●動くデザイン、保護対象に 特許庁、意匠の審査基準見直し(9月20日 日経)
 
特許庁は製品のデザインを保護する意匠の審査基準を見直し、携帯電話の画面などに使われる「動くデザイン」を保護の対象に加える方針だ。動くデザインを操作上の特長に据える機器は多いが、現在の基準では保護されるかどうか必ずしも明確ではない。この分野での競争も激しいため、知的財産としての保護が欠かせないと判断した。
 
有識者でつくる産業構造審議会(経済産業相の諮問機関)・意匠制度小委員会の作業部会で検討し、10月にも審査基準を改定する。特許庁は必要に応じて意匠法の改正も検討する。
 
●どうなる派遣労働:法改正のポイント/下 不正、派遣先にも責任(9月18日 毎日)
 
◇厚労省案「直接雇用」行政が勧告−−社会的に許容される制度目指し
 
派遣労働者を守るため、不正を犯した企業の責任をどう位置づけ、派遣事業をどう透明化するかも労働者派遣法改正の重要なポイントだ。
 
これまでは、例えば偽装請負が告発で発覚しても、厚生労働省は正常な派遣または請負労働の形に戻すなどの指導しかしてこなかった。その結果、違法行為を告発した労働者の雇用は不安定なままで、派遣元は指導や勧告を受けても、派遣先の会社は何の責任も持たなかった。
 
厚労省の案では、意図的な偽装請負や対象業種以外への違法派遣があった場合、従前以上の労働条件で派遣先に直接雇用を勧告するとしている。
 
しかし、労働側は行政の勧告ではなく、違法行為があれば法的に雇用契約があったと見なす「みなし雇用」とするよう求めている。この場合、先述した告発者たちは、法的に派遣先に直接雇用されていたと見なされることになり、社員としての身分も保障される。経営側からは「違法の意図がどこまであったかなどケース・バイ・ケースで措置を考えるべきだ」と主張している。
 
厚労省案では、グループ企業内で派遣する「グループ派遣」もグループ内派遣者数の割合の上限を8割にするとした。グループ派遣の実態調査では、グループ内への派遣が8割以上に上る派遣会社が全体の7割を占めており、見直しを迫られることになる。グループ派遣の放置は、本来正社員として直接雇用されるべき労働者の労働条件を低く抑えるために利用しているとの批判があった。
 
日雇い派遣では、派遣会社が受け取るマージン(派遣料金から労働者賃金を引いた額)が多すぎるとの指摘もある。そこで、派遣会社のマージン率の公開を義務づける。厚労省は「マージンを取りすぎる派遣会社は労働者に選ばれにくくなるのではないか」と狙いを説明する。本来、マージンの中には事業費や教育訓練費用、福利費なども含まれる。だが、教育訓練をほとんど実施せず、会社の利益にしているケースもあるとして、上限規制を求める声も根強い。
 
規制強化が目立つ法改正の中で、緩和が検討されているものもある。常用型派遣への事前面接の解禁だ。
 
派遣での事前面接は、派遣労働者がすでに派遣元に雇用されているのに、派遣先がその採用に関与すれば労働者の雇用を脅かすため禁止されてきた。しかし、厚労省は、雇用の安定した常用型なら、面接の結果採用されなくても影響は少なく、仕事の内容や社風とのミスマッチを防ぐ利点があるとして緩和を提案している。年齢、性別を理由とした差別的取り扱いの禁止を盛り込む予定だ。
 
経済効率を優先する規制緩和の中で拡大し、社会に大きなひずみを残した派遣労働。厚労省の研究会報告が「経済の合理性だけでなく、社会的に許容される制度でなければならない」とした法改正はどのような形で決着するのか。日本の将来を左右する課題の一つだ。【東海林智】
 
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■労働者派遣法改正の経過
1986年 労働者派遣法施行 通訳など専門的な16業務に労働者派遣を認める
1996年 派遣対象業務を研究開発など26業務に拡大
1999年 製造業など一部の業務を除いて、派遣対象業務を原則自由化
2004年 派遣期間の上限を1年から3年に拡大。製造業への派遣(期間は上限1年)も解禁。禁止は建設、港湾運送、警備業務の3業務のみとなる
 
2007年 製造業の派遣期間の上限も1年から3年に拡大
 
◇グループ派遣
大企業などが設立した派遣会社が、労働者のほとんどを同じグループ企業だけに派遣する方法。違法ではないが、脱法性が強いとの指摘がある。
 
●どうなる派遣労働:法改正のポイント/上 日雇い、専門業務に限定
 (9月17日 毎日)
 
