人事労務の最新ニュース(2006年9月1日〜16日)

●三重銀が8億7千万不払い 2年間の残業代を精算へ(9月16日 共同通信)

共同通信によると、三重銀行(三重県四日市市)は15日、 2004年2月から06年2月までの間、行員約 1,200人に対し、計約8億7,000万円の時間外手当の不払いがあったと発表した。近く全額を精算するとしている。

四日市労働基準監督署は今年2月、三重銀に対し、行員の時間外労働の実態を調査するように勧告していた。

これを受けて三重銀は、04年2月から今年2月までに在籍した支払い対象行員約1,450人を対象に、パソコンの使用履歴や金庫の開閉記録などを基にした実態調査を実施。このうち約1,200人への不払いが判明した。

不払い金の平均は一人あたり約70万円。最高額は30代後半の総合職の男性で、約550万円という。三重銀は労基署の指導を受けるまで、行員の自己申告だけを基に時間外手当を支給しており「適正な申請さえあればきちんと支払っていた」と釈明している。

現職行員に対しては今月28日に全額を支給、退職者についても来月以降支給する予定。

同行の加藤幹博専務は「法令順守の観点から誠に遺憾。労働時間の厳正化を行いたい」としている。

●主婦年金、月8千円増も パートの加入拡大で(9月16日 共同通信)

勤務が週30時間未満で厚生年金が適用されないパート労働者にも適用(加入)を拡大すると、主婦パートの年金受給額は月に8000円以上増えることが、厚生労働省がまとめた試算で16日までに分かった。

適用の拡大は、今年7月の政府の「骨太の方針」にも法整備を進める方針が盛り込まれ、検討が進められている。ただ、保険料の半分は事業主が負担するため、パート雇用の多い流通業界、外食産業などは反対している。試算結果は今後の議論にも影響しそうだ。

試算は、いずれも月給8万円のパート労働者で(1)現在保険料を負担していない第3号被保険者のサラリーマンの妻(41歳、パート期間20年、64歳から年金受給)(2)自営業者の妻で国民年金加入者(41歳、同20年、64歳から受給)(3)国民年金加入の独身女性(21歳、同10年、65歳から受給)−を想定。

厚生年金の保険料を納付することで、3ケースとも将来の年金額は現在のままより増え、(1)(2)は月額約8600円増。平均余命などから約25年間受給すると仮定した生涯通算では約261万円増える。(3)は月約4300円、生涯通算で約132万円の増。

一方、毎月の保険料は(1)の場合、約5700−7300円(保険料率の段階的引き上げにより上昇)が新たに発生。逆に(2)は保険料がパートの雇用主との折半となるため、現在の国民年金保険料1万3860円(本年度)より約8100−9600円軽減される。(3)も約8100−9100円軽減。

生涯の収支は、3ケースとも増額される分の年金総額が保険料総額を上回り、プラス分は(1)約99万円(2)約477万円(3)約234万円。もっとも、受給期間が短ければ収支差がマイナスになることもある。

●厚生年金、267万人が加入漏れ(9月15日 読売)

総務省は15日、本来は厚生年金に加入すべき事業所の加入漏れが、厚生年金に加入義務がある事業所約230万の3割程度にあたる約63万〜70万に上り、将来、年金を受け取れない従業員数は約267万人と推計されるとする行政評価・監視結果をまとめた。

記事全文⇒厚生年金、267万人が加入漏れ

●筑波大が残業代1億未払い 職員354人に(9月14日 共同通信)

筑波大(茨城県つくば市)は14日、昨年2月から今年3月までの14カ月間に、職員354人に対して残業代約1億400万円の未払いがあったと発表した。 52人に約200万円をすでに支払ったが、残りは9月中に支払うという。

同大によると、4月に土浦労働基準監督署から是正勧告と指導を受け、事務系の全職員約1,150人を調査した結果、未払いが判明した。残業は自己申告に基づく書類で確認しているが、実際より少なく申告した職員が多かったという。

同大は「残業をやった分は払うという当たり前のことをあらためて学内に徹底していきたい」としている。

●職業能力開発促進法の施行規則など改正 「実習併用職業訓練」創設
 (9月14日 厚労省)


労働政策審議会は13日、厚生労働大臣に対して職業能力開発促進法施行規則等の一部を改正する省令案要綱などを「妥当と認める」と答申した。

OJTと座学を組み合わせた「実習併用職業訓練」の対象(15歳以上35歳未満)や実施計画の認定基準・記載事項、実施事業主が講ずべき措置、試行雇用奨励金制度・キャリア形成促進助成金制度の改正などを定めている。

厚生労働省HP
⇒ http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/09/s0913-5.html

●「飲酒運転防止マニュアル」に問い合わせ殺到 事故相次ぎ(9月14日 産経)

全国で公務員などによる飲酒運転事故が相次ぐなか、職員や従業員に飲酒運転の危険性を実感させようという自治体や企業からの問い合わせが殺到している冊子がある。

日本損害保険協会(東京)が発行した「飲酒運転防止マニュアル」。

記事全文⇒ 「飲酒運転防止マニュアル」に問い合わせ殺到

●発明対価は240万円 JSRに支払い命じる判決(9月13日 共同通信)

合成ゴム最大手「JSR」(東京)の元主任研究員の男性が在職中に共同発明した液晶ディスプレーの材料に関連する特許5件の対価の一部として、JSRに3億円を請求した訴訟の判決で、東京地裁は12日、JSRに 239万円余りの支払いを命じた。

高部真規子裁判長は判決理由で、5件のうち1件の共同発明者と認めた上で発明対価を240万円と判断した。支払いを命じたのは、社内規定に従って支給された3,750円を差し引いた残額。

判決によると、男性はJSRの主任研究員になった1987年から退職した2000年までに、部下らとともに、液晶ディスプレーの材料になる「透明な塗膜を形成するための組成物」に関する研究に取り組み、JSRは特許5件を取得した。

社内規定で、発明した社員には特許の出願・登録時に1万5,000円が支給され、男性の場合、4人の共同発明だったため4分の1を受け取った。

判決は5件のうち4件は「創作行為に加担していない」と指摘した。男性の発明と認めた1件を商品化した際の売上高は約54億円、うちJSRが独占的に得られる利益は20億円で、発明対価はその3%の6,000万円と認定。会社や共同発明者の分を引いた残りが男性の対価と算定した。

JSR側は「男性は管理職で発明に関与していない」と主張していた。

●石綿被害を早期発見、無料検診スタートへ・厚労省(9月13日 読売)

