政権交代で再び動き出した「派遣法改正」(09年11月号)

政権交代で再び動き出した「派遣法改正」

◆抜本的な改正に向けて

労働者派遣法(以下、「派遣法」)の改正については、自民党政権時から様々な議論がなされてきました。

派遣法に基づく指針が改正され、「派遣切り」を行った企業に対して、残りの契約期間中の休業手当相当額の支払いを求める制度が創設されるなどしましたが、結局は労使の意見がまとまらず、抜本的な派遣法改正には至りませんでした。しかし、このたび民主党が政権を獲得したことにより、再び改正に向けた議論が始まりました。

◆民主党マニフェストの実現なるか

厚生労働省はこのほど、「労働政策審議会」(厚生労働大臣の諮問機関)の分科会を開催し、派遣法の改正に向けた政・労・使による議論をスタートさせました。

民主党・社民党・国民新党は、不安定な雇用をなくすことなどを目的として、「製造業派遣」「登録型派遣」「日雇い派遣」の原則禁止などを主張していますので、それらを実現しようという考えです。また、法律名を「労働者派遣法」から「派遣労働者保護法」に変更することも検討されています。

政府は、年内にも派遣法の改正案をまとめるとしていますが、経営側や派遣業界の反発は必至であり、すんなりと改正が行われるかは微妙な状況といえるでしょう。

◆「間接雇用」から「直接雇用」への動き

雇用形態に関して、最近、派遣労働者などの「間接雇用」を正社員・パート社員・アルバイト社員などの「直接雇用」にシフトする企業が増加傾向にあるようです。

求人広告の企画・発行を行っている企業のアンケート調査(999社が回答)によれば、派遣労働者を雇用している企業(147社)のうち約45%が、「1年前に比べて派遣労働者が減った」と回答しており、約3分の1の企業が「今後さらに派遣社員の比率を下げる予定」と回答しています。

今後の派遣法改正の動向にも注目しつつ、自社において「どのような雇用形態を中心として企業を運営していくべきか」を考えていかなければならない時期に来ていると言えるでしょう。