厚生労働省の研究会が日雇い派遣の原則禁止を打ち出すなど、86年の施行以来規制緩和が繰り返されてきた労働者派遣法が初めて規制強化へと、かじを切ろうとしている。総選挙も絡み法案の国会提出時期は不透明だが、法改正自体は与野党の共通課題。派遣労働の現状と法改正のポイントを2回に分けて紹介する。【東海林智】
 
◇貧困広がり労災激増…規制緩和から転換
 
約321万人(07年)に及ぶ派遣労働者。派遣法の見直しが急ピッチで進んできた背景には、派遣労働、中でも特に日雇い派遣に見られる不安定、低賃金の労働が「ワーキングプア」(働く貧困層)の温床となっているなどの指摘がある。
 
派遣労働は常用型派遣と登録型派遣に大別される。登録型派遣の一つの日雇い派遣では、20〜30代の若年層が多数を占めることなどから、低収入から結婚できないなど社会に与える影響も出てきている。加えて、データ装備費などの名目で派遣会社が給与から不当な天引きを行ったり、法で禁じられた建設や港湾倉庫などへの派遣などの不正が相次いで発覚した。
 
さらに、規制緩和で派遣可能な業種が製造業も含め原則自由化されたため、派遣労働者のけがなどの労災事故が急増している。
 
厚労省がまとめた、07年の派遣労働者の休業4日以上を要する労災による死傷者は5885人(うち死者36人)と前年比で60%増となった。製造業への派遣が解禁された04年(667人)の約9倍と、派遣労働者数の伸びを上回る形で労災が激増している。
 
原因としては、日雇い派遣に特徴的に見られるように、職場を転々とするため安全教育を十分受けていなかったり、経験が少ないまま危険な作業に従事することが挙げられる。
 
厚労省は研究会の報告をもとに、労働側と使用者、学者など公益代表の3者で構成する審議会で法案化に向けた最終的な審議を進めている。
 
◇原則禁止、「例外」の範囲焦点
 
一番の焦点となっているのは日雇い派遣の原則禁止で、与野党の改正案でも一致している。
 
厚労省のたたき台では、日雇い派遣の労働者を「1日ごと、または30日以内の期間を定めて雇用」と定義し、「危険度が高く安全性が確保できない業務」などへの日雇い派遣を禁止する。具体的には、原則自由化された99年以前に派遣が認められていた通訳など専門26業務を基本に、アナウンサーなど日雇い派遣がほとんどないものや、建築清掃など特別な雇用管理が必要なものなど8業務を除いた18業務=別項参照=のポジティブリストを作って例外とし、それ以外を禁止する。業種は政令で定め、実情に応じて今後見直しも行うという。
 
派遣業種の禁止対象をめぐっては、経営側が「日雇い派遣が禁止されれば人繰りがつかない」として運送業や一般事務なども例外とするよう求めている。しかし、例外が増え続ければ禁止の効果はなくなる。そのため、労働側は登録型派遣自体を原則禁止し、通訳など極めて専門性が高い業種に限定することを求めている。広がる貧困や労災の増加から、労働側として派遣のシステムは看過できない状態だからだ。
 
厚労省案が実現した場合、派遣元と労働者の日雇い契約は禁止されたとしても、派遣先と派遣元の契約は可能なため、実質的に日雇い派遣を禁止できない可能性がある。NPO「派遣労働ネットワーク」代表の中野麻美弁護士は「労働者は派遣元と1カ月の契約を結び、派遣元がさまざまな派遣先と契約すれば、いろんな現場に日々出される。何の意味もない」と批判する。
 
また、経営側から「学生や主婦など日雇い派遣にニーズがあり、規制は働く機会を奪う」との指摘もある。厚労省は、さまざまな仕事を有料で紹介する職業紹介やハローワークを充実することで対応したいとしている。
 
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◇常用型派遣と登録型派遣
 
■常用型派遣
派遣会社に雇用された上で派遣先で働く方法。派遣元に雇われているため、派遣先との契約が切れ、新しい派遣先が決まらない場合でも派遣元から賃金が出るため、雇用は安定している。
 
