比べ0.1%の減少となった。

厚生労働省は年に1度零細企業の給与の動向を調べている。今回の調査は2007年7月の給与と、07年のボーナスについて調べた。07年のボーナスは前年比2.2%減の21万4629円で、9年連続で減少した。規模の小さな企業の従業員には景気回復の恩恵は行き渡っていない。