●年間総実労働時間は2年ぶりに増加し1811時間に(2月16日 労働調査会)
 ―厚労省・平成18年の賃金、労働時間―
 
厚生労働省がまとめた平成18年の賃金、労働時間などに関する調査結果によれば、昨年の年間総実労働時間は1811時間となり、2年ぶりに増加したことが分かった。

これは、同省が実施している「毎月勤労統計調査」(規模5人以上の約3万3000事業所を対象)の平成18年分結果確報によるもの。それによると、平成18年の平均月間総実労働時間は前年比0.5%増の150.9時間で、そのうち所定内労働時間は0.3%増の140.2時間、所定外労働時間は2.6%増の10.7時間となっている。

そして、年間総実労働時間(各月間平均値を12倍して小数点以下第1位を四捨五入)は1811時間となり、過去最少だった前年(1802時間)より9時間増加した。また、規模30人以上は1842時間となり、過去最少だった前年(1829時間)より13時間増加した。

次に、賃金についてみると、平均月間現金給与総額は前年比0.3%増の33万5774円となり、そのうち決まって支給する給与は前年と同水準の27万2614円、所定内給与は0.3%減の25万2809円、所定外給与は2.6%増の1万9805円、賞与など特別に支払われた給与は1.5%増の6万3160円となっている。なお、実質賃金は前年比0.5%減となった。

厚生労働省 毎月勤労統計調査 平成18年分結果確報 2月16日
⇒ http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/18/18fr/mk18r.html
 
●雇用保険の加入条件緩和・厚労省検討(2月16日 日経)
厚生労働省は2007年度から、雇用保険の加入条件を緩和し、非正社員も入りやすくするための検討を始める。現在、雇用保険に加入するためには、同じ職場で週20時間以上働くことが必要。これを複数の職場での労働時間を合算できるようにし、フリーターなども入りやすくする。雇用保険のすそ野を広げ、働く人の安全網を一層、整備する狙いだ。
 
雇用保険は失業時に金銭的補償をするほか、職業訓練の機会を提供する働く人の安全網。失業手当向けの保険料は賃金の1.6%を労使折半で負担している。加入者数は約3600万人(2006年7月時点)に上るが、06年平均の雇用者数5472万人と比較すると、1800万人程度が雇用保険に入っていない計算になる。
 
●厚労省が医療費滞納通知を検討、健保など通じ督促(2月16日 読売)
 
患者が支払わない治療費(未収金)が膨らみ、医療機関の経営を圧迫している問題で、厚生労働省は15日、支払い能力がありながら再三の督促にも応じない悪質な未払い者について、病院側が患者の加入する健康保険の保険者に滞納を通知し、保険者側から支払いを促す制度の導入を検討することを決めた。

企業運営の健康保険組合、国民健康保険の保険者である市町村、中小企業のサラリーマンが加入する政府管掌健康保険の保険者である国が、それぞれ滞納者に支払いを求めていく体制を目指す。

国内の病院の6割以上が加盟する四病院団体協議会(四病協)の調査によると、加盟5570病院の未収金推定総額は、2004年度までの3年間で853億円以上。未払い者の3割は大企業に勤める健保組合の加入者といい、安定した十分な収入があるにもかかわらず、滞納している人も多い。

厚労省は、今回導入する通知制度が特に大企業のサラリーマンに効果があると見ており、企業側に滞納の事実を知られることで、職場での信用低下を恐れる心理を利用して回収につなげる考えだ。

同省はこれまで、「医療契約は患者と医療機関の問題」として、医療機関だけに回収努力を求めてきたが、「これだけ未収金があると放置できない」と判断した。

来月にも、厚労省内に、医療関係者(日本医師会、四病協代表)、健保組合代表、医療契約法の専門家などで構成する未収金問題の検討会を設置。通知制度について、プライバシーでもある個人の受診行為を保険者側に伝えてもいいかなど、個人情報保護法上の問題や、民法上の問題を話し合う。必要ならば法改正も検討する。

また、検討会では、未収金の回収義務が医療機関と保険者のどちらにあるのか、「医師は診療を拒むことができない」とする医師法の義務がどこまで課せられるのかなどについても議論する。
 
●「人材の確保」と「従業員ロイヤリティ」の関係性に関する調査結果
 (2月15日 T&Mシステムズ)
 従業員ロイヤリティを高めることで効率的な人材獲得が可能になる
 
多くの企業が人材を獲得するため、求人広告に多額のコストを費やしております。そのコストと視線を既存の従業員に向け、従業員ロイヤリティを高めることが、効果的な人材獲得と優秀な人材の流出を防止できる最も効果的な方法であるということを強く認識する必要があると言えます。
 
 
●仕事・家庭両立へ女性短時間勤務制度 朝日生命(2月15日 J−CAST)
 
朝日生命は15日、仕事と家庭の両立を支援するために、女性社員の短時間勤務制度を07年4月から導入すると発表した。子供が3歳直後の年度末まで、勤務時間を (1)9:00〜15:00(5時間勤務) (2)9:00〜16:00(6時間勤務) (3)10:00〜17:00(6時間勤務) の3パターンから選択できる。また、女性総合職の採用を拡大し、08年度の総合職採用予定数100人のうち女性を30人以上とする。07年度は70人中17人だった。一般職の正社員採用も10年ぶりに再開する。
 
●パートの厚生年金加入、7割強の企業が反対 日商調査(2月15日 朝日)
 
日本商工会議所は14日、会社員が加入する厚生年金の適用対象をパート労働者にも拡大することについて、72.7%の企業が反対とするアンケート結果を発表した。パートに適用された場合、その負担増分を企業がリストラでパートにしわ寄せしてくる可能性が高いことも、同調査から浮かび上がっている。

調査対象は東京、名古屋、大阪など全国11商工会議所の会員企業のうち、パートを1人以上雇用する1150社で、うち406社が回答した。

適用拡大に反対した企業に理由を聞くと、75.3%が「保険料や事務負担など雇用コストの増加は企業経営を圧迫する」と答えた。また、適用対象が拡大された場合の対応を複数回答で聞くと、「労働時間の短縮」が58.6%、「雇用者数の削減」が41.4%で、「賃金引き下げ」も11.3%に上った。
 
