人事労務の最新ニュース(08年12月15日〜21日)

●国民年金、保険料月額250円上げ 09年度1万4660円に(12月20日 日経)

厚生労働省は20日、自営業者らが加入する国民年金の保険料について2009年度は月額250円引き上げ、1万4660円とすることを決めた。04年の年金改革で国民年金保険料は毎年4月に月額280円程度を引き上げ、17年度以降に1万6900円で固定する仕組みを導入している。来年度の厚生年金、国民年金の給付額は据え置く見通しだ。

●職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策(12月19日 厚生労働省)

職場におけるメンタルヘルス対策に関する指針等を掲載しています。平成18年4月から施行された面接指導制度については、「過重労働による健康障害防止対策」をご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/index.html

●雇用調整助成金の支給要件を緩和/厚労省(12月19日 労政機構)

厚生労働省は19日、事業活動の縮小を強いられても、休業・教育訓練・出向等を行い労働者の雇用維持に努める事業主への支援措置として、雇用調整助成金の支給要件を緩和すると発表した。また、やむを得ず派遣・有期契約労働者の契約解除や雇止めを行った場合、離職後も引き続き社員寮等の住居を無償で提供するか、その分の費用を負担した事業主を支援するための「離職者住居支援給付金(仮称)」を創設する。

■雇用調整助成金等の拡充及び離職者住居支援給付金の創設(12月19日 厚労省)
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/12/h1219-5.html

■現下の雇用労働情勢を踏まえた取組みについて(12月19日 厚生労働省)

各施策(採用内定取消し対策、住宅確保対策等、雇用保険給付の実施、事業主の方への給付金のご案内、訓練期間中の生活保障給付制度)のご案内
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/naitei/index.html

●障害者雇用促進法改正案が成立(12月19日 労働新聞社)

障害者雇用納付金は、障害者の雇用に伴う経済的負担の調整を図るため、雇用率未達成企業から不足分1人について月額5万円を徴収している。徴収対象は、規模301人以上で、制度創設以来約30年間にわたり、中小企業からの徴収を猶予していた。

改正法(平成21年4月1日施行)では、近年、中小企業の障害者雇用が進んでいないことや、積極的に障害者雇用に取り組んでいる企業との間で経済的不均衡が生じるなどの事情を勘案し、規模101人以上まで徴収対象を拡大した。ただし、一定期間(施行後5年間)は、対象規模を201人以上とする猶予措置を設けている。徴収額も新たに対象となる中小企業については、施行後5年間に限り減額する。当初、不足分1人当たり4万円とする案が出ていたが、経済情勢の変化により再検討する考えだ。

週所定労働20時間以上30時間未満の短時間労働障害者の雇用義務化は、22年7月1日から施行する。雇用義務の基礎となる労働者数に算入すると同時に、雇用している障害者数に加えるとした。障害者雇用率および実雇用率の算定においては0・5カウントとする。

このほか@事業協同組合などを活用した障害者雇用に対する雇用率制度の適用、A特例子会社がない場合であっても企業グループ全体で雇用率を算定する制度の創設などを盛り込んでいる。

改正法成立時に11項目にわたる附帯決議がなされた。短時間労働障害者を雇用義務の対象に追加したことによって、これまでフルタイム労働だった障害者が短時間労働者に移行し、健康保険や厚生年金が非加入になることのないよう、十分な周知・指導の実施を行政側に求めている。

精神障害者を雇用義務の対象とすることについては、可能な限り早期に検討を加えるよう指摘した。併せて、障害者権利条約批准に向けた障害者差別禁止にかかわる法整備も必要としている。

●企業再編で親会社の使用者性否定―中労委
 (12月19日 労働新聞社)


中央労働委員会(菅野和夫会長)は、通信機器製造業の轄lゥ澤電機製作所の組合員が、同社工場の一部営業譲渡など事業再建策に関する団交を親会社である富士通鰍ノ求めていた紛争で、団交応諾を命じた長野県労働委員会の初審命令を全面的に取り消した。初審では、企業再編時における親会社の役割が重視されたのに対し、中労委における再審査では、実際の賃金決定過程などに注目。基本的労働条件に関して「現実的かつ具体的な支配力」はなかったとして、富士通の使用者性を否定している。

●法改正後、「年齢制限明記せず」が76.3%に増加/全求協調べ
 (12月18日 労政機構)


全国求人情報協会は18日、「募集採用における年齢制限禁止」に関する実態調査の結果を発表した。それによると、07年10月に改正雇用対策法が施行され、募集・採用時の年齢制限が禁止となったことについて、8割を超える人事採用担当者が「知っている」と回答。また募集・採用業務で「年齢制限を明記していない」が改正前の55.3%から76.3%に増えている。

全国求人情報協会 「募集採用における年齢制限禁止」に関する実態調査
〜法改正への企業の認知は8割、年齢不問も大幅に増加〜
⇒(PDF) http://www.zenkyukyo.or.jp/pdf/age_release.pdf