厚生労働省は、アスベスト(石綿)被害を受けた不安のある人を対象とした無料検診を研究事業として実施することを決めた。

石綿を扱っていた企業に勤務する人や退職者で石綿の影響がみられる人については、現在、企業や国による検診が行われている。また、工場周辺住民の健康被害が報告された兵庫県尼崎市、大阪府泉南地域、佐賀県鳥栖市の3地域に住む人については、環境省が今年度から、工場の稼働時期に居住していたことなどを条件に、無料で検診を受けられる「健康リスク調査」を行うことにしている。

しかし、これ以外の地域に住む一般の人については、たとえ石綿被害を受けた不安があっても、公的な検診制度の対象とされておらず、早期発見の網から漏れる形になっていた。石綿に関する相談窓口が置かれている、各地の労災病院には、「石綿を扱っていた工場が近くにあった。検診を受けさせてほしい」などの声も寄せられていた。だが、症状がない状態で検査をした場合には、2万円余りの費用を全額自己負担してもらわなければならなかった。

研究事業は、全国の労災病院や保健所などに、石綿被害について相談をした人で、検診を希望する人が対象。石綿に接した可能性を確かめる問診(無料)をした上で、胸部エックス線検査、CT検査を実施する。検診は、中皮腫の診断能力がある病院などに依頼し、できるだけ多くの都道府県で受けられるようにする方針。胸膜肥厚など、中皮腫の兆候が見られた場合は、専門医療機関に紹介し、経過を診てもらう。

また、この検診も含め、新たに中皮腫と診断された人については、全国の医療機関の協力を得て、年齢、居住地、職歴など患者のデータを収集、登録する。データベース化が進むことで、発症者が多い地域があるかなどの実態把握が容易になるほか、治療効果の分析などに役立てることができるという。

●子育て支援、小売り各社拡充(9月13日 日経)

小売り各社が育児支援制度を拡充している。高島屋が正社員やパート社員を対象に子供の学校行事などに参加するための有給休暇制度を導入するほか、イトーヨーカ堂は終業時間を早める制度を始めた。景気回復を背景に求人倍率は上昇を続けており、特に流通業の人材採用難は深刻。子育て支援で人材確保につなげる狙い。

高島屋は来年1月、2歳未満の子供を持つ全社員を対象に年間2週間までの有給育児休暇制度を設ける。これまで同社には子供が2歳になるまで休むことができる2年間の育児休暇制度があった。だが同社の場合、休業期間中は無給になるため、実際に男性社員が取得するのは難しかった。新制度導入で男性社員でも取得しやすくなるという。正社員以外でも1歳6箇月未満の子供を持つパート社員も対象とする。

●日本看護協会「安易な外国人看護師受け入れに反対」(9月13日 日経)

日本看護協会は12日、「自国の看護師不足を解消するために安易に外国人看護師を受け入れるべきではない」とする声明を発表した。フィリピンとの経済連携協定(EPA)に基づき、日本政府が来年度から看護師や介護福祉士の受け入れを始めることを受けた。

声明は看護師受け入れの前提として(1)日本の国家試験を受験して看護師免許を取得(2)安全な看護ができるだけの日本語能力がある―など4条件が不可欠とした。

●フィリピン人看護師ら受け入れ、2年間で1千人 EPA(9月12日 朝日)

9日に締結された日本とフィリピンの経済連携協定(EPA)について厚生労働省は11日、焦点だったフィリピン人看護師や介護福祉士の受け入れ枠を当初2年間で計1000人とすると発表した。内訳は看護師400人、介護福祉士600人。今後、国会の承認を得て、来春発効し、実際の受け入れが始まるのは来年度前半になる見込み。

同日会見した厚労省の辻哲夫事務次官は、受け入れ枠について「日本の労働市場に悪影響を及ぼさない、現実的に可能で適切な数字とした」と話した。対象はフィリピンでの看護師資格取得者や介護士研修終了者ら。看護師は3年間、介護福祉士は4年間の在留期間を認め、その間に日本語や実務研修を受け、日本の看護師や介護福祉士の国家資格取得を目指してもらう。取得できた場合は在留期間の延長が無期限に認められる。

3年目以降は、実施状況によって見直す。EPAについては昨秋、タイとの間でも介護福祉士受け入れを大枠で合意しており、同省は今後、ほかのアジア諸国についても条件を詰めていく考え。

●年金見込額通知 50歳以上全員と35、45歳 来年度から(9月10日 産経)

社会保険庁は9日、年金の信頼回復策の一環として、厚生、国民両年金加入者への年金見込額の通知サービスを平成19年度から拡充する検討に入った。現在は50歳以上の希望者に限って照会に応じているが、これを希望の有無にかかわらず50歳以上全員に通知するほか、35歳と45歳も対象に加える考え。社保庁は20年度に「ポイント制」による本格的な通知システムを導入する予定だが、保険料不正免除問題で年金不信が強まったため、早急にサービス向上を図る必要があると判断した。

年金を将来いくら受け取れるかの見込額については、人生設計に深く関係することから、国民の関心が強い。

社保庁は現在、年金受給年齢が近づいた50歳以上の希望者に限って照会に応じている。拡充案では、本人が社保庁に照会を申し込まなくても、50歳以上の加入者全員に年金見込額を通知する。また、年金加入状況の通知を行う予定にしていた35歳と、さらに45歳にも見込額を通知する案を軸に調整を進めている。

社保庁では、保険料の納付実績を点数化して見込額を一目で分かるようにするポイント制の導入を決め、20年4月からの実施に向けて準備を進めている。拡充案ではポイント制の前倒しも浮上したが、コンピューターシステムの修正費用が多額で、時間的な余裕もないことから、50歳以上に行っている照会サービスを充実させることになった。

19年度中の実施を検討することになったのは、保険料不正免除問題で国民の年金不信を改めて招いたためだ。国民に年金見込額や年金加入記録を示すことで、信頼を少しでも回復させたいとの狙いがある。ただ、実現には予算が必要となるため、社保庁は「最終的には次期政権の判断」(幹部)としている。

●病状に応じて定額に 75歳以上の患者負担(9月10日 共同通信)

2008年4月導入の75歳以上を対象とした新高齢者医療制度で厚生労働省は9日、医師らに支払う診療報酬について、病気の種類や治療方法ごとに額を定める「包括払い」制度を導入する方針を固めた。これに伴い、患者の医療費の自己負担も各自の病状に応じて定額となる。

検査や診療を重ねるたびに報酬が増える現行の出来高払い制度は、医療費の無駄遣いを招きやすいとされており、高齢化が一段と進む中、包括払い導入で増え続ける高齢者医療費を抑制し、併せて患者負担の軽減を図る狙い。