●厚生年金適用でパート労働時間むしろ拡大・厚労省試算(2月15日 日経)
 
厚生労働省は14日、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の特別部会に、パート労働者への厚生年金適用拡大と、就業時間の調整に関する試算を提出した。加入条件を現在の「労働時間週30時間以上」から「週20時間以上」に広げた場合、給与から保険料を差し引かれることによる減収を補うため、パートが労働時間を今より増やす可能性があるとしている。

外食・流通業界などが「適用範囲を広げると、パートが就業時間を20時間未満に調整し、人手不足が生じる」と主張していることに対応した。

試算によると、適用前の労働時間が29時間のパートは、条件が週20時間以上に変わると厚生年金、健康保険、介護保険の保険料を差し引かれるため、手取りは12%減少する。労働時間を19時間に抑えて適用を逃れると、収入は34.5%と大幅に減る。

保険料負担による減収を補うには、33時間まで労働時間を増やす必要がある。このため、むしろパートの就業時間は増える可能性があるとしている。
 
●「偽装請負」追放へ指針、製造向け人材サービス会社が協会(2月15日 日経)
 
技術者派遣大手のメイテックや製造請負の日本エイムなどは15日、メーカーの製造現場での法律を守った業務受託の徹底を目指して「日本エンジニアリングアウトソーシング協会」を設立する。昨年以降、製造現場で実態が派遣にもかかわらず請負契約で働く「偽装請負」が相次いで表面化したのを受け、受託する企業として業界の健全化に取り組む。
 
発起人企業にはアルプス技研や日本テクシード、フルキャストテクノロジーも参加、代表にはメイテックの西本甲介社長が就く。協会内に業界健全化委員会を置き、製造現場で偽装請負にならないようコンプライアンス(法令順守)に基づいたガイドラインを作る。
 
●介護保険で「個別・短時間型」リハビリ 厚労省導入へ(2月14日 朝日)
 
昨年の診療報酬改定で医療機関でのリハビリテーションが原則として最長180日に制限され、リハビリを受けられない人が出ている問題で、厚生労働省はその受け皿として、介護保険を使ってリハビリだけを集中して行う新たな「個別・短時間型」サービスを始める方針を固めた。制限後、厚労省は受け皿に想定していた介護保険との連携がうまくいっていないと認めていたが、実際に介護保険制度を見直すのは初めて。3月中にモデル事業をつくり、09年度の介護報酬改定で導入を目指す。
 
 
●パート賃金差別禁止、対象は4〜5%どまり 厚労相答弁(2月13日 朝日)
 
柳沢厚生労働相は13日の衆院予算委員会で、今国会に提出するパート労働法改正案について、正社員との賃金などでの差別禁止の対象となるのは「(パート)全体の4〜5%」と説明した。同法改正案は、政府が「再チャレンジ支援総合プラン」の柱の一つに打ち出したものだが、差別禁止の対象が極めて限定されていることが明らかになった。
 
●パート労働法、雇用保険法、雇用対策法の改正案、国会提出を閣議決定
 (2月13日 労政機構)
 
政府は9日に雇用保険法、13日に雇用対策法と地域雇用開発促進法、パート労働法の各改正法案の国会提出について閣議決定した。(1)改正雇用保険法案は保険料率の見直し、(2)改正雇用対策法案は募集・採用時の年齢制限禁止の義務化などを規定、(3)改正パート労働法案は事業主の責務として「短時間労働者と通常の労働者との均衡のとれた待遇」を確保すること、などを定めている。
 
法案概要全文
 
●07年度の年金額は据え置き(2月13日 厚労省)
 
厚生労働省はこのほど、2007年度の年金給付額を06年度と同額に据え置くと発表した。06年平均の全国消費者物価指数(生鮮食品を含む総合指数)が前年比プラス0.3%、名目手取り賃金変動率が前年度比0.0%だったことから、法律に基づき名目手取り賃金変動率で改定。07年度の年金額は06年度と同額となる。
 
平成19年度の年金額について⇒
 
●未就学児をもつ専業主婦の再就職意向調査(2月13日 リクルート)
 
専業主婦ママの95%が再就職意向をもっており 理想の再就職のタイミングは小学校入学時。希望は『自分が成長できる仕事』『学期間勤務』

株式会社リクルート(http://www.recruit.jp/index.html) 仕事・人材
⇒ http://www.recruit.jp/library/job/j20070213/docfile.pdf (PDF document 183Kb)
 
●不動産、貴金属商にも拡大 資金洗浄「防止法」決定(2月13日 共同通信)
 
犯罪組織によるマネーロンダリング(資金洗浄)防止を目的に、短期間に高額な現金の出し入れを繰り返す「疑わしい取引」の届け出義務を、従来の金融機関から不動産業者や貴金属商などに拡大する「犯罪収益移転防止法案」が13日、閣議決定された。政府は今国会に法案を提出する。

弁護士、公認会計士、司法書士、行政書士、税理士の5業種については顧客への守秘義務に配慮、届け出義務の対象から外し、顧客の本人確認と取引記録の保存を義務付けるのにとどめた。

新法案によると、届け出義務を課されるのは金融機関、不動産業者、貴金属商、クレジットカード業者、郵便受取代行業(私設私書箱)など38業種で、顧客の本人確認と7年間の取引記録の保存も義務付けられた。

事業者は、取引した財産に犯罪収益の疑いがあったり、取引相手に犯罪収益を隠そうとする疑いがあった場合、監督官庁に届け出、届け出たことを相手に漏らすことを禁じた。
 
●健保組合の裁量拡大、出産一時金の上乗せなど・厚労省(2月12日 日経)
 
厚生労働省は大企業の社員らが加入する健康保険組合について規制を緩和することを決め、全国の組合に通知した。公的な出産育児一時金(35万円)に各健保組合の判断で上乗せできる金額を倍増。財政に余裕がある組合なら、加入者に公的給付とあわせて計70万円の一時金を支給できるようにする。
 