■登録型派遣
派遣元である派遣会社に登録して、仕事がある時に派遣先を紹介してもらう方法。派遣先との契約が切れ、次の派遣先が決まるまでは賃金がなく、失業状態となるため、常用型派遣に比べて雇用が不安定なのが特徴。最近は派遣先との契約が1カ月や3カ月と短くなる「細切れ契約」の傾向が強く、不安定さが問題となっている。日雇い派遣も登録型派遣の一つ。
 
■日雇い派遣の例外18業務
86年の労働者派遣法施行時に専門的知識を必要とするとし、16業務で派遣労働が認められた。96年10業務が追加されて26業務となった。99年改正で原則自由化されたが、厚労省案では18業務に絞られる見通し。18業務は次の通り。ソフトウエア開発▽機械設計▽事務用機器操作▽通訳・翻訳・速記▽秘書▽ファイリング▽調査▽財務処理▽貿易取引文書作成▽デモンストレーション▽添乗▽案内・受付▽研究開発▽事業体制の企画・立案▽書籍等の製作・編集▽広告デザイン▽OAインストラクション▽セールスエンジニア、金融商品の営業
 
●改正パート労働法施行、48%が処遇見直し 民間調べ(9月17日 日経)
 
民間調査機関の労務行政研究所は17日、改正パートタイム労働法への企業の対応を調べた結果を発表した。パートタイム労働者を雇用する企業で、4月1日の施行に伴って処遇を「見直した」としたのは48.1%だった。
 
見直した企業にその内容を複数回答で尋ねたところ、「正社員への転換を推進する措置を講じた」が55.7%と最多だった。「正社員との職務内容の区分を厳格にした」が35.2%、「賃金、賞与などの処遇変更」が34.1%で続いた。
 
一方、改正法の施行で処遇を「特に見直していない」企業も51.9%あった。同研究所では、もともと改正法の内容を先取りしていた企業があった一方、いまだに対応していない企業もあるとみている。
 
調査は上場企業やそれに準ずる企業を対象に、5月下旬から6月末にかけてアンケート形式で実施。パートタイマーなど非正規雇用の従業員がいる183社の回答を集計した。
 
■改正パートタイム労働法に企業はどう対応したか(9月17日 労務行政研究所
〜法改正を受けてパートタイマーの処遇を見直した企業は半数未満にとどまる〜
 
●63%が裁判員特別休暇制度 経団連会員企業調査で(9月17日 共同通信)
 
日本経団連が一部会員企業を対象に、来年から始まる裁判員裁判に社員らを参加させるための特別休暇制度を導入するかどうかをアンケートしたところ、回答した93社のうち63%が導入する方針を示したことが分かった。日本経団連の御手洗冨士夫会長が17日、保岡興治法相と東京都内のホテルで会談し、調査結果を報告した。
 
アンケートは、日本経団連の中で経済関係の法律を検討する「経済法規委員会」に加入する197社を対象に7月に質問状を送付。8月20日までに届いた回答を集計した。
 
集計によると、63%に当たる59社が「導入済み」か「導入を決定済み」。残る34社もすべてが「導入を検討」とし「導入予定はない」の回答はなかった。
 
また休暇の取り扱いを「有給」とすでに決めたり、その方向で検討しているのは80社(86%)に上った。「無給」は2社(2%)のみで、「未定」は11社(12%)だった。
 
■裁判員休暇制度アンケート集計結果(9月17日 日本経済団体連合会)
 
●過労死:名古屋・スギヤマ薬品に8700万円の賠償命令(9月17日 毎日)
 
勤務先で01年6月、薬剤師の次男(当時24歳)が死亡したのは、長時間労働による過労死が原因だとして、両親がドラッグストア大手「スギヤマ薬品」(名古屋市千種区)に賠償を求めた控訴審判決で、名古屋高裁(西島幸夫裁判長)は17日、1審・名古屋地裁判決(07年10月)に続き、過労死を認めた上で、1審より慰謝料400万円を増額し、約8700万円の支払いを命じた。
 
訴えていたのは、静岡県大井川町の薬品会社経営、杉山正章さん(66)、ふじ江さん(60)夫妻。判決によると、次男貴紀さんは00年4月、同社に入社。愛知県豊田市内の店舗に配属され、01年6月に致死性不整脈で突然死した。1審は貴紀さんの死亡前1カ月の時間外労働を約139時間と認定。過重労働と死亡の因果関係を認め、同社に8300万円の支払いを命じた。
 
