人事労務の最新ニュース(7月17日〜31日)

●経営環境の変化の下での人事戦略と勤労者生活に関する実態調査
 (7月31日 労政機構)


当機構では、経営環境の変化等に伴い企業経営が変化するなかで、企業の雇用管理等にどのような動きが生じているか、また、それが勤労者の働き方や暮らし方にどのような影響を及ぼしているか、その実態と課題について明らかにすることを目的として、2007年1月に「経営環境の変化の下での人事戦略と勤労者生活に関する実態調査」を実施しました。

この調査は、全国の企業10,000社とそこで働く正規従業員100,000人を対象とする大規模なものです。企業調査では、企業経営と人材マネジマント、労働時間の現状、仕事と生活の調和のための取り組み状況等、従業員調査では、賃金制度、労働時間、仕事への満足感と家庭生活等をたずねるなど、調査内容は多岐にわたっています。

独立行政法人 労働政策研究・研修機構 調査シリーズNo.38
⇒ http://www.jil.go.jp/institute/research/2007/038.htm

●過労死「すかいらーく」店長の妻、労組に謝罪求め民事調停(7月31日 読売)

大手外食チェーン店「すかいらーく」の店長だった夫の過労死は、労働組合が長時間労働の抑制を会社側に十分に求めなかったのが原因などとして、横浜市都筑区の薬剤師中島晴香さん(51)が31日、同社の労組を相手取り、労働環境改善への努力や謝罪などを求めて武蔵野簡裁に民事調停を申し立てた。

代理人の弁護士によると、過労死をめぐり、労働組合を相手取った民事調停が申し立てられるのは異例という。

中島さんの夫・富雄さんは、店長を経て、複数の店長の支援業務を担う支援担当店長をしていた2004年8月、出勤前に玄関先で倒れて入院。10日後に脳梗塞(こうそく)のため48歳で亡くなった。前月の残業時間は180時間以上だったという。中島さんは三鷹労働基準監督署に労災申請し、05年3月に過労死と認定された。

調停申立書では、富雄さん以外にも長時間労働に従事している労働者が多数いることを知りながら、同社の労組は改善のための具体的な措置を取っていないと指摘。中島さんは、「組合の努力で、夫の過労死を防げたかもしれない。組合員の健康と命を守るはずの組合の責任を明確にしたい」と話している。これに対し、同労組は「調停を申し立てられた事実は確認しておらず、コメントできない」としている。

同労組の委員長は05年春に発行された雑誌で、「店長は誰の助けもなく、忙しさも半端ではありません。しかし、本当にできる店長、つまり強い店長は、その中でも休みを取れる」などと述べていた。これに対し、中島さん側は、「夫を侮辱し、家族を傷つける発言」として、真意をただす質問状などを組合側に送付したが、具体的な回答はなかったという。

●IT技術者の8割、転職に前向き―日経HR調べ(7月31日 日経産業)

就職・転職情報サービスの日経HR(東京・千代田 http://www.nikkeihr.co.jp/index.html)がまとめた2007年版IT(情報技術)エンジニア調査では、IT技術者の8割が転職に前向きなことが分かった。ただ前年に比べると転職を望まない人が増えており、同社は「景気回復で働き続ける展望を持つ人が増えた」と分析している。

日経HRが今年3月末から4月初旬にインターネットで調査し、IT技術者1173人から回答を得た。転職の意向を尋ねる質問に対し、回答者の57.4%が「条件次第では将来転職する可能性がある」と答えた。「現在転職活動をしている」(5.6%)や「近い将来転職を考えたい」(12.3%)、「時期にこだわらず転職を考えたい」(8.1%)などを加えると、83.4%が転職に前向きだ。

●石綿関連労働者の健康管理手帳、交付対象を拡大へ(7月30日 読売)

厚生労働省は30日、石綿(アスベスト)を含む製品の製造などに携わった労働者が、退職後に健康診断を無料で受診できる「健康管理手帳」について、交付対象を拡大する労働安全衛生規則の改正案要綱を同省労働政策審議会分科会に諮問し、「妥当」との答申を得た。

新たな規則は、今年10月から施行される予定だ。新規則では、〈1〉石綿製品の製造や石綿の吹きつけなどの作業に1年以上従事し、すでに10年を超えている〈2〉石綿の運搬業務などに10年以上従事していた――のいずれかの要件を満たせば、手帳が交付される。胸部エックス線検査などの健康診断を、無料で年2回受けられる。