健保組合は厚労省が定める運営指針に基づいて事業を運営しており、給付に様々な制約がある。健保組合の財政状況は格差が大きいため、厚労省は運営指針を見直して各組合の裁量権を広げることにした。財政に余裕がある場合は、少子化対策などを独自に実施できるようにする。
 
●初任給引き上げの動き広がる・機械や精密も(2月11日 日経)
 
産業界で社員の初任給を引き上げる動きが加速している。三菱重工業は今年4月に入社する大卒社員の初任給を7年ぶりに上げ、キヤノンも4年ぶりに増やす。激しい新卒争奪戦や好業績を背景に、処遇改善により優秀な人材を確保する狙い。トヨタ自動車、松下電器産業、イオンなどはすでに昨年上げており、業種を超えて引き上げの動きが広がってきた。
 
総合機械首位の三菱重工は4年制大卒の初任給を2000円上げて20万2000円にする。2位の川崎重工業も8年ぶりに上げ、2000円増の20万2000円に上げる。両社は大学院卒の初任給も1500円増の22万4000円にする。
 
●要介護認定を全面見直しへ 日常活動、認識力など調査(2月10日 共同通信)

厚生労働省は9日までに、介護保険で介護の必要度を判定する要介護認定を全面的に見直す方針を固めた。心身の状態をきめ細かく把握するため、判定に必要な認定調査票に洗濯を1人でできるかといった日常活動や損得の判断力といった認識機能などを問う項目を追加。そのための調査票を試作した。手続きも簡素化する方針だ。

現在の判定では基礎データが古く、市町村間のばらつきも指摘されており、抜本的な見直しが必要と判断。現在40歳以上が支払っている保険料負担年齢を引き下げ、原則65歳以上となっている介護保険のサービスを65歳未満の障害者へ拡大することも視野に、早ければ新認定制度を2009年度から導入したい考えだ。ただ、障害者への介護保険サービス拡大には反対する意見もあり、結論が出るまでには曲折がありそうだ。

現在の要介護認定は、市町村の認定調査員による調査結果をコンピューター処理する1次判定と、それを原案として複数の専門家による市町村の介護認定審査会が行う2次判定の2段階。

調査員は、介護が必要な高齢者宅を訪問して、視力や聴力、手足の運動能力、身体のまひといった82項目からなる調査票を基に、聞き取りを実施している。
 
●パートも仕事に応じ処遇 ヨーカ堂、3月から新制度(2月9日 共同通信)
 
大手スーパー、イトーヨーカ堂は9日、パート従業員を対象に新たな仕事区分に応じ賃金など待遇が決まる人事制度を、3月から導入することを明らかにした。契約社員への登用も初めて制度化、働く環境を整える。景気拡大で人手不足感が強まる中、流通業界にとって従業員の大半を占めるパートの確保は大きな課題。他のスーパーも知恵を絞っており、人材獲得競争は激しくなりそうだ。

ヨーカ堂の新制度は、全従業員の7割以上を占める約3万6000人のパートを、まず仕事や責任の内容に応じて区分する。基本的な業務を行う「レギュラーパートナー」や、接客技能や生鮮加工に優れた「キャリアパートナー」、認定試験に合格し現場での指示や教育をする「リーダーパートナー」の3グループとなる。

3月の導入時でリーダーが950人、キャリアは1500人の見通しで、グループごとに時給改定率や賞与に差がつく仕組み。
 
●違法時間外労働で書類送検 事故死の前月130時間(2月9日 共同通信)
 
仙台労働基準監督署は9日、2005年7月に交通事故で死亡した宮城県七ケ浜町の大型トラックの男性運転手(当時37)に、違法な時間外労働などをさせたとして、労働基準法違反の疑いで仙台市若林区の運送会社「丸中倉庫運輸」と同社の運行管理者(42)を書類送検した。

調べでは、同社と管理者は、労基法に基づく除外事由がないのに、法定の週40時間を超える時間外労働をさせるなどした疑い。男性は同年6月に計129時間半、7月は事故当日の12日まで計50時間の時間外と休日労働をしていた。事故当日までの37日間で休日は1日だけだった。

事故は同7月12日夜発生。福島県南相馬市の国道6号で、男性のトラックが信号待ちをしていた大型トレーラーに追突。計4台が絡む玉突き事故になり、男性が死亡するなど4人が死傷した。現場にブレーキ痕などがないことから、過労で居眠り運転をした可能性もあるという。
 
●フィリピン人看護師・介護士の受け入れ、来年にずれ込み(2月9日 日経)

日本が昨年締結したフィリピンとの経済連携協定(EPA)で決まったフィリピン人看護師と介護士の受け入れが来年にずれ込む見通しとなった。フィリピンの上院が8日に休会し、同国での批准は7月に再開した後になることが決まったためだ。

フィリピン上院はテロ対策法案などの審議を優先。関税撤廃項目に有害廃棄物が含まれていたことへの国内世論の反発もあって、批准審議を5月の議会選挙後に先送りした。上院は経済連携協定を再開後の審議の優先課題と位置づけているが、批准には時間がかかる可能性がある。

協定は昨年9月に締結し、日本は昨年末に国会で承認。今年春からの2年間でフィリピン人看護師と介護士を合わせて1000人を受け入れる準備を進めていた。
 
●会社側の再審査申立てを棄却/マイスターエンジニアリング事件(2月9日 中労委)
 
マイスターエンジニアリングの営業課長が組合員に組合からの脱退を強要したとして救済の申立てがあった事件で、中央労働委員会は9日、会社側から出されていた再審査申立てを棄却した。営業課長の言動は組合脱退を勧奨したものであり、会社の意を体して行われたものだと指摘し、組合に対する支配介入にあたると判断している。
 
 
組合側の再審査申立てを棄却/エクソンモービル事件(2月9日 中労委)
 
エクソンモービル有限会社が平成7年度(1995年度)の一時金について、賃金交渉の未妥結を理由に妥結を拒否し、前年度の基本給を基礎にした一時金の仮払要求も拒否したのは組合への支配介入にあたるなどとして救済の申立てがあった事件で、中央労働委員会は9日、組合側から出されていた最審査申立てを棄却した。会社の行為は組合の弱体化を意図した支配介入に当たるとはいえないとの見方を示した。
 