●1,234事業所で最低賃金法違反/08年、厚労省まとめ(12月18日 労政機構)

厚生労働省は18日、これまでの監督指導結果などから地域別最低賃金の履行について問題があると考えられる全国約1万9,000事業所に対して、2008年1〜3月と改正最低賃金法が施行された7月の2回に分けて実施した監督指導の結果を発表した。それによると、最低賃金額以上の賃金を支払っていない事業所は1,234事業所で、違反率は6.6%。最低賃金額未満で働いていた労働者数は3,777人で、その割合は1.3%だった。

厚生労働省 平成20年1月〜3月、7月の地域別最低賃金の履行確保に係る監督指導結果
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/12/h1218-2.html

●「今の会社に一生勤めたい」が4年連続で上昇/新入社員意識
 (12月18日 労政機構)


社会経済生産性本部は18日、2008年度の新入社員に入社半年後の意識をたずねた調査結果を発表した。「今の会社に一生勤めたい」とする回答が39.5%と4年連続で上昇。秋に実施する調査では過去最高となった。また、「仕事の手順を細かく決めてほしい」という人が53.9%となり、これまでの調査で最も高い水準となっている。

社会経済生産性本部 2008年度 新入社員 半年間の意識変化調査
http://activity.jpc-sed.or.jp/detail/mdd/activity000895.html

■平成20年版 中小企業の賃金・退職金事情(12月18日 東京都産業労働局)

東京都内の完全失業率は4%台に近づき、正社員でない雇用形態が増える中で、経営者にとって、社会経済情勢や雇用情勢の変化に対応すべく、賃金や労働時間といった処遇をどうすべきかが課題となっております。

本調査は、そうした要望に応えるため、特に資料の少ない従業員10人〜300人未満の都内中小企業に調査対象を限定し、賃金管理をする上での最も基本的な部分である、初任給、平均賃金、実在者賃金、モデル賃金、賞与・諸手当等について調査したものです。「退職金事情」と「労働時間」については隔年で調査していますが、本年は「退職金事情」について調査しました。

東京都 報道発表資料
http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2008/12/60ici600.htm
東京都産業労働局 詳細資料
http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/monthly/koyou/chincho_20/index.html

●厚労省 賃金不払は最賃違反で処分と全国に指示(12月18日 労働新聞)

経営不振などに基づく労働者への賃金不払事件は、これまで労基法第24条違反として司法処分するのが通例だった。同条によると「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」と規定し、労働者と契約した賃金の全額払いを使用者に強制している。同条に違反したときの罰金額の上限は30万円である。

7月に施行した改正最賃法では、まったく賃金を払っていないケースも含め最賃以下の金額を支払っていた場合の罰金額の上限を、2万円から50万円へ大幅に引き上げた。このため、双方競合する最賃法第4条違反と労基法第24条違反の罰金額の高さが逆転、全国統一的に罰金額の高い最賃法違反で司法処分するよう通達した

時間外手当についても同様に、まったく支払っていなかったり、時間当たり賃金が最賃を下回っていた場合は、労基法第37条(割増賃金、罰金額の上限30万円)より罰金額の高い最賃法が適用される可能性がある。

最賃法は、労基法の特別法と位置付けられるため、双方が競合した場合、最賃法の優先適用が原則であり、本来のかたちに戻ったとみることもできる。実際に最近の賃金不払事件では、最賃法違反で司法処分するケースが増加している。

11月に小売業を書類送検(不払総額1475万円)した石川・七尾労働基準監督署は「本件の場合、賃金をまったく支払っていないため、労基法第24条違反も成立するが、同法の罰金額の上限は、最賃法第4条違反の罰金額の上限よりも低いため、最賃法を適用して立件した」と明確に指摘した。

このほか、山口・宇部労基署による飲食店経営者の書類送検(11月、不払総額61万円)、福岡・八女労基署による製造・卸売業(12月、同258万円)の書類送検などで、最賃法を適用している。

厚労省では「賃金不払事件は今後、最賃法違反として責任追及するのが一般的になる」と話している。

●雇用保険見直し案 保険料0・4%下げ(12月18日 労働新聞)

厚生労働省は、雇用保険制度見直しに向けた「たたき台」を明らかにした。雇用期間1年未満で雇止めとなった有期雇用労働者への受給資格付与や雇用保険料率の0・4%引下げなどを打ち出している。非正規労働者への給付拡大では、希望したにもかかわらず雇用期間1年未満で契約更新がなされなかった者に対して特定受給資格者と同様に受給資格が得られるようにするとした。特定受給資格者は、被保険者期間が6カ月あれば受給資格が発生する。

