社会保障協定の効力を持つ相手国が10カ国に(09年7月号)

社会保障協定の効力を持つ相手国が10カ国に

◆保険料の二重払い防止

二国間における公的年金保険料の二重払いなどを防止することを目的とした「社会保障協定」に関して、日本との締結相手国が10カ国になりました。平成12年2月のドイツを皮切りに、英国・韓国・米国・ベルギー・フランス・カナダ・オーストラリア・オランダと協定を結び、今年6月よりチェコが加わりました。

国際間の人的移動の増えた現代では、国民皆保険制度の日本にとって歓迎される協定です。

◆社会保障協定の仕組み

外国に派遣され就労している人は、派遣中でも自国の社会保険制度に継続して加入している場合が多く、自国の制度と外国の制度に対して二重に保険料を支払うことを余儀なくされます。また、日本の公的年金制度に限らず、外国の公的年金制度についても、老齢年金の受給資格の1つとして、制度への一定期間の加入を要求している場合がありますが、外国に短期間派遣され、その期間だけその国の公的年金制度に加入したとしても、老齢年金の受給資格要件としての一定の加入年数を満たすことができない場合が多いため、外国で負担した保険料が掛捨てになります。

社会保障協定は、これらの問題を解決するために相手国と締結する協定であり、「社会保険制度への二重加入の防止」と「年金加入期間の通算」が主な内容です。

◆今後の見通し

海外赴任者の場合、その保険料は企業が負担することが多いため、この協定を結ぶと、一般的には海外進出企業の保険料負担の軽減につながります。

海外に長期滞在する日本人は約74万6,000人と言われ、チェコを含む協定発効先10カ国にその約6割(約43万人)がいます。厚生労働省の試算では、これらの国に進出している日本企業の負担は年間1,000億円程度軽減でき、そのうち米国向けが半分以上を占めるとみられています。

今後も、多くの日本企業が進出しており、社会保障制度の比較的進んでいる国に的を絞って協定を結ぶことで、この先5年程度の間に協定国は20カ国を超えるとみられています。

年金受給は私達の将来にわたって関わりのあるものです。保険料の支払金額は将来の年金額に影響をもたらすものであり、このような協定は大いに歓迎したいものです。

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■社会保険庁:社会保障協定
http://www.sia.go.jp/seido/old-kyotei/index.htm
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