 
●部下の両立支援制度利用、マネジメントに悩み/日本能率協会調査
 (2月8日 労政機構)
 
日本能率協会は8日、短時間勤務などの育児・介護制度を利用する部下がいる管理職を対象にした「両立支援制度利用者のマネジメントの現状と課題調査」の結果を発表した。制度を利用する部下の配属について、7割が「抵抗感はない」と回答。一方、約6割が「制度の利用者がいることで他のメンバーの仕事の負荷が増えている」「制度利用者への仕事の配分は難しい」と答えるなど、制度利用に伴う部下のマネジメントに悩んでいる。

社団法人 日本能率協会 ニュースリリース全文 2007年2月8日
⇒ http://www.jma.or.jp/bin/jma/release/release.cgi?type=contents_20070208
 
●TBCの個人情報流出、1人最大3万5000円の賠償命令(2月8日 日経)
 
エステティックサロン、TBCグループ(東京・新宿)のホームページに入力した個人情報が流出したとして、男女14人が同社に1人当たり115万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が8日、東京地裁であった。阿部潤裁判長は「情報保護のために安全対策を講じる法的義務を怠り、プライバシーを侵害した」として1人2万2000~3万5000円の支払いを命じた。

個人情報の大量流出を巡る判決で、1人当たりの認容額としては過去最高額という。

判決理由で同裁判長は、流出した情報のうち、原告らが関心を持っていたエステコースの種類などは「氏名、住所などの基本情報と比較して、一般人の感受性を基準にしても、秘匿の必要性は高い」と指摘。

「ファイル交換ソフトなどで情報が流布し、完全な回収は困難。原告らの不安は大きく精神的苦痛は軽視できない」として、迷惑メールなどの2次被害を受けた13人の慰謝料を3万円、残る1人は1万7000円と算定し、1人5000円の弁護士費用を加算した。
 
●阪急百貨店、70歳まで再雇用 大手初、中高年顧客に対応(2月8日 産経)
 
阪急百貨店の新田信昭社長は7日、産経新聞のインタビューに応じ、65歳を上限としている定年(60歳)後の再雇用について、70歳まで引き上げる方針を明らかにした。接客技術に優れた人材を中心に確保し、中高年の顧客向けへの質の高いサービスで売り上げアップにつなげたい考えだ。再雇用年齢を70歳まで引き上げるケースは、「大手企業では初めて」(厚生労働省)という。

阪急百貨店が平成16年10月に導入した再雇用制度は、60歳の誕生日を迎えた社員をいったん退職させたうえで希望者を全員、嘱託社員として再雇用するものだ。

雇用契約は1年更新。昨年12月末時点で計108人がこの制度を活用して各店舗の売り場などで働いている。年収は定年前の7~5割程度に下がるほか、仕事によっては「年金込みで定年前の4割程度」となる場合もあるが、ベテラン販売員には接客に関する高度なノウハウと豊富な商品知識を持つ人材が多い。新田社長は「優秀な社員は再雇用の年齢を70歳まで延長することを考えたい」と語った。

具体的な導入時期は未定だが、現行の再雇用制度の利用者が65歳を迎える21年10月をめどにスタートするとみられる。

ただ、新制度での再雇用の条件は「優良顧客を抱える」といった実績や健康状態に問題のない社員に限られる公算が大きい。70歳まで雇用を延長した際の給与水準をはじめ制度の詳細も今後、論議する見通しだ。

阪急百貨店がこうした人材確保に乗り出す背景には、65歳までの雇用を義務づけた「改正高年齢者雇用安定法」が18年4月に施行されたことに加え、百貨店の顧客の高齢化が進んでいる事情もある。「70歳雇用」の導入で、サービス面で他社との差別化を進めたい考えだ。

雇用延長の形には定年後の再雇用、定年延長といった方法があるが、定年制廃止を打ち出した日本マクドナルドホールディングス(HD)などの例外を除くと、多くの企業が法律に示された65歳を上限としている。

厚労省では「70歳までの雇用延長も議論している」(高齢者雇用対策課)としており、阪急百貨店の取り組みに注目が集まりそうだ。
 
●イオン九州も定年65歳、パート含む全従業員対象(2月8日 読売)
 
イオン九州は7日、パートを含む全従業員1万2000人を対象に、現在60歳までの定年を来年度から65歳に延長すると発表した。イオングループで定年延長するのは3社目。今後の出店攻勢に備え、大量退職する団塊の世代を取り込みたい考えだ。

今回の定年延長で、原則、65歳までは職位や職務が同じなら給与は59歳までと同額となり、昇給もあるという。60歳を迎えた従業員は、希望により特定地域での勤務や、8時間以下の短時間勤務も選択できる。その場合、給与は2~4割程度下がる。初年度は180人が60歳を迎える。

松井博史社長は「今後の成長戦略の中で優秀な人材を確保したい。65歳まで安定して働けるので、従業員のやる気も高まるだろう」と話している。

昨年4月に施行された改正高年齢者雇用安定法は、2013年度に65歳までの雇用を企業に義務づけており、企業は、定年制度の廃止や再雇用、定年延長などで就労機会を確保する必要がある。
 
●残業減らせば100万円、厚労省が中小企業に助成金(2月8日 読売)
 
厚生労働省は新年度、残業時間の削減に取り組む中小企業に100万円を助成する方針を決めた。

経営体力がないために、雇用を増やしたり設備投資をしたりして労働時間を短縮することが難しい中小企業への奨励金と位置づけており、同省は、200社程度の利用を見込んでいる。

対象は従業員100人以下の中小企業。〈1〉従業員に月45時間を超える残業をさせる場合に必要な労使協定の特別条項を廃止し、45時間超の残業自体ができないようにする〈2〉休日労働を削減する〈3〉「ノー残業デー」を設定する――などの計画を盛り込んだ「働き方改革プラン(仮称)」を都道府県労働局に提出した上で、労使協定を改定したことなどを示す資料を2か月以内に出せば、まず助成金の半額が支給される。

