依然として高水準…労災(脳・心疾患および精神障害等)の請求・支給決定状況
◆高い水準が続く脳・心疾患および精神障害等に係る労災の補償状況
平成20年度における脳・心疾患および精神障害等に係る労災の補償状況が発表され、労災の請求件数および支給決定件数とも高い水準で推移していることが明らかになりました。
◆過労死等の事案について
請求件数は889件で、前年に比べ42件(4.5%)減少しています。支給決定件数は377件で、前年に比べ15件(3.8%)減少しています。
業種別では、請求件数、支給決定件数とも運輸業がトップ、ついで卸売・小売業となっています。職種別では、請求件数、支給決定件数とも運輸・通信従事者が最も多くなっています。年齢別では、請求件数は50歳〜59歳がトップ、ついで60歳以上、その次が40歳〜49歳となっていますが、支給決定件数では、60歳以上と40歳〜49歳とでは逆になっています。
「長時間の過重業務」により支給決定された事案として、1カ月平均の時間外労働時間数で見た場合、80時間以上〜100時間未満が最も多くなっています。
◆精神障害の事案について
請求件数は927件で、前年に比べ25件(2.6%)減少しています。決定件数は269件で、前年に比べ1件(0.4%)増加しています。
業種別では、請求件数、支給決定件数とも製造業がトップ、ついで卸売・小売業となっています。職種別では、請求件数は事務従事者が最も多いのですが、支給決定件数は専門的・技術的職業従事者が最も多くなっています。年齢別では、請求件数、支給決定件数とも30歳〜39歳がトップ、ついで40歳〜49歳となっています。
「長時間の過重業務」により支給決定された事案として、1カ月平均の時間外労働時間数で見た場合20時間未満が最も多く、次に100時間以上〜120時間未満となっています。