早ければ来月にも社会保障審議会に特別部会を設け、専門家らによる議論を始めたい考え。ただ医師の収入も抑制されることになるため、日本医師会などの反対が予想され、結論が出るまでには曲折も予想される。

●北都銀、契約社員の正行員登用を制度化(9月9日 日経)

北都銀行は契約行員のうち一定の資格を持った希望者を正行員に登用する「キャリアアップ制度」を導入する。結婚や出産を機に退職した行員を契約行員として再雇用する「リ・キャリア制度」も取り入れる。意欲、能力のある人材を幅広く確保し、戦力向上につなげる考えだ。

現在、同行では本支店に370人の契約行員がおり、窓口などで勤務している。正行員登用は契約行員として1年以上勤務し、証券外務員試験と生命保険、損害保険の募集員の資格を持つか、近く取得する見込みであることが条件だ。

希望者を支店長などが推薦し、人事総務部が面接して決める。11月に今年度分を募集する。

再雇用するのは原則、退職後10年以内で、結婚、出産、育児、介護などの事情で円満退職した元行員が対象。随時、受け付ける。契約行員として受け入れるが、キャリアアップ制度を使って再び正行員になることも可能だ。

●ベルギー・フランスとの社会保障協定を発表(9月8日 社会保険庁)

社会保険庁は8日、ベルギー・フランスとの社会保障協定(平成17年2月署名)の概要を発表しました。

各国との社会保障協定は、平成12年2月に発効されたドイツを始めとし、イギリス・韓国・アメリカの4カ国との発効が進められてきました。いずれの協定についても基本的な考え方は、日本の事業所からの派遣期間を5年で長期・短期に区切り、5年を超える長期派遣の場合は派遣国の社会保険制度に加入することになっています。

今回のベルギー・フランスとの社会保障協定では、年金制度・医療保険制度のみならず、労災保険制度まで(ベルギーとは労災保険制度のみならず雇用保険制度も)二重加入防止の対象となっています。

今後、各当事国で国会承認手続きや必要な法律整備等を行い、さらに社会保障協定を実施するための事務処理方法等についての当事国間での取決めを経て、準備が整い次第、協定が発効になります。

社会保険庁HP 社会保険制度 社会保険協定
⇒ http://www.sia.go.jp/seido/kyotei/index.htm

●セクハラ相談漏らされ苦痛 名城大に80万支払い命令(9月8日 共同通信)

名城大学(名古屋市)在学中に教員から受けたセクハラ(性的嫌がらせ)の内容を相談員に漏らされ精神的苦痛を受けたとして、愛知県の男性会社員が大学に500万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁の満田明彦裁判長は8日、請求を棄却した一審判決を変更し80万円の支払いを命じた。

判決理由で満田裁判長は「相談員が男性の同意を得ずに内容を上司に伝えたのは守秘義務違反」と指摘した。

判決によると、男性は2001年12月、教員や先輩の学生から性的プライバシーについてからかわれたため、 02年1月、非常勤の相談員に相談。相談員は無断で上司に漏らした。

一審名古屋地裁は昨年12月、請求を棄却した。

●「改正高年齢者雇用安定法に関する企業の対応調査」(9月8日 帝国データバンク)

2006年4月、高年齢者の雇用確保・年金空白期間の解消を目的とした「改正高年齢者雇用安定法」が施行された。企業では、2007年問題(団塊世代の大量退職)への懸念もあって高年齢者の雇用確保へ向けた取り組みが開始されている。そこで帝国データバンクでは、改正高年齢者雇用安定法に関する企業の対応状況について調査を実施した。

1.約7割が「継続雇用制度」を導入、いまだ「未対応」も1割
2.雇用が延長される従業員の割合、「希望者全員」が最多の42.7%を占める
3.雇用延長後の給与水準、60歳定年時の「6〜7割」が43.9%

詳細は 帝国データバンク TDB Watching
⇒ http://www.tdb.co.jp/watching/press/keiki_w0608_2.html
  
●「求人フリーペーパー利用実態調査」発表(9月8日 インテリジェンス)

インテリジェンス(東京都千代田区)は、「求人フリーペーパー利用実態調査」を発表しました。今回の調査では、様々な分野で生活の中に浸透してきたフリーペーパーに注目し、求人フリーペーパーの利用実態や選択理由について調査しました。

調査によると、普段利用している仕事情報メディアについて、「求人フリーペーパー」と回答した人は65.9%で最も多く、求職者の間で最も利用されている求人媒体であることがわかりました。求人フリーペーパーは駅やコンビニなど、身近な場所に置いてあるため、無料で気軽に仕事を探す事ができるツールとして、求職者に受け入れられていることがわかります。 また、求人フリーペーパーに掲載されている求人情報に、利用者の7割が問い合わせや応募をした経験があると答えており、無料で身近なだけではなく、有用性のある媒体として求職者の支持を得ていることがうかがえます。

財団法人全国求人情報協会の調べによると、7月の求人情報掲載件数は、有料求人情報誌が14万6,752件で前年同月比−22.8%と減少する一方、求人フリーペーパーは28万2,782件(同+26.0%)、求人サイトも14万9,214件(同+37.3%)と著しい成長を見せており、情報の無料化が進んでいることがわかる結果となっています。

株式会社インテリジェンス ニュースリリース HRレポート
⇒ http://www.inte.co.jp/corporate/news/archive_enhr.html

●年金積み立て不足7割減・企業年金、2006年3月期末(9月8日 日経)

不足が常態化してきた企業年金の積み立て状況が改善している。3月期決算の上場企業について集計したところ、2006年3月期末の年金積み立て不足額は2兆7300億円と1年前より7割減少した。各社が年金制度の改革に取り組んだほか、国内株などの運用成績が好調だったためだ。積み立て超過会社は550社と3倍になり、企業年金が経営の足かせから利益の下支え要因へと転じるケースも出そうだ。

集計対象は06年3月期に年金積み立て状況を開示した1433社のうち、4年連続してデータの取れる1414社。03年3月期には23兆6000億円あった積み立て不足額は3年間で10分の1に減少した。

●司法書士派遣、見送りへ 政府、特区提案で(9月8日 共同通信)

司法書士の派遣を解禁する規制改革特区提案の政府決定が当面見送られる方向となった。7日の自民党の内閣部会で反対が続出し承認されなかったため。

司法書士の派遣業務はこれまで実現しなかった特区提案の一つ。政府の規制改革特区に関する有識者会議が、登記と供託業務に限定して実現を目指していた。

一方、この日の内閣部会では、税理士や社会保険労務士の派遣などの特区提案5項目の復活を承認。6月の集中受付月間に応募された新たな特区提案などのうち、24件も承認した。

