人事労務の最新ニュース(09年2月9日〜15日)

●製造業務の労働者派遣事業は禁止されるべきか(2月13日 労働調査会)

メーカーによる派遣切りが多発する中、製造業務の労働者派遣事業は禁止すべきではないかという議論が浮上している。この構想の前提として想定されているのは、現在の製造業で活用する労働力は、正社員と期間工、それに派遣労働者であり、派遣労働者の就業を禁止すれば、正社員と期間工によって構成されることになるのではないかというものではなかろうか。このような想定は、請負事業、いわゆる社外工の存在を認識していないのではなかろうか。そして、つい先ごろまで偽装請負問題という社会問題が発生していたという現実を無視したものではなかろうか。

偽装請負に該当しない請負というのは、現在でも労働者派遣法などの規制を受けることなく適法に行うことができるのである。【木村大樹 国際産業労働調査研究センター代表】

労働あ・ら・かると(2009年2月)
http://www.chosakai.co.jp/alacarte/a09-02-2.html

●中小対象は4万円に 障害者雇用納付金・厚労省(2月13日 労働新聞)

厚生労働省は、昨年の臨時国会で成立した改正障害者雇用促進法の運用基準を定めた告示・省令案を明らかにした。

徴収対象を中小企業まで拡大する障害者雇用納付金は、5年間に限り不足分1当たり4万円に減額する。 法定以上の障害者を雇用している中小企業に支給する障害者雇用調整金は、同2万4,000円とした。 新設したグループ企業全体での実雇用率算定制度では、各子会社の実雇用率が最低でも1.2%相当をクリアする必要がある。

●指導票交付への対応アドバイス 全ト協(2月13日 労働新聞)

(社)全日本トラック協会(中西英一郎会長)は、長時間労働者からの申し出がないにもかかわらず、医師の面接指導を実施するよう労働基準監督署から指導されるケースがめだっているとして、会員企業に対応方法を示した。 労働者からの申し出がなければ労働安全衛生法違反には当たらないと労基署に主張した上で、前向きに対応する姿勢を示すのが望ましいとしている。 このほど開催したセミナーで問題となったもので、実際に指導票を交付されたケースを参考にアドバイスした。

●企業年金、積み立て基準弾力化へ=2年連続の運用悪化で−厚労省
 (2月12日 時事通信)


厚生労働省は12日、大幅な株価下落で企業年金の運用が悪化していることから、掛け金の積み立て基準を弾力化する臨時の支援措置の検討を始めた。現在の株価水準が続けば、2008年度の運用利回りは2年連続で10%台のマイナスに低迷するとみられており、今年度末の決算内容を見極めた上で具体的な対策を打ち出す方針だ。

厚生年金基金や確定給付企業年金を持つ企業は、退職した従業員に年金を給付するため掛け金を積み立て、株式や債券などで運用している。ところが株価下落で、多くの厚年基金などの積立金の水準が同省の定める基準を下回るようになった。

こうした場合、企業は追加の掛け金拠出などによる不足分の穴埋めを求められる。ただ、急速な業績悪化で追加支出が難しくなった企業が多く、企業年金を縮小、廃止するなどの後ろ向きの動きが広がる可能性がある。

■労働者派遣法改正案について(2月12日 参議院)
 (PDF) 立法と調査 2009.1 No.289 石堂正宏 厚生労働委員会調査室
http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/books1/20090130/20090130122.pdf

●ワークシェア企業に助成(09年2月12日 読売)

政府・与党は雇用対策として、従業員の労働時間短縮で新たに失業者を雇う形態の「ワークシェアリング」(仕事の分かち合い)を実施する企業に財政支援する方針を固めた。この形態は労使双方の慎重意見で導入が進んでいないが、政府は失業者救済に有効な手段だと判断し、財政支援で導入を促すことにした。

具体的には、時短に伴う賃金の引き下げ分を助成する。これにより、企業は新規雇用を行いながら、実質的に人件費抑制につなげることが可能となる。助成金は、解雇防止のために従業員を休業・出向させた企業に休業手当などを助成する「雇用調整助成金」の適用範囲を拡大して確保する案が有力だ。雇用調整助成金は企業が払う雇用保険の保険料で運営され、資金の残高は2007年度決算で約1兆700億円に上る。適用条件緩和は厚生労働省令の改正で対応でき、法改正は不要で、与党は迅速な対応が可能と見ている。

新たな助成制度導入に際し、新規雇用者の賃金を著しく引き下げ、助成額との差額獲得を狙う悪質な企業が出ることを防ぐため、企業に「ワークシェアリング計画」策定を義務づけ、ハローワークで審査するなどの案も浮上している。 与党は「新雇用対策プロジェクトチーム」(座長=川崎二郎・元厚労相)で、政府側と詳細な制度設計を詰める。

ワークシェアリングに関しては、労働組合側に「正社員の賃下げになる」との意見があり、経営側も「労働管理が煩雑になる」などと、二の足を踏む傾向が見られる。

導入企業への財政支援としては、02年度から04年度までの時限措置で、「緊急雇用創出特別奨励金」を設けた例があるが、「半年以内に社員を解雇していない」などと条件が厳しく、3年で4件の適用しかなかった。このため、今回は条件を緩める方向だ。

