人事労務の最新ニュース(08年1月26日〜31日)

●非正規雇用に正社員への道 江崎グリコ、制度化へ(1月31日 朝日)

江崎グリコは、パートなど非正規職員を正社員として採用する制度を導入する検討を始めた。09年度にも実施する。全国的に雇用不安が広がるなか、正社員への道筋を明確に打ち出し、非正規職員のモチベーションを高める狙いだ。

今後、対象となる非正規職員の条件など、具体策を詰める。能力や経験、意欲などを正社員化の目安とする方向だ。工場勤務、事務系ともに、有能な人材の確保をめざす。

グリコはここ数年、能力の高い非正規職員を、個別に対応して正社員として採用してきた。昨年4月に施行された改正パートタイム労働法などで、待遇格差を是正する流れが出ていることもあり、制度化が必要と判断した。昨年9月現在、単体で1126人の正社員がおり、非正規職員は690人にのぼるという。

他業界でも、昨年夏に下着大手のワコールが販売の契約社員を正社員に採用。雑貨専門大手のロフトが昨春、契約社員とパートを正社員にするなど、正社員化の動きは広がりつつある。(永島学)

●過労死賠償を7割減額/NTT訴訟差し戻し審判決(1月30日 共同通信)

NTT東日本に勤めていた北海道旭川市の奥村喜勝さん=当時(58)=が急性心不全で死亡したのは、リストラの配置転換に伴う長期研修の過労が原因だとして妻(62)らが同社に約7200万円の損害賠償を求めた訴訟の差し戻し審判決で、札幌高裁は30日、NTT東日本に約1660万円の支払いを命じた。

約6600万円の賠償を命じた1、2審判決から約7割減額した。末永進裁判長は判決理由で「研修で疲労回復が不十分になり、持病が悪化したとみられるが、NTT東日本が精神的ストレスを予見、回避することは困難だった」と述べた。

2006年の2審判決は、奥村さんの心臓の持病を理由に過失相殺を求めたNTT側の主張を認めなかったが、最高裁は昨年、「過重労働と持病はともに死因で、全損害をNTT側に負わせるのは不公平」として2審判決を破棄、審理を差し戻していた。

判決によると、奥村さんは1993年、健康診断で心臓病と指摘され手術を受けた。宿泊を伴う出張はできないとされたが、リストラ計画による配置転換を前提に2002年4月から約2カ月間、宿泊研修を受け、帰宅した6月に死亡した。

●雇用維持の助成金利用希望が急増 12月、15倍の13万人分
 (1月30日 共同通信)


企業の雇用維持を支援する「雇用調整助成金」の利用希望が急増し、昨年12月の対象労働者数が前月の約15倍となる約13万3000人に上ったことが30日、厚生労働省の調査で分かった。

不況の深刻化で生産量が急減し製造業を中心に深刻な「人余り」に陥っている中、昨年末ごろから休業日設定などで対応する企業が相次いだ。昨年12月から厚労省が実施した中小企業への助成率引き上げや支給上限日数の拡大も後押ししたとみられる。増加傾向は今後も続きそうだ。

同省によると、助成金申請の前提となる休業等実施計画を提出し、受理された事業所数は、昨年11月の199から同12月に1795に急増。対象労働者数も8873人から12月は13万3321人と大幅に増えた。

このうち中小企業が1710事業所で、対象者は10万776人。一方、大企業は85事業所で、対象者は3万2545人だった。業種別の統計はないが自動車関連企業の申請が多いようだ。

都道府県別では自動車関連企業が多い愛知県が最も対象労働者が多く、9424人。福島県が9183人、長野県が8144人と続いた。

●09年度年金支給額は据え置き 国民年金は月6万6千円(1月30日 共同通信

厚生労働省は30日、2009年度の年金支給額を、08年度と同額に据え置くと発表した。

保険料を40年間納めた場合の支給額は、国民年金が1人分で月6万6008円。厚生年金は、夫が標準的な給与で妻が専業主婦のモデル世帯で月23万2592円。

年金額は原則として、物価と賃金の変動により改定。今回は参考となる物価と賃金がともにプラスで、給付額も連動して増えるはずだが、過去の物価下落時に給付額を下げなかった分と相殺されて額は増えない。

08年平均の全国消費者物価指数は前年比1・4%、05−07年度の賃金の伸びは0・9%と、ともにプラス。賃金の伸びが物価を下回るため賃金で改定を判断した。

2000−02年度の3年間では、物価がマイナス1・7%と下落して給付額が下がるはずだったが、実際には据え置かれた。

●国庫負担引き上げ閣議決定 基礎年金、2分の1に(1月30日 共同通信)