厚生労働省 「労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱」
⇒ http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/07/s0701-3.html
厚生労働省 「石綿に関する健康管理手帳」の交付について(現行制度)
⇒ http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/sekimen/techo/index.html

●年金記録照会、企業が苦慮・委任状なしは「不可」(7月29日 日経)

社会保険庁の公的年金保険料の納付記録漏れ問題で、企業が対応に苦慮している。現行制度では、各従業員から委任状をもらわない限り、社会保険事務所に記録照会などができないからだ。企業の間では委任状なしで代理申請ができる制度を求める声が出ている。

キヤノンは今月2日、社内に公的年金記録相談窓口を設置した。専任担当者2人がOBも含め1日4〜5件の質問に対応している。コマツは6月下旬に社員向け説明会を開催。三井不動産は給与明細に基礎年金番号を盛り込み、社員が社会保険事務所に問い合わせをしやすくした。

●「入社時から給与に格差を」経団連会長、フォーラムで(7月27日 朝日)

日本経団連の夏季フォーラムが26日、静岡県小山町で開幕した。約40人の財界人が参加し、初日は教育問題を議論。御手洗冨士夫会長(キヤノン会長)は、学生を成績や論文で評価し、入社から給料に格差をつける仕組みの導入を提案した。

御手洗会長は、採用の改革について「平等に採用して会社では年功序列。競争の原理からほど遠く、イノベーション(革新)は生まれない。社会正義を平等から公平に変え、それに沿った学校教育、採用試験、給料体系にしないといけない」と呼びかけた。

また、教育再生会議座長代理の池田守男・資生堂相談役が講演の中で、初等・中等教育現場の問題点を指摘し、学校選択制の導入やゆとり教育の見直しの必要性を訴えた。

●仕事と育児両立、「職場改善」は2割・日経調査(7月27日 日経)

仕事と育児の両立支援に取り組む企業が相次ぐ一方、職場でその変化を実感している社員は少数派であることが日本経済新聞社の調査でわかった。子育てしながら働く女性のいる職場の男女1510人に「この2年で両立しやすくなったか」と聞いたところ、「よくなった」「ややよくなった」は合計22.1%にすぎず、「変わらない」(65.9%)を大きく下回った。

調査はネット調査会社のマイボイスコム(東京・千代田)を通じ、7月中旬に実施。小学生以下の子がいる働く女性502人と、子育て中の同僚がいる男女1008人の計1510人から回答を得た。

●中小企業を中心に弱含む賃金(7月26日 第一生命経済研究所)

―全体としてみれば賃金の改善トレンドに変化はなく、今後は上向いてくる公算―
⇒ http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/rashinban/pdf/et07_091.pdf (PDF)

●高齢者向け賃貸住宅、民間病院の参入解禁・厚労省(7月26日 日経)

厚生労働省は民間病院を経営する医療法人に、高齢者向け住宅賃貸事業への参入を解禁する。入居者の安否を定期的に確認する見守りサービスの提供を条件に、不動産業の兼営を禁じた医療法上の規定を緩和。医師、看護師ら医療スタッフと連携を密にした高齢者向け住居を整備する。心身に不安を抱えがちな高齢者が安心して暮らせる場を増やし、団塊の世代の高齢化で高まる住居ニーズに備える。

医療法人に兼営を認めるのは、バリアフリーで高齢世帯の入居を拒まない高齢者専用賃貸住宅(高専賃)。厚労省は高専賃事業に参入する医療法人に、入居者の生活相談に応じたり、高齢者の容体急変に備えて定期的に安否を確認するなどの見守りサービスの継続的な提供を義務付ける。

●「若年者の離職理由と職場定着に関する調査」結果(7月25日 労政機構)

最近の若者が離職する理由や求職活動、その後の職場における状況を把握することで、職場定着に必要な要件を明らかにするために、35歳未満の若年者を対象に調査を実施しました。

労働政策研究・研修機構 調査シリーズ No.36
⇒ http://www.jil.go.jp/institute/research/2007/036.htm

●残業協定で労基署から指導 期限切れの違反も、グッドウィル
 (7月25日 時事通信)


グッドウィル・グループの子会社で、人材派遣大手のグッドウィル(東京)が、残業を取り決める労使協定(36協定)をめぐり、所管する東京都内の労働基準監督署から指導を受けていたことが25日、分かった。締結相手である労働者代表の選び方に問題があったため、これを改善するよう求められた。同社は新協定の締結を進めているが、6月で旧協定の期限が切れた後も一部支店で未締結のままになっている。

