人事労務の最新ニュース(09年8月24日〜31日) 

●雇用保険 派遣など新たに1000万人(8月31日 FujiSankei Business i)

非正規雇用も含めた全労働者に原則、雇用保険の適用を拡大する。派遣労働者ら約1000万人が新たに失業手当の受給対象になると見込んでいる。

現行は週40時間以上働く人は無条件で加入できるが、週20時間以上40時間未満の派遣労働者らについては「6カ月以上の雇用見込み」が条件だ。これを「31日以上」に短縮し、失業しても実際に6カ月以上働いていれば、一定期間はそれまでの賃金の45〜80%を受給できるようにする。しかし、保険料は労働者だけでなく事業主からも徴収される。6カ月未満の短期労働者の保険料は掛け捨てになってしまう懸念もあり、事業主の負担増は必至だ。

●中小企業対策 法人税減税、効果は未知数(8月31日 FujiSankei Business i)

民主党が、厳しい経営環境にある中小企業の負担軽減の目玉政策と位置付けるのが、法人税減税だ。2009年度の税制改正により、中小企業の年間所得800万円以下の金額に対する法人税率は22%から18%に軽減されたが、民主党はさらに11%まで引き下げる考えだ。他の措置も含めて、減税額は2500億円程度になるとしている。

負担軽減によって狙うのが、従業員の雇用確保・創出や、設備投資の促進だ。ただ、法人減税は利益が出ている企業には恩恵が見込まれるが、赤字経営でそもそも法人税を払っていない中小企業が少なくないのが実情だ。中小企業救済政策がどの程度のメリットをもたらすかは未知数だ。

このほか、政府全体で中小企業対策に取り組む基本方針となる「中小企業憲章」の制定、大企業による不当な値引きやサービス強要など不公正な取引を禁止する「中小企業いじめ防止法」の策定も挙げるが、その効果については具体策次第といえよう。

●育児短時間勤務の義務化―正社員の働き方見直しに
(8月31日 三菱UFJリサーチ&コンサルティング)

・育児短時間勤務の義務化による問題の顕在化 ・企業の取り組み課題3つ
サーチ・ナウ〔平田薫 経済・社会政策部主任研究員〕
http://www.murc.jp/politics_c1/search_now/2009/08/sn_090831.html

●廃止まで2年半となった適格退職年金〜注目される移行支援の拡充と
 新政権発足の影響(8月31日 みずほ総合研究所
 
みずほ政策インサイト(PDF/537KB)
http://www.mizuho-ri.co.jp/research/economics/pdf/policy-insight/MSI090831.pdf

●雇用調整助成金を迅速支給 厚労省、審査効率化促す(8月29日 日経)

厚生労働省は企業が従業員に支払う休業手当の一部を国が補てんする雇用調整助成金の支給事務を迅速にする方針だ。現在は企業が申請してから実際に支給されるまで2カ月以上かかる場合もある。都道府県の間でばらつきのある審査事務を作業効率の優れた方法にそろえることなどによって処理時間を短縮し、早期の支給を目指す。

まず申請件数が多い都道府県の労働局をモデルに選定し、10月以降に実施する。申請から支給までの期間を短くするための具体的な手法は、今後さらに詰める方針。雇調金を活用する企業は原則として1カ月ごとに申請する必要があり、手続きを迅速に進めるよう求める声が出ていた。

●非正規への適用を再度拡大へ―雇用保険見直しで(8月29日 労働新聞社)

厚生労働省は、雇用保険制度の見直しへ向けた検討に着手した。非正規労働者へのさらなる適用拡大やマルチジョブホルダー(複数事業所就労者)の取扱い、65歳以上労働者への適用などが主な検討課題となっている。今年の通常国会までに実施した制度改正で積み残しとなっていた部分である。総選挙後の政権との協議、連携が前提となっているため、結果的にどのような見直しとなるか今のところ不透明だ。

●新型インフル、企業対応「発生後1週間以内」が8割(8月28日 東京経営者協会

東京経営者協会は8月28日、都内の会員企業を対象とした「新型インフルエンザ対策の取組み状況に関するアンケート調査結果」を発表した。新型インフルエンザ対策の開始時期について尋ねたところ、約8割の企業が概ね海外での発生後1週間以内に対策を実施、内容としては「マスクの配布、着用の推奨」(181社、86.6%/複数回答)が最多だった。

「新型インフルエンザ対策の取組み状況」に関するアンケート調査結果の概要(PDF)
http://www.tokyokeikyo.jp/cgi-bin/user/download.cgi?cnt=44&category=research&fileNum=1

●若手社員と上司、悪いのはどっちだ? マネジメントするべき対象は誰なのか
 (8月27日 CAREERzine)

―ゆとり社員で混乱する現場、不慣れな新米マネージャーも混乱の一因―
第8回〔常見陽平〕⇒ http://careerzine.jp/article/detail/753

●「名ばかり」訴訟で和解/マクドナルドと元店長4人(8月26日 共同通信)

日本マクドナルド(東京)の元店長4人が在職中に権限も裁量もない、いわゆる「名ばかり管理職」として扱われ、残業代を支払われなかったのは不当として、同社に未払い残業代など計約1,700万円を求めた訴訟は26日、東京地裁で和解が成立した。

関係者によると、マクドナルド側が一定額の支払いに応じる意向を示したとみられるが、和解条項は非公表。日本マクドナルドは「詳細についてはコメントできない」としている。

原告は東京都内のマクドナルド店舗で店長を務めていた4人。いずれも既に退職しており、退職前の約2年間の未払い残業代などを求めて昨年3月に提訴した。

マクドナルドをめぐっては、今回の訴訟に先立って埼玉県の男性店長が起こした別の訴訟でもことし3月、マクドナルド側が約1,000万円を支払うことを条件に東京高裁で和解が成立している。