政府は30日、4月から基礎年金の国庫負担割合を現行の3分の1強から2分の1に引き上げるための国民年金法などの改正案を閣議決定した。

引き上げに必要な財源は約2兆5000億円で、2009年度と10年度は財政投融資特別会計の「埋蔵金」などを充てる。消費増税など税制の抜本改革により安定財源を確保でき次第、2分の1を恒久化するが、それまでの間も臨時財源により2分の1を維持する。

低所得で保険料の減免を受けている人は、国庫負担引き上げにより今年4月以降の加入期間については給付額が増える。例えば全額免除では、給付額は全額納付した場合の3分の1だったが、2分の1で計算される。

法案では「基礎年金の最低保障機能の強化などについて検討を進める」との付則も盛り込んだ

■国民年金法等の一部改正について(1月30日 厚生労働省)

老齢基礎年金の額計算に関しては、平成21年度及び平成22年度の全額免除期間の月数を保険料納付済期間の月数の2分の1と評価する等の措置を講ずる。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/171.html

●派遣倒産急増 7割は中小 大手と二極化…体力なく淘汰
 (1月28日 FujiSankei Business i.)


2008年の人材派遣会社の倒産件数が49件にのぼり、景気が拡大基調にあった3年前と比べて3.8倍に急増したことが、民間調査会社の帝国データバンクの調査で28日、明らかになった。昨秋以降は大企業による“派遣切り”の動きが進んでおり、帝国データバンクでは今後も人材派遣会社の倒産は増加する可能性が高いと警戒している。
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200901290011a.nwc

●新健保移行での料率、地域格差緩和へ4案 厚労省が提示(1月28日 日経)

厚生労働省は28日、旧政府管掌健康保険(政管健保)の新組織への移行に伴う保険料負担の激変緩和措置を公表した。新保険料率が現行より高くなる地域の負担を軽減する措置として4案を提示。これによると新料率で最大1.07%に達する地域格差が0.17―0.46%に縮小する。ただ示された案はいずれも現行の料率より低下が見込まれる地域に負担を求める前提で、決着までには難航が必至の情勢だ。

厚労省は今年度内に緩和策をまとめ、9月に新料率に切り替える方針。新料率での保険料支払いは10月から始まる。

旧政管健保は昨年10月に全国健康保険協会(協会けんぽ)に移行。これまで全国一律に標準報酬月額の8.2%を労使で折半していた保険料も、地域の実情に合わせて各都道府県支部ごとに設定する方式に改める。

●日常的な職場トラブルでの初動の重要性(1月28日 日経Biz-Plus)

職場でのトラブルが変化しています。近時は人員削減などで集団的なトラブルが見られるものの、職場における労使トラブルの圧倒的多数は、労働者側が1人である個別労働紛争です。・・・意外なほどに、そこでは会社と当該労働者が当事者関係に立つことはなく、実態は労働者間のトラブルであることが少なくありません。

日経Biz-Plus 「法的視点から考える人事現場の問題点」第56回 弁護士 丸尾拓養氏
http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/jinji/rensai/maruo2.cfm

●第一生命 OG再雇用組織を活用 育児休業 悩みに相談の場
 (1月28日 FujiSankei Business i.)


第一生命保険は、育児休業中の女性社員が、途中退職した女性社員の再雇用支援組織に加入し、育児の悩みや復帰後の不安などについて情報交換できる制度を導入した。休業、退職を問わずにスムーズな職場復帰を促し、全社員の6割を占める女性の活用と長期的な人材確保につなげたい考えだ。
http://www.business-i.jp/news/kinyu-page/news/200901280080a.nwc

●特集―金融危機がもたらす影響と対応(1月28日 労政機構)
ビジネス・レーバー・トレンド 2009年1月号 一般公開
http://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2009/01.htm

●「就職白書2008」(1月27日 リクルート)
2010年卒の採用活動は、厳選採用の兆しあり
⇒(PDF) http://www.recruit.jp/library/job/J20090127/docfile.pdf

●2008年12月アルバイト平均時給(1月27日 インテリジェンス)
求人情報サービス「an」調べ
http://www.inte.co.jp/corporate/library/wage/20090127.html

●ワークシェア導入、賃金制度が壁に 経団連副会長(1月27日 日経)

日本経団連で春季労使交渉を担う大橋洋治副会長(全日本空輸会長)は27日、仕事を分かちあうワークシェアリングについて「日本は昔から年功賃金が主体であり、年齢給、会社での経験が中心な所は働くものに抵抗感がある」と述べ、賃金制度が導入の壁になっているとの認識を示した。

ワークシェアリングは「やっている所は少ない」と指摘。今は自動車や電機などの6社と10自治体での導入にとどまると紹介した。働き手は賃金の減額、企業もある一定の負担、政府は税金負担が必要との認識を示した上で「お互いが負担しあわないといけない」と普及へのポイントを語った。