1年以上3年未満で契約更新がなされなかった有期雇用労働者などについては、暫定的に特定受給資格者と同様の所定給付日数に変更する。雇用保険の適用要件は、現在「週所定労働時間20時間以上、1年以上の雇用見込み」とされているが、「1年以上の雇用見込み」を「6カ月以上の雇用見込み」に改めるとしている。雇用失業情勢が悪化するなかで雇用保険料率(現在1・2%)を引き下げることについては慎重であるべきとしたが、特例的に21年度に限って0・4%引き下げる考えだ。弾力条項による引下げ幅を超えることになる。年末までに結論をまとめ、次期通常国会に同法改正案を提出する予定である。

■労基法・労災関係の最新リーフレットを追加しました(12月18日 厚生労働省)

・労災の通院費の支給対象が変更になりました 、他
<労働基準行政関係リーフレット等一覧>
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/index.html

●「熟年離婚」は貧乏をシェアするだけ!?(12月18日 ダイヤモンド・オンライン)
〔池内ひろ美〕⇒ http://diamond.jp/series/ikeuchi/10011/

●民間企業の中途採用意欲が減退/リクルートワークス調査
 (12月17日 労政機構)


リクルートワークス研究所は17日、民間企業の2009年度中途採用の見通しに関する調査結果を発表した。中途採用が「増える」と答えた企業は4.0%にとどまり、「減る」の12.4%を大きく下回った(前年度の見通しは「増える」が11.3%、「減る」が8.0%)。また、今後の景気が想定より下振れした場合、62.1%が中途採用数に影響すると答えている。

リクルート ワークス中途採用見通し調査2009
⇒(PDF) http://www.recruit.jp/library/job/J20081217/docfile.pdf

●ビー・スタイル、ワークシェア型人材派遣を強化(12月17日 日経)

主婦に特化した人材派遣のビー・スタイル(東京・新宿、三原邦彦社長)は産業界で進む派遣社員削減の動きに対応するため、ワークシェア型の人材派遣を強化する。独自に開発した分析ソフトを活用して業務内容を分析。業務の割り振りを変更して1人当たりの業務量を減らすことで、雇用数の維持を提案する。

まずフルタイムで働く派遣社員を対象に15分ほどのアンケートを実施。業務分析ソフト「コンパス」を使って裁量や習熟性の大小で業務を分類し、定型業務などは他の派遣社員などへの分割を提案する。能力の高い派遣社員を削減すると受け入れ企業側の業務効率も落ちる可能性があるため、ワークシェアの需要が高まると判断した。

●リース解除の特約無効 最高裁が判決(12月17日 日経)

リース会社が企業向け業務機器のリース契約に「(リース先が)民事再生手続きを申し立てれば契約解除できる」との特約を盛り込むことの是非が争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第三小法廷(堀籠幸男裁判長)は17日までに、「特約は事業再生を目的とする民事再生手続きの趣旨に反し無効」とする初判断を示した。

その上で特約に基づきリース物件の返還などを求めたリース会社の上告を棄却。特約を無効とした二審・東京高裁判決が確定した。

同種の特約はリース契約に通常盛り込まれているという。今回の判断は民事再生手続きのほか、破産手続きなどで援用される可能性もあり、影響を与えそうだ。

訴えていたのはリース大手「GEフィナンシャルサービス」。調理機器などのリース契約を結んだ居酒屋チェーン「北の家族」(セラヴィリゾートが契約を承継)が民事再生手続きを申し立てたことを理由に、特約に基づいてリース物件の返還などを求めていた。

●中小企業における管理職の職業能力、確保・育成の現状と課題
 (12月15日 日本政策金融公庫


中小企業の管理職に対するアンケートを用いて、管理職の仕事分野と職業能力、経営者の期待に応えられる管理職の確保・育成、中途採用した管理職が短期間で即戦力として活躍できるための条件、さらに管理職による部下育成の現状と課題について分析する。〔政策公庫論集 第1号(2008年11月号)一般公開〕⇒(PDF) http://www.jfc.go.jp/common/pdf/ronbun03.pdf

●派遣会社が元派遣社員に解決金 東芝機械の労働審判で調停
 (12月15日 共同通信)


派遣社員を突然解雇したのは不当として、東芝機械(静岡県沼津市)の相模工場(神奈川県座間市)で勤務していた元派遣社員4人が、東芝機械と派遣会社サン・エンジニアリング(群馬県太田市)に地位確認を求めた労働審判は15日、サン社が元社員側に解決金を支払うことを条件に、横浜地裁で裁判の和解に当たる調停が成立した。

調停の理由や金額など詳しい内容は明らかにされていない。

申立書などによると、4人は東京都や神奈川県に住む40―50代の男性。東芝機械の面接を受けた後、それぞれ2004―07年から働き始めたが、サン社は今年6月、原油高による受注減を理由に7月末での解雇を通告した。

4人は8月、解雇の撤回や復職までの賃金補償などを求め、地裁に労働審判を申し立てていた。