教育委員会の一部の事務権限の首長への移譲などは4件を特区として、「医師派遣用乗用車(ドクターカー)」の緊急自動車指定への追加など20件は全国で実施する。

●解雇無効と賃金支払い命令(9月7日 共同通信)

大阪市淀川区の金属加工会社「関西金属工業」の従業員ら10人が理由なく解雇されたとして、同社に地位確認と未払い賃金の支払いを求めた訴訟の判決で、大阪地裁は6日、定年を迎えた一人を除く9人の地位を認め、賃金の支払いを命じた。

会社側は、労働契約をいったん解除、新たな条件で再雇用を募集する「変更解約告知」に10人が応じないため解雇したと主張したが、山田陽三裁判長は「全員が応募しても6人は採用しないとの計画で、実際は整理解雇と同じ」と指摘。

「人件費を削減する必要はあったが、10人を削減する必要性は立証されていない」とし、解雇は無効と結論づけた。

判決によると、同社は 2004年3月、従業員に変更解約告知などを申し入れたが10人は応募せず、5月に解雇された。

関西金属工業は「判決文を読んでいないのでコメントできない」としている。

●アイシン精機、外国人期間従業員も正社員に登用(9月6日 日経)

アイシン精機は5日、2006年度から外国人期間従業員の正社員登用を始めたことを明らかにした。トヨタ自動車の生産拡大などを背景に、慢性的な労働力不足が続く自動車部品メーカー各社は近年、期間従業員の正社員登用を積極的に進めている。アイシンは登用の対象を外国人にも広げ、安定的に労働力を確保する狙いだ。

アイシンは01年度に日本人の期間従業員を対象とした正社員登用制度を導入。05年度までに約400人の期間従業員が正社員に登用された。今年度からは対象を新たに日系人を中心とした外国人にも拡大。すでに6人の外国人を正社員に登用したという。

●JR東系列ホテルで残業代未払い5億円超(9月6日 朝日)

JR東日本の子会社で東京・池袋のホテルメトロポリタンなどを経営する日本ホテル(本社・東京都豊島区、大川博士社長)で、残業代計5億2000万円が未払いになっていることが分かった。退職者を含むグループ9社の従業員約1000人の過去2年分の超過勤務手当で、従業員の「サービス残業」が常態化していたのが原因とみられるという。同社は、全額を従業員に支払う方針だが、従業員からは「上司からサービス残業を求められた」という声もあがっている。

同社によると、今年5月、従業員から残業代が支払われていないとの指摘があり、調査したところ、タイムカードと実際に支払われた手当に大幅な差があることが分かった。

同社の残業代は、(1)残業した従業員が管理職に申告した場合(2)管理職が従業員に残業を命じた場合―に支給される。今回の未払いについて同社は、(1)の申告を、実際の残業より少なめにする「サービス残業」が行われていたため起きたと説明している。

同社は、労働基準法で定められた賃金請求権の時効になっていない04年7月から今年6月までの2年分を計算し直し、1人平均50万円程度の超過勤務手当を9月の給料に合わせて支払う。従業員には6月に説明会を開き報告。7月からは申告とタイムカードを照らし合わせるなどして適正な支払いを行っているという。

同社系列の都内のホテル従業員によると、上司から「うちは残業がつかない会社」と言われ、いったんタイムカードを押してから残業するよう命じられたという。夜勤から翌日の夕方まで働いたのに残業代が支払われなかったフロントマンもいたという。別の従業員も「20年で一度もまともに残業代をもらっていない」と話す。

大川社長は「誠に遺憾。今後は法令順守を徹底し、勤務実態に即した適正な超過勤務手当を支払っていくことといたします」とのコメントを出した。

●「人材需給逼迫時代における小売業のパート人材活用戦略」(9月5日 野村総研)

パート人材の需給は逼迫している。短期的には足元の景気回復、団塊の世代が退職する「2007年問題」、そして中期的には人口減、高齢化があり、長期にわたる「人材売り手市場」を迎えた。今後は、パート人材の調達いかんで企業の成長が制約され、人材の生産性の優劣が競争力を左右する。

野村総合研究所 NRIオピニオン 知的資産創造  Industry FOCUS
http://www.nri.co.jp/opinion/chitekishisan/index.html 

●保母退職後の自殺、労災に認定 東京地裁(9月5日 読売)

兵庫県加古川市内の無認可保育所の保母だった岡村牧子さん(当時21歳)が退職から約1か月後に自殺したのは、過労によるうつ症状が原因だとして、神戸市に住む父の昭さん(70)が、国を相手取り、労災認定を求めた行政訴訟の判決が4日、東京地裁であった。

難波孝一裁判長は、「過重な業務の結果、精神障害を発症し、その状態のまま自殺に至った」として、業務と自殺の因果関係を認め、労災と認めなかった1996年の加古川労働基準監督署の処分取り消しを言い渡した。厚生労働省によると、過労で退職した後の自殺が労災と認められたケースは「これまで聞いたことがない」という。

判決によると、牧子さんは保母資格を得た直後の93年1月から同保育所に勤務していたが、同僚の保母が一斉退職するため同4月から新人保母5人をまとめる主任になることが決まり、心身の疲労からうつ状態となって緊急入院。同3月末に退職し、同4月下旬、両親の留守中に自宅で首をつって自殺した。

両親は加古川労基署に労災を申請し、保育所にも損害賠償を求めて提訴。損害賠償訴訟は98年に大阪高裁が自殺と業務の因果関係を認め2000年に確定したが、労災は認められず、労働保険審査会の再審査も棄却されたため、昭さんが行政訴訟を起こしていた。

加古川労基署を管轄する兵庫労働局労災補償課は、「判決文を十分検討し、控訴するか否かを含め対応していきたい」としている。

●新興企業、入社前研修に知恵(9月5日 日経)

新興企業が来春の新卒採用内定者の引き留めに知恵を絞り始めた。内定者が共同参加する研修などを実施することで、組織への帰属意識を高める。知名度や経営規模で劣る新興企業は内定者の引き留めで不利なケースが多い。引き留めに多額のコストをかける余裕もないため、研修会を工夫するなどのアイデアで大手との人材の奪い合いの影響を最小限にとどめる。

半導体製造請負の日本エイムは3カ月に1回程度、内定者が共同でビジネスゲームに取り組む懇親会を開く。小さい組織ならではの一体感を体験させて入社への意欲を高めてもらう。