36協定は、事業場ごとに労使間で残業時間の上限などを取り決めることになっている。協定を結ばなければ残業をさせることはできないが、未締結のまま違法な残業が行われているケースもあるとみられる。

グッドウィル・グループ広報 IR部は「まもなく全事業所で協定の届け出が完了する見込み。未締結事業所には、残業をさせないよう改めて指示を徹底した」と説明している。

●「ジョブ・カード構想委員会」が中間報告(7月24日 労政機構)

政府の「ジョブ・カード構想委員会」は24日、フリーターや子育て終了後の女性、新卒者などの職業能力形成や就職活動を支援する「ジョブ・カード制度」の運営方法を盛り込んだ中間報告を発表した。制度は「成長力底上げ戦略」の「人材能力戦略」の中で提起されていたもので、「ジョブ・カード」には職務経歴や教育訓練の受講・修了の状況、取得した資格などの情報をまとめて記載する。「ジョブ・カード」の取得者数は3年間で50万人、5年間で100万人程度と見込んでいる。

ジョブ・カード制度とは
⇒ http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/siryo/pdf/20070725a.pdf (PDF)
⇒ http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/siryo/pdf/20070725b.pdf (PDF)

●雇用保険法の改正に伴い、関係省令の整備と助成金等の改正を行います
 (7月23日 厚労省)


主な内容は (1)「特定受給資格者」の範囲の改正、(2)労働移動支援助成金等について、短時間労働者への異なる取り扱いを廃止すること、(3)特定求職者雇用開発助成金の額について、雇い入れた労働者一人あたり定額を支給する取り扱いに変更すること、など。

◆雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令(案)の概要◆
・特定受給資格者の範囲の改正 ・常用就職支度手当の対象者の範囲の改正
・労働移動支援助成金等の改正 ・特定求職者雇用開発助成金の改正 、他

●雇用保険法等改正(平成19年10月施行)関係 Q&A(7月23日 厚生労働省)
⇒ http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/koyouhoken05/qa.html

●離婚2カ月連続で増加・5月人口統計、「年金分割制度」背景に(7月23日 日経)

厚生労働省が23日発表した5月の人口動態統計(速報)によると離婚件数は前年同月比4.5%増の2万3163件と2カ月連続で増加した。4月に離婚後に夫の厚生年金などを妻と分けられる「年金分割制度」が始まり、離婚に踏み切る夫婦が増えていることが背景にあるようだ。

この制度を利用すると、結婚していた間の厚生年金や共済年金の報酬比例部分(基礎年金部分は対象外)を最大半分まで分割できる。離婚件数は新制度が始まる前の3月までは12カ月連続で減少していたが4月には6.1%増と急増した。新制度で年金分割ができるようになるまで離婚を待つ夫婦が多かったことをうかがわせる数字だ。

ただ離婚件数を1―5月の累計で比べると今年1―5月は前年同期を1.1%下回っている。厚労省は「詳細結果(来年9月公表予定)で年齢別の離婚件数などをみないと今後の動向は判断しにくい」(統計情報部)としている。

●介護職員、最低40万人の増員必要・厚労省推計(7月23日 日経)

厚生労働省は、団塊世代の高齢化に伴う介護ニーズを賄うには、2014年までに介護職員などを40万―60万人増やす必要があるとの推計をまとめた。現状に比べ介護サービス従事者が4―6割増となる計算だ。ただ介護職員は離職率が高く、人材難が深刻。労働力人口が年々減るなかで人員を確保するには、外国人労働者の受け入れ拡大も含む抜本策が必要との指摘も出ている。

要介護や要支援と認定されて介護保険サービスを受けている高齢者は、04年度時点で約410万人。厚労省の試算によると、団塊の世代が65歳以上になる14年度の要介護者は現状より大幅に増加。高齢者を対象に05年から始めた筋力トレーニングなど介護予防事業の効果があった場合で600万人に、効果がなければ640万人まで増える見通しを立てている。

●外食大手、パート・バイト定着競う(7月21日 日経)

外食大手はパート、アルバイトの定着率向上に取り組む。すかいらーくは給料日前に給与を受け取れる「前給」制度を8月から主力チェーンで採用。長崎ちゃんぽん大手のリンガーハットは時給引き上げや賞品がもらえる表彰制度を導入した。研修制度の充実など技能向上の機会を増やす企業もある。外食は他の産業以上に新規採用に苦労しているため、人材の引き留めによって人手を確保する狙いだ。