●中小企業の会計31問31答(平成21年指針改正対応版)ツール集を掲載
 (8月26日 中小企業庁)


この小冊子では、決算書の基本的な見方や経営への役立て方、さらには、「中小企業の会計ツール集」も分かりやすく示しています。会計は難しいからと敬遠せず、会計をみなさまの武器とするために、この小冊子を活用してみてください。
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/kaikei/kaikei_tool.html

●「感染症による職場の危機にどう対応するのか」(8月26日 日経BizPlus)

新型インフルエンザが流行の兆しを見せているようです。09年5月に話題となったときには弱毒性ということで沈静化しましたが、今後は強毒性のものも視野に入れて対応する必要があるかもしれません。賃金支払いの要否も重要ですが、従業員への感染拡大を防止するための配慮も必要となります

「法的視点から考える人事の現場の問題点」第71回 弁護士 丸尾拓養氏
http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/jinji/rensai/maruo2.cfm

●若年雇用対策、予算を倍増=既卒採用企業に助成−来年度概算要求
 (8月26日 時事通信)


政府の若年雇用対策プロジェクトチームは26日の会合で、来年度予算の概算要求に盛り込む重点策をまとめた。就職していない既卒者を採用した企業への助成金支給制度の創設など計374億円を要求する。同対策の関連予算額としては今年度当初予算のほぼ2倍となる。

来年3月卒業予定の新卒者に対する企業の採用は今春に比べ2割程度の減少が見込まれている。厳しい雇用情勢に対応するため、厚生労働省は未就職の既卒者を採用した大企業に1人当たり25万円、中小企業に50万円を助成する方向だ。

●育休時に禁じる取り扱いを指針に追加明示へ 労政審の分科会(8月26日 日経)

労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)の分科会は26日、前国会で成立した改正育児・介護休業法の制度の詳細について議論を始める。育児休業を取った労働者に対して、事業主がしてはいけないことなどを指針に盛り込む。秋をメドにとりまとめ、来年夏の施行を目指す。育児休業を取りやすい環境を整備して、少子化に歯止めをかけるのが狙いだ。

同法は、3歳未満の子どもを持つ従業員向けに短時間勤務制度の導入を企業へ義務づけたり、育児休業を理由にした解雇など不利益な取り扱いを禁じたりしている。

●介護人材の確保〜賃金だけでは解決しない現場の事情
 (8月25日 ニッセイ基礎研究所

⇒(PDF) http://www.nli-research.co.jp/report/report/2009/09/repo0909-T.pdf

●2009年度新入社員に見るゆとり世代の特徴(8月25日 産業能率大学)
―ゆとり世代の特徴―
○「指示待ち」でミスが怖い
・上司の仕事は「指示を出すこと」 41% ・責任ある仕事は「不安」 70%
○就職先は“中身”より“外見”重視
・企業風土より、所在地、給与、企業規模を優先
○自分自身を伸ばしたい  ○転職は「挫折」 48%
http://www.sanno.ac.jp/research/yutori2009.html

●「第二新卒」の仕事に対する意識調査(8月25日ソフトバンク・ヒューマンキャピタル)
http://www.softbankhc.co.jp/press/release/fy2009/20090825/130000.html

●「産業人メンタルヘルス白書」2009年版(8月24日 日本生産性本部)
http://activity.jpc-sed.or.jp/detail/mhr/activity000933.html

●育休切り防止策9月末から施行 25日閣議決定(8月24日 共同通信)

政府は24日、育児休業の取得を理由に不当解雇される「育休切り」防止に向けた改正育児・介護休業法の一部規定について、施行日を9月30日とすることを決めた。25日の閣議で正式決定する。

施行されるのは(1)厚生労働相の勧告に従わない違反企業名の公表(2)虚偽報告を行った企業に20万円以下の罰金(3)都道府県労働局長による紛争解決の援助―など。

改正法は法案審議の過程で、野党が育休切り防止への取り組みを強めるよう要求。勧告に従わない違反企業名の公表措置を法公布から1年以内としていたが、3カ月以内に前倒し実施することなどを与野党が合意、共同修正の上、成立した。

3歳未満の子どもを持つ従業員を対象にした短時間勤務制度導入などを盛り込んだ改正法全体は、一部を除き、来年6月に施行される予定。

◇育児休業
1992年の育児休業法施行により、育児のために仕事を休む育児休業が男女とも法律上の権利として認められた。2005年4月からスタートした現在の育児・介護休業法では、子どもが最長1歳半になるまで1人につき連続した休みを1回取ることができる。さらに、小学校入学前の子どもが病気になった場合の看護休暇も認められた。

●中小の知財、全国に相談拠点 特許庁が新設、弁理士など紹介(8月23日 日経)

特許庁は知的財産に関する中小企業向けの相談機能を強化するため、全都道府県に新たに拠点を設ける。弁理士など特許の専門家を紹介するほか、出願の方法なども具体的にアドバイスする。複数の機関が各地に中小企業向けの窓口を設置しているが、利用者がどこに相談すべきか判断に迷うことも多いという。地域の特性に合わせた窓口を設置して中小企業を支援する。

中小企業が利用できる知的財産に関する窓口は自治体が運営する知的所有権センターや発明協会などがあるほか、全国の商工会や商工会議所も専門の機関に相談を取り次ぐ役割を担っている。それぞれの機関の役割が異なることもあり、特許庁は案件ごとにふさわしい窓口が分からない企業が利用しやすい拠点が必要と判断した。