●日本綜合地所、男性社員に最大2週間の育児休暇(9月5日 日経)

マンション中堅の日本綜合地所は男性社員に最大2週間の育児休暇を義務付ける制度を10月1日から導入する。少子化対策に積極的な企業というイメージを高める。

既存の子育て関連の特別休暇とは別枠で5日間の「育児休業期間」を設ける。配偶者の出産時に有給で取得を義務付けている5日間の「配偶者出産特別休暇」と組み合わせると、土日を含めて14日連続で休みをとることができる。社員に対し休業期間終了後のリポート提出を求める。

●ブラザー、短時間勤務制度の適用軌間を延長・育児は小3まで拡大
 (9月5日 日経産業)


ブラザー工業(名古屋)は従業員が育児や介護のために利用する短時間勤務制度の適用期間を延長した。育児に関してはこれまで小学校入学までだった適用期間を小学校3年生にまで拡大したほか、介護に関してはこれまで休職と短時間勤務をそれぞれ1年間ずつ利用できた制度を合計3年間に延長した。勤務制度の見直しで社員の仕事と家庭の両立を支援する。

新たな制度は9月1日に導入した。育児のために2時間の短縮が認められる短時間勤務はこれまで一度利用すると、再び利用申請することはできなかったが、今後は一度に限り再度利用申請することもできる。高齢化など社員の家族構成の変化のほか、幼児期に加えて小学校低学年の子供を持つ社員の育児負担が重いとする意見が多数あったため、期間を延長して制度を見直した。

ブラザーの社員数は2005年度、約2800人。育児の短時間勤務制度を利用した社員は14人で、介護は1人だった。同社によると、子供の就学後も短時間勤務を認める企業は全国的に見ても、まだ事例があまり多くないという。

●偽装請負の一掃に向け監督指導を強化 厚生労働省が各都道府県労働局に通達
 (9月5日 厚労省)


厚生労働省は9月4日、偽装請負の一掃に向け、職業安定行政と労働基準行政が計画的に共同監督を実施するなど、監督指導を強化する方針を決め、都道府県労働局に通達した。

「偽装請負」とは、表面上は業務を請け負う形で契約を結んでいるものの、発注者が請負業者の労働者に業務の指示を行い、実態としては派遣労働に該当するもの。偽装請負は、派遣法、職業安定法に違反している行為であるほか、労働基準法や労働安全衛生法上の使用者(事業者)責任の所在があいまいになり、労働者の安全衛生・労働条件確保上の問題が指摘されている。

こうしたことから同省では、職業安定行政と労働基準行政が一体となって、偽装請負の防止・解消を目的とした監督指導の強化に乗り出すこととした。今回の通達では、当面の取組みとして、広報、集団指導の実施など周知啓発の強化、職業安定行政と労働基準行政間の情報共有の徹底及び計画的な共同監督の実施、 労働安全衛生法等違反を原因とする災害発生事業場に対する厳正な司法処分、職業安定行政及び労働基準行政それぞれにおける監督指導の強化-を掲げている。

その中で、周知啓発の強化として、全国でブロックごとに集団指導を積極的に実施し、請負事業主、発注者に対する労働関係法令の遵守のキャンペーンを大々的に行う。

また、労働安全衛生法違反を原因とする死亡災害など重大な労働災害を発生させた事業場に、偽装請負の就労実態が認められた場合には、業務停止命令などの司法処分を厳正に行う。

さらに、そうした法違反と請負事業主による派遣法違反との間に関連が認められる場合には、派遣法に基づく告発、行政処分(事業の許可取消しなど)を行うとしている。

厚生労働省HP 偽装請負に対する当面の取組について
⇒ http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/09/h0904-2.html

●トヨタ下請け23社、ベトナム人を低賃金で不正雇用(9月4日 朝日)

トヨタ自動車(愛知県豊田市)の下請け企業23社が、外国人技能実習生のベトナム人約200人を、法定の最低賃金に満たない低賃金で不正に雇用したり、割り増しして払うべき賃金を大幅に下回る時間給で残業をさせたりしていたことが分かった。豊田労働基準監督署は23社と、そのうち22社で実習生の「受け皿」としてつくった事業協同組合に是正勧告などをし、各社は8月末までに過去2年分、総額約5千万円の未払い分を払った。

関係者によると、23社はトヨタ自動車の二次、三次下請けの自動車シート部品やアルミ部品製造会社などで、従業員50〜150人の中小企業。企業側は01年からベトナム人の受け入れを始めた。

外国人研修・技能実習制度では、研修生の1年目は生活実費として研修手当が支払われ、その後2年間は実習生として最低賃金が適用され、残業もできる。

23社は業種や就労実態に関係なく実習生の1カ月の賃金を12万2000〜12万4000円程度にそろえていた。就労実態から時給を計算すると700円前後で、約半数の企業が愛知県の地域別最低賃金(688円)や産業別最低賃金(輸送用機械器具製造業は807円)を下回っていたという。

最低賃金を上回った企業も含めすべての企業が時間外労働の時給を450円とし、25%増しとなるはずの時給を大幅に下回っていた。

●審査請求で石綿被害を認定 労基署の決定取り消し(9月4日 共同通信)

静岡県富士市の日本食品化工富士工場に勤務し、2002年に中皮腫で死亡した同市内の男性(当時55)について、アスベスト(石綿)被害との関連を認めなかった富士労働基準監督署の決定が、遺族の不服申し立て(審査請求)で取り消され、労災認定されていたことが4日分かった。

静岡アスベスト被害救済弁護団の大橋昭夫弁護士は「労基署が調査不足だった。審査請求で決定が覆るのは珍しく、他の被害者にとっても意義がある」と話している。

弁護団によると、男性は1968年から01年末まで、同工場で保温材やパッキングに石綿が含まれていた機械の保守作業などに従事したが、01年7月ごろから体調を壊し、1年後に「悪性胸膜中皮腫」で死亡した。

遺族の労災申請に対し、富士労基署は今年3月、「パッキングは湿っていて石綿は飛散していなかった」などとして遺族補償給付の不支給を決定。しかし、遺族からの不服申し立てに対し、静岡労働者災害補償保険審査官が8月2日、労基署の処分の取り消しを決定。労基署は男性を労災認定した。

●育児支援進めた中小企業に助成拡大 厚労省方針(9月4日 朝日)

少子化対策が遅れている中小企業に対して厚生労働省は、育児休業など、仕事と家庭の両立支援制度を利用しやすくするための新たな助成制度をつくる。来年度予算の概算要求に1億5000万円を盛り込んだ。