すかいらーくは昨春、和食チェーンの「夢庵」と「藍屋」に前給制度を導入し、今年3月から700店を持つ中華チェーンの「バーミヤン」にも採り入れた。8月から、同社の最大チェーンで1000店を展開する「ガスト」でも関東を中心に適用する。前給制度を利用できるパート従業員は昨年までの約10倍に増える。同社によると前給を利用するパート従業員は利用しない人と比べ離職率が5分の1程度。急な旅行や冠婚葬祭で現金が必要になる学生や主婦層の定着に有効とみる。

●パソナ、派遣社員に交通費支給(7月21日 日経)

人材サービス大手のパソナは20日、派遣社員に対し交通費の支給を始めたと発表した。大都市周辺で1カ月以上継続して働いている人が対象で下限は3000円。派遣先企業に任意で交通費全額の上乗せを要求し、実際の企業側の支給が3000円に満たない場合は不足分をパソナが負担する。人手確保が難しい地域で派遣社員の囲い込みを図る狙い。給与と別に交通費を支給する取り組みは、派遣業界大手で初めて。

東京23区、名古屋市内、大阪市周辺にある取引企業に対し、派遣スタッフが使った交通費を実費で支給してもらうよう要請する。例えば企業が1000円だけの支給を認めれば、下限額に満たない2000円分をパソナが支払う。対象となるスタッフは約2万人。パソナは1年間の持ち出し分が5億円程度とみている。

景気回復を背景に企業が人的投資を積極化するなか、人材派遣会社もスタッフの確保が厳しくなっている。特に求人案件の多い大都市周辺では競争が激しく、パソナは交通費支給で待遇の良さを強調し、ライバルとの差別化を図る。

●バス運転手 偽装労災事件 さいたま地裁(7月20日)

労災事故によって頸髄損傷の傷害を負ったとして提起された安全配慮義務違反に基づく損害賠償請求事件について,事故状況に関する原告本人の供述,頸髄損傷と診断した医師の診断書等の信用性を否定して,労災事故発生の事実が認められないとして請求を棄却した事例。

裁判所HP 判決文
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=35078&hanreiKbn=03

●中小零細企業の4割が賃上げ・厚労省調査(7月20日 日経)

厚生労働省は20日、中央最低賃金審議会(厚労相の諮問機関)の下部組織である「目安に関する小委員会」の初会合を東京都内で開き、中小・零細企業の2007年の賃金改定状況の調査結果を報告した。これによると、今年1―6月に賃上げをした事業所は全体の39.3%で、前年の調査より2.8ポイント増えた。賃下げをした所は同0.5ポイント減の1.5%。

今年6月時点の1時間当たりの平均賃金(正社員とパートの合計)は1365円で、前年同月より10円高い。上昇率は0.7%で、前年を0.2ポイント上回った。調査は常用労働者が30人未満の企業のうち4000の事業所を対象に実施した。

目安に関する小委員会の第2回会合は25日、最終会合は31日に開催予定。同委での議論の結果を受けて、審議会が8月3日に最低賃金改定の目安に関する答申をまとめる。

●税源移譲、実は負担増も 数千万人に適用の生損保控除(7月20日 朝日)

今年実施された国から地方への税源移譲に伴い所得税と住民税を合わせた個人の税負担が、生命・損害保険料控除を受けている多くの人で増えることがわかった。双方の税の控除額に差があるためだ。負担増は最大年1750円と少額だが、「両税を合わせた税負担は基本的に変わらない」という政府の説明と異なり、負担が増える人が多数いることになる。

生損保控除は生命保険や個人年金保険、長短期の損害保険の保険料を払っている人が対象。適用を受けている人は数千万人にのぼるとみられる。

税源移譲では国税である所得税を3兆円分減らし、地方税の住民税を同額増やした。今年1月から所得税、6月からは住民税の税率を変更したが、両税を合わせた税率はほとんど変わらない仕組みだ。

ただ、生損保控除の上限額は所得税の方が住民税より大きく、その差は最高年3万5000円。このため、この控除を受けている人の場合、課税所得は控除の差額分だけ住民税の方が大きくなることが多い。

住民税率は課税所得の額に応じて3段階に分かれていたが、税源移譲に伴い一律10%になった。課税所得の低い部分で住民税率が5%幅引き上げられ、控除の差額に5%をかけた額が住民税の「増税」になる計算だ。

