◆ 改正「有期労働契約の基準」 平成20年3月施行 ◆

有期雇用契約 3回以上更新で打ち切り予告義務に
解雇規制が強化

 

労働基準法に基づく「有期労働契約の基準」が改正され、08年(平成20年)3月1日より施行されます。
雇用期間を定めて働く有期雇用労働者の解雇規制が強化され、企業が3回以上契約を更新した場合、次に契約を更新しないときには契約終了の30日前までの予告が義務付けられます
 
有期労働契約を締結する場合には、契約の期間の満了後の更新の有無や判断基準を明示することなどが求められていますが、改正により、雇止めの予告の対象の範囲について新しい基準が追加されました。
 
「契約期間満了の少なくとも30日前までに、
その予告をしなければならない」
とされる、
雇止めの予告対象となる有期労働契約
「有期労働契約が3回以上更新された場合」が追加されました。
(bとcは改正前からのもの)
 
a 有期労働契約が3回以上更新されている場合
b 1年以下の契約期間の労働契約が更新又は反復更新され、当該労働契約を締結した使用者との雇用関係が初回の契約締結時から継続して通算1年を超える場合
c 1年を超える契約期間の労働契約を締結している場合
 
なお、「30日未満の契約期間の労働契約を3回以上更新した場合又は当該労働契約の更新を繰り返して1年を超えた場合の雇止めに関しては、30日前までにその予告をするのが不可能な場合であっても、本条の趣旨に照らし、使用者は、できる限り速やかにその予告をしなければならない。」とされました。
 
今回の改正により、短期間の有期労働契約を繰り返している事業場は、有期労働契約を更新するか否かの判断と有期労働者への通知を、その更新回数と従事する業務内容により、これまで以上に早期に判断することを求められることになります。
 

有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準を定める告示

平成20年3月1日施行

 

(契約締結時の明示事項等)
第1条 使用者は、期間の定めのある労働契約(以下「有期労働契約」という。)の締結に際し、労働者に対して、当該契約の期間の満了後における当該契約に係る更新の有無を明示しなければならない。
2 前項の場合において、使用者が当該契約を更新する場合がある旨明示したときは、使用者は、労働者に対して当該契約を更新する場合又はしない場合の判断の基準を明示しなければならない。
3 使用者は、有期労働契約の締結後に前二項に規定する事項に関して変更する場合には、当該契約を締結した労働者に対して、速やかにその内容を明示しなければならない。
 
(雇止めの予告)
第2条 使用者は、有期労働契約(当該契約を3回以上更新し、又は雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係るものに限り、あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除く。次条第2項において同じ。)を更新しないこととしようとする場合には、少なくとも当該契約の期間の満了する日の30日前までに、その予告をしなければならない。
 
(雇止めの理由の明示)
第3条 前条の場合において、使用者は、労働者が更新しないこととする理由について証明書を請求したときは、遅滞なくこれを交付しなければならない。
2 有期労働契約が更新されなかった場合において、使用者は、労働者が更新しなかった理由について証明書を請求したときは、遅滞なくこれを交付しなければならない。
 
(契約期間についての配慮)
第4条 使用者は、有期労働契約(当該契約を1回以上更新し、かつ、雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係るものに限る。)を更新しようとする場合においては、当該契約の実態及び当該労働者の希望に応じて、契約期間をできる限り長くするよう努めなければならない。

≪平成20年改正のポイント≫

 

第2条の一部に「当該契約を3回以上更新し、又は」の文言を加えた。 これにより、有期労働契約の雇止め予告について、従来の(1)1年を超えて継続勤務している者、と併せて、(2)短期契約を3回以上更新している者、を加え両面から縛りをかけた。 2か月契約、3か月契約のような場合は、1年を超えて継続勤務になる前に、改正による新基準が適用されることとなる。
 
厚生労働省 平成20年1月23日基発第0123005号

≪明示方法の事例≫

 

【更新の有無の明示】
例:「自動的に更新する、更新する場合がある、契約の更新はしない」等を契約内容として明示する。
 
【更新の判断基準の明示】
例:「契約期間満了時の業務量により判断する、労働者の勤務成績・態度により判断する、労働者の能力により判断する、会社の経営状態により判断する、従事している業務の進捗状況により判断する」等の更新あるいは非更新の判断基準を明示することを求めている。
 
【契約を更新しなかった理由の明示】
例:「前回の契約更新時に本契約を更新しないことが合意されていたため、契約締結当初から更新回数の上限を設けており本契約は当該上限に係るものであるため、担当していた業務が終了・中止したため、事業縮小のため、業務を遂行する能力が十分でないと認められるため、職務命令に対する違反行為を行ったこと・無断欠勤をしたこと等勤務不良のため」等の理由を証明書として交付する。

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