1年後には、プランを実行した上で、新たに従業員を雇用することや、業務負担を軽くする設備投資をしていることなどが確認されれば、残りの半額が支払われる。

総務省の2005年の調査によると、30代の男性の4人に1人が週60時間以上働いている。また、日本の男性が育児に費やす時間は世界的にも最低水準にあるとされており、厚労省では、少子化対策を進めるためにも長時間労働の抑制が必要としている。

●人材関連各社、外食・小売りのバイト確保支援(2月8日 日経)

外食・小売業の人手不足に対応し、人材関連各社がアルバイト確保を支援するサービスを強化する。営業販売支援のセレブリックス・ホールディングスは試行期間を設けて企業と人材のミスマッチを防ぐ事業を開始。定着率向上を助ける。コールセンター運営のマスターピース・グループ(東京・港)は賃金の日払い代行を拡充し、雇用の多様化を後押しする。

職を求めている人に対し企業の求人がどのくらいあるかを示す有効求人倍率(季節調整前)は、昨年12月で接客・給仕3.96倍、商品販売1.22倍。全体は1.10倍で、外食・小売業の人手不足が鮮明だ。

パート・アルバイトの働き方に関する調査(2月8日 アイデム)

・厚生年金保険適用拡大後の働き方
~主婦の約2割が「保険に加入しなくてすむように働く時間を減らす」と回答
・働きやすいと感じる職場環境~「勤務時間や勤務日が自分の都合に合わせられる」が68.1%
・働きにくいと感じる職場環境~「評価が賃金に反映されない」が3割
・正社員に比べて賃金が低いことへの納得性~正社員と同じ仕事をしている者ほど「低いことは納得できない」と回答、他全26項目

株式会社 アイデム 人と仕事研究所(http://apj.aidem.co.jp/) 調査全文
⇒ http://workium.aidem.co.jp/enquete/pdf/2007/investigation_part.pdf (PDF 2.55MB)
 
●第3段階の男女雇用機会均等法(2月7日 日経Biz-Plus)
 
1986年の立法時の第1段階では、女性差別をなくすことに重点が置かれ、女性の優遇が認められていました。1999年の第2段階は、募集・採用等に関する努力義務が強行規定・禁止規定とされ、女性の優遇も原則として認められなくなりました。2007年の改正では、男女双方の性差別禁止となりました。

日経Biz-Plus「法的視点から考える人事現場の問題点」第7回 弁護士 丸尾拓養氏
⇒ http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/jinji/rensai/maruo2.cfm
 
●来年度に賃金改善44%―帝国データ調査(2月7日 日経)
 
帝国データバンクが6日発表した「賃金動向に関する企業の意識調査」によると、2007年度にベースアップ(ベア)などで「賃金改善する(見込み含む)」と答えた企業は、前年度比10.6ポイント増の44%となった。改善理由として「労働力の定着・確保」をあげる企業が59.7%と最も多く、企業が人材確保に力を入れる姿が浮き彫りになった。

賃金改善の内容として、ベアをあげた企業が36.5%、賞与(一時金)が25.2%。「両方」と答えた企業は17.7%だった。

TDB景気動向調査:2007年度の賃金動向に関する企業の意識調査
⇒ http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/keiki_w0701.html
 
●残業代割増率、50%に引き上げ…1か月80時間超で(2月7日 読売)
 
政府・与党は6日、今国会での労働法制見直しの柱としている残業代割増率の引き上げに関して、残業時間が月80時間を超える場合の割増率を現行の25%から50%へ引き上げることを決めた。

ただ、従業員300人未満の中小企業については、負担増をさけるため、割増率を3年間据え置き、その後、引き上げるかどうかを検討する。政府は近く、こうした内容を明記した労働基準法改正案を国会に提出する。

安倍首相は6日、首相官邸で中川・自民党、斉藤・公明党の両政調会長や柳沢厚生労働相らと会談し、割増率の内容を決めた。

現行制度では、残業時間の長さに関係なく、割増率は一律25%となっている。

改正案では、残業時間に応じて割増率を3段階に分け、
〈1〉残業時間が月45時間までならば割増率は25%とする
〈2〉45~80時間ならば25%以上とするよう努力する
〈3〉月80時間を超えたら50%とする――と定める。
政府・与党は割増率の引き上げが長時間労働の抑制につながるとしている。

一方、管理職一歩手前の事務職らを1日8時間の労働時間規制から外す「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」制については、労働基準法改正案には盛り込まないことを正式決定した。厚労相の諮問機関の労働政策審議会は同制度について改めて協議する。
 
●メンタルヘルス対策―担当者の本音と現状(2月6日 ライフバランスマネジメント)
 
ライフバランスマネジメント(東京都中野区 http://www.lifebalance.co.jp/)は、自社ホームページ及び企業の人事・労務担当者向けに発行している自社メールマガジンで、メンタルヘルス対策に関するアンケートを実施しました。

調査の結果、メンタルヘルス対策の課題として、約6割の企業が「従業員自身がメンタルヘルスの不調に早めに気づけるような仕組みが整っていない」と回答しており、早期発見・対処を促す仕組みが求められていることが明らかになりました。メンタルヘルス対策についてすでに「取り組んでいる」と回答した企業は約8割に上りました。約2割の未実施企業にその理由を質問したところ、「取り組みたいが多忙で手が回らない」「取り組みたいが人手不足」など、人的資源の制約をあげる回答が多く見られました。

子育て主婦、正社員に・銀行や生保が中途採用拡大(2月6日 日経)

第一生命保険や三菱東京UFJ銀行など大手生保や銀行が、子育て中の専業主婦を正社員として中途採用する動きを強めている。経営環境の好転に伴う人手不足感を背景に、事務や営業の即戦力となる20~30代の主婦層に着目。保育費用の援助や社内託児所の利用を認め、子育てしながら働ける環境を整え、人材確保を狙う。