同社は「死因はのどに物を詰まらせたことによる窒息死で、時間外労働の時間数の認定も誤り」として控訴していたが、棄却された。
 
貴紀さんの死亡を巡っては、豊田労働基準監督署が04年、慢性疲労に伴う不整脈による心停止と判断して過労死を認定している。【式守克史】
 
●「管理監督者」問題の新しい展開(9月17日 日経BizPlus)
 
厚生労働省は、今月9日、「多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化について」と題する通達をまとめ、労働基準局長から都道府県労働局長に対し発出しました。残業代を支払う法的義務のない「管理監督者」の範囲に関するものです。
 
今年2月に出された大手ファストフード店の店長に関する東京地方裁判所の判決内容と比較すると、管理監督者性をかなり認めやすい基準が示されています。また、企業の工夫次第では管理監督者と認められる余地が出てくるヒントも隠されています。企業は扇動的な一部の報道に惑わされることなく、管理監督者問題に冷静かつ柔軟に対応することが求められています。
 
日経BizPlus 「法的視点から考える人事現場の問題点」第47回 弁護士 丸尾拓養氏
 
●情報産業の管理職・人事担当者の方へ「心の病の闇は深い」
 (9月16日 三菱総合研究所)
 
●人命救助中の労災認める/名古屋地裁判決(9月16日 共同通信)
 
岐阜県大垣市の国道で1998年、トレーラー運転中に交通事故の現場に出くわし、救命作業中に後続の車に追突され死亡した愛知県江南市の男性=当時(33)=に労災が適用されないのは不当として、妻(44)が遺族補償年金などの不支給処分の取り消しを国に求めた訴訟の判決で名古屋地裁(遠藤俊郎裁判官)は16日、労災と認定し不支給処分を取り消した。
 
人命救助中の事故が業務上の災害と認められるかが争点となっていた。遠藤裁判官は判決理由で「事故車の同乗者からの要請を受けての救助行為は、長時間の自動車運転を行う労働者が業務の上で当然なすことが予想される行為」と指摘。「業務遂行中の災害と認めるのが相当」と述べた。
 
訴状によると、男性は98年3月、トレーラー運転中に、軽乗用車が横転した事故現場に遭遇。車内に閉じ込められた女性2人を助け出し、車を移動させようとした。しかし、後続の乗用車が軽乗用車に衝突。男性はこの軽乗用車とトレーラーに挟まれて死亡した。
 
妻は同年9月、半田労働基準監督署(愛知県半田市)に遺族補償年金などの支給を申請したが、「自らの判断で業務を中断したと認められ、業務上の災害とは言えない」と退けられた。愛知労働局への審査請求と厚生労働省の労働保険審査会への再審査請求も棄却されていた。
 
●平成20年度地域別最低賃金改正の答申状況(9月16日 厚生労働省)
―時間額7円から30円(全国加重平均16円)の引上げ―
■大阪府 地域別・産業別 最低賃金改正の答申状況
【地域別最低賃金】
大阪府 731円→748円
【産業別最低賃金】
塗料製造業 837円→840円
一般機械器具製造業、暖房装置・配管工事用附属品、金属線製品製造業、船舶製造・修理業,舶用機関製造業 817円→824円
 
●業務プロセス別に行動評価/ディップ㈱(9月16日 労働)
 
ディップ㈱(東京都港区)は今年3月、若手の早期戦力化、ミドル層の育成・強化をめざす新人事制度を導入した。一般職と管理職で異なる評価体系を整備しており、ともに目標管理制度に基づく業績評価を重視しながら、一般職には職種別のスキル・行動評価を採り入れた。各職種の基本業務を5つのプロセスに区分し、それぞれに等級別のレベルを設定したもので、評価に当たっては各プロセスがどの等級のレベルに相当するかを判定していく。業務姿勢を問うスタンス評価、業績評価と組み合わせ、基本給の昇給に反映している。
 
●嘱託の均衡処遇で新助成金/厚労省(9月16日 労働)
 
厚生労働省は平成21年度、嘱託社員などフルタイム有期契約労働者の処遇や教育訓練を正社員に近付けた中小企業に新たな助成金を支給することを決めた。
フルタイム有期契約労働者を正社員と同一の資格体系に位置付けたうえ、資格給、職務給などの賃金項目のうち1つでも同等に支給した場合に50万円、節目ごとの教育訓練を正社員と同等に受けさせて適用者が3割以上に達した場合に35万円を支給する。今年7月に作成した有期契約労働者の雇用管理改善ガイドラインの普及と均衡処遇を後押しする狙い。

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