●雇用対策法改正関連の政令案など答申(7月20日 労政審議会)

労働政策審議会(厚生労働省の諮問機関)は20日、雇用対策法、地域雇用開発促進法の改正に伴い制定する政令、省令、指針、告示の厚生労働省案について「おおむね妥当と認める(職業安定分科会)」、「妥当と認める(職業能力開発分科会)」と答申した。外国人雇用状況の届け出に係る個人情報の取扱いについて、労働者側委員から、法務大臣からの情報提供の求めに対しては、目的・必要性を慎重に検討し、厳格な運用を図るべきとの意見が出されている。

厚生労働省:「雇用対策法及び地域雇用開発促進法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令案要綱」等の諮問及び答申
⇒ http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/07/h0724-2.html

●労災給付基礎日額の最低保障額を4080円に引き下げる(7月19日 労働調査会)

厚生労働省はこの8月1日から、労災保険の給付基礎日額の最低保障額、年金給付などにおける年齢階層ごとの給付基礎日額の最低・最高限度額を改正する。労災保険における休業補償給付などそのほとんどの給付は、被災労働者の「給付基礎日額」をベースに計算され、支給されている。この給付基礎日額は、労働基準法上の平均賃金相当額とされ、被災前3ヵ月間の賃金によって算定される。

労災保険では、給付基礎日額について最低保障額を定めており、今般、その額が4100円から4080円に引き下げられた。最低保障額は、同省が実施している毎月勤労統計調査の平均給与額に応じて毎年改正されているもので、平成18年度の平均給与額が17年度に比べ約0.4%低下したことから、20円の引下げを行ったもの。

また、年金給付などに適用される年齢階層(5歳きざみで12段階)ごとの給付基礎日額の最低限度額及び最高限度額(下表参照)も改正され、それぞれ平成19年8月1日から20年7月31日までの間に支給事由が生じたものについて適用される。

【年金給付などの給付基礎日額の最低・最高限度額(8月1日以降適用)】 
年齢階層  最低限度額 最高限度額  年齢階層  最低限度額 最高限度額
20歳未満   4399円  13464円   45〜49歳  7010円  24073円
20〜24歳  4950円  13464円   50〜54歳  6546円  24295円
25〜29歳  5807円  13673円   55〜59歳  5891円  23809円
30〜34歳  6477円  16335円   60〜64歳  4534円  21036円
35〜39歳  6982円  20002円   65〜69歳  4080円  14303円
40〜44歳  7248円  22567円   70歳以上   4080円  13464円

●改正パート労働法の関係省令案要綱が諮問・答申される(7月19日 労働調査会)

厚生労働省は7月19日、前通常国会で成立した改正パートタイム労働法の関係省令案要綱を労働政策審議会に諮問した。同審議会雇用均等分科会は諮問案をおおむね妥当と認める答申をとりまとめ、同日、柳澤厚労相に提出した。また、同分科会では、この日省令案要綱とともに示されたパート労働指針の改正案についても併せて検討を行った。

諮問・答申された省令案要綱では、まず、改正法により、パートタイム労働者を雇い入れた際に文書等で明示することが義務づけられる労働条件に関する事項として、労働基準法で明示義務があるものに加え、昇給の有無、退職手当の有無、賞与の有無―をあげている。また、その明示方法について、文書交付以外のものとして、ファクシミリ送信、電子メール送信(パートタイム労働者がその内容を書面出力できるものに限る)も、パートタイム労働者がその方法による明示を希望した場合は可能としている。

このほか、パートタイム労働者に対しても通常の労働者と同じように利用機会を与える必要がある福利厚生施設として、給食施設、休憩室、更衣室―を掲げている。

一方、パート労働指針の改正案では、今回の法改正で現行指針から法律上措置されたたもの(教育訓練の実施、福利厚生施設の利用など)を削除、また、他の労働関係法令に規定があるもの(労働条件の明示、年次有給休暇、有期労働契約、解雇の予告、健康診断、妊娠中・出産後の措置、育児・介護休業、雇用保険の適用など)については、指針上に個別規定を置かず、関係法令の適用・遵守を確認する形としている。

なお、改正法の施行は、一部の規定を除き平成20年4月1日となっている。

●パートタイム労働法が変わります―平成20年4月1日施行―
 (7月19日 厚生労働省)