第一生命保険は今年度、約500人を正社員として中途採用した。その多くを会社勤務の経験がある主婦が占める。事務職を中心に「即戦力として期待できる」(第一生命)からで、2年前と比べ5倍。働きやすさをアピールするため昨秋、月額最大2万円の保育費用の支援制度を導入し、ベビーシッター費用も1日1500円まで補助、毎月の支援額は最高で計約5万円に上る。
 
●年金給付、現役世代の51.6%に/出生率1.26、「基本ケース」で
 (2月6日 労政機構)
 
厚生労働省は6日、「人口の変化等を踏まえた年金財政への影響(暫定試算)」を公表した。2055年の合計特殊出生率が1.26で、最近の好転した経済動向に基づく「基本ケース」の場合、厚生年金の給付水準は現役世代の51.6%になると推計。これを01~02年頃の経済動向をあてはめて計算すると、46.9%と50%を割り込む。

厚生労働省 「人口の変化等を踏まえた年金財政への影響(暫定試算)」
⇒ http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/02/h0206-1.html
 
●JR東海、出産祝い金20倍に 少子化対策と女性社員確保(2月6日 産経)
 
JR東海は5日、社員とその配偶者の出産時に会社が支給する「出産祝い金制度」を平成19年度から改定し、現行の20倍にあたる1子あたり20万円に増額することを決めた。少子化対策として出産を奨励するとともに、子育て支援制度の拡充と併せ、女性の働きやすい職場環境を整備していく。

祝い金は、健保組合が支給する出産一時金(法定額35万円)とは別に会社から支給されるもので、社員または配偶者の出産を対象とする。第1子から支給され、双子以上の場合も出産1人につき20万円ずつ支給する。約2万人の社員を抱えるJR東海では、年間約500人の出産が見込まれるため、祝い金制度の予算を新制度に伴って年約1億円に拡大する。

宿直勤務などの多い鉄道業界の現業部門は、女性の職場進出の割合が低い。同社は「少子高齢化を見据えて女性の労働力は重要。よりよい人材確保に制度拡充を進める」としている。

金銭面の出産支援制度では、大和ハウス工業が第1子から1子あたり祝い金100万円の支給制度を平成17年4月に導入して話題になった。ほかにも、三菱東京UFJ銀行は今年から、託児所費用などを子供1人あたり最大月2万円まで支給する制度を契約社員や嘱託社員などにも拡大するなど、女性の働きやすさを高める施策の導入は産業界に広がっている。

労働市場のタイト化と中小企業の新卒採用戦略(2月6日 中小企業研究センター)

中小企業が大企業と同じ採用活動をしていたのでは大企業にかなうはずもない。大企業との競合を避けるべく、採用活動時期の多様化(柔軟化)や地元志向の強い学生への重点的なアプローチ、自社の組織風土にあった学生(学歴、専門)の採用、特定の学校との関係強化など中小企業ならではの(小回りがきく)取り組みが欠かせない。

社団法人 中小企業研究センター 調査研究レポート
⇒ http://www.chukiken.or.jp/study/report/120.html
 
●厚労省、中小企業の残業削減支援・採用増助言や補助金(2月6日 日経)
 
厚生労働省は中小企業向けに長時間労働是正の支援制度をつくる。法定労働時間を超える残業を可能にしている労使協定の撤廃を促し、従業員の採用増などの残業短縮策を助言したり、補助金を支給したりして後押しする。雇用ルール改革の一環で進める残業代割増率の引き上げが中小経営に与える打撃を軽減するのも狙い。ただ補助金支給には、バラマキ的な中小企業救済策という批判も出そうだ。

新制度は4月から導入する。労働基準法は労働時間の上限を1日8時間・週40時間と定めている。労基法36条に基づいて労使であらかじめ協定(36協定)を結ばないと、上限を超える残業は違法となる。

厚労省は指針で1カ月の残業時間の上限を45時間と決めており、これを超す残業については、事前に超過理由を具体的に明示した特別条項付きの36協定を結ばなければならない。

支援策は従業員100人以下の中小企業を対象にする。「総残業時間を半減」「有給休暇を完全取得」といった労働時間の削減計画を都道府県の労働局に提出し、特別条項付き36協定や36協定自体の撤廃、就業規則の変更などを実施すれば支援を受けられる。

一人の新規採用や生産性を上げるための設備投資など計画を実現する具体策を盛り込むことが条件。労働局の助言・指導の下で1年で目標達成を目指す。計画の着手時と目標達成時それぞれ50万円の補助金を支給する。36協定を結んでいる従業員100人以下の中小企業は約57万3千社ある。

中小企業の長時間労働は、取引先企業からの厳しいコスト削減圧力や短納期発注の強要が温床となっているとの指摘は多い。新制度が効果を上げるには、取引慣行の見直しなども課題となる。

IT人材派遣料、4割上昇・技術者不足で(2月6日 日経)

IT(情報技術)分野の人材派遣料金が前年同期比4割高となるなど、一段と上昇している。企業向けシステムや家電製品に組み込むソフト開発の需要が拡大し、技術者不足が深刻化しているためだ。人材派遣各社は需要増に対応し、新しい働き手を確保するため、未経験者に研修を受けさせるなどの人材育成策にも取り組んでいる。

スタッフサービスによると、IT派遣の求人数は昨年春の2.5倍になったが「スタッフを供給できている割合は1割未満」だという。需給の逼迫(ひっぱく)が派遣料金を押し上げている。
 
●「電子公証システム」4月刷新、全国で利用可能に(2月5日 日経)
 
法務省はインターネット上で公的な届け出や証明が受けられる「電子公証システム」を4月に刷新する。青森、岩手、秋田、山形、三重、和歌山、奈良、高知、愛媛の9県を加えて利用地域を全国に広げるほか、対応する窓口数も61カ所から約3倍の188カ所に増やす。行政サービスの電子化推進や地域格差の解消が狙いで、法務省令を改正する。

電子公証制度は2002年に導入。従来は作成した文書を公証役場に持ち込んで証明を受ける必要があったが、新システムはインターネット上で手続きができる。利用できなかった9県は、電子公証事務を担う公証人らがいなかった。

長時間残業:大企業の3社に1社、月100時間以上(2月5日 毎日)