【ワークシェアリング】
〈1〉従業員1人あたりの労働時間を減らし、企業内の雇用を維持する「緊急避難型」
〈2〉失業者を新たに雇うために国や企業単位で労働時間を短縮する「雇用創出型」
〈3〉育児中の人や高齢者のための半日勤務など、様々な短時間労働を設けて雇用を増やす
「多様就業対応型」――などがある。
緊急避難型は人件費抑制策だとして批判する立場から、欧州などで見られる雇用創出型が本来の定義だとする意見もある。厚労省は「緊急避難型」に雇用調整助成金を適用しており、今月から条件も緩和した。今回、政府・与党が支援する方針を固めたのは「雇用創出型」。

●平成21年度の中小企業・地域商業に関する税制改正(2月12日 南都経済センター)
⇒(PDF) http://www.nantoeri.or.jp/pdf/c004/0902topix.pdf
センター月報2009年2月号⇒ http://www.nantoeri.or.jp/geppou/saisin.html

●「1つの労働判例をどこまで普遍化できるか」(2月12日 日経Biz-Plus)

労働法を理解するためには数多くの労働判例を知る必要があるように言われます。労働法の教科書には、たくさんの労働判例が羅列されています。しかし、裁判官は、他の事件でも参考となるつもりで、その判決書を作成したのでしょうか。

日経Biz-Plus 「法的視点から考える人事現場の問題点」第57回 弁護士 丸尾拓養氏
http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/jinji/rensai/maruo2.cfm

●まさかうちの会社が…倒産完全対策マニュアル(2月12日 Tech総研)
―本特集では会社倒産にまつわるリスクを回避するためのさまざまな方策を紹介する。
http://rikunabi-next.yahoo.co.jp/tech/docs/ct_s03600.jsp?p=001440

●パート・アルバイトの働き方に関する調査を発表(2月12日 アイデム)
 最も早く辞めてしまった職場の勤続期間〜3ヶ月未満が45.5%、3日以内では14.9%

○ 勤続についての考え
〜「同じ会社にできるだけ長く勤めたい」が57.6%
○ 最も早く辞めてしまった職場の退職理由
〜「職場の人間関係に問題があったから」が最も多く26.2%
○ 最も早く辞めてしまった職場を退職した際に本当の退職理由を伝えたか
〜半数近くが「本当の理由を伝えなかった」と回答
○ 上司との人間関係における問題点
〜「業務に関する指示・命令が明確でない」が、最も多く36.3%
○ 同僚との人間関係における問題点
〜41.2%が「自分勝手・わがままに振る舞う人がいる」と回答
○ 職場での人間関係の問題を相談したことがあるか
〜54.1%が「相談したことはない」と回答
○ 相談したことによって職場での人間関係の問題が改善したか
〜「特に変化はない」が67.0%
○ 現在の勤務先で辞めたいと思った理由
〜35.5%が「職場の人間関係に問題があったから」と回答
○ 現在の勤務先で辞めたいと思わない理由
〜「職場の人間関係が良好だから」が最も多く58.4%〜

平成21年5月末日迄 一般公開中
http://apj.aidem.co.jp/question/investigation/continuous_period.html

●名ばかり「部長」70人、北九州市医療センターに是正勧告(2月12日 読売)

北九州市立医療センターで、「部長」の肩書の医師七十数人が、「権限のない『名ばかり管理職』の状態にある」として、北九州東労働基準監督署が労働基準法に基づき、センターに是正勧告していたことが12日わかった。

同労基署や市によると、同労基署はセンターへの立ち入り調査を1月15日に実施した。医師約110人のうち管理職手当が支払われている「部長」七十数人について、実際には病院経営に関与する権限がないのに、管理職であることから時間外勤務手当が支給されていなかった。うち4人には部下が1人もいなかった。

市は「部長」を行政職の課長級と位置づけ、時間外労働に関して労基法36条に基づき労使間で締結する協定を結んでいない。

同労基署は1月22日付で、時間外勤務手当の支給や労使協定締結などを是正勧告し、今月20日までに改善報告書を出すよう求めている。

市内にはほかに3か所の市立病院があるが、いずれもセンターと同様の状態という。北橋健治市長は12日の定例記者会見で勧告を受け入れ、「(手当などの)関連予算を来年度予算案に盛り込みたい」とすべての市立病院で改善を講じる意向を示した。

●介護中小各社、人材確保に知恵 報酬増額改定が追い風(2月11日 日経)

介護関連の中小各社がサービス向上を目指し、介護スタッフの確保に力を入れている。介護施設に民家を活用することで節約した資金を人件費に振り向けたり、パート従業員の勤務時間に応じてポイントを付与し旅行などを贈呈したりする試みもある。介護報酬は4月の改定で保険制度始まって以来の増額となることが決まり、中小各社の経営環境は改善する見通し。人材獲得に知恵を絞り、事業拡大を狙う。

●日本動産鑑定 評価や処分請け負い 店頭在庫も担保 中小資金支援
 (2月10日 FujiSankei Business i.)