現在、厚労省は両立支援の取り組みを進める企業に対して育児休業中の代替要員確保やベビーシッター費用補助などの助成金を出している。しかし、05年度の女性の育休取得率は事業所の規模が小さいほど低くなっており、500人以上では87.3%だが、100〜499人は79%、30〜99人は76.9%。5〜29人では58.5%にとどまっている。

新しい助成制度の対象は、常勤の労働者が300人以下の中小企業でかつ常勤の20代・30代が50人以上が条件。内容は、仕事と家庭の両立の意識改革を重視して(1)企業トップの方針の明確化と内外への発信(2)管理職研修(3)従業員周知、を必須とする。このほか、育休を取りやすい職場風土を作るために従業員の勤務態勢や仕事の進め方の見直しなどを行う。従業員の意識改革に力を入れた両立支援の助成は初めて。

取り組み1年後に厚労省の定めた「男性の育休取得者はどれくらいいるか」といった61項目の「両立指標」で検証する。成果があれば50万円、2年目にさらに成果があがれば50万円を支給。女性の育休取得者が80%以上で両立指標の点数が基準を超えると50万円を加算する。

次世代育成支援対策推進法では、301人以上の企業に両立支援の行動計画策定を義務づけているが、300人以下の企業は努力義務にとどまっている。同省では「この新たな助成制度の取り組みを進めれば事実上、行動計画を策定するのと同じような効果がある」(職業家庭両立課)としている。

●65歳以上の生活保護者に自宅担保で融資・厚労省検討(9月4日 日経)

厚生労働省は、持ち家に住む65歳以上の生活保護対象者を対象に、自宅を担保にして生活資金を貸し付ける新制度を来年度にも導入する。同制度の利用を生活保護の給付に優先させる方針で、土地・建物の評価額が500万円以上の世帯に適用する方向で検討している。社会保障費の伸びを抑えると同時に、支給要件を巡る国民の不公平感を取り除く狙いがある。

新制度は「リバースモーゲージ」と呼ばれる手法を活用、借り手が死亡した後、担保の土地・建物を売却するなどして一括返済する仕組みのため生前には返済負担がない。具体的には、住居用不動産の評価額の70%程度を上限に、生活保護費(6万〜7万円程度)に医療費を上乗せした額と同水準を毎月貸し付ける。金利は大企業向け融資の指標となる長期プライムレート(最優遇貸出金利)並みに抑える。

●厚年基金解散、特例利用は5件 05年度(9月4日 日経)

財政難の厚生年金基金が積み立て不足のままでも解散できる「特例解散制度」を利用した厚年基金が、制度初年度となる2005年度にわずか5件にとどまったことがわかった。

特例解散は、法律で定めた解散に必要な水準の積立金を持たない厚年基金に対し、不足分を分割返上することなどを条件に解散を認める制度。経営悪化で母体企業が不足分を補てんできない場合などに適用される。

厚生労働省は、財政難の基金を中心に利用が多くなるとみていたが、景気の回復・株価の上昇などにより、財政状況が改善して特例制度を利用する必要がなくなった基金が増加したとみられる。

●外国人実習生の受け入れ企業、指導強化へ 厚労省(9月3日 朝日)

各地で雇用主側の不正行為や賃金トラブルが相次いでいる外国人研修生と技能実習生について、厚生労働省は、受け入れ企業の指導を強化することを決めた。制度を運営する財団法人が実施している巡回を、現在の年間6000カ所を来年度から7300カ所に増やし、研修・実習先の半数をカバーする。

同省によると、全国の1万4000〜1万5000企業に約10万人の研修生と実習生がいるという。受け入れ先企業の過半数は、従業員19人以下の小規模な企業(04年度)。残業などの不正行為は05年で180件に上っている。

このため、同省では、巡回指導や研修などのために、07年度の予算要求に約4億円を盛り込んだ。財団法人「国際研修協力機構」の全国17カ所の地方事務所の駐在員が、受け入れ企業を回り、不法行為のチェックなどを行う。

●厚生年金記録、ミス続々 訂正、年に25万件(9月3日 朝日)

厚生年金の支給額算出のもとになる会社員の年金記録に多数の間違いがあり、年間の訂正件数は支給額に影響するものだけで25万〜30万件にのぼることが、記録を管理する社会保険庁の調べでわかった。原因は会社側が提出したデータ自体の誤りか、社保庁側の入力ミス。大半は訂正されなければ年金額が減ったケースとみられ、気づかずに誤ったままの記録も多いとの指摘もある。社保庁は記録に不安を持つ人からの相談を積極的に受け付けている。

会社員が将来受け取る厚生年金の額は、現役時代の給料と加入期間をもとに決まり、その記録は会社側が社保庁に届け出ている。記録の間違いは氏名や性別など単純なものも含めて多数あるが、社保庁は今回、00〜05年度の記録のうち、加入した日付を示す「資格取得」と、月給をもとに決める「標準報酬月額」の訂正件数を初めてまとめた。いずれも支給額に直接影響する項目だ。

訂正は例年、資格取得が20万件ほどで報酬月額は8万件前後。最も多かったのは02年度で資格取得22万3000件、報酬月額8万4000件の計30万7000件。05年度はやや減って資格取得19万4000件、報酬月額6万2000件の計25万6000件だった。

資格取得は、入社した社員について会社が届け出なければならないほか、転勤でも手続きが必要な場合がある。報酬月額は、大幅な月給の変動や転勤・転職がなければ、全社員分を年に1回提出する。

厚生年金に加入している会社員は約3300万人。資格取得は転勤や転職時の手続きのため、全体でも年に数百万件とみられる。報酬月額の記録は全体で年4000万〜5000万件とみられ、訂正の頻度は資格取得より低い。

社保庁は間違いの中身の分析まではしていないが、大手企業数社の人事担当者らによると、提出データの誤りや入力ミスで、加入期間に1カ月〜数年間の空白ができるような例が多いという。月給の記録が1ケタ違ったという事例もあった。空白期間があればその分年金額が減る。間違いは、会社が社員の保険料を納める時に社保庁側の算出額と食い違っているとわかったり、各地の社会保険事務所にいる社会保険調査官の調べで見つかったりすることが多い。自分の記録を確認した会社員が気づくケースもある。

社保庁年金保険課は「訂正は主に事業主の届け出に基づいて行っており、社保庁のミスだけではない。調査でわかったケースもあり、件数が多いから問題とはいえない」と説明している。