大企業の3社に1社は月100時間以上の残業をする人がいる――。中央労働委員会が実施した06年賃金事情等総合調査の速報で、こんな実態が明らかになった。残業という概念をなくす日本版ホワイトカラー・エグゼンプション制度が議論となっているが、長時間残業の常態化が浮かび上がった。

調査は、中労委が行う労使関係調整の参考資料とするために実施。賃金については毎年、労働時間などについては1年おきに調査しているが、具体的に「100時間以上」の実態を聞いたのは初めて。

対象は資本金5億円以上、従業員1000人以上の企業373社で、247社から回答を得た。それによると、06年6月の時点で、残業時間が月100時間を超える労働者が「いる」と答えた企業は33.2%に上った。 残業を含まない労働時間は年間1881時間54分で、前回調査とほぼ同じだった。

定期昇給とベアなど賃金改定額は6275円で前年比280円増。毎月の平均賃金は37万7300円で同1500円減となった。一方、残業代は6万9500円で同6300円増となっており、残業時間が延びていることをうかがわせた。

残業時間については、月80時間を超えると過労死の危険性が指摘される。過労死での労災は発症する直前の月の残業が100時間などが認定の基準となっている。また、過労によるうつ病発症の認定基準は月80時間を超える残業が続いていたことなどが大きな判断材料とされている。【東海林智】

「紹介予定派遣」制度で採用の人、85%増・05年度(2月4日 日経)

厚生労働省の調べによると、派遣社員として一定期間働いた後に条件が合えば派遣先企業がその人を直接雇用する「紹介予定派遣」制度を使い、正社員などに採用された人の数は2005年度、1万9780人と前年度を85.6%上回った。働く人は仕事の適性や職場の雰囲気などを見て、企業側は派遣社員の能力などを見極めてから雇用できる点が評価され、紹介予定派遣制度の利用は拡大傾向にある。

全国約3万1000の派遣元事業所を対象に調べた。紹介予定制度で企業に派遣された人の数は約3万3000人で69.4%増。調査は04年度から始めたため以前との比較はできないが、「制度の利用者は増加傾向にある」(厚労省職業安定局)。

企業は正社員として雇用すると解雇しにくい点を悩む一方、人手不足感も強めている。紹介予定制度は、従来の採用方法では見つからない優秀な人材を獲得する有効な手段として定着しつつある。

介護休業取得は1.5%、4人に1人は離転職―労政機構(2月3日 日経)

働きながら家族の介護をしている人のうち、介護休業の取得経験者が1.5%にとどまっていることが労働政策研究・研修機構の調査で分かった。4人に1人が介護をきっかけに離職や転職を経験しており、職場に介護休業制度や介護について相談する部署がないため、休みを取れないケースも目立つ。

調査は介護を必要とする家族がいる30~59歳の男女1111人に質問票を送付し、1024人から回答を得た。

家族の介護を始めた当時に雇用されていた634人のうち、仕事を辞めたり、職場を変えたりした人は24.8%。仕事内容別で離転職の割合が高かったのは、「営業・販売職」32.4%、次いで「事務職」26.9%、「保安・サービス職」25%の順だった。逆に「専門・技術的職業」「管理職」は14%台で、働く時間を自分で調整しやすい職種のほうが、仕事を続ける傾向が強かった。
 
●セブン・イレブンのFC加盟会社に労組 バイトも参加(2月3日 朝日)
 
コンビニエンスストア最大手、セブン―イレブン・ジャパンのフランチャイズチェーンに加盟する長野県内の会社で、店長から高校生アルバイトまでが参加する労働組合が結成された。セブン―イレブン系列に労組ができたのは初めてで、業界団体などによると、コンビニ本社ではなく加盟店に労組ができるのは珍しい。切り下げられた賃金を元に戻すことや、人員削減で取りにくい休暇の取得ルール作りなどを求めている。

この会社はシーブイエストヨクラ(本社・松本市)。同県内に8店舗を展開する。同社は取材に応じていないが、労組側の説明では、130人前後の従業員のうち、正社員は店長や副店長など15人程度。残りはパート、アルバイトが占める。

組合は、長野一般労働組合(本部・松本市)の分会として昨年10月に結成、12月に設立を会社に通告した。組合員は、正社員12人を含む約100人。執行委員長の勝野正一・豊科店長(47)は「十分な説明もなく、年間76万円も賃金を減らされた。経営陣と対等に話し合うには労組をつくるしかなかった」と話す。

会社は一部の団体交渉には応じているが、「店長は(経営者と一体的な立場にある)管理監督者で、従業員代表として不適格」と主張している。

セブン&アイ・ホールディングス広報センターによると、セブン―イレブン・ジャパン本体や全国の約1万1500店舗に、他に労組はないという。
 
●脱退しない個別合意無効 ユニオンショップでも 最高裁、東芝社員が勝訴
 (2月2日 共同通信)
 
社外の労働組合に加入している東芝(東京)の社員西健一さん(36)がユニオン・ショップ協定を結ぶ東芝労働組合、会社側双方に東芝労組脱退などを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第二小法廷は2日、西さん敗訴の二審東京高裁判決を破棄、脱退を認めた。その上で会社側に組合費天引き中止、同労組に計約25万円の組合費などの返還を命じた。西さん勝訴が確定した。

ユニオン・ショップは労組未加入の従業員を原則解雇できるが、別の労組に加入している場合、解雇は無効とする最高裁の判例(1989年)があり、訴訟では西さんが以前「東芝労組を脱退しない」と個別に会社側と合意したことの有効性が争点となった。

津野修裁判長は「脱退の自由という重要な権利を奪い、永続的服従を強いるのは公序良俗に反する」として、個別合意を無効とした。

判決によると、西さんは95年9月、東芝労組への不満から社外の労組に加入。東芝労組を脱退しようとしたが、96年5月、二つの労組に籍を置くことなどで会社側と合意した。

しかし、その後配置転換に不満を持ち、東芝労組に支援を求めても「転換は問題ない」とされたことから、 2001年5月、東芝労組と会社側に再び脱退すると通告。応じないため提訴した。