●社長の年間報酬、平均3,105万円/産労総合研究所調査(1月27日 労政機構)

産労総合研究所がこのほど発表した「2008年役員報酬の実態に関する調査」の結果によると、民間企業の社長の年間報酬額は平均3,105万円だった。役員の退職慰労金制度がある企業は68.5%で、このうち、同制度の廃止や減額を検討中の企業が24.6%となっている。調査は上場企業1,500社、未上場企業2,000社を対象に実施し、130社から回答を得たもの。
http://www.e-sanro.net/sri/ilibrary/pressrelease/press_files/sanro_p090127.pdf

●08年度第ニ次補正予算が成立(1月27日 労政機構)

2008年度第二次補正予算が27日成立した。雇用労働関係では、住宅を喪失した離職者に対する住居・就労支援対策や再就職支援対策などを盛り込んだ「雇用状況の改善のための緊急対策の推進」に4,048億円、「介護従事者の処遇改善と人材確保等」に1,680億円、子育て支援サービスの緊急整備など「出産・子育て支援の拡充」に2,400億円などを計上している。

●第2次補正予算 雇用関連に4048億円を計上(08年1月26日 労働新聞)

雇用調整助成金は、20年度第1次補正予算において、中小企業緊急雇用安定助成金を分離・独立させるなど、支給要件の緩和、支給内容の拡充を実施した。 第2次補正予算では再度改定を図り企業の業績悪化に対応する。

雇用調整助成金の支給要件は従来、最近6カ月の生産量が前年同期比10%以上減少する必要があるとしていたが、改定後は最近3カ月の生産量が直前3カ月または前年同期比で5%以上減少すればよいとした。

助成率は、休業、教育訓練、出向手当などの2分の1から同3分の2に支給限度日数を3年200日から同300日にそれぞれ引き上げる。 併せて、制度利用後1年経過しないと再利用できない「クーリング期間」を廃止した。

対象労働者は、6カ月以上の雇用保険被保険者期間が必要だったが、同6カ月未満の者または6カ月以上雇用されている雇用保険被保険者以外の者を追加

また、新たに時間単位での休業を支給対象としている。

中小企業緊急雇用安定助成金においても、支給要件緩和、支給限度日数の引上げ、クーリング期間の廃止など、雇用調整助成金と同様の改定を実施した。

派遣労働者の雇用維持対策としては、新たに企業向け奨励金を創設した。

受け入れている派遣労働者を直接雇い入れる派遣先企業に対し、1人当たり100万円(中小企業)を支給。ただし、有期で雇い入れると50万円に減額する。 大企業の場合は、それぞれ半額とする。厚労省では、これにより派遣労働者の直接雇用を「強力に推進する」と指摘している。

内定取消対策の強化では、内定を取り消された就職未決定者を正規雇用として採用した中小企業に1人当たり100万円(大企業50万円)を特例的に支給するとともに、企業名公表などを含めた行政指導を徹底する。企業名公表は、職業安定法施行規則の改正によって該当する内定取消しを実施した企業が対象となる(21年1月19日施行)。

このほか派遣労働者、契約社員などの解雇・雇止めに伴って、社員寮の退去を余儀なくされた者に対しては、家賃補助上限36万円、住宅入居初期費用上限50万円、生活・就職活動費上限100万円を貸与する。離職後も社員寮を引き続き無料で貸与する企業には、1人当たり4万〜6万円を最大6カ月助成する。

■厚生労働省 平成20年度厚生労働省第2次補正予算案の概要
⇒(PDF) http://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/08hosei/dl/02index01.pdf

●特集:職業能力評価と労働市場(1月26日 労働政策研究・研修機構)
http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2008/08/index.htm

●「内々定取り消しは違法」 大学生が労働審判申し立て 福岡(1月26日 産経)

採用の内々定を取り消したのは労働契約の一方的解約で違法だとして、福岡県内の大学4年の男子学生が、福岡市内の不動産会社に約370万円の損害賠償を求める労働審判を26日、福岡地裁に申し立てた。

申立書によると、学生は昨年7月、不動産会社から内々定通知を受けたが、内定式を控えた9月30日、「サブプライムローン問題や原油高騰などの複合的要因」を理由に内々定を取り消すとの書面が届いた。

電話で問い合わせたが会社側は「書面に書いたとおり」と回答。学生側は「労働契約は内々定通知を受けた段階で成立している。会社側は重大な不利益を与えておきながら不誠実な対応に終始した」と主張している。学生の代理人光永享央弁護士は「ほとんどの学生が泣き寝入りしている状況だが、労働審判を利用して声を上げることが可能だと知ってほしい」。

●内定取り消し「やむを得ない」7割、悪質なケースの公表は支持(1月26日 産経)
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090122/biz0901221753012-n1.htm