社会保険労務士の井原誠さんは「中小企業を中心に、保険料負担を減らそうと試用期間中は厚生年金に入れなかったり、給料を低く報告したりする会社もある。社保庁の調査にも限界がある。今回わかったのは氷山の一角で、ミスはもっとたくさんあるはずだ。心配な人は自分で確認したほうがいい」と指摘する。

社保庁は現在、社会保険事務所に専門窓口を設けるなど、記録訂正の相談を強化している。

●請負労働者59人を直接雇用 「偽装請負」で徳島の会社(9月2日 共同通信)

徳島県藍住町の自動車部品メーカー「光洋シーリングテクノ」は1日、製造工程を委託した請負会社の労働者約200人のうち59人を直接雇用すると明らかにした。請負労働者が加盟する労働組合が、実態は派遣労働者と同じ「偽装請負」だとして直接雇用を求めていた。

対象は、経験年数が長い30人と徳島労働局が是正を指導した29人で、6カ月の期間契約。光洋はその後、正社員登用を検討する。ほかに一時的な業務の29人を派遣契約に切り替える。

労組副委員長の仲村早途さん(34)は会見し、「使い捨ての企業姿勢は腹立たしい。今後も闘っていかなければならない」と述べた。

労組は昨年12月に労働局に指導を求め、光洋は8月、直接雇用の方針を示していた。会社側は「労働局の指導があり、経営リスクを抱えた上で決断した」と話した。

●「中小企業における労使関係と労働条件決定システムの実態」
 (9月2日 労政機構)


大企業に比べて中小企業の労使関係や労働条件決定システムに関する調査は少なく、その実態は必ずしも明らかになっていません。

本調査研究では、従業員300人未満規模の企業について、(1)労働条件を決定・変更する際、労使で意思の疎通は行われているのか、(2)労使の意思疎通が行われている場合、具体的にはどのようにしているのか、(3)また、労働組合が結成されている企業とそうでない企業とでは、どのような違いがあるのか、を把握するため、中小企業家同友会に加入している9社などを対象にヒアリング調査を実施した結果をとりまとめたものです。

独立行政法人 労働政策研究・研修機構 研究成果 資料シリーズNo.16(2006.9)
⇒ http://www.jil.go.jp/institute/chosa/2006/06-016.htm

●「ビラ配布」による懲戒処分のみ救済/日本交通事件で初審命令変更
 (9月1日 中労委)


組合役員選挙でのビラの配布や客への言動を理由に懲戒処分を受けたり、定年延長時にハイヤー乗務員からバス営業所への配属を命じられたことなどが不労働行為だとして、組合員から救済の申立てがあった事件で、中央労働委員会は1日、初審命令を変更する命令書を公布した。ビラの配付をめぐる懲戒処分は初審命令と同様の救済を命じたが、その他の行為は「不利益取り扱いに当たるとはいえない」として、申立てを棄却している。

日本交通 不当労働行為再審査事件 命令書交付について
⇒ http://www.mhlw.go.jp/churoi/houdou/futou/shiryo-01-202.html

●長時間労働者への医師による面接指導制度 企業向け相談窓口設置
 (9月1日 日商)


日本商工会議所は1日、長時間労働者への医師による面接指導制度に関する企業からの相談窓口を設けた。この制度は今年4月1日施行の改正労働安全衛生法で企業に義務付けられもの。

従業員50人未満規模の事業所への適用は、08年4月からとなっている。

日本商工会議所 日商ニュース
⇒ http://www.jcci.or.jp/cgi-news/jcci/news.pl?1+20060830163839

●ダイヤモンドリース、育児休業拡大 最長2年6カ月(9月1日 日経産業)

リース大手のダイヤモンドリースは10月から育児休業制度を拡大する。現在は原則1年間の育児休業期間を2年間に延長する。出産予定日の6カ月前から休業できる新制度も導入する。妊娠中の女性社員らを対象にした勤務時間の短縮も認める。出産・育児を理由とする離職者を減らし、女性社員の活躍の機会を広げる。

育児休業期間は子どもが満1歳(一定の理由があれば1歳6カ月)になるまでだが、満2歳までに延長する。新たに導入する6カ月の「産前特別休業」と合わせると、女性社員は出産前後で最長2年6カ月間休業できる。妻が出産する男性社員にも最大2日間の休暇を認める。

●ばらばらの事務処理、ようやく全国統一へ 社保庁(9月1日 読売)

社会保険庁は31日、都道府県ごとにばらばらだった社会保険事務所の事務処理方法や申請書類の様式などを、同庁が作成した業務処理マニュアルに基づき、10月から全国で統一すると発表した。

各事務所が独断で行動することを防ぐとともに、不正やミスの点検をしやすくするのが狙いで、同庁では、国民年金保険料の不正免除などの不正の防止に役立つと期待している。

保険料の不正免除問題では、年金加入者の収入が少ない場合などに認められる保険料免除の手続きで、加入者が記入する申請書類を職員が代筆するなどの不正処理が多数見つかり、都道府県で異なる事務処理も不正の温床の一つと指摘された。

このほか、約200種類の申請書類の様式や添付書類の種類なども統一すると定めた。利用者にとっても、企業や社会保険労務士らが都道府県をまたいで申請する際などには、利便性が向上することになる。

社会保険庁HP 「健康保険・厚生年金保険適用及び健康保険給付に係る主な添付書類について」
⇒ http://www.sia.go.jp/topics/2006/n0915.html

●生活保護の拒否66%は「違法」 日弁連調査(9月1日 朝日)

失業や病気で生活できなくなった人を支える生活保護制度について、日本弁護士連合会(日弁連)が電話相談を実施したところ、自治体窓口で保護の申し出を拒否されたうち、66%が自治体の対応に生活保護法違反の可能性があることがわかった。保護申請書を渡さないケースがほとんどで、病気で生命の危険があったのに働くよう求めたり、生活が苦しい親族に援助してもらうよう説得したりしたケースもあった。日弁連では、保護費を抑えようとして申請をさせない「水際作戦」が広がっているとみている。

電話相談は今年6〜8月、全国42都道府県で初めて実施し、計634件の相談が寄せられた。このうち保護を断られた180件について検証したところ、118件は自治体が違法な対応をしている可能性があった。

生活保護法では、自治体は申請を必ず受理し、保護に該当するかどうかを審査しなければならず、申請自体を拒むことは違法とされる。拒否の理由で最も多かったのは、親族らから援助してもらうよう要求したケースで49件。このほか「『若いから働ける』と拒否」が41件、「持ち家の処分を求めた」16件、「借金を理由に拒否」11件。弁護士が「生命の危険がある」と判断したケースも7件あった。