03年7月の一審横浜地裁川崎支部判決は個別合意の存在自体を否定し、西さんの請求を認めたが、二審判決(04年7月)は合意の存在を認め「東芝労組への所属は義務」と判断した。
 
●「労働契約法案要綱」はおおむね妥当と答申/労働政策審議会
 (2月2日 労働調査会)

労働政策審議会(会長・菅野和夫明治大学法科大学院教授)は2月2日、さる1月25日に厚生労働省から諮問されていた「労働契約法案要綱」及び「労働基準法の一部を改正する法律案要綱」について、労働契約法案要綱については、諮問案をおおむね妥当とし、また、労働基準法の一部改正案要綱については、自己管理型労働制の創設など一部事項を除きおおむね妥当と考えるとする答申をまとめ、柳澤厚労相に提出した。

答申では、労働契約の基本的なルールを明確化する労働契約法案要綱に関しては、同省の諮問案を「おおむね妥当と考える」としている。

一方、昨年来、同審議会における審議過程で、労働者代表委員と使用者代表委員の間で意見対立が激しかった労働時間法制に関する労働基準法の一部改正案要綱に関しては、諮問案を「以下の意見のあった事項を除き、おおむね妥当と考える」とする答申内容となっている。

答申に付された意見は、まず、労働者代表委員の意見として、一定の要件を満たすホワイトカラー労働者について労働基準法の労働時間、休憩、時間外労働の割増賃金などの規定を適用しないこととする「自己管理型労働制」の創設は認められないというもの。さらに、中小企業における企画業務型裁量労働制の適用範囲の拡大についても、見直しは認められないとする労働者代表委員の意見が付された。

これに対して、使用者代表委員の意見として、時間外労働の割増賃金(率)の引上げは認められないとする意見が付されている。

厚労省 「労働契約法案要綱」及び「労働基準法の一部を改正する法律案要綱」についての答申
⇒ http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/02/h0202-3.html
 
●キャディーら格下げ、東武子会社に賠償命令 宇都宮地裁(2月1日 朝日)
 
東武鉄道の子会社「東武スポーツ」から一方的に契約社員に格下げされ、賃金が大幅に減ったなどとして、同社運営の「宮の森カントリー倶楽部」(栃木県壬生町)のキャディーら25人が同社に減額分の賃金や慰謝料などを求めた訴訟の判決が1日、宇都宮地裁であった。福島節男裁判長は原告側の訴えをほぼ全面的に認め、総額約1億2400万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

訴えていたのは、キャディー21人とキャディーのための託児所の保育士4人。提訴は02年11月。

判決によると、東武スポーツは、ゴルフ人口の減少などを受けて東武鉄道から再編を示唆され、キャディーと保育士に02年1月、3月末で解雇し、4月から全員キャディーの契約社員として再雇用すると伝えた。賃金など変更内容の詳細な説明はないまま、キャディー1人を除く全員が再契約書を提出、賃金は20%以上の減額となった。再契約書を出さなかったキャディーは解雇された。

福島裁判長は、原告側が労働条件の変更に合意したのは、「不利益なものに変わると認識」しながら「契約書を提出しなければ4月以降は働けない」という「誤信」があったためと指摘。「誤信」がなければ「同意に応じることはなかった」と認定。解雇は「合理的理由を欠き、解雇権の乱用に当たる」と断じた。

また、保育士のキャディー職への配転については、「高度の必要性に基づいた合理的理由はなかった」と指摘。その上で、配転に応じられないから退職するということを会社側は「余儀なくさせ雇用契約上の義務に違反する」と判断した。

東武スポーツは「判決文を見ていないので、何とも申し上げられない」としている。

「成果型」「年功型」選べます サイボウズが新賃金制度(2月1日 朝日)

ソフト開発会社サイボウズは1日から、社員が現行の「成果重視型」だけでなく「年功序列型」も選べる新賃金制度を導入する。1年単位の成績には左右されずに昇給する制度も選択できるようにすることで、有能な人材の定着率を高める狙い。「年功型」の効用を見直す試みとして注目されそうだ。

毎年2月に社員が選択し、何回でも変更が可能だ。大卒の新社員が年功型を選んだ場合、最初の年俸360万円が約40年後には上限の650万円まで昇給する。賞与は別計算。年功型を選択しても、1年目の年俸は、前年の給与水準を維持する方針だ。

年功型は、育児や介護で定時の出退社が必要な社員や、長期雇用を望む社員の利用を想定している。青野慶久社長は「働き方に選択肢がある方が、社員の意欲を引き出す」と話す。同社の現在の社員約140人の賞与込みの平均年収は約600万円という。

サイボウズ株式会社 プレスリリース 2007年2月1日
⇒ http://group.cybozu.jp/news/07020101.html
 
新上乗せ年金、一元化法案に盛り込まず 与党方針(2月1日 朝日)
 
自民、公明両党は31日、会社員の厚生年金と公務員らの共済年金の一元化問題に関連し、公務員の「職域加算」廃止の代わりに設ける公務員向け上乗せ年金について、今国会に提出する年金一元化法案には盛り込まない方針を固めた。
 
同日開かれた自民党年金制度調査会の幹部会で大筋合意し、公明党もこの方針に異論がないため、「上乗せ」分離が与党方針となる見通しだ。
 
●企業の求人、正社員に比重・パートとバイトは減少(2月1日 日経産業)
 
企業がパートやアルバイトの募集を減らす一方で、正社員の確保に力を入れていることが、リクルートが2006年12月に発行した「B―ing」「とらばーゆ」など首都圏版の求人情情報誌に掲載された広告件数の集計でわかった。同社によると、パート・アルバイト系が前年同月比5.9%減にとどまったが、正社員系(新卒採用を除く)は2.8%増となった。同社は「企業は長期的な人材確保に動いている」と分析している。
 
パート・アルバイト系の求人広告件数は6万393件。正社員系は1万8782件だった。パート・アルバイト系が減ったため、全体では前年同月比3.9%減の7万9175件となった。全体の求人広告件数が前年同月を下回ったのは03年9月以来3年3ヵ月ぶり。

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