改正のポイント⇒ http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/06/tp0605-1b.html

●年齢限定の求人認める・厚労省検討(7月18日 日経)

厚生労働省は企業が年齢層を限定して採用活動ができるよう、採用時の年齢差別を禁止する改正雇用対策法(10月に施行予定)に例外規定を設ける方向で検討に入った。特定の年齢層の社員が極端に少ない場合、正社員として雇用することを条件に、年齢層を限定した求人を認める内容。企業が採用を抑えた「就職氷河期」にフリーターになった30代の働き手などの正社員化を促す狙いがある。

業種は「団塊の世代」の大量退職に備え技術の継承ができるよう、技術職などに限定する方針。ただ年齢差別の禁止を義務付ける法律に「抜け道」を用意することには批判も出そうだ。

■厚生労働省 求人年齢制限禁止の例外 具体的事例案(PDF)
⇒ http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/06/dl/s0622-5e.pdf

●「その後の偽装請負問題」(7月18日 日経Biz-Plus)

昨年の夏に「偽装請負」がマスコミで報道され、企業は対応に追われました。それから1年たって、この問題を見直したとき、当時は見えにくかったものが見えてくるかもしれません。・・・

日経Biz-Plus 「法的視点から考える人事現場の問題点」第18回 弁護士 丸尾拓養氏
⇒ http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/jinji/rensai/maruo2.cfm

●迷惑メールの罰則強化へ 総務省、法改正検討(7月17日 共同通信)

総務省は17日、広告・宣伝の電子メールを不特定多数に大量に送り付ける「迷惑メール」に対する規制で、罰則を強化するほか、受信を受諾した人以外への送信を禁止するなど規制を強める方針を固めた。来年の通常国会に特定電子メール送信適正化法(迷惑メール防止法)の改正案を提出する考えだ。

現行法は、広告・宣伝メールの受け取りを拒否した人に対して送信することなどを禁止。改正が実現すれば、受け取りを事前に受諾した人だけが送信対象となり、受信がより限定的になる。

総務省 迷惑メール関係施策
⇒ http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/d_syohi/m_mail.html

●記録審査の受け付け開始 全国の社保事務所などで(7月17日 共同通信)

公的年金記録の不備問題に関し、記録訂正の是非を判断する総務省の「年金記録確認地方第三者委員会」への審査申し込みの受け付けが17日午前、全国の社会保険事務所309カ所と年金相談センター55カ所で始まった。

対象は、自分の公的年金の保険料納付記録について疑問があり、社保事務所などで調べてもらった結果に異議のある人。これまで社保事務所などで調べてもらっていない人は、まず同事務所などで記録を確認し、その記録に異議があれば申し込むことになる。

窓口では総務相あての申込書と、社保事務所などで渡された年金記録を確認した書類を提出する。申請書類の転送を受け、全国50カ所の地方第三者委が審査。結果は、総務相が社保庁長官に提示し、申請者には郵送などで報告される。

●経営環境の変化の下での人事戦略と勤労者生活に関する実態調査
 (7月17日 労政機構)


【企業経営と人材マネジメント】
・3年前と比較して重視される経営課題として約7割の企業が「人材育成の強化」を挙げている。
・人材育成やキャリア形成で重視するのはこれまで、今後とも「一部の従業員を対象とした選抜的な教育訓練の実施」が最も高いが、「従業員全員を対象とした教育訓練の実施」もほぼ同程度まで高まる。

【賃金制度の変化】
・過去3年間に賃金制度の見直しを行ったとする割合は6割弱。またその理由は、「従業員の就業意欲を高めるため」が最も高い。
・3年前と比べて企業が賃金の決定要素として重視するようになったものとして挙げたもので最も割合が高いのは、一般社員では「個人の成果」、課長相当職以上では「会社・部門の業績」。
 一方、従業員が最も重視されていると感じているのは、一般社員では「勤続年数」、課長相当職では「年齢」、部長相当職以上では「職務経歴・経験」となっている。

【労働時間・勤労者生活】
・3年前と比べて長時間労働を行う者の割合が増加しているとする企業の割合は2割弱。またその年齢層では「30代」が最も高い。
・仕事と生活の調和を図るための制度の整備により「従業員の就業意欲が向上する」と約8割の企業及び従業員が回答。

労働政策研究・研修機構: 企業調査及び従業員調査(169KB:PDF)
⇒ http://www.jil.go.jp/press/documents/20070717.pdf