企業が持つ商品在庫や原材料、生産設備などの“動産”をうまく“担保”に使えるよう適正な評価を普及させる中小企業の資金繰り支援の動きが広がっている。NPO法人(特定非営利活動法人)の日本動産鑑定(東京都中央区)は、中小企業の多様な資金調達を後押しするため、従来は難しいとされた店内の陳列棚やバックヤード(陳列前の一時保管庫)の商品在庫も担保にできる新しい手法を考案した。銀行に代わって動産担保の評価や処分も請け負うもので、年内にも提案活動を始める。
http://www.business-i.jp/news/venture-page/news/200902100011a.nwc

●雇用調整助成金、相談体制を拡充 厚労省、申請増で(2月10日 日経)

厚生労働省は休業などを使って雇用を維持した企業に支給する雇用調整助成金(雇調金)の相談体制を拡充する。60人の専門相談員を利用申請などの多い労働局に配置。景気の急速な悪化で、昨年末から急増している雇調金の申請・相談に緊急対応する。迅速に対応する体制を整え、従業員の解雇を防ぎ雇用不安を和らげる狙いだ。

専門相談員として、社会保険労務士や企業の人事担当者だった人材を臨時採用。昨年末に新設した中小企業向け雇調金制度や拡充した制度内容を説明したり、申請書類の書き方を手ほどきしたりする。事業所に出向いて相談に応じることも検討する。

■雇用保険被保険者関係届の遡及確認に係る取扱いについて
 (2月10日 全国社会保険労務士会連合会)


新しく従業員を雇い入れ、雇用保険の被保険者資格を取得する際には、翌月の10日までに雇用保険被保険者資格取得届を所轄の公共職業安定所に提出しなければならないとされています。この提出を怠り、提出期限より6ヶ月以上経過してしまった際には、遅延理由を記載した書面を添付することが必要となりました。これまでは口頭での確認がされていましたが、適正な届出・手続きの推進や不正受給防止の観点から書面での確認へと強化されました。

通知および遅延理由書(様式例)⇒(PDF) http://www.aichi-sr.com/yuuki/koyouhoken.pdf

●オーナー企業の継続的発展の鍵を握る要素は何か(2月9日 みずほ総合研究所
〜みずほ総研アンケート調査を利用した実証分析〜
⇒(PDF) http://www.mizuho-ri.co.jp/research/economics/pdf/argument/mron0902-2.pdf

●転職理由「会社の将来に不安」が1位 リクルート調べ(2月9日 日経)

リクルートが転職者に聞いた意識調査で、勤務先の業績不安などから転職を決めた人が最多だったことが分かった。「急激な経営環境の悪化を受け、倒産懸念など必要に迫られた転職者が増えている」と同社は分析している。

転職サイト「リクナビネクスト」で昨年11月12―26日に実施、609人が回答した。同調査は初めてだが、リクルートの別の調査(2006年)と比較すると、転職の理由として「会社の将来性や方向性への不安」(17.3%)が4位から1位へ浮上。好況期に多い「賃金への不満」は、06年は1位だったが今調査では4位に下がった。

●転職者の動向・意識調査 2008年11月(2月9日 リクルート)
⇒(PDF) http://www.recruit.jp/library/job/J20090209/docfile.pdf

●アスベスト:中皮腫死亡・請負の一人親方、「実態は労働者」認定
 補償2.1倍に増額(2月9日 毎日)


アスベスト(石綿)関連がんの中皮腫で死亡した大阪市淀川区の電気工の男性(当時58歳)の労災認定で、実態は雇われた労働者だったのに請負の一人親方(個人事業主)とみなされた結果、補償額が低額に抑制されていたことが分かった。遺族の不服申し立てに対し大阪労働者災害補償保険審査官は2月、実態は請負でなく直接雇用の労働者だったと認定し補償額は2・1倍に増えた。

石綿の労災認定を巡り、請負が否定されたのが表面化したのは初めて。労災支援団体は「一種の偽装請負」と指摘している。

男性は電気工として働き、71年から石綿関連作業に従事。91年ごろからは、大手ゼネコンなどの2次下請け会社(大阪市淀川区)の専属として働いた。遺族によると、このころから通常は労災保険の対象にならない一人親方とみなされた。男性は02年に中皮腫を発症し、03年に死亡した。

審査官は、報酬は日額で計算され、残業によって時間外割り増し相当額の加算もあり、労働者同様に時間を単位に計算されたと認定。契約も専属で、勤務時間も管理されたと認定した。【大島秀利】

■「中小企業のためのメンタルヘルス対策ガイドブック」(2月9日 東京商工会議所)

このガイドブックでは、従業員が心の病を発症した場合に想定される諸問題について、企業がどう対応すれば良いか、一歩踏み込んだ具体的な解説を行いました。現場の担当者が判断に迷いそうな問題については、Q&A形式で解決策を例示しています。

【ダウンロード】⇒ http://www.tokyo-cci.or.jp/kaito/teigen/2008/210209.html