相談を分析した小久保哲郎弁護士は「最低限の生活を保障するはずの生活保護制度が現場でゆがめられている実態が明らかになった。生活保護を受けさせまいとする水際作戦は、人権侵害につながっている恐れが大きい」としている。日弁連は、制度の適正な運用を国などに求める方針だ。

●週5日勤務に関するアルバイト、派遣・契約社員の意識調査
 (9月1日 インテリジェンス)


総合人材サービスのインテリジェンス(東京都千代田区)が運営するアルバイト情報検索サイト「OPPO」(オッポ http://oppo.jp )は、週5日勤務に関する意識調査結果を発表いたします。

< 調査結果詳細 >
週5日勤務に関する意識について、現在、仕事をしている大学生、フリーター、主婦、派遣社員、契約社員690人を対象に調査を実施しました。

調査の結果、条件次第だとする人が多く、大学生、フリーター、主婦ではその割合が半数以上、派遣社員、契約社員では3割以上を占めました。その条件として、大学生は「短・近・高」(勤務時間・通勤距離が短く、高時給)、フリーターは「プライベートの充実と良好な人間関係」、主婦は「家事や育児との兼ね合い」を重視。派遣社員や契約社員は給与や福利厚生などの「待遇面の充実」を挙げる人が多く、週5日勤務に対して高い条件を求める傾向が強い事が分かりました。

また、「週5日勤務はしたくない」と回答した人の理由には、「きつい」(大学生男性19歳)、「あまり働きたくない」(アルバイト・パート男性25歳)、「自分の時間を大切にしたい」(派遣社員女性34歳)、「体力的につらい」(契約社員女性33歳)など、働くことに対する意欲の低さがうかがえる回答が目立ちました。

景気回復により、有効求人倍率は2006年6月に1.08倍まで改善するなど、企業の採用意欲がますます高まる中、働く側の仕事に対する高い条件設定や労働意欲の低下により、企業の採用はさらに困難になる事が予想されます。

⇒インテリジェンス http://www.inte.co.jp/ 8/28ニュースリリースより抜粋

●非正社員は育児不利?企業の支援制度格差 内閣府調査(9月1日 読売)

内閣府は31日、企業が、仕事と育児の両立支援にどの程度取り組んでいるかを調べたアンケート結果をまとめた。

子どもの看護などのために休暇を取得できるとした企業は72・1%だったが、このうちパート社員など非正社員までも対象としている企業は48%にとどまるなど、正社員と非正社員での待遇格差が目立った。

調査は今年2、3月、全国の従業員数301人以上の企業5000社を対象に実施。1368社(有効回収率27・4%)が回答した。

なんらかの両立支援策を導入しているのは1114社。具体的な支援策の導入状況について、「出産祝いなど子への一時金を支給」している企業は61%だったが、非正社員までを対象としているのは24%しかなかった。短時間勤務も53・9%が導入しているが、非正社員も利用できるのは35・5%の企業だけだった。事業所内に託児所を設置しているのは7・5%だった。

●定期健診の胸部エックス線検査は40歳未満は5年ごとに(9月1日 労働調査会)

労働安全衛生法に基づく健康診断における胸部エックス線検査の実施に関し、対象労働者の範囲や頻度などについて検討していた厚生労働省の「労働安全衛生法における胸部エックス線検査等のあり方検討会」が報告書をとりまとめた。

それによれば、安衛法により実施を義務づける胸部エックス線検査は、一般定期健診では、雇入時のほかは40歳以上の者を対象とし、40歳未満の者については5歳ごとの節目に実施するなどとしている。

現行の安衛法では、労働者に対する健康診断の実施について、 雇入時、1年以内ごとに1回、特定業務への配置時及びその後6カ月以内ごとに1回、 6カ月以上の海外派遣時―などを事業者に義務づけている。そして、その検査項目の中にはいずれも胸部エックス線検査が含まれている。

報告では、現在、1年以内ごとに1回の実施が義務づけられている一般定期健康診断においては、40歳以上を対象とし、40歳未満は医師の判断により省略できる(有所見者等は省略不可)としている。ただし、雇入時健診の後、40歳になるまでは5歳ごと(20・25・30・35歳時)の節目健診を行うとしている。

また、雇入時健診、特定業務従事者の健診、海外派遣時の健診においては、現行通り行うとしている。このほか、じん肺法に基づくじん肺に関する胸部エックス線検査は、現行通り毎年実施するとしている。

そして、報告では一般定期健診での胸部エックス線検査の見直しの実施については、労働者の健康確保に対する不安が生じないように配慮する必要があること、また、見直し内容を裏付けるエビデンス(証拠)を今後さらに得る必要があることなどから、その点について調査・研究を行ったうえで、関係規則(労働安全衛生規則)を見直すよう指摘している。

●石綿救済費の事業主負担は賃金総額の1000分の0.05に
 (9月1日 労働調査会)


石綿(アスベスト)による健康被害の救済給付の財源について検討していた環境省の「石綿による健康被害の救済に係る事業主負担に関する検討会」が、検討結果をまとめた。それによれば、労災保険が適用される全事業場が対象となる拠出金は、その賃金総額の1000分0.05となる見込みとなっている。

今年3月に施行された「石綿による健康被害の救済に関する法律」では、被害者への救済給付に充てる費用については、事業主から徴収することになっている。徴収の方法は、石綿使用関連の事業主を対象とした「特別拠出金」と労災保険適用事業主(平成18年3月末現在で約263万事業場)を対象とした「一般拠出金」に分け、それぞれ徴収される。

検討会では、特別拠出金の対象事業主の要件及びその負担額の算定方法、一般拠出金の率(一般拠出金は、各事業主が従業員に支払う賃金の総額に一定の率を乗じた額とされる)について検討してきた。

それによれば、事業主負担の総額は年間73億8000万円と見込まれる。そして、特別拠出金を支払う事業主(特別事業主)の要件は、大気汚染防止法に基づく特定粉じん発生施設届出工場等の中で、 累計の石綿使用量が1万トン以上、所在地における中皮腫の死亡者が全国平均以上、石綿にさらされる業務による肺がん・中皮腫の労災認定件数(平成16年度まで)が10件以上−のすべてを満たす事業場の事業主とされている。

特別拠出金の負担額は、石綿の使用量分、指定疾病の発生状況分に按分され、総額3億3800万円(単年度分)を4社が負担する見込み。一方、一般拠出金は、残りの約70億円を労災保険が適用される全事業場が負担する。一般拠出金の率は、1000分の0.05となる見込み。

なお、事業主負担は平成19年度から徴収される。また、23年度以降の負担のあり方